主役三人がヤクザと距離を取る愚連隊、後半の大金を巡る攻防戦など脚本を担当した中島貞夫監督の代表作『893愚連隊』と似たような構成なのにこうも違う内容になるのか。
徹頭徹尾軽薄なチンピラ・松方弘樹から>>続きを読む
チョウ・ユンファが不在だからと言って方向性が前作とかなり変わってしまったのにびっくり、その責任の半分は今回新たに加入したチャウ・シンチーにあるのだけれど。
本作のメインであるギャンブルはかろうじて残>>続きを読む
最初劇場で見たときは「そんな面白くないかな」と醒めた眼で見ていたが、最近になって見直しても特に印象は変わらず。
無茶な日程での参勤交代を知恵とチームワークで乗り切ろうという内容だけで面白いはずなのに>>続きを読む
オールスターキャストの割に千葉真一のオーラが圧倒的すぎて他の面子が霞んでいるとか、同じ題材を扱っている『陸軍中野学校』に比べてアクションで押しまくっているとか、陸軍中野学校に来る面子がどう見ても現代人>>続きを読む
当初担当する予定だった脚本家が書けずトンズラし、急遽荒井晴彦が代理として書くことになりわずか3日で仕上げたといういわく付きのロマンポルノ。そのせいか当初映画の中心にいた主人公が憧れていたヒロインの日向>>続きを読む
主演を演じるロン・オニールが裏社会で行動する際に見せる愁いのある知性的な表情、そしてプロの俳優でシェークスピアなど本格的な演技経験のある彼のまわりにリアルなハーレムの住人たちを配置することで、黒人社会>>続きを読む
千里と名乗る謎の女(原田美枝子)、国籍を持たない裏社会で生きるゲイの市雄(宇崎竜童)、偽札作りの名人の三崎(原田芳雄)がひょんなことから出逢い、大金強奪を計画するが…。男二人女一人という構図から『冒険>>続きを読む
ピンチになっても飄々としていて隙を見て逆転し、体当たりアクションをこなすベルモンドを堪能するハード・アクション映画。今回は警察機構が手を出せない凶悪犯を退治する事件請負人をベルモンドが演じる漫画チック>>続きを読む
妻殺しの嫌疑をかけられた主人公の男性、彼もいったんは犯行を認めたものの病院での検査の結果主人公は頭部の負傷が原因で記憶障害を起こしていることが判明する。医師たちは頭部の傷を治療したのち、麻酔療法で記憶>>続きを読む
邦画では珍しいお洒落なアクション映画で、漫画チックなキャラクターや展開といい脚本を担当した岡本喜八のセンスが爆発している一作(ちなみに当初は岡本喜八が監督を担当する予定だったとか)。
マザコンのフラ>>続きを読む
大阪で平凡に暮らしていた夫婦の丸子と兵太郎、そして夫の父親の兵助。しかし兵太郎が多額の借金を残して失踪し、残された二人は悪徳金融業者に借金返済のためお座敷ショーという名のセックスショーをすることを強要>>続きを読む
70年以上前の作品なので死体描写はソフトではあるが、障害のある女性ばかりを狙う殺人鬼のキャラクターや彼の目のアップをはじめ様々な凝った映像やディテールの使い方が冴えていて後年のジャーロやサイコサスペン>>続きを読む
川島雄三監督は人物やドラマより舞台となるその時代の風俗描写や風景にこだわる監督だと思っている。この作品はその最もたるもの。
主人公の月丘夢路の肖像画を描いた人物探しや銀座の顔役と呼ばれる男の正体探し>>続きを読む
古き良き『アラビアン・ナイト』をモチーフにしたサイレント時代の活劇を心行くまで堪能できる一作、さすがに100年後の今ではクラシックな演出が悠長すぎてダラダラしている感じになり、早く次の場面になんないか>>続きを読む
わずか70分でこれだけ濃厚な因果応報のドラマを淀みなく展開できる語り口に驚く、こんなハイレベルな演出を気負いなくあっさりとやってのけるやはり中川信夫監督はただ者ではない。
親の因果が子に祟るというオ>>続きを読む
復讐を終えだらだらと生きる新島に高校時代の同級生の岩松が一緒に仕事をしないかと持ちかけられ参加するが、実は岩松は殺しを専門とした仕事を手掛けていた…。『蛇の道』の続編的作品だが『蛇の道』とは関連性が薄>>続きを読む
黒沢清と高橋洋、二人の異才がそれぞれの個性をぶつけ合って生まれた異形の傑作アクション映画。
初めて見たときは何が起こっているのか把握できないまま物語が矢継ぎ早に展開していき、子供を殺された男の復讐劇>>続きを読む
推定1890年頃のアメリカ、主人公・ケンは元は侍だったという日本人の父親や現地人の母親と平和に暮らしていた。しかしならず者たちに家族を殺され、復讐に燃えるケンはならず者五人の行方を追いあてどもない旅に>>続きを読む
