あなぐらむさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

あなぐらむ

あなぐらむ

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ある女子高校医の記録 妊娠(1968年製作の映画)

3.9

ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞。

女子高校医を務める医師が教え子の家出を機に、少女達の裏の顔を探る事になる手記タイプの探偵モノ。
’68年の若者風俗を前面の売りに出しながら、高橋二三のホンはあくまで清心で
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混血児リカ ハマぐれ子守唄(1973年製作の映画)

3.8

前二作の中平康から、まさかやーしんけん? の名匠・吉村公三郎に監督交代しての最終作。

舞台は横浜に戻り、モタモタとぬるいコメディが続く。これは監督交代で中平の活劇魂が欠けたのではなく、'73年という
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混血児リカ ひとりゆくさすらい旅(1973年製作の映画)

4.0

一作目の正統続編。
ハマのリカが混血の友人を探し旅をするのは三沢。これには意味があり、ここも基地の町なのだ。混血という印はつまり、戦後日米関係の負の印そのもの。混血であるリカはだから、日本人もアメリカ
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不良番長(1968年製作の映画)

3.7

梅宮辰夫がクールなアウトロー・神坂を演じるシリーズ第一作(といっても毎回リセットがかかる昔のマーベル仕様)。
これが監督第一作となる野田幸男はとてもスマートな画作りで、東映京都のヤクザ映画とは一線を画
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混血児リカ(1972年製作の映画)

4.4

東宝が振り切れた時の怖さを忘れてた。
藤田敏八「修羅雪姫」と同じく、日活発→東宝行の中平康監督が描く女闘美アクション。余りのスピードと密度に観客が置いてかれるハイテンション・ガールズムービーとなってい
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女番長ブルース 牝蜂の挑戦(1972年製作の映画)

3.7

池玲子の魅力を全面に打ち出したシリーズ第二弾。でもさぁ、なんで逆襲が一作目なのかよく分かんないよね。

京都で番張るパール団と大阪・難波の黒ユリ団の抗争に、売春組織作りを企てるヤクザが絡む物語。
「狂
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女番長ブルース 牝蜂の逆襲(1971年製作の映画)

3.9

東映京都が鈴木則文監督で叩き出す「ポルノの女王」池ちゃん・池玲子が、恋に喧嘩にシノギにと、若い完璧ボディで暴れ回る痛快ガールズアクション。

ライバルに賀川雪絵を配し、脇には同期デビューの杉本美樹ティ
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温泉みみず芸者(1971年製作の映画)

4.5

ラピュタ阿佐ヶ谷にて。

最高に幸福な映画。「コミックの完全映画化」?馬鹿野郎、映画がコミックだ! 劇画的映像センスが炸裂する馬鹿の嵐。

当時16歳でこの色気、バスト90の池ちゃん・池玲子のグラビア
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むちむちネオン街 私たべごろ(1979年製作の映画)

4.1

シネロマン池袋さんで鑑賞。

三崎奈美&山口美也子で描くキャバレー哀歌。
日活での本格主演となる三崎奈美ぽん、まだアフレコも硬いが持ち味のふわふわ巨乳と少し足りない感じのキャラが、勝ち気な姐御肌のむち
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団地妻 雨やどりの情事(1977年製作の映画)

3.9

シネロマン池袋さんで鑑賞。

宮下順子の面白い所は隠しきれない徒っぽさとはみ出す可愛さで、本作も彼女の熟れきった表情・肢体と、少女のような心のアンバランスが若者、堀勉の邪な純情に触発され共犯を結ぶ様が
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ポリス・ストーリー レジェンド(2013年製作の映画)

4.1

公開時に渋谷東宝で。という事はまだTOHOシネマズじゃなかったのか。
BSテレ東でCM入りとは言えノーカット版だったので再鑑賞。

ジャッキーのフランチャイズのひとつ、「警察故事」を完全本土資本で撮っ
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熟れすぎた乳房 人妻(1973年製作の映画)

4.0

脚本家・桂千穂先生初のロマンポルノ。
宮下順子と白川和子が姉妹を演じる、主演スターのバトンタッチ作品のひとつでもある。
奔放な姉、妹の間でただ一人貞淑な妻であろうとする宮下順子が、若者と姉の男の間で揺
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背徳の海 情炎に溺れて(2014年製作の映画)

