きゅうげんさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.7

この映画の素晴らしさを語るために言葉を尽くすことすら烏滸がましくなるほどの大傑作。
あまりにも有名なシーンばかりで、例を挙げれば枚挙に暇がありませんが、本作やマーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニー
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.7

ポスト・アポカリプス世界に朽ちたホワイトハウス!
ウェズリー・スナイプスに恩赦!
大統領専用車ザ・ビーストをマッドマックス的魔改造!
このバカ映画、10年たってもテンションそのままにやって来た!
……
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.3

制作会社のタイトルロゴからニクい演出。
ミュージカルとしての映画的な魅力にあふれた、気持ちいいはじまりですね。というか極彩色のカラーリングとか、舞台っぽい縦横無尽な照明ワザとか、フィルライト的なネオン
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ゾンビランド(2009年製作の映画)

4.1

しょっぱなから「ゾンビ映画あるあるギャグ」出血大サービス。
ゴア描写では遊び心が、お約束展開には天丼ギャグがありつつ、ゾンビ映画だからこそのカタルシスもしっかり。
おバカコメディでありながら'00sな
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ロープ(1948年製作の映画)

4.5

実際の猟奇殺人に材をとった、ヒッチコックの大傑作スリラー。
まだ物珍しかったテクニカラーと、意欲的なワンカット(風)撮影の試み、作品内と作品外の時間が一致する構造、当時は新鮮だったであろう"コロンボ"
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地下に潜む怪人(2014年製作の映画)

3.5

地獄はパリの地下にあった!
"トレジャーハント+モキュメンタリー×ホラー"と、なかなかてんこ盛りで意欲ある映画。公開当時はピューディパイが宣伝してたとか。
原題「As Above, So Below」
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ホステル(2005年製作の映画)

3.6

トロマ生まれタランティーノ育ちの、イーライ・ロス監督(冒頭の喫茶店でむせてた旅行客のツレ)の出世作。

序盤のセックス描写つるべ打ちには、性的対象化甚だしいものを感じないではありませんが、まさしく"ト
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.7

ジョン・コンスタンティンといえば『スワンプ・シング』の相方で「ジャスティス・リーグ・ダーク」のメインメンバー……、ですが事前学習は要らない内容になってます。

レイチェル・ワイズとかシャイア・ラブーフ
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黒水仙(1946年製作の映画)

4.1

イギリスを代表するマイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作にして、エレガント女優デボラ・カーの出世作です。

清廉潔白を志向する真面目な修道女が対峙するのは、宗教のるつぼ・ヒマラヤ山脈と『
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アリス(1988年製作の映画)

4.0

ルイス・キャロルのおとぎ話が、シュヴァンクマイエル監督のシュルレアリスムと混じり合い、摩訶不思議なワンダーランドを生みだしてます。

『不思議の国のアリス』がもつ、「物語」への構造的な姿勢、「現実」に
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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.4

何もないインターステートハイウェイの茫漠とした不安感、そこに現れた正体不明の男による、あまりにも恐ろしく不条理な惨劇。
サイコ・スリラー的な前半と、'80sらしい爆発カーアクションの後半、衝撃のクライ
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スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.0

ボディ・ホラーの帝王クローネンバーグ、特殊メイクの両雄ディック・スミスとクリス・ウェイラスによる秀作!
そして"怖い脇役"界のドンことマイケル・アイアンサイドの出世作でもありますね。

後世のあらゆる
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シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)

3.8

『エド・ウッド』でベラ・ルゴシに扮したマーティン・ランドー
  vs
『レベッカ』で狂気の家政婦を演じたジュディス・アンダーソン
音に聞く幻の名作が完全版でアマプラに!
モダン建築やテレビドラマっぽい
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画作品として、またオタクとして一喜一憂しながら観ましたが、松下哲也さん(京都精華大学マンガ学部准教授)が「84年版ゴジラ」と評していて、たしかに第一印象として頷けなくもありません。

内容は、
シン
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ポーラー 狙われた暗殺者(2019年製作の映画)

3.5

北欧の鬼才、ジョナス・アカーランド!
北欧の至宝、マッツ・ミケルセン!
ビビッドでハイトーンなカラーリングの、冗談みたいにマンガチックなキャラクター達の登場で、遊び心あふれる字幕芸にノリノリの『セプテ
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ファイナル・デスティネーション(2000年製作の映画)

3.1

おもしろ殺人ピタゴラスイッチ映画シリーズ一作目!
ところで、このオープニング・クレジット、フランスの人は怒ってもいいんじゃないですか?

ホラー的な説明ぜんぶ喋るし、ホラー的な演出ぜんぶ見せるのには'
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ソウ(2004年製作の映画)

4.0

もはや古典ともいえるジェームズ・ワン&リー・ワネルの金字塔ホラー!
謎の人物が転がっているのを見て、勘のいいホラーファンならすぐにでも気づいてしまいますが、しかし映画的にブンブン振りまわした結果、ネタ
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.2

最新作までアマプラ見放題ということで、"観たんだか観てないんだか映画シリーズ"のコンプリートを目指して鑑賞。

カラフルなスポーツ・コンパクトカーや途切れることないノリノリ音楽に時代を感じつつ、人種や
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スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

3.8

『アベンジャーズ』のフランク・グリロ&カラン・マルヴェイ!
  ×
『ザ・レイド』のイコ・ウワイス&ヤヤン・ルヒアン!
B級アクション+B級SFだけど、予算は前作の倍だぜ!!!
共感シアターのウォッチ
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スカイライン-征服-(2010年製作の映画)

2.8

ベイっぽい、エメリッヒっぽい、キャメロンっぽい……と観せたいもの・やりたいことがよく分かり、その意欲は買いたい映画。
落ち着きのないハンディカム撮影には'00年代の最後っ屁ぽさがあり、いろんなもののエ
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.9

あの名作の楽屋エピソードから、映画史における音響効果の変遷や、映像表現における音声・効果音・音楽というものの本質的な意義まで、ためにしかならないドキュメンタリーです。
紹介される映画は当たり前なほど有
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

『ピノキオ』に注目しすぎてこちらは「『怪物團(フリークス)』っぽい話?」程度の認識だったのですが……しかし。
『クリムゾン・ピーク』『シェイプ・オブ・ウォーター』を凌ぎ、『パンズ・ラビリンス』にも比肩
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.7

「中年の危機」などなんのその。愛する家族を守るため、殴れ、撃て、燃え上がれ!
マイケル・アイアンサイドにクリストファー・ロイド、奥さんはコニー・ニールセンという豪華脇役陣のなか"誰でもない"ダメ親父を
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ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ)(1985年製作の映画)

3.9

いろんな映画のパロディがうれしい、大人のユーモアを感じさせるなかなかの秀作。
キャラクター描写からストーリーラインの起伏までオトナの鑑賞に耐えうるものになっており、なおかつ描き方・落としどころの子供向
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劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を越えた遭遇(であい)(2001年製作の映画)

4.1

セレヴィを愛でてスイクンに惚れる映画。
前三作の壮大で深長で特別な映画としてのポケモン感は薄まったものの、これまでと同じような「生命倫理」や「環境問題」「人間のエゴ」などのテーマを身近なスケールに収め
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劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕(ばくたん)(1999年製作の映画)

3.9

やっぱりポケモンのタイトル・ロゴはいつ観てもテンション上がりますね。
生物や自然環境に関する社会問題というモチーフから、高慢で不遜な人間描写に、日本特有の「南海への理想視」や、音楽のエッセンスまで、ど
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

バットマンとは、"復讐"なのか"ノブレス・オブリージュ"なのか、あるいはそれとも――。
「映画館で観るべき"黒さ"」「まさにフィルムノワール」「ジェームズ・エルロイっぽい」「Qアノン以降の時代性」と、
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.2

羊の群れとそれを見据える狼、静けさを破るハンターの銃声。そのショッキングで含意ある冒頭から心掴まれます。
この町での生活を抜け出すためには軍か大学か"天国"みたいな刑務所しかないという、険しい雪山のよ
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ブレイド3(2004年製作の映画)

3.2

'00年代も中頃になると、MCUに通じる雰囲気がにわかに濃くなりますね。"ヒーローの所業が不幸なかたちで社会に暴かれる"というあるあるも、シリーズが続けばできること。

ライアン・レイノルズの軽薄さは
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ブレイド2(2002年製作の映画)

3.7

『ブレイド』&デヴィッド・S・ゴイヤー×ギレルモ・デル・トロ!
信頼のドニー・イェンに食えないロン・パールマン、そしてかわいいノーマン・リーダスという布陣で、もうお腹いっぱい。
原作ありきの仕事とはい
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

4.3

あまりにも不条理で凄惨で狂気的な山尾悠子『遠近法』、といった感じ。きらびやかな料理からエグいグロ描写まで秀逸ですし、そこに象徴されている深遠さも重要。

シンプルかつシンボリックな上下階層や、そこで結
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グラディエーター(2000年製作の映画)

3.8

リドリー・スコット監督を語るうえで欠かせない「男たちの決闘」というモチーフが、少年漫画的ストーリーテリングで顕現した作品。
リドスコお得意のスモーク芸は、朝靄・煙・雪・砂塵・カーテンと縦横無尽に展開さ
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マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.1

お酒をのみたい高校生となぜか手伝ってくれるおばさん……というシチュエーションを拡大しながら一本通すのには難しさがないではありませんが、しかし色々な恐怖(とくに田舎コミュニティとそのコンプレックスの恐怖>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.9

Chapter1っていう27年分の"前振り"が効いているから、ジャンプスケアの天丼ギャグからビル×ベバリー×ベンの色恋沙汰に、各個人の過去に絡んだトラウマやビルが少年を救おうとする悲壮感まで、泣き笑い>>続きを読む

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

4.0

スティーブン・キング映画のニュークラシック!
"子供をひどい目に遭わせる恐怖映画"二大巨頭とは、今ホットなジョン・ワッツと本作監督アンディ・ムスキエティ。『MAMA』の衝撃と感動は鮮烈で、今回は大物"
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劇場版 ポケットモンスター 結晶塔の帝王(2000年製作の映画)

3.9

アヴァンタイトルの一悶着とオープニング・クレジットのバトルシーンがかなりしっかりめで、かっこいいタイトルロゴが出るころにはテンションMAX! ファンサ的寄り道はなく、本編はキレもテンポも快いです。
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