イベリー子豚

ウーマン・トーキング 私たちの選択のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

4.0
「【PLAN B】が仕掛ける」
「本当にずっと【ウーマン】達が」
「【トーキング】し続けるだけの」
「起承転結の【転】のみを描いた」
「【教育(倫理)】と【罪】と【信仰】をめぐる」
「2日間の『清洲会議』」
「エンタメ性を極力排除した『アンテベラム』」
「ジャニーズ事変2023」
「あらすじと予告の仕様に疑問」
「《共同体のことはみんなで決めるの》」
「《全員、同じ目に遭ってるのに
なんで自分だけ、つらそうにするの!?》」
「《私が犯人を捕まえたのに!》」
「《結婚すれば全てが変わる》」
「仕事前だったので【DDB】途中で退席……
気が重いっす……」




まず
「風変わりな語り部」や
「直接の現場(犯行中)」「犯人の容姿」を
一切、見せない文学的な演出。


ミステリー要素は皆無ですが
なんだか『ザリガニの鳴くところ』を
彷彿とさせますね。



過疎地や隔絶された辺境なのか。
巨大な宗教施設の一角なのか。


とにかく情報が開示されません。


出来事の流れを
「A→B→C→D→E→F」とすると
劇中で描かれるのは「D」と「E」のみ。

「B」「C」はなんとなく推察出来るけど
「村の成り立ち」「長老」についての「A」は
闇のまま。


あくまでも
「彼女たちが知ってる」「習ってきた」
「体験した」ことのみ。


そして
その「分からなさ」「知識不足」こそが
自分も「議会」に参加しているかのような
緊張感、臨場感を生み出しています。


一進一退、交わらない各々の主張。
正論と感情論。
楽観と悲観。

喧喧諤諤の話し合いは
不謹慎ですが『マネーの虎』を
思い出してしまいました。



どれを選んでも苦痛が待ち受ける
正解のない「3つの選択肢」。


『プロミシング・ヤング・ウーマン』や
『最後の決闘裁判』のような
「仕掛け」「カタルシス」とは無縁でしたが
「彼女たちが導き出した答え」は
なかなか、胸の奥にずっと残っていきそうです。





最後にひとつ、
本編が「時代の発覚」を
サプライズにしてる風なのに
あらすじ、予告で盛大にネタバレしています。

これは謎ですね。

主題は確かに「そこ」じゃないけど
あの音楽のインパクトが台無しじゃないかな。