東宝が振り切れた時の怖さを忘れてた。
藤田敏八「修羅雪姫」と同じく、日活発→東宝行の中平康監督が描く女闘美アクション。余りのスピードと密度に観客が置いてかれるハイテンション・ガールズムービーとなっている。
新藤兼人脚本だけにベトナム反戦、反米が薫るのはご愛嬌。
もしも中平康がロマンポルノを撮っていたら、なんて事も考えてしまうセックス、バイオレンスのつるべ打ち。たたっ切るよなカット割り、疾走する語り口。朝鮮戦争から70年代までが90分ジャスト！
「ずべ公番長」＋「さそり」なごった煮闇鍋映画。凡天太郎作の衣装も見所。
ライバルの令子を演じる長本和子は美人だし芝居もいいのに、続編には出てなくて残念。
この作品の為に選ばれた主演・青木リカは正真正銘ハーフだが、芝居が上手なのかヘタなのかは？ 中平演出の早口のセリフ回しがリズムとなり何とかなっている。筒美京平のアイドルソング２曲も披露。
脱ぎっぷり、スラリと伸びた脚のアクションは見所。
非常に酩酊感が強い強めの悪い酒のような映画。がんばれリカ！
