モモモさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.2

パク・フンジョン、サイコー!な「魔女」待望の続編。
本当に待ちに待った作品ですよ。
日本公開遅かったですけど、最高の続編だったので水に流します。
前作の「穏やかなシスターフッド的前半パート×無機質な研
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

いやぁ、これは面白い。
個人的には「海よりもまだ深く」以来のクリーンヒット。
是枝作品と言うよりは坂元脚本と近藤撮影に惹かれた感じではあるのですが。
ネタバレ箝口令を引く理由も分かる「構造の映画」だ。
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.9

キリスト教のコミューンで起きた強姦事件。被害を「悪魔のせいだ」と信じなかった男達が保釈金を払いに留守にしている間に「我々はどうするべきなのか」を被害女性達が話し合う。
加害者は「男」としか呼ばれず顔が
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.5

「ハイテク装備のアダム・ドライバーが65万年前の地球を少女と彷徨う」と言う余りにも美味しすぎる粗筋から飛び出してきたのは、木曜洋画劇場でした。
いやぁ、あまりにも凡庸。
ぶっちゃけ恐竜が暴れ散らかし、
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.4

女子高生と教師の恋愛スリラーな一幕、目線がスクールカウンセラーに代わり物語の種明かしに終始する二幕目、そして演劇を舞台にタイトル通りの展開に向けて頑張る三幕目。
三幕構成ってやっぱり美しいですね、と思
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水曜日が消えた(2020年製作の映画)

3.4

曜日毎に変わる7つの多重人格(劇中では特殊な症例みたいなので名称は違うのだろうが)の内「水曜日が消えた」事で起きるミステリー??風味の一作。
「何故、人格が消えたのか」に焦点を当てて物語を牽引するサス
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.9

監督兼主演で「ロッキーの後継作」であるクリードが3部作として円環を迎える…なんて出来すぎたストーリーなんでしょうか…!
アニメ好きを公言する演出術が「ボクシング試合」で光る義兄弟物語をド直球で描く王道
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.8

ワイルドスピードお馴染みとなってきた後付け設定、ここに極まれり。
死んだ人間は生き返るし、存在しなかったキャラも回想改変で存在させるし、ファミリー達の前で道理は通じない。
ダークナイトにインフィニティ
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.0

身体障害を抱える兄と自閉症(多分、知的障害も併発してる)を抱える妹。
兄が職を失い、妹がレイプ(双方の同意を成立されないだろうからこの言い方しかできない)された事を契機に妹の売春で生計を立てていく事に
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食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

4.0

前半は冗長だし、動物虐待のスナッフフィルムである事実は揺るがないので、進んで再鑑賞はしないのだが…大画面で上映しているなら、まあ、折角ならと…。
ラストの一台詞は完全に蛇足だが(もっと観客を信じろ)、
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聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.5

漫画は昔知り合いの家で飛ばし飛ばしで読んだ、アニメもちょっとだけ知ってる程度の人間として「思った以上に真正面から聖闘士星矢の物語を実写にしてる」って感じの映画だったんですが…悪い意味で可もなく不可もな>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.8

ニコラス・ケイジ版『ジョン・ウィック』的あらすじから飛び出す、文芸的叙述「有害な男らしさ」解体物語。
山奥で世捨て人としてトリュフ豚と共に暮らすニコラス・ケイジ。
彼に元を訪ねてくるのはトリュフバイヤ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

MCU史上最も私的で作家性に満ちた3部作の完結編。
最高のジェームズ・ガン映画で、最高の3部の締め括りで、MCUベストに食い込む大傑作。
個人的にはガーギャラ3部作の中で1番好きな作品だ。
「お馴染み
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.2

オーストラリアで起きた無差別銃乱射事件を題材に、鬱屈として、閉鎖的で、先行きが見えず、思い遣りも互いへの想像を巡らす余裕も無い、今の世界の有り様を描く傑作。
ゴア表現やジャンプスケア的演出を用いずに「
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.1

前評判通りの傑作。
日本の低予算映画で勝負するには脚本力の一点!という力強い説得力を備えた1作。
ワンシチュエーション・タイムループ映画として確かな王道展開で突き進む一幕目から面白い。
日本特有の縦社
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

歴代ゲームシリーズをCG長編アニメに変換するのではなく、直輸入でそのまんま映像化してみせる「マリオだからこそ」出来た異色のゲーム原作映画化作品。
横スクロール、3D、そして作品毎に異なる世界観。
整合
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.1

『ボーダー』を作り『ラスト・オブ・アス』のエピソード監督を務めたアリ・アッバシ監督の最新作。
観ないと言う手はありませんよね。
聖地で起きた娼婦を対象とした連続殺人事件。
ジャック・ザ・リッパーの再来
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.0

灰原哀が主軸!?との予告編で観てから「映画館初コナン」はこの作品に捧げようと決めていました。
小学生の時からTVで劇場版は観てたんですが、ここ数年のコナン映画はGW公開&国民的作品に成長し過ぎて客がと
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サイン(2002年製作の映画)

