Akiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.9

渋映画。良かった。
カードカウンターっていうからにはカジノのカードゲームを題材にしたバトルものかと思ったけど、どうも違う。


オープニングが70年代ホラー的な感じで、その後の音楽などもそれを感じさせ
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.6

悪くない内容だしテーマもわかる。

ただ、個人的には一見して意図を汲み取りづらい表現もあってしっくりこない部分があった。


タイトルの意味がわかる部分にはハッとさせられた。

オールウェイズ(1989年製作の映画)

3.7

主人公があまり好きになれなかった。終始ふざけている様子だったりするのがなんだか微妙。結構イライラしてしまった。
最後、成長してようやく多少好感が持てた。
一方で若者の方には人の良さが見える展開を挟んで
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.3

おもしろい。

実話に基づいた、みんなで協力する型お仕事もの。
本作中でフォーカスされる登場人物は数多いのだけど、皆が個性的でキャラクターが良い。そして、その各々が積み重ねていった諸々がドーンと結実す
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.7

アルパチーノの熱演は正にエナジーが迸っていてすごい。

小柄だが、眼光鋭く狂気を体現するかのような雰囲気で、何をも恐れず成り上がる。
でも成り上がった先は空虚だったようで、ジャグジーで悪態をつき、俯瞰
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市子(2023年製作の映画)

4.1

時系列が行き来するサスペンス。
それぞれの登場人物を通して謎の輪郭が少しずつ形を成していくが、それが市子の視点になった時のエモーショナルへの揺さぶりは凄かった。

主演2人の演技が光っている。
若葉竜
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.4

シリアスなクライムサスペンスだと思って観始めたものの、正直その後どういうテンションで見たらいいのかわからなくて戸惑った。リアリティラインがむずかしい。

けど途中で「あ、笑えるやつだコレ」、と個人的に
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天空の孤高(2021年製作の映画)

3.9

タイトルもあらすじも確認せずに観はじめてよかった。


閉塞的な前半、

明るく開けた中盤、

からの開放的なラストへ。
まさに登り詰めるような鮮やかさのある作品。


赤い衣装を纏って天空で演舞する
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アンダードッグ 二人の男(2016年製作の映画)

3.3

マドンソク出演作が配信期限間近だったので。


境遇に同情すれど、やった事は犯罪の積み重ねだったので最後までメイン側には感情移入できず。
登場人物は皆どうしようもないのであった。未成年売春風俗……。
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汚名(1946年製作の映画)

4.1

ロマンスとサスペンスの噛み合いが素晴らしい。
ケイリーグラント扮するエージェントはスマートそうに見えてロマンスに奥手なところがあり、私情と任務で辛い立場。イングリッドバーグマンは奔放な娘のようで実は誠
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.9

面白い。


始まってすぐ、「ニガー」。冒頭からのすごく強い言葉に思わずギョッとする。
また、タイトル『ファック』を伝えた時の出版とのやり取りには声を出して笑った。


「家族」と、「アメリカに生きる
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

何か劇的な出来事が起こる映画ではないが、静かな語り口に感動。


登場人物が過剰に感情を表現したりせずにエモーショナルに振りすぎなかった点は、テーマに対して誠実であると感じた。
2人が恋愛関係になって
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

4.2

面白いが、全編がミュージカルになっていて地のセリフが全くないトリッキーさもある。

OP、もの悲しい音楽に合わせて行き交う雨傘を真上から映すショットがめちゃくちゃキマってて、洒落てる。

鮮やかな色遣
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.7

時制を遡る形式で1人の男の人生を振り返る内容。擬似ドキュメンタリーの中に、ダイイングメッセージを探るミステリー性もある。
とりわけ様々な映画技術を生み出した功績のある歴史的作品であるとのこと。


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クリスマス・キャロル(1938年製作の映画)

4.1

クリスマスキャロルは原作も読んだ。

原作を割とそのまま映画化してあるし、その意味では、特に驚くような目覚ましい展開などは無い。
でもまあそのくらいのストレートさがクリスマス映画としてはちょうどいいと
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グレン・ミラー物語(1954年製作の映画)

4.0

日本では非常に耳馴染みのある、人気のある曲ばかりが登場する。

終わり方がいい。


ジェームズスチュワートは吹き替え無しで演奏してるのかな、調べたけどわからなかった。どの演奏シーンにも違和感はなかっ
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三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟(1947年製作の映画)

3.8

素晴らしき哉、人生!と並んでアメリカではクリスマスに観られる映画として愛されているらしい。
戦後、ほぼ同時期に公開されている。


実在する大デパート、メイシーズが舞台。
知らなかったが、サンタクロー
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

