フランスの著名な海洋探検家で地球科学者であるジャック＝イヴ・クストーの人生に迫ったドキュメンタリー映画。
「海の恋人」と呼ばれ20世紀で最もユニークな環境保護の代表者と言われた、クストーの生き様にただただ感銘を受けた。
またアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門に2度ノミネートされている方が監督を務めているため、ドキュメンタリー映画としての完成度もめちゃくちゃ高い作品だった。

静かなトーン完成度も高く、大変良かったです。

最近ディズニープラスにアップされていますがクストー自体は20年以上前に亡くなっているため、古い映像が多いドキュメンタリーです。

ルイ・マルが映画監督になる前に協力した「沈黙の世界」からの映像や、モノクロ映像も。
その時代にどうやって海中撮影をしたのか不思議ですが、スキューバの前のアクアラングや、水中カメラのハウジングも発明したクストーなので、アリなんでしょう。

海パンでシュノーケルして、水中でモリをうって魚をとったり、ダイナマイトを仕掛けて浮いた魚で調査したり、やりたい放題の無法者時代のクストーから、自然破壊に目覚めて環境保護の会議を開くようになるまでの変化が興味深かったです。

会議にはキューバからカストロも来てるし、財力はアラブの石油開発、アメリカのテレビシリーズから稼いでるし、ただ海に潜ってる赤い帽子の爺さんじゃなくて、かなりやり手です。
映画監督としての能力も高かったようだし、いろいろな才能に恵まれた人だったみたい。

海中の生物を楽しむドキュメンタリーと思って見たけど、クストーや家族の人生にスポットが当たっていて、それはそれで面白かったです。

しかし30年前？に、既に海の温度が上がって危ないって警鐘を鳴らされてたのに、レジ袋有料化くらいしか変わってない気がする。
怖いなあ…

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