MasaichiYaguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 104ページ目

MasaichiYaguchi

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ピーチガール(2017年製作の映画)

2.6

台湾でテレビドラマ化され、日本でもテレビアニメ化された上田美和さんの大ヒットコミックを映画化した本作はベタな漫画的内容で疲労感を覚えながらも、それを救うキッチュな可愛さがある。
作品の内容としては、ヒ
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オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)

3.8

スペインの諺で“Cade mochuelo a su olivo”というのがある。
この諺を訳すと、「猛禽類は1日が終わると木に帰ってくる」となり、つまり、仕事等のやらなければならない事をを終え、「さ
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美女と野獣(2017年製作の映画)

4.3

ヴィヌルーブ夫人が1740年に書き、その後ボーマン夫人によって短縮版が作られたこの物語を原作に実写映画化した作品は、古くは詩人のジャン・コクトーが1946年に製作したものや、近年だとレア・セドゥーとバ>>続きを読む

帝一の國(2017年製作の映画)

3.9

ジャンプSQで連載されて人気を博した古谷兎丸さんの漫画を、「世界から猫が消えたなら」の永井聡さんが実写映画化した本作には、主演の菅田将暉さんをはじめ、野村周平さん、竹内涼真さん、間宮祥太朗さん、志尊淳>>続きを読む

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)

3.8

羽海野チカさんの同名大ヒットコミックを、神木隆之介さん主演で大友啓史監督が実写映画化した2部作の後編。
前編では、家族を交通事故で失い、天涯孤独な主人公・桐山零が「生きる術」として将棋で“自分の居場所
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夜に生きる(2015年製作の映画)

3.6

アカデミー賞作品賞をはじめとして数々の賞に輝いた「アルゴ」から5年振りのベン・アフレックが監督、製作、主演を担当した最新作は、1920~30年代の禁酒法時代のアメリカを舞台に、ギャングの世界で伸し上が>>続きを読む

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

4.0

「イップ・マン(葉問)」シリーズ主演のドニー・イェンは、香港映画やカンフー映画ファンで知らない人は少ないと思うが、昨年公開された「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」で演じた盲目の戦士チアルー>>続きを読む

ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

4.0

人の心は変わり易く、定まらないことを表す言葉で「昨日の友は今日の仇」というのがあるが、誰よりもファミリーを大切にしていたドミニクの裏切りを描くシリーズ第8作は、ファミリー崩壊と世界の危機を孕んでスリリ>>続きを読む

追憶(2017年製作の映画)

3.7

人には記憶から消し去りたいことと、逆にいつまでも心に留めておきたいことがある。
「駅STATION」、「居酒屋兆治」、「夜叉」、「あ・うん」、「鉄道員(ぽっぽや)」等の名作を生み出してきた降旗康男監督
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家族はつらいよ2(2017年製作の映画)

3.8

「喧嘩するほど仲がいい」とよく言われるが、昨年3月に公開されてヒットし、続編となって帰って来た本作の平田家を見ていると、改めてそう感じてしまう。
前作では“熟年離婚”をテーマに平田家のお家騒動を笑い一
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カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

3.7

ウディ・アレン監督の最新作は、1930年代のハリウッド黄金時代を舞台に、1人の青年の恋や夢をロマンティックコメディで描いていく。
主人公の初心な青年ボビーは、夢のある仕事を求めてニューヨークから映画の
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人生タクシー(2015年製作の映画)

3.9

イラン政府から反体制的な創作活動を理由に、2010年から「20年間の映画監督禁止令」を受けているジャファル・バナヒ監督の最新作にして第65回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作は、ドキュメンタリーなのか、仕>>続きを読む

たたら侍(2017年製作の映画)

3.4

「渾身KON-SHIN」の錦織良成監督と主演の青柳翔さんが再タッグを組んで製作したのは本格時代劇。
この作品の主な舞台は、戦国大名たちが覇を競った安土桃山時代の奥出雲にある「たたら村」。
戦国時代劇と
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笑う招き猫(2017年製作の映画)

2.9

小説すばる新人賞を受賞した山本幸久さんの小説を、清水富美加さんと松井玲奈さんの主演で映画化した本作で描かれるのは、女漫才師の青春と友情の物語。
漫才師の青春と友情を描いた作品というと、テレビドラマ化さ
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.0

英児童文学賞のカーネギー賞と、イギリスで出版された絵本の中で最も優れた作品の画家に年に1度贈られるケイト・グリーナウェイ賞を受賞した世界的ベストセラーを、「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が「P>>続きを読む

八重子のハミング(2016年製作の映画)

3.7

佐々部清監督が、陽信孝さんの体験を綴った著作を、升毅さんと高橋洋子さんのW主演で故郷・山口県で撮影して映画化した本作は、4人に1人が65歳以上という超高齢化社会の日本で問題となっている「老老介護」を真>>続きを読む

無限の住人(2017年製作の映画)

3.5

沙村広明さんの人気時代劇コミックを木村拓哉さん主演で三池崇史監督が実写映画化した本作は、ポスターやチラシのキャッチコピーにあるように“ぶった斬り”エンタテイメント映画。
日本映画の時代劇黄金時代には、
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ノー・エスケープ 自由への国境(2015年製作の映画)

3.6

ドナルド・J・トランプ大統領が、メキシコからの不法移民、ドラッグや人身売買を水際で防ぐ為に国境に壁を作るということで世界的なニュースになっているが、「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンがバッ>>続きを読む

マイ ビューティフル ガーデン(2016年製作の映画)

3.9

イギリス式ガーデニングをテーマにした本作を観ていると、英文学を専攻した大学時代が懐かしく思い出される。
この作品の登場人物は、几帳面で同じ生活スタイルに拘るヒロインのベラ・ブラウンをはじめとして、料理
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.9

カンヌ国際映画祭の常連で2度のパルムドール受賞に輝くベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルテンヌ兄弟の最新作には様々な“ドア”が印象的に登場し、それを“開ける”か“閉じた”ままなのかの違いで、主人>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.9

森見登美彦さんの小説を湯浅政明監督が、シンガーソングライター、俳優、そして文筆家とマルチに活躍する星野源さんを主人公の声優にキャスティングしてアニメーション映画化した本作には、ワクワクするようなイマジ>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.3

青龍映画賞で國村隼さんが外国人として初めて助演男優賞と人気スター賞の2冠を受賞して話題になっているナ・ホンジン監督の最新作は、衝撃的なラストに向かって緊張の糸が切れることなく、真綿で首を絞めるようにス>>続きを読む

名探偵コナン から紅の恋歌(2017年製作の映画)

3.5

「名探偵コナン」の劇場版21作目は「百人一首」をテーマに、大阪と京都を舞台に連続して発生した事件を巡りスリリングなストーリーが展開する。
この作品で難事件に立ち向かうのは、主人公の江戸川コナン(工藤新
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かけはし(2017年製作の映画)

4.0

2001年1月26日、JR新大久保駅で線路に転落した男性を助けようとしたカメラマンの関根史郎さんと韓国人留学生のイ・スヒョン(李秀賢)さんが、その男性と共に亡くなられた。
この事故から16年の歳月が経
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.0

押井守監督が士郎正宗のコミックをアニメーション映画化して1995年に公開した作品を、ハリウッドがスカーレット・ヨハンソン、ジュリエット・ピノシュ、ピルウ・アスベック、ビートたけし、桃井かおりというキャ>>続きを読む

パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.6

5000人の乗客を収容し、展望デッキや映画館、そしてバー、レストラン、更にプール、バスケやダンスが楽しめる施設まで備えた豪華宇宙船で繰り広げられるのは、極限状況下での恋愛劇。
この作品の舞台となってい
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.3

前作「ジミー、野を駆ける伝説」を最後に映画界を去ったイギリスの巨匠ケン・ローチ監督が引退を撤回してまで撮ったこの最新作には、監督の強い思いというか、“怒り”が満ち満ちている。
アベノミクスで益々格差社
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レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

3.8

子供時代にデンマーク生まれのプラスチック製ブロック玩具“LEGO”を組み立てて、空想の世界で遊んだ人は少なからずいると思う。
この作品も前作「LEGO(R)ムービー」も、“LEGO”で作り出した空想の
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サクラダリセット 後篇(2017年製作の映画)

3.3

河野裕さんの青春ミステリーライトノベルを野村周平さん主演で、深川栄洋監督が2部作で映画化した後篇は、前作で蘇った相麻薫がキーパーソンとなって、咲良田の能力者たちを管理している公的機関・管理局と浅井ケイ>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.0

原題も“LION”の本作だが、そのタイトルの意味が最後に明かされた時、数奇な運命に翻弄された主人公の切なさが胸に迫った。
この作品は2012年に世界中で話題になったニュースを基に、デヴ・パテル、ニコー
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.9

子供の頃、春休みをはじめとした学校の休み期間の楽しみと言えば、「東宝チャンピオンまつり」だった。
この春休み期間中に公開される本作は、“怪獣絵師”開田裕治先生による日本版ポスターやチラシと共に当時のワ
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

第89回アカデミー賞受賞式での作品賞読み間違いによる大逆転劇の話題が先行している本作だが、その騒動とは裏腹に描かれたものは静かに深く我々の心に語り掛けてくる。
この作品は、3人のキャストが夫々演じる主
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サクラダリセット 前篇(2017年製作の映画)

3.2

本作は河野裕さんのライトノベルを、野村周平さん、黒島結菜さん、平祐奈さん、健太郎さん、玉城ティナさんという旬なキャストで、「神様のカルテ」シリーズの深川栄洋監督が2部作で映画化した前篇。
住民の半数以
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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命(2016年製作の映画)

3.5

ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を題材にした映画というと、「ダラスの熱い日」、「JFK」といった事件の闇に迫ったものや、「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」の様に事件に係わった色々な人々の群>>続きを読む

ストロングマン/ストロングマン 最低男の男気大決戦!!(2015年製作の映画)

3.3

第89回アカデミー賞外国語映画賞ギリシア代表に選ばれた本作は、オヤジたちによるオヤジたちの為の“オヤジ祭り”映画。
エーゲ海でクルージングというと、イケてる男女が船上パーティでワイン片手に優雅に過ごす
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

3.5

国も性別も職業も違うが、本作のヒロイン・ナタリーの置かれた状況を見ていると、とても他人事とは思えない、誰の身の上にも起こることだと思う。
少なくとも表面上は波風も立てず円満に25年間営んできた結婚生活
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