じぇいらふ

燃えあがる女性記者たちのじぇいらふのレビュー・感想・評価

燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)
4.8
インドのドキュメンタリーって初めて観ました。これはほんとに良かったです。日本のマスコミの問題が取り沙汰される(というか全然されてない)現状をみるに、、、なんなら日本人マスコミ関係全員観ろ!といいたくなる作品。ドキュメンタリーとしては今年ベストの1本👍👍👍👍✒️📱

📖インド北部のウッタル・プラデーシュ州で、被差別カーストとして差別を受けるダリトの女性たちが立ち上げた新聞社「カバル・ラハリヤ」。ミーティングでこれからペン✒️ではなく、スマホ📱を活用したSNSでの報道に振り切った方針にしていくとのこと。。。というおはなし

最初のミーティングが、地べたに車座に座っての女性記者達という、とてもローカルチックな風景に衝撃。もちろんインドの文化もあるんですが、今は大分近代化されてるところもあると思うので、この身近な近所の寄り合い感がまずよかった。ここでスマホの報道に振り切るという説明を心配しながら観る記者達。「使ったことがない。」「使い方が心配」等々、、、おおなんか大丈夫か😅??的なシーンの中に、「家族ではスマホが使わせてもらえない。」「電気が通ってないので充電が心配。」等々、インドならではの事情世情がかいま見える。。。しかしここから驚くべき彼女たちの仕事ぶりを目の当たりにすることになります。

映画のポスターにも出てた、主任記者のミーラを中心に記者としての仕事風景を見るのですが、想像以上に凄い。まずレイプ事件等凶悪犯罪が多発しているのに、その取材時の警察の全然不誠実な対応ぶりにびっくり。男性記者達の中で奮闘しつつ、あれこれベテラン男性記者に「君たちのやりかたよくないよ~」的な同調圧力とか、、、なんだか日本の記者クラブも多分こうなんだろうな~的な、日本だってまだまだ遅れているのに、家父長制が根強いインドはなおさら職場の男女差別は酷い感じ。

にもかかわらず、、、彼女達は凄い😆負けない。ガンガンかまわず行く行く。地方の政治家に対して聞きにくいこともガンガン聞きます。あからさまに嫌がる政治家軍団と女性記者達。彼女達が小柄で男どもがデカいのでその絵面の巨大なモノに立ち向かう感が、えげつないです。それだけでも応援したくなる。つか、日本より凄い。見た目ローカルでも、彼女達の話ている内容は誰もがとても問題意識が強くてレベル高い。

彼女達も仕事を離れて家庭に帰ると、インドの家庭の風景があり、仕事と家庭、若い記者なら結婚と仕事の選択等々、、、ここら辺日本と同じだなあと感じる。

彼女達のSNSでの報道は、1000→1万→100万→1億どんどん再生数を稼いでいって、たんなる地方誌の一つだったのが今では支部を作るまで発展していってるらしい。

記者達もインドでは殺されることが多いらしい。そういう過酷なところの方が、負けじとたくましい彼女達みたいになっていくんかしら?と思いつつ、今のインドのパワーを見た感じでした。

凄くいいので、学校で見せてもいいし、なんならテレビで放映しろとか思った。男女差別問題だけでなく、今の日本のマスコミでも通じるジャーナリストのあり方そのものを問う作品なので。