ayさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

助けを求める声を聞いた時、あなたは立ち上がれるのか?
予想だにしない展開の数々と、現代人の他者への'無関心'さを露悪的に、シニカルな笑いとともに描いた本作は、確かに今観るべき知的で優れた作品かもしれな
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

監督は実写初監督らしい

緊張感の持たせ方がgood
アニメ映画出身だけあって、違和感のないカッティングの連続によって生まれるテンポ感は見事


利己と利他の物語
そして「泣ける」ゾンビ映画

ゾンビ
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トップ・ハット(1935年製作の映画)

4.0

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フレッド・アステアのダンスのテクニックが素晴らしいが、それに加えてコメディーとして純粋に面白い。

タップダンスはうるさい、という事を全力で利用した笑い
馬を引くアステア(コスプレ的な要素を感じる)が
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.9

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春休み映画納め

久々のゴダールだけど、自分で色々撮るようになると見方も変わってくる

批評家出身だけあって、'映画らしさ'を知り尽くしていて、あえてそれを外しているのがよく分かる

映画を様々な要素
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.2

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最初のシーンからゾクゾクしてしまう
コメディアンらしからぬ静謐な暴力描写に、当時の観客は度肝を抜かれたに違いない
後の作品に見られる無駄なカットや、もうそこで切っても良くない?と言ったところでカットを
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.7

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若さのエネルギー大爆発!!

ウルトラQ×デヴィド=リンチ×ソリッドなサウンド と言ったところか

ともすると、笑ってしまうような設定、展開、デザインながら、まさに銃弾の如きカットの嵐と、自由なカメラ
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浮雲(1955年製作の映画)

3.9

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成瀬巳喜男2本目

成瀬組の総力を集めての本作
力の入れ具合がハンパない 作品のスケールも大きい

まずは無駄のないセリフ回し ストレスのないカットつなぎ
そして東京の荒れた街並み 古き良き伊香保
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

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あえてほとんど情報を入れずに鑑賞

なんとなく、往年のミュージカル映画の復権を目指した作品なのかとイメージしていたし、最初にシネマスコープがどでかくアピールされた時は、「おお! ミュージカル映画が蘇る
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若者のすべて(1960年製作の映画)

3.8

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初下高井戸シネマ
初ルキノ=ヴィスコンティ

ネオレアリズモと言うことだが、既にこのイズムは後期に差し掛かっており、『無防備都市』や『自転車泥棒』のような、時代をそのまま切り取ったような生々しさはあま
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

引き算の映画

語られずとも伝わる苦悩や悲しみ
見た目が大きく変わっても彼の本質は変わらない
そして他者を受け入れるという事

昨今の無視できない排他的な情勢、ムーブメントの中で、この映画の描き出す
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男と女(1966年製作の映画)

4.3

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これは名作!

とにかく洒落てる、冒頭からイメージがパッチワークのようにつなげられ爆発する そして突然歌い出すヒロインの亡き夫(これがいい曲…) あれ気づいたら白黒になってるよ? あれ、レースが始まっ
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

恐るべき猜疑心と、暴力性、そして孤独

主人公は、栄光の果てに、全てを失う

確かに主人公はクソ野郎なのは間違いない しかし一方で決して倒れない不屈の男でもあった 最初にあげた彼のネガティヴな側面すら
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.8

非常に個人的な映画
どうやら幼少期、故郷へ帰りたいと言う強い思いが伝わってくる一方で、整然とストーリーを理解するのは難しい

しかし鑑賞後には静かで良質な余韻に浸っている

それはまさに全編を通じ
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

キリスト教について詳しいわけではないが、色々と考えてみる

ヨーロッパからはるか彼方の異国だった日本に、恐ろしいほどに「真の」キリスト教徒がいた それもたくさんの
確かに、彼らの教義の理解は正確ではな
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.7

2017年映画始め

とにかく脚本が凄い 主要なキャラクターの数は少なくない上に、それぞれに強い個性を与えており、ストーリーがとっ散らかる危険があるのだが、他のキャラクターに比べてやや個性に欠ける母親
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

エピソードⅣ〜Ⅵを予習した上で鑑賞
2016年の映画館納め

高評価から少し期待して観たものの、その期待を大きく上回る出来

最初の方は、ドキュメンタリーライクな手持ちの、緊張感を煽るようなカメラワー
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

大切な思い出は心の奥底にあって、普段は忘れらてしまう 嫌なことばかりが心に残ってしまいがちだ
この作品は、記憶の消去をきっかけに、逆に大切な思い出に向き合い、再確認するという構造になっており、脚本の妙
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めまい(1958年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

