国が場所ではなく民とされているところに同時代性を感じる。レッド・ツェッペリン「Immigrant Song」を現代社会の表象として使ってるのもなかなか大胆。
こうした魅力があるだけに、いちいちテンポ>>続きを読む
平成生まれの昭和感覚にはうんざり。私は2017年に生きている。
ただの伝記映画ではなく、レーガン時代のアメリカを皮肉る内容で面白かった。『ウォー・マシーン』でブラピさんがやりたかったのはこういう映画だったんだろうなと思いながら観ました。オチがイラン・コントラ事件で>>続きを読む
ヴィルヌーヴ色が濃い『ブレードランナー』ですね。人間とレプリカントの交わりから生まれたものを「奇跡」と呼び、その奇跡に魅入られた人たちはウォレスが目指す全体主義的な支配に抵抗する。始まりを描いてるから>>続きを読む
映画としての面白さはないけれど、フリーライヴに来たファンの人たちは最高。なにかと理由をつけて休むのはとこの国も一緒なんだろうな。
LGBT運動の先駆者であるマーシャの死の真相を探るