MovingMoviesさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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ロバと王女(1970年製作の映画)

4.5

自分の娘と結婚すると王が言いだした。これは江戸川乱歩かブニュエルの路線なのかと(ドヌーヴ様だし)一瞬警戒したのだけれど、ジャック・ドゥミ監督はもちろんそういった傾向からはほど遠い。
色彩にあふれた作品
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パッション(1982年製作の映画)

2.0

短いショットをつなぎ、中世の絵画をモデルで再現する映像は何かを予感させるオープニングだった。影は存在しない、影は光の反映なのだという言葉の通り、人物が陰影だけになっているシーンも多くみられた。

男女
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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

4.0

「奇人変人が世界を飾る」と言ったのは、ドストエフスキーだそうだ。

実話を映画化するときに陥りがちなのが、時系列に忠実に映画にしようとして退屈になり、流れがよくわからなくなるもの。現実は一直線には進ま
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話の話(1979年製作の映画)

3.0

表現の自由など望めない地は多く、それでも映像作家は象徴に託して何かを伝えようとするのだろう

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.5

象なのか、大木なのか、こうもりがかすめ、フクロウが鳴く。

霧の中の白馬

霧の中はとても緊張する

日常はいい。緊張しなくていいから。

でも霧の中の白馬は・・・

霧の中の白馬が気になってしまうハ
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.0

接近と反発をくりかえす恋とプライド

ペン画のような線を多用して描かれた背景がとても美しい
アニメに実際の花火の映像が組み合わされる

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.5

素朴で平面的に見える動物が巻物を巻いていくように水平に画面を移動する

小さきものは強きもの・・・

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

4.0

壁画の絵が動き出し、壁の中で戦っているかのようだ。

アニメをアニメーションだけでつくらない。煙や水面の映像といった異質なものを合わせこんで、二次元のアニメに手触りを与えている。

25日・最初の日(1968年製作の映画)

4.0

赤と黒の圧倒的なスピード感

同じ形の繰り返しによる美しさ
切り絵あるいは影絵のような世界といえるかもしれない

モン・パリ(1973年製作の映画)

3.0

ジャック・ドゥミの作品は色彩に溢れている。

美容院の人々のオレンジ、緑、青の洋服。
おしゃれ番長カトリーヌ・ドヌーヴは当時の美容師さんはそんな服着てたんですか、と突っ込みたくなる房(フリンジ)のつい
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TOKYO!(2008年製作の映画)

3.5

ミシェル・ゴンドリー Interior Design レビュー4.0

レオス・カラックス Meldo レビュー2.0

ポン・ジュノ Shaking Tokyo レビュー3.5

ミシェル・ゴンドリ
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カリートの道(1993年製作の映画)

3.5

アル・パチーノはかっこいい。

グランドセントラル駅で逃げるシーンでさえも絵になる。最初の頃にいかにも移民の犯罪者のような語り口だったのに、観ているうちにとても知性的な人に見えてくる。

デ・パルマ監
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

3.5

手前にあるものと遠景にあるもの両方にピントを合わせたかのように、画面を分割して両方の被写体を映しているショットが印象的だった。
ふくろうのアップと遠景のトラボルタ。トラボルタの顔のアップと背景の会話を
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

まだ何者でもないと焦る若者の浮遊と老齢になった監督が見守るあなたはあなたでいいのだという世界の肯定が交錯するホドロフスキー版青春映画。

街や人々が書き割りになってしまうのはミシェル・ゴンドリーを思い
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何者(2016年製作の映画)

3.5

悪口は往々にして悪口を言っている本人にあてはまる
「あのひとは上司の顔色を見てコロコロ意見をかえる」と上司の顔色ばかりみている人が言う。
「あの娘は相手によって出す声の高さが1オクターブ違う」と相手に
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メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)

4.0

不意打ちに遭う。『シングルマン』『ムーンライト』もそうだった。どうして本作も不意打ちと感じたのだろうか。自分が同じ男性で、無意識にヘテロセクシャルを前提にしているから衝撃をうけるのだろうか。あるいは美>>続きを読む

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)

3.5

本作のちょうど折り返し点から、異なる人物の視点から動機を想像する作業が、まるで小説を組み立てているようで惹きつけられた。その頃画面には小日向さんが登場し、さらに映画らしくなっていく。

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.5

ピーター・ファレリー監督の『愛しのローズマリー』は好きな作品の一つ。外見に対する偏見を笑いたおす映画だった。
博士号をもち天才ピアニストでありながら、黒人だからという理由でマハーシャラ・アリは白人には
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アタラント号(1934年製作の映画)