3.0

2014年ピンク大賞作品賞。本公開と、ピンク大賞で鑑賞。

竹洞哲也、久々のシリアス作は貫禄十分の仕上がり。寂れ行く漁村を舞台に切ない男女の一瞬の邂逅が描かれる。それは遠く神代の「恋人たちは濡れた」さ
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ネオンくらげ(1973年製作の映画)

3.9

山内えみこの紹介作だけあって脱ぎまくりで大変宜しいが、ウェットな物語に反して寧ろ彼女の渇いたテイストが、肌を見せる程に際立っていくという、まさにくらげの様な不思議な輝きの一本。
川村真樹と坂本長利、日
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銀蝶流れ者 牝猫博奕(1972年製作の映画)

3.8

梶芽衣子が新橋育ちの女賭博師に扮する「銀蝶」シリーズ第二作だが、作品には繋がりはないマルチバース作。
物語は定石の仇討ものだが、相方に千葉真一(前作の渡瀬恒彦はカメオ出演)、コメディリリーフに山城新伍
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サイコウノバカヤロウ(2017年製作の映画)

2.5

上野オークラ「レンタル女子大生 肉欲延滞中」を鑑賞。

題名とは「全然」違う小松・竹洞コンビ毎度のちょっといい話。
旬なネタを快調な会話で見せる現代版「たそがれ酒場」てな感じの群像劇か。彩城ゆりな久々
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.9

珍しいパターンでこれはCSで見て、「2」は劇場へ行った。

現代アクション職人アントワン・フークアが相性のいいデンゼル兄と組んだ無敵のDIY処刑人物語。
今回もデンゼルさんの「いい人」面を前半にがんが
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ワンナイト イン モンコック(2004年製作の映画)

5.0

さすがはイー・トンシン、一分の隙もない緊張感溢れる作品で、重厚な見応えのある傑作。

世界で最も人口密度が高い街、旺角。クリスマス直前の夜、ちょっとしたチンピラ同士の喧嘩はボスの息子が対抗勢力に車で煽
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乳母車(1956年製作の映画)

3.8

石坂洋次郎原作は日活で沢山映画化されているが、田坂演出はちょっと松竹大船調な感じ(鎌倉だし)。
裕次郎と芦川いづみ、若い二人が大人達のお妾制度的な古い家族制価値観を奔放な理論で打ち負かしていく様が、い
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複雑な彼(1966年製作の映画)

3.9

三島の通俗小説を材に、サンフランシスコやリオ・デジャネイロにもロケした観光ロマンス映画なんだが、これがまぁえらい所に着地するんだ。田宮二郎が自信をもって臨んだというイケメン完璧超人ぶりが痛快。

男か
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さかり荘 メイドちゃんご用心(2018年製作の映画)

1.0

上野オークラで鑑賞。
同年の国沢組から間を置かず登板となった佐倉絆主演作。こちとら、専ら里見さん見たさで行ったが、やはり筆鬼一の薄い骨組みだけのペラペラなプロット(やすらぎの郷が元ネタらしい)と字面が
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キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(2011年製作の映画)

4.3

クラシカルな温かみのある作品で、殺伐とした今時のアクションではないところが気に入った(結構大量に人死んでるんだけどね)。監督の演出の具合いなんだと思う。レトロ・フューチャーなメカ群とかもいい感じ。>>続きを読む

崖っぷちの男(2011年製作の映画)

3.7

新宿東急1で鑑賞。絶対3だと思ってたけどでかい方での公開だった。
まだこの頃は、サム・ワーシントンの貴重なSFじゃない主演映画だった。「サボタージュ」とかは脇だし。

ハリウッドの未映像化脚本リストに
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東京の恋人(1952年製作の映画)

4.7

神保町シアターで鑑賞。いつだっけ。

戦後復興中の銀座の路地で絵描きをする原節子が、宝石偽物騒動に巻き込まれるモダンな人情喜劇。
三船敏郎、森繁、沢村貞子に清川虹子とオール怪獣総進撃状態で笑って泣いて
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お転婆三人姉妹 踊る太陽(1957年製作の映画)