午前10時の映画祭にて

これぞ映画!といった感じである
正直ストーリーは、トリックや悲劇を成立させるためにあまりにも偶然に頼りすぎている気がするので、完璧なものだとは言い難いけれど、最後まで飽きさせ
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鬼婆(1964年製作の映画)

3.8

映画論の講義で一瞬紹介され、気になったので鑑賞
とにかくカメラマンが優秀なのか?絵がくっきりはっきりとしている
カットの一つ一つが印象的
そして、大量のススキのうねり スロモーションのものが特に印象的
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ミイラ取りがミイラになる
自転車泥棒探しが、自転車泥棒になる
悲劇は悲劇を生む 悲しみは連鎖するのだ
自転車に意気揚々と乗る清々しさと、自転車を探し続ける悲しさ、哀愁

遣る瀬無いストーリーだが、貧
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ドイツ零年(1948年製作の映画)

3.7

戦後間もない、荒廃したドイツをうつしとった
まさにこの時しか撮れなかった、時代のリアルさが生々しい
しかし、大人のエゴ、身勝手さが、子供の行き場を失わせ、そして子供を追い詰めて行くという現実は、決して
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ドラマチックさとは対極の、戦時中の生活が、ほのぼのと暖かく描かれる ぼーっとしたすずちゃんは我々の笑いを誘う

しかし、爆撃は容赦なく襲いかかる
大切な人が死ぬ
右手を失って大好きな絵も描けなくなる
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無防備都市(1945年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「昔こんな酷いことがありました」と言う訳ではなく、まさに撮影の時点では同時代的な問題、現実であったのだろう。(ストーリーも幾つかの事実を基にしているようだ)
劇的さとはかけ離れているが、それがリアリズ
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セッション(2014年製作の映画)

4.1

凄まじい勢い
ドラムのビートと、なめらかに動き、また瞬時に切り替わるカットの心地よさよ

ロマンスや友情などかなぐり捨てた、師弟にしか解らない狂気の世界を描き切った展開が素晴らしい、余計なものなどこの
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サウルの息子(2015年製作の映画)

3.7

あえて見せない感じ(背景の極度なボケや、引きのカットがほとんど出てこないなど) サウルの背中を追い続ける長回し だからこそ描けたリアリティー、閉塞、絶望
埋葬への執念も、歴史的な文脈を知ると素直に納
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PK(2014年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい 「エンターテインメント」 映画だ!!

どのシーンにも観ている私達を喜ばせようというサービス精神にあふれている 楽しげなシーンが満載だ 笑いも、子供にも伝わるレベルのシンプルなものが多い(
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.7

自分である事から逃げたくなるのは誰にでもあるのだろう そして今日も私達は私達を演じ続けるのだ 自称演技派
フィルムの中の出来事である事を強調しつつも、これは私達の物語なのだ
そして本当の自分などどこに
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

生と死、現実と非現実との境界が曖昧になってしまった世界に足を踏み入れてしまった男の、少し切ない怪談

主人公が人をあっけなく殺したり、女の幻想にとりつかれたり

広角で引きのショットが多かった、
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.4

綺麗ですね

生と死に興味を持つ女の子

死を知るには、家を出ないとね

「フランケンシュタイン」を観ないといけないな…

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.8

見せ方が上手い

フェリーニや、ゴダール、ベルイマンなどを明らかにオマージュしたシーンが登場している ミュージカルシーンは往年のアメリカ映画を思わせる(映画モテキの大根監督は絶対にこの映画を見ている)
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

4.2

さすが名作
極端に横長なのでスクリーン全体に映像が広がる
あたかも自分が西部劇の世界に入り込んだようだ
極端な寄りのショット(画面いっぱいに顔が広がるがアス比のおかげで圧迫感がない)と引きのショット(
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野いちご(1957年製作の映画)

3.7

結構ナレーションを多用しつつ、あんまり違和感ない 撮り方が美味いのだろう

過去に今の自分が入り込む手法、当時は結構斬新だったはずだ

登場人物のもつ役割が比較的分かりやすく、幻想的なシーンもありなが
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

黒木華は良い女優さん

離婚や、大切な人の死を経てもなお、絶望の淵に追いやられることなく、前を向いている素敵な主人公

また、Coccoも非常に素晴らしい演技を見せている
自由で楽しげだけれど、何か人
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.3

映像美に優れていて、映像だけなら4点以上付けたい

ただ、ストーリが、リンチ、レイプ、複雑な家庭環境、自殺、閉鎖的なネット掲示板などなど、もはや記号として多用され過ぎたエッセンスで埋め尽くされており、
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

3.9

カメラが動く動く動く
裏切りに次ぐ裏切り、暴力に次ぐ暴力

人が動くシーンは基本カメラもブレブレで、演者に近づいたり離れたり、とにかく固定しないことで実録感を出している一方で、決して映画らしさは失われ
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