3.9

未見の大ネタ。


OPがもうめちゃくちゃ素晴らしい。クレジットと共に、早朝の街、パンを食べるオードリーがティファニーを眺め歩く姿で満点。かっこよい。
ウインドウ越しにオードリーを店内から映す、まるで
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ロープ(1948年製作の映画)

4.1

作中を通して長回しで擬似的なワンカット構成となっており、舞台的な見せ方が巧妙。
奥行きのある横長の部屋のつくりを遠近で捉えて見せるサスペンス性の高いシーンは素晴らしかった。


殺人犯がサイコとナイー
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.4

面白かった。
粗野で教養の無いイタリア系と天才ピアニストのブラック。2人のカルチャーギャップが楽しい。

1960年代、黒人への差別が強い南部への演奏旅行は当然それなりの危険を伴うものだった。2人の関
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.8

オープニングから雰囲気が良い。
からの、全編通して楽しい。


ミュージカル映画は曲にノレるかどうかが個人的に大事な部分なのだけど、今作はしっくりくるものとそうでないものがあって観賞側としてのテンショ
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カサブランカ(1942年製作の映画)

4.1

事情がおありなんだろうなァ。
……とはいえなんてヤツだ、イングリッドバーグマン許すまじ!

と、途中まではなっていた。
今さら出てきて苦しめないでくれェ……。
サムの言うとおりだよ、イルザは何だか嬉し
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ガス燈(1944年製作の映画)

4.2

キレイな歌声でOPが始まったかと思ったら、「ジャーン!」でまずビックリ。不穏な音楽に変わり、この時点で既に楽しい。
からの、冒頭から自然に男に疑いが向く流れになっていてスムーズ。旅先に行ったら恋人が待
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.7

凄く面白い。傑作。

ほぼワンシチュエーションで展開される上に会話だけで話が展開していくが、ずーっと緊張感が持続していくサスペンス。


ヘンリーフォンダが、ごく中立な立場を崩さずにいることによって相
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彼方に(2023年製作の映画)

3.7

喪失の悲しみと、再生の兆しのようなもの。

ラストシーンの演技が、見ていてとても切ない。

我が家の楽園(1938年製作の映画)

3.6

バンダーホフは劇中足を怪我して松葉杖を突いており、登場から一貫して不能者として描かれている。身体的不自由性がありながら、一方で心には誰よりも自由を携えている。

終盤、トニーがカービーに対して言う「父
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群衆(1941年製作の映画)

4.0

同監督の『スミス都へ行く』では、中身のなかった凡庸な青年に託したある種の無邪気さがあった。そして政治への熱意は伴うもののその無邪気さは最後まで変わらずに、寧ろそれでもって周囲を変えていた。

今作の主
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桃色の店/街角 桃色の店(1940年製作の映画)

4.1

ハートフルなラブコメ。


主人公もヒロインもお互いに結構強めのイヤミを言ったりしてて、割としっかり険悪で笑える。

文通相手がヒロインだったことがわかってからの主人公が、意地らしくもあり、みっともな
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.5

アングルと画面のデザインに凝っている。
ピカソのような重なり合いながらも向き合わない印象的なショットは、夫婦は一見同一な存在でありつつも同化しない様なのかなと。


生活に根ざした土や潮のにおいを感じ
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.4

個人的には受け取り方が難しいって感じる瞬間が多くて、楽しめない部分もあった。


パリ14区。若干薄汚れて埃っぽく見えた。
画面を通してだったからなのか、実際そうだったのかはわからないけど、綺麗で楽し
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ピラニア(1978年製作の映画)

3.3

冒頭からカップル登場で死ぬわけだけど、もっとヌード大写しかセクシー要素強めでいいなと思った。

以降は特にSEXシーンとかも無くて、逃走する時に色仕掛けしようとする程度。あまり必要さは無いので、ヒロイ
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スミス都へ行く(1939年製作の映画)

4.6

なんという面白。


スミスは理想家で、少しヌケていて純粋すぎるキャラクター。美人を前にしどろもどろなのも愉快で、帽子を取り落としたり、テーブルを倒したりと演出が細かく丁寧だ。

サンダースは作中では
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.3

タイカワイティティ作品は好きだけど、今作は正直そこまで期待していなかった。

今回は上映時間が丁度よかったので観賞。


観て良かった。


とにかく全編通してテンポが良いし、ギャグも適度で楽しい。冒
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.6

トマトでスコアが……という前評判が流れていて日本では公開前から下げの雰囲気だったが、(ハードルが下がっていたからか)実際観ると意外と普通に観られる内容だった。

ただ、アクションシーンの整理されてなさ
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