4.1

※オリジナルはカラー映画なのだそうだけど、カラーネガが現存していないらしく、自分が観たものはモノクロ仕様。

ペギー葉山、芦川いづみ、浅丘ルリ子の三姉妹が未亡人の母・轟夕起子の再婚相手を探す、多幸感溢
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帰ってきた狼(1966年製作の映画)

3.6

シネマヴェーラ渋谷の西村昭五郎特集で。その後、自分が企画した上映イベントでもかけた。

デビュー作から三年後、多く助監督についた師匠格の中平康「狂った果実」と、後輩となる藤田敏八「八月の濡れた砂」の間
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お祭り野郎 魚河岸の兄弟分(1976年製作の映画)

4.0

東映東京に移り、「トラック野郎」で文太の三の線を当てた鈴木則文が、シリーズの合間、興行の隙間に松方弘樹にお祭り大好きで女にモテモテな河岸の若者という劇画チックなキャラを当てた娯楽編。因みに東京卸売市場>>続きを読む

銀蝶渡り鳥(1972年製作の映画)

3.9

梶芽衣子が日活からフリーになっての東映第一弾、銀座を舞台に夜の蝶となった芽衣子がビリヤード勝負に挑む異色編。
野良猫ロックの香りを残しつつ、三角マークにはめ込んだ山口和彦演出は流石。殴りこみの和服姿も
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任侠魚河岸(かし)の石松(1967年製作の映画)

3.7

北島三郎主演の歌謡映画。
題名通り旧築地市場を清水港に見立て、漁業利権を巡りサブちゃんが意外な程の俊敏なアクションと熱い人情・義侠を見せる痛快篇。漁業の歴史を知っとくと楽しいぞ。
御大・村田英雄先生も
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勝負犬(1967年製作の映画)

4.0

田宮二郎as鴨井大介の犬シリーズ最終作。
音も煙も出ない新式拳銃(船戸与一みたい)の密売を巡り、またも鴨井はんがしょぼくれ刑事・木村(天知茂)と事件に巻き込まれる。
村野鐵太郎とは違うノワール色強い画
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野獣を消せ(1969年製作の映画)

3.9

べーさんもまだルーキーで、「ニューアクション」もどれが進むべき方向なのか、手探りの中の作品だと思う。
脚本は「狙撃」直後の永原秀一と中西隆三の共作、69年という時代背景から見ても、基地の町福生が舞台で
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アクシデント(2009年製作の映画)

4.2

トー組(銀河映像)製作によるソイ・チェン作品。

眼鏡をかけたルイス・クー映画というのはハズれないというジンクスがある。
元々古惑仔だったくせに、すっかり落ち着いて元ヤン役者の風合い。
今じゃ小市民的
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マイアミ・バイス(2006年製作の映画)

4.5

オールドファンの俺としては、非常に満足のいく作品に仕上ってた。
しかし全米では予想よりも興行成績は伸びず、制作費も回収できなかったとの事。
制作費が嵩んだのはロケをしていた一昨年から昨年、フロリダはご
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地下街の弾痕(1949年製作の映画)

3.3

シネマヴェーラ渋谷大映男優特集「地下街の弾痕」、こちらはデジタル上映。

戦後間もない大阪、神戸でロケされたモダンな刑事もの。スタンダードサイズで復興途上の町並を映す冒頭は、ハリウッドオールドスタイル
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賭場の牝猫(1965年製作の映画)

4.0

大映の「女の賭場」に先駆ける事一年、日活が矢継ぎ早に三作送り出した野川由美子主演の女胴師もの。父の死にまつわるイカサマの疑惑等、大映作に似た所も多い。野川由美子の眼力を美しく切り取り、夏の東京銀座周辺>>続きを読む

拳銃残酷物語(1964年製作の映画)

3.9

宍戸錠さん追悼で。
大藪原作を元にした物語は、アメリカのフィルムノワールとアンジェイ・ワイダの影響を感じさせるダークで渇いた犯罪活劇に。古川卓巳はこの感じが合う。モノクロ撮影、小高雄二や香月美奈子、二
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