冒頭に【オーディオマッチカット】
「アバンのBGM」→「レストランのバックで流れるBGM」にすることでカットを繋ぐ
3時間を超える長編を飽きずに鑑賞できるのは、この映画の至る所に散りばめられた映像のマジックによるものが大きいと思います。
「片脚を地面に固定した状態」から「片脚を地面から離し、前進する」という身体動作を色々なシチュエーションに置き換えて見せる事で、主人公の心情変化、感情的な成長を描いた作品です。
映像的には、物語前半か>>続きを読む
-舞台、衣装、小物どれもめっちゃかっこいい
-"大移動"の話であるならば、カミシモを徹底して欲しい
-編集によって身体の一部の挙動を早回ししたり、異常な表情(変顔)をさせることで、「この世のものでは無い」を表現する
-0:14:39 【ドリーズーム】
「3Dアニメーション」は、まさにスタンドライトのような無機質で安定した骨格に、動物のような生命的な動きを与えることができる。
本編の他に、メイキングや制作スタジオ紹介の動画を見るともっと楽しめる。
監督は内装業の仕事の傍ら、制作期間7年を費やしてほぼ1人でこの映画を制作している。それまでにも余った資材を使って操り人形や人の顔>>続きを読む
視線の誘導
映画冒頭、2カット目の長回しショット。
『源十郎と妻の宮木が会話をしている様子を映す。2人の会話がしばらく続いたあと、藤兵衛の声が入る。その直後、画面中央奥の家から藤兵衛が飛び出してく>>続きを読む
この映画は、コウを追う夏芽、その夏芽を追う大友という三者の関係によって成立している。そのうち、「追う」立場でありながら「追われる」立場でもある主人公夏芽の主観で物語が語られていく。
-潮溜まりでの夏>>続きを読む
『見つめ返してくる人々』
作中に登場する人物が時折カメラの方(こちら側)に視線を向けてくることがある。
シク教の人々の「カメラを意識しながら撮られている」という姿を画面で見せることで、カメラが一方的に>>続きを読む
『仏教的価値観の否定』
仏教にある「諸法無我」という教えでは、
世の中のあらゆる物は少なからずお互い影響を及ぼし合っていて、そこに自分という主体は存在せず、周りの環境によって"生かされている"存在であ>>続きを読む
『オーディションシーンの「死」を思わせる記号』
オーディションのシーンにおいて、候補者の人物を真正面から捉えるショットでは、人物の背後の壁が、まるで葬儀の際に使われる鯨幕(白と黒の横断幕)のように見え>>続きを読む
『ラインを超える』
画面を2等分するようにして引かれた車輪の跡
画面下から現れたジェリーは、ゆっくりと歩きかながらそのライン(車輪の跡)を超える。文字通り一線を超えたジェリーを引き金として、その後の衝>>続きを読む
「偶然」を演出するしかけ
忘れ物をした女性社員/窓ガラス/宅急便/バス/エスカレーター
自分も濱口監督の解説で初めて気付いた
牛の移動を捉える際に終始一貫して「上手→下手」の移動が見られる。牛の移動を見せる時に、牛の大群を描写として見せるだけでなく、移動の方向性を視覚的に見せることで画面>>続きを読む
-セリフと画面の矛盾
かなり丁寧な調理描写が多い作品なのだが、ヤマメの塩焼きを調理する一連シーンでは、内臓を取り除く描写がカットされている。
直後のセリフで、
「他人に殺させといて、殺し方に文句付け>>続きを読む
-過去の名作実写映画のオマージュ
シドの家の絨毯の模様が「シャイニング(1980)」に登場する旅館の絨毯の模様にそっくり。(他にも色んな作品のオマージュが隠されている)
アニメは、このように記号的な>>続きを読む
-全身を映すシーンが多い
役者の立ち振る舞いや立ち位置など身体のアクションを軸にドラマを構成している。舞台や歌舞伎などに近い。特定の部位に超クローズアップした描写などはあまりない。(目だけ、手だけなど>>続きを読む
この映画の構成は、物語の舞台となるホルガ村に「行く前」と「行ってから」の2つのパートに分かれる。
映画前半部は、主人公ダニーの不安定な精神状態や、これから起こることに対する不安を鑑賞者に伝えるための映>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
映画冒頭のポラロイドを映すクローズアップ。
血にまみれた男の頭部が映し出されたポラロイド写真は、時間が経つにつれ色が薄れていく。(これは逆再生で、通常ポラロイド写真は徐々に被写体が浮き出てくる)
この>>続きを読む
-諸法無我という考え
-鏡というモチーフ(一部で影も)
-橋というモチーフ
-煙草というモチーフ
-音量のコントロール
-上手→下手/下手→上手、外出/帰宅、再生/逆再生、未来/過去、進行/後退
-信>>続きを読む
-映画全体でオーソドックスな切り返しショット【構図逆構図】を用いた1対1の会話シーンが多い。物語後半のシーンでは「自分(主人公)とその手間のガラスに映る自分」を同じ画面で見せ、あたかも自分同士で会話を>>続きを読む
-なかなか3Dだけでは手の届かないミニチュアならではの質感や動きが、作品の世界を豊かにしている。ストップモーション、3Dエフェクト技術を駆使した人形劇の最先端。
-アクションシーンが良い。(日本アニメ>>続きを読む
-英語、日本語、フランス語がそれぞれ交錯した異質なコミュニュケーションが、解釈の齟齬もなくごく自然に行われている。製作者は何も思わないのか?抽象化された漫画やアニメと違い違和感があって面白い。
※『ド>>続きを読む
記録動画、モニター等の「メディア内メディア」の扱い方
-画角を狭める
-新たな帯を追加する
-物語内の組織によって編集された(かのような)編集で見せる
-近未来的なインターフェースを加える