ブルームーン男爵

デューン 砂の惑星PART2のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.2
これはすごい!世界観が非常に緻密で面白い。映像の迫力も凄まじいし、そして何より音響が凄い。IMAXが大混雑だったので、空いていた新宿歌舞伎町の「109シネマズプレミアム」のScreenX(3面に投影するワイドビュー)で観たが、IMAXで観ればよかったと後悔。。

原作は1965年発売で古いのであまり知られていないが、「スターウォーズ」や「風の谷のナウシカ」などに影響を与えたといわれているサイエンスフィクションの傑作シリーズである(未読だけど笑)。原作は全6巻でそのほかにスピンオフ作品もある長大な物語である。本作は、1巻目の「砂の惑星」をパート1・2に分けて映画製作されてというわけだ。監督は次回作にも意欲を見せており、2巻目の「砂漠の救世主」も映画化の予定だそうだ。原作の3~6巻については映画化の予定はないそうだ。というのも3巻目はポールが登場しなくなり、物語内で少し時間が空くので、2巻目までを映画化するのがキリが良いということのようである。

前作は丹念に1場面1場面を描写しており、やや冗長だった感もあるが、本作は逆でいろんなことが起こりまくる。「こうなったんだろうな」という理解はできるものの、専門用語も多い中で、話がちょいちょいとぶので、一回見て全部を理解しようとするのは少々大変かもしれないが、別に細かいところは分からなくても、大迫力のシーンに興奮しっぱなしで飽きない。

イスラム教やアラブ文化からインスパイアされた設定も多いけど、「メシア(救世主)」の思想はユダヤ教等がベースかなぁとかいろいろ考えて観てたら脳がパンクしそうになった(それだけ描き込みが凄くて製作陣の気迫を感じる)。

ほんといろいろ起こるので、もう少しシーンを追加して180分でも良かった気もする(長過ぎるのは分かっているけど)。特に最後の戦闘とかもっと観たかったな(原作はもっとあっさりらしいけど)。それにしてもレイティング(年制制限)のために、こんだけ戦闘があるのに血がほぼ出ないのは違和感があるが、仕方がないか。

それにしても建物や衣装とかの近未来的なデザインがカッコいい。特にハルコンネン男爵側のシーンがスタイリッシュでダークでクールな感じがカッコいい。新キャラクターのフェイド=ラウサとか中二病心をくすぐります。

もう一度観たいシーンも多いし、この大迫力は、日本最大のIMAXスクリーンの「グランドシネマサンシャイン 池袋」で観なおしたいですな。