広島カップ

バードの広島カップのレビュー・感想・評価

バード(1988年製作の映画)
3.8
先日、初めて日本人の女性サクソフォン・カルテットのポップなコンサートを聴きに行ったのですが、なんとなく物足りなさを感じて帰って来てコレを借りに行きました。
同じ楽器なのだろうか?と感じる程の暗くて重い感覚。
サクソフォンに限らず楽器はやはり演奏者本人を投影した音色を奏でます。

彼が演奏する薄暗いクラブに代表されるほとんどのシーンが夜や曇った日中で、晴れて気持ちの良い場面が無いのが彼の心の中を象徴するかのよう。
若い頃からドラッグと酒に依存し精神病院に入退院を繰り返したりして、上手く行かない人生を送り34歳で夭逝したチャーリー・パーカー。

代名詞のインプロビゼーションにはもがき苦しむ彼の人生のそうした色合いを私は感じてしまいます。
大のジャズファンであるイーストウッドが彼への敬愛を込めて描いた作品ですが鑑賞後は気が晴れませんでした。
広島カップ

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