Ryoさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

メッセージ(2016年製作の映画)

4.4

記憶とは奇妙なもので起きた順には浮かばない。
「In war there are no winners, only widows.」(戦争には勝者はいない。ただ未亡人だけが残される

結果ではなくそこ
>>続きを読む

スパルタカス(1960年製作の映画)

3.8

ローマ帝国に反抗し戦った実在の英雄。

生前「『スパルタカス』は私の作品ではない」と発言していたキューブリック。内容はかなり面白いし泣かせる。エンターテイメントとしても深い内容を見るとしても文句なし
>>続きを読む

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.0

ただの三角関係の恋愛映画ではない。男性社会に対する女性の自由のために戦う一人の自由な女の戦いがテーマである。


作者の回想録のため実話だそうです。途中途中に入るナレーションはトリュフォー自身で原作本
>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

普通にみたら子供の純粋さをテーマに感じるが、本来のテーマは違う。
本来はフランコ政権下に対する反政権の映画なのだ。一見難しそうだがかなり簡単。

となりのトトロなどに影響を与えた作品だが物語がよくわか
>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.6

本当に怖いのは罪人ではなくそれを裁く大衆。

オープニングから粋な演出。「ミツバチのささやき」のために予習も兼ねて鑑賞。

フランケンシュタインが悪くないことはみんなもわかっている。かわいそうだとも思
>>続きを読む

狩人の夜(1955年製作の映画)

4.3

子供の純粋さに勝るものはない

1,心の純粋な者達は幸いである。彼らは神に会えるだろう。
2,その者の栄光も野に咲く花の美しさにはとても及ばない。
3,人を裁いてはいけない。
4,偽預言者(説教師)に
>>続きを読む

1900年(1976年製作の映画)

3.7

5時間越えのベルトリッチの大作

20世紀初頭から第一次世界大戦を経て第二次世界大戦が終了までの激動のイタリアを描き、エログロだけではなく社会主義が成立していく物語

イタリア映画でありながら主人公は
>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.8

「女性が男性社会に対し弾圧される部分を描きたかった」-デヴィッドフィンチャー

エンターテイメント性でいうと隙がなくやはり面白い。人の名前が多すぎてわかりにくいが2回目みてみるとより深いストーリーがわ
>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

3.9

戦争によって引き裂かれた友情と精神を蝕む体験。戦争中、戦後正気を保つことがどれだけ大変で厳しいか思わせられる。
戦争から無事に帰ってきたとしても傷は一生癒えない。

反戦メッセージが強くおそらくマイブ
>>続きを読む

処女の泉(1960年製作の映画)

3.8

「神の沈黙」シリーズの一作品。辛い、悲しい思いをしてるのに神はなぜ黙ってるのか、そもそも神はいるのかを問われる作品。

ーなぜカーリンは山羊が盗まれたものだと分かったのか?ー
彼らが貧しい浮浪者だった
>>続きを読む

黒い罠(1958年製作の映画)

4.0

オーソンウェルズの悲しい人生を表した映画

一方では悪徳警官、もう一方では偉大な警官。杖(ケーン)が表すもの。悪徳警官の最後のシーンとウェルズの黒い罠撮影後の人生。すべてが奇跡的につながっている。
>>続きを読む

野いちご(1957年製作の映画)

4.2

冷淡で自己中で他人には無関心だが傷つきやすい老人の孤独と、救いの物語

人間関係において許しを求め和解することで人生は一瞬で変わる

幸せな人生を送ってきたと思っていた主人公は車での1日旅を通し、過去
>>続きを読む

第七の封印(1956年製作の映画)

4.1

テーマ:神は存在するのか。我々が存在してる意味はあるのか。

一見難しい映画に見えるがベルイマンはもともとコメディの人でコメディ色も入っており意外と見やすい。

十字軍遠征から帰ってきた主人公は死を直
>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

4.0

日常や常識からの脱出。

アメリカンニューシネマの傑作の1つと言われるだけある作品で社会への反抗やメッセージ性が強く読み取れる。

フランスのヌーヴェルヴァーグや日本の黒澤明から影響を受けて作られた作
>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.6

さすがベルイマン。人間の内なるおぞましさをさんざんと見せえつけておいて、最後は一番幸せだった時の思い出をひきだしてきて、人間性の美しい部分もみせてくる。

劇中に出てくる叫びはとにかく悲痛な叫びである
>>続きを読む

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

3.8

1954年にして綺麗なカラー映画でストーリーもさすがはヒッチコックサスペンス映画としてツッコミどころのない出来。
とにかく本が天才すぎる。

ここからヒッチコック共通のストーリー「金髪美女を殺す」要素
>>続きを読む

独裁者(1940年製作の映画)