4.2

僕は「シャマランっぽさ」を褒め称えているけどなんか漠然とした概念になってないか…?と不安を覚え久し振りの鑑賞。
なんか一時はディスクも廃盤で配信も無くみたいな状況が続いていたけど、今はDisney p
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

4.2

理想的な「原典からの直結再続編」として「ファイナルガールの反転劇」と「親子3代に渡る血脈逆襲」で最高のスタートを切った1作目。
「あ、そっちに振り切っていくんだ」な「ブギーマンと言う概念」を深掘りした
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

凶悪犯罪者達と警察官を乗せた輸送船で繰り広げられるゴアゴア韓国版『ダイ・ハード』かと思いきや…早々に『プレデター』×『バイオハザード2』な怪物バトル物にジャンル転換し…終盤にはもういっちょゴア増し増し>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.4

今年最大の掘り出し者かもしれない…大傑作!!プロットの手のひらで転がされまくった最高のミステリー体験!!!最高!!!
前作「search」の手法に「主人公がSNSど真ん中世代」という新基軸と「親が子を
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.0

1作目から随分時間が経ってからの敢えての続編(前日譚)、子役の時に「子供に見える大人」を演じた主演が代わらず大人の状態で「子供に見える大人」を演じる。
この2つの条件が揃ってる本作が普通の続編な訳ねー
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.3

ホモファビア、ファットファビア、偏見の根深さ、宗教嫌悪、人間嫌悪。
そんな「この世界は醜い」を積み重ねた果てに、ある登場人物を「白鯨を憎むエイハブ」に重ねた上で「美しい一片が人生には在るのかもしれない
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.2

字幕版を観たかったけど中々スケジュールが合わず、随分と遅れての鑑賞。
いやぁ、めちゃくちゃ面白かったです!!
「スパイダーバース」以後の映像表現なんで物語も事実上のリブートなのかと思いきや「シュレック
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.3

「物創り映画」にして「知的ボンクラ品なし会話劇」の大傑作。
職人監督ベン・アフレック、堂々の帰還ですよ!!
誰もが名前は知っている「エア・ジョーダン」誕生にキャリアを賭けた男達の「お仕事映画」の皮を被
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.2

もう「ヴィジット」以降のシャマラン作品は安定感しかありませんね。
安心安全のシャマランクオリティ。
「これは一体、何が始まったんだ」で観客の関心を鷲掴みにして突き進む一幕目。
「これはこういうお話です
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.3

超面白いんだろうなとの期待に真っ向から応えてくれるファンタジー・アクション・コメディの大傑作。
ファーストショットから「この撮影、この美術、この衣装、この異世界造形…もしかしてゲームオブスローンズ級な
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生きる(1952年製作の映画)

4.3

リメイク版鑑賞前に十数年ぶりの鑑賞。
自分が社会人になってからの再鑑賞だからか、胸が痛く、そして居た堪れない鑑賞体験だった。
半世紀を経ても「お役所仕事」「日本のたらい回し責任取りたくないシステム」の
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.2

拳銃を落とした警官の父。育児や家庭への愛は枯れて「この狭い世界で生涯を終えるのか」との感情を抱いているその警官に娘と祖母の家に住みうだつの上がらない日々を過ごす警官の銃を(間接的に)拾った男が出逢った>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

4.1

穏和だが決定的なミスを選択し続ける閣下、部下の話を取り持ち戦局がヤバくなったら作戦の中止も即日判断する優柔さを持ちながらも「早く死にたい」と言う感情に飲まれていく参謀長、冷静な「その作戦を大日本帝国が>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

4.3

期待を上回る大傑作じゃないですか!!
こんなブロマンス映画が観たかったオブザイヤーですよ!!
ニコラス・ケイジという名優へのラブレターに「映画の話しか出来ないオタク」達の共鳴と友情を添えるコメディ・ブ
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ハロウィン(1978年製作の映画)

4.2

やっぱ古典ホラーって無駄が無いしちゃんと怖いんだよな、という学びの連続ですね…。
中学生の時に観た時と鑑賞体験が全然違う。
続編リブート2作目である「KILLS」には割とガッカリした派(概念系統のホラ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.2

周囲の評判が良かったので劇場で観たかったけど、タイミングが合わず配信で事前情報0での鑑賞。
「うわ、待て、その種の映画なのか、待て、心の準備と余裕が」で大ダメージを負ったが作品として傑作。昨年、劇場で
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.0

評判が良いので事前知識0の真っさらな状態で鑑賞。
一人の群を抜いた天才と2人の天才達が駆け抜けた鮮やかな「青春の始まりと終わり」を描くブロマンス青春譚。
僅か3年間の中で絶え間なく努力し腕を磨いたサッ
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

3.9

毒殺未遂とプーチンの隠し財産豪邸スクープでナワリヌイを断片的に知っている状態での鑑賞。ウクライナへの侵略戦争、そこに至るロシアという大国にして独裁国家の諸問題がほんの数年で始まっていたのではないと示す>>続きを読む