もう何度か観てるけど映画館では初。
地球を裏っ返した先の文化圏に無一文で放り出されたトニー・レオンとレスリー・チャンがお互いを、そして幻想の目的地を求めるしかないように、制作過程から破綻していたこの>>続きを読む
90年代の台北で、富裕層の若者たちがそれぞれのパートナーシップを持て余していく。
序盤、ある人物が「ビジネスにおける成功の秘訣は中国人が好む"情"に訴えることだ」と口にするが、陰口を叩いて立ち回りばか>>続きを読む
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ずっとモラトリアムでいたい少女が自分のうちにある欲望に耐え切れず、最後には逃げ出してしまう。原作コミックと展開は微妙に異なるらしいが、このラストシーンは変わらない。
このラストについて、原作者はしきり>>続きを読む
香港・若者たちの恋愛群像劇...と要約するには余りにも原理的な感覚がずっと描写されつづけていて、息が詰まる感覚だった。
この映画の登場人物は誰一人として望むものを手に入れない。
ナンパしたりされた>>続きを読む
高校の頃に履修してた実習で、卒業間近になって2-3分の映像作品を撮る課題が出た。もう10年程前の話なので大半の作品はもう忘れたが、記憶にこびりついているものがある。
それは、同級生のSくんがトイレ掃除>>続きを読む
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ゲゲゲの鬼太郎をほとんど知らない(目玉おやじが鬼太郎の父親であることを知ってるくらい)で鑑賞。語りたい要素が幾つもあるけれど、特に主人公(水木)のキャラクターアークが素晴らしかった。
水木は戦争経験>>続きを読む
離れ離れになった婚約者を待ち続ける女性の映画といえば、短絡的には純潔を守り通す描写群がイメージされるだろうが、マリアは戦後復興していく西ドイツ下において狡猾に生気みなぎる世渡りでその社会的地位を強めて>>続きを読む
過去に2度の離婚を経験し、ファッションデザイナーとして成功・自立した生活を送るペトラ・フォン・カントが、ある日訪れた野心溢れる若い女子カーリンに入れ込んで破滅していく話。
ファスビンダー自身による室>>続きを読む
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名士の非嫡出子として生まれ、疎まれながら母と2人で暮らす無一文の青年プシュパが、地元にのみ自生する木「紅木」の密輸組織で成り上がる話。
前後編の前編で、今作はプロットでいうところの第二幕、プシュパが密>>続きを読む
中年夫婦の危機に関する映画、あるいはとっくに青春が終わった人々の悲哀に関する映画ではあるのだが、あくまでその方向性を決定づけるのはラストシーンの階段であって、劇中で長い時間を割いて描かれていたのは複数>>続きを読む
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①セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン(1967)/②シルヴァー・シティー・リヴィジテッド(1968)に続けて鑑賞
ヴェンダースという作家をそもそもよく知らなかった(昔仲間うちでよく話題に出てたけ>>続きを読む
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当然のように3時間ある。しかし、これでも削ったんだろうなというのが節々に伝わった。そのくらい詰め込まれてて細かい描写を見逃すと誰が誰だかわからなくなる。ダイジェストの連続。
インド映画を観る時の個人>>続きを読む
2023.10.26
シャンタル・アケルマン特集@早稲田松竹
忘れない
ファスビンダーが描く人物は、常にはじめから詰んでいる。流砂はかれらの精神を既に腰元まで呑み込んでいて、かれら自身は恐ろしいほどその事実に対して自覚的だ。
そのためかれらが取りうる態度は、身を任せること>>続きを読む
ジーナ・ローランズが奇行に走ったりへにゃへにゃと倒れこむたび、画面には決して映ることがないはずの愛を幻視しそうになった。受け止め手のいない感情が湯気みたいに霧散して消えていく。空回り映画。
10年前に観るはずだった映画。
ベルナデット・ラフォンの超ヒモ即ちレオーがナンパした女の子フランソワーズ・ルブランともよろしくする220分。
レオーは、ラフォンが仕事でいなくなればルブランに会いに行く>>続きを読む
田舎から突然都市へと放り込まれた少年が、仕事場/並木道のベンチ/或いはカフェテラスで他人のチョメチョメをじっと見ている。
孤独とは、本来想定されるほど大それた感情ではなく、恐らくその見の瞬間にある。>>続きを読む
主人公は孤独で裕福なお嬢様(30代)という設定なのに、ご年配な客人をもてなす冒頭〜招き入れた青年の世話をする一連シーンまで、料理したり飯運んだり風呂沸かしたり奉仕ばかりする。
これが上映開始から恐らく>>続きを読む
正直もっと目的を逸脱してもっとはっちゃけてもっと休日してほしかった。ヴァカンスしてよ。演劇制作という柱は若干引力が強すぎるのでは。笑える場面はあった。平均年齢高めな人たちがタジタジしてるのは可愛かった>>続きを読む
ナンパした女(子持ち失職中旦那のDVから逃げてきた、明らかに疲れた顔)を上手くモノにできず腹いせに財布を盗んで笑う二人組。ここから女側の視点に転換することでもう40分加えて長編にもできそうなのだが、そ>>続きを読む
貧乏で溜まり場も限られてて女口説いても上手くいかないレオー。サンタクロースの格好したら女の子に触れた!みたいな展開にぬいぐるみペ○スとかいうしょーもないスラングを思い出した。
裏ドワネルもの。
レオー>>続きを読む
ヴァカンスは前提として期限付きなもの。『アデュー・フィリピーヌ』はわかりやすく兵役がリミットになってた。前半パリのシーンも面白かったけど旅行に行くまでがちょっと長くて早くヴァカンスしろよとふがふがしち>>続きを読む
「遭難をコンセプトにしたツアーって、それはもう遭難では」万人が考える指摘を完全無視して決行される旅はトラブルにも満たない間延びした行程。急な山を登って掘っ立て小屋で雑魚寝して何日もクルーズした挙句に辿>>続きを読む
要約できない映画だったけど、目的や会話が逸脱しきった挙句に市民会館でサンバを踊る場面と、船を乗り継いで乗り継いでの帰路を執拗に映し続ける場面は多幸感があった。他にもいろいろあった気がするけど良い意味で>>続きを読む