3.5

プライドを傷つけられると不合理でもとりかえしのつかない行動をとってしまう男。ただパリの街が見たかった女。

水の中の花嫁の姿は、エミール・クストリッツァ作品で繰り返されるイメージを思い出す。

レコー
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

4.0

自分がもしこの一員だったらきっと嫌だなと思った。知識、経験、体力で到底かなわない相手が独断でスケジュールを決め、いつも団体行動を指示される。

一番好きだったシーンは、お兄ちゃん”ボゥドヴァン”とクレ
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風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.0

くすんだ青い色の窓。キアロスタミの作品のカラーだ。少年と歩く林の朝の光が美しい。

友だちに渡さなければいけないノートが少年にはあるように、取らなければいけない電話が男にはあるようだ。

通りすがりの
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オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

3.0

『オリーブの林をぬけて』という映画を観ている我々は、その映画の中で『オリーブの林をぬけて』という映画を撮影しているクルーや俳優の演技を観ることになる。その撮影されているシーンは、ドキュメンタリー風であ>>続きを読む

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

3.5

コケルへ行く道を知らないか?なら、ポシュテは?
ちょっと待って、これは『友だちのうちはどこ?』のあの少年、アハマッドがネマツァデのうちを探して2回も往復した村々の名前じゃないか。

『友だちのうちはど
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.0

この映画は友人の結婚式、出兵前のパーティー、ベトナム戦線、家へ帰ることが描かれている。同監督の『天国の門』もそうだが、大勢で踊る長いショットが生き生きとしている。

まともだった男は、まともだったのに
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ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)

3.0

今、観ると『パリ、テキサス』のハリー・ディーン・スタントンがナスターシャ・キンスキーに、ラスベガスで初めて出会っていたんだ!と思わせてくれる作品

スローガン(1968年製作の映画)

3.5

冒頭の2分間が挿話が面白い。チープでばかばかしく好き。
映画全体の前半はジェーン・バーキンの笑顔の魅力あふれるストーリー。『 グッバイ、ゴダール』も思い出させる、美しく若い女性と知的な中年男の恋愛劇に
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地球へ・・・(1980年製作の映画)

5.0

この作品を今観ると、『マトリックス』、『オブリビオン』、『進撃の巨人』はみな竹宮惠子から始まったように思えるくらいの構想力だ。

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

タランティーノ作品の中で一番好きな作品。

この作品の前半のサミュエル・L・ジャクソンは本当に怖い。以前観たときは痛快ささえ感じたが、今回は本当に怖く感じた。

お約束の拳銃の三すくみや冒頭のレストラ
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映画よ、さようなら(2010年製作の映画)

4.0

最高得点をつけてないけど、レビューしたくなる。そんな映画だった。

Filmarksのあらすじに書いてあるウルグアイのシネマテークが舞台。アイスランド作品の選別もしていた。シネフィルには最強の映画館に
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10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(2002年製作の映画)

4.5

贅沢な作品だ。スーパースターのような映画監督の作品からなるオムニバス。それぞれのタイトルをみてワクワクしていた。

アキ・カウリスマキ 『結婚は10分で決める DOGS HAVE NO HELL』
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

5.0

5.0では足りなくて15点くらいつけたい。
前振りとその回収を丁寧に進めていく。筋を知っているのに何度見てもぐっとくる。
Martyの表情がいい。ガールフレンドとキスしたあとや、ビフにいじめられている
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メアリー&マックス(2009年製作の映画)

5.0

少女メアリーと中年男マックスの何万キロも離れた友情の物語。

二人が好きなこと、同じTV番組、チョコレート。この映画を一人で観ながら、チョコフレークを食べていた僕は二人の世界に引き込まれた。

自分の
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.5

すずちゃんはかわいい。そうですね。
イケメンがそろっている。その通り。
ひたむきにうちこむって良い。ごもっとも。
青春、恋、仲間、情熱と熱い映画の要素はすでに揃っているのだが、本作のいいところはキャラ
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ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

5.0

歌、映像、物語のいずれも楽しめる。未見の方に予告編はぜひお勧め。普段は予告編を勧めることはあまりしないのだけれど、本作の歌、映像のユニークさが短い時間ながらよく表されていたように思ったので。

タラ・
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顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

4.5

アニエス・ヴァルダとJRがかわいいおばあちゃんとやさしい孫という感じで旅をする。無計画に旅をしている雰囲気だったが、海岸に突き刺さっているトーチカに大きな写真を張り付ける時に、スタッフがとても計画的だ>>続きを読む