明治時代に実在した実業家・木村荘平をモデルに、二十人以上の妾にチェーン店を経営させている牛鍋店の実業家である主人公と愛人たちとその関係者の艶笑劇。
三木のり平は映画黄金期に笑わせる脇役で一世風靡した>>続きを読む
何か凄いものを見たという感想を観賞後覚えたが、その凄さがどう凄いのか一週間たってもよくわからない。強いて言えば見てはいけない世界を覗いてしまったような後ろめたい気持ちと人間の醜い部分を直視してしまった>>続きを読む
鈴木則文監督の下ネタ(💩ネタがややくどいけれど)、アクション、お涙頂戴、お色気と徹底的なサービス精神がこれでもかと凝縮された一作。バキュームカーからあれを放出されたり、ベタすぎる太宰治の勘違いネタを臆>>続きを読む
賭神と呼ばれる勝ち続けるギャンブラー・コウのシリアスなドラマかと思い見ていたが、序盤こそそうだったもののチンピラが別の人物を陥れるために仕掛けた罠にコウが引っ掛かって大ケガをしてからだいぶ空気が変わっ>>続きを読む
主人公である女性テレーズの日常描写がメインとなる前半は単調でつまらなかったが、彼女が第二次世界大戦で行方不明になった夫のアルベールだと直感した記憶喪失の浮浪者の男と出会ってから流れが変わってくる。>>続きを読む
一晩だけ付き合った男が殺され、泥酔してはっきりとした記憶が残っていない主人公の女性は自分が殺したのではという疑心暗鬼に襲われる…。次々と出てくる状況証拠、不利な証言とサスペンスらしい道具立てがじわじわ>>続きを読む
音楽に対して特に規制のない日本人から見ると、ここまでロックやポップスに対して警察や国家が圧力をかけるイランの状況に驚きを禁じ得ない。しかしそうした中でも自由な音楽を求めて活動するミュージシャンたちの熱>>続きを読む
名目は主人公=ジーン・ティアニーとなっているが、前半主人公が誰か判別しないまま上海の裏社会が濃厚なキャラと共に延々と描かれるので一体何を見せられてるのか不安に襲われる。しかし賭博クラブのオーナーである>>続きを読む
石井輝男監督がいくら真面目な任侠映画が嫌いと解っていても、ヘンテコすぎて途中からついていけなくなった。
主人公の女組長が敵対するやくざから縄張りを守ろうとする物語なのだが、彼女を助けるポジションに当>>続きを読む
現在では古典作家のカテゴリーに分類されている近松門左衛門だが、現役当時の彼は歴史に材をとった作品もある一方で当時話題になった事件を徹底的に調査して舞台用の作品に仕立てた今でいう実録モノというジャンルで>>続きを読む
それまでの日本映画には無かった生々しい暴力シーンの連発にひたすら酔いしれる唯一無二の名作、斜めの構図や荒々しい手持ちのカメラといった深作特有のドキュメンタリーなカメラワークが冴えに冴えまくり興奮する観>>続きを読む
ギャンブルの虜になった男女の転落物語だが、この映画の場合はヒロインであるジャンヌ・モローと出逢うことで主人公の男性が更なるギャンブル地獄へ突き落とされるのがポイント。フランス映画ならではの優雅な雰囲気>>続きを読む
記憶喪失の金持ちのヒロインを強引に自分の妻と偽って生活するという展開はヒロインをこき使う旦那のキャラクターもあって恋愛ドラマとして見るとキツいけれど、ヒロインが健気に家族の中に入ってダメダメな生活を送>>続きを読む
ナイスバディの持ち主でありながら聡明な美人のパム・グリアがこの映画最大の魅力だが、それに頼らずに娯楽映画としてもちゃんと面白く仕上がっているのが嬉しい作品。決まっている音楽の数々もクールに映画を飾り立>>続きを読む
『十二人の怒れる男』などに比べるとルメット色は薄くて職人に徹して映画を作っている感じだけれども、冒頭10分で主人公家族がどんな暮らしをしているかを描く語り口や、ラストなどの重要なシーンはあっさり撮った>>続きを読む
監督デビュー作なのに死んだ父親を巡る家族のドラマを70分という時間にまとめあげる斎藤工の手腕は凄いと思う、ラストの母親のショットをはじめ一瞬だけのシーンを効果的に使う演出力も巧い。
ただ堅実になって>>続きを読む
ニューヨークを歩く主人公をとらえたオープニングが編集といいショットといい音楽といい最高でテンションが上がったが、映画のピークはそこだった。あとはギャング同士の抗争と、それから派生したギャングのボスの娘>>続きを読む
パリの街を舞台に、四十近くにもなって無職で高等遊民を気取っている男が部屋や金を失いホームレスにまで落ちぶれる教訓めいた転落劇。ただユーモラスな描写やパリの街を魅力的に描いているからなのか、悲惨な状況な>>続きを読む