4.2

「私は祖国を愛してる。だが、祖国を愛せと言われたら私は遠慮なく祖国から出てゆく。」

容姿が似ておりイメージが崩れるという事でヒトラーから攻撃を受けていたチャップリンが反抗、反戦のために作った映画
>>続きを読む

A.I.(2001年製作の映画)

4.2

原案キューブリック
脚本監督スピルバーグ

最大のテーマ「ロボットは人間になれるか。そもそも人間の定義とは」
ピノキオのテーマも含んでいる

スピルバーグのテーマである、親に受け入れてもらえない子供
>>続きを読む

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

4.3

日常や常識からの脱出。

「みな自由自由と口にはするが、本当に自由な奴をみるのが怖いんだ」

「君に“自由”を見るんだ。自由を説くことと、自由であることは別だ。アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も
>>続きを読む

カジノ(1995年製作の映画)

4.1

「カジノ側の店が勝つ方法は客に賭け続けさせることだ。」

実話が元になっています。
金、オンナ、欲望、そして栄光と挫折。マフィア映画の名手スコセッシが自身の映画グットフェローズの出来が良すぎて似たのを
>>続きを読む

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

3.6

原作はロビン・ムーアの同名ノンフィクション小説。実話です。

アウトロー刑事は犯人を捕まえるのでは無い。退治するのだ。
悪党と紙一重のアウトロー刑事。

『フレンチ・コネクション』にはヌーベルバーグの
>>続きを読む

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

4.2

「自分勝手な女だが真実を真実と言える強さがある」

孤独でも強く生きて行くことを教えてくれる。

レディーが戦争によって大人の女性へ変わって行く。故郷に戻りたいと泣きついていたスカーレットは汚い手を使
>>続きを読む

知りすぎていた男(1956年製作の映画)

3.7

ケ・セラ・セラに魅せられる

巻き込まれ型サスペンス。やっぱりストーリーも音楽もいい。

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.4

“I’m walking here. I’m walking here.”

テーマは「社会に対する疎外感」
これは「アメリカン・ニュー・シネマ」と称される作品群に共通している。今作も孤独が大きなテ
>>続きを読む

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

3.9

時間は一瞬一瞬の積み重ねだ。

正直ストーリーは平凡。しかしメッセージの伝え方としては今までになくリスキーで伝わりやすい。ラストの二人の会話がこの映画のまとめのような言葉だ。165分と長いはずなのに長
>>続きを読む

ヒート(1995年製作の映画)

3.5

正義と悪、人生における二人のプロ意識。表裏一体とはこのことである。真逆でありながらお互いを憎み尊敬している。

デニーロとアルパチーノの会話はまじで興奮する。名優でカリスマ的な2人が並ぶとえぐいほどか
>>続きを読む

ライムライト(1952年製作の映画)

4.4

希望がなければ、瞬間を生きればよい。素晴らしい瞬間だってあるのだから。

全体を通して語られる切なさ。

『ライムライト』は、権威を嫌い、人生の真実を求め続けた
チャプリン自身の哲学を感じることができ
>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.1

ノーカントリーと合わせて人間の怖さを隠さずに描き疑問を残す映画です

夢や欲望を果たし、すべての人に勝利した瞬間孤独に寂しさが残る。

自分の勝利を求め他人を蹴落としていく。そうしていくうちに主人公は
>>続きを読む

未知との遭遇(1977年製作の映画)

4.2

大人は未知のものを敵とみなす。子供には未知のものと愛を生む力がある。
家族より夢を。


よく比較されるE.Tと共通したテーマは「子供の純粋の力と大人の汚い世界」である。


ラストの壮大な音楽、主人
>>続きを読む

オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

3.1

81/2的ストーリーで進むミュージカル。
どうしてもミュージカルに楽しさを求めてしまうためあまり好きでない。
逆にシリアスな映画を見たいのであればミュージカルである必要はないと思ってしまう。
これを見
>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.9

ゼアウィルビーブラッドと同年に作られた人間の怖さを描いた作品

原作は「血と暴力の国」

レクターやジョーカーのような暴力の哲学を語るシガーを作っただけでも傑作である。

ータイトルの意味ー
原題は『
>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

4.2

「支配からの卒業」

映画内、時代、制作過程すべてにおけるテーマは「何か違うもの(something different)」主流から外れ”何か違うもの”を目指す事、そして若者が大人たち(社会)に対する
>>続きを読む

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

4.2

音楽、ファッション、色彩、すべてのセンスが抜群。

ただの恋愛物語ではないです。互いにすれ違い、夢の人を追いかけるか現実的な人と結ばれるかを悩む2人の姉妹。1人は夢を叶え愛を、1人はどちらを選ぶかは観
>>続きを読む

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

4.2

Whatever you desire.

タイタニックの陰に隠れた名作

主人公三人は途中まではかなりいがみ合っていますが話が進むにつれて正義という一つの目標に向かう仲前と変化していきます。


>>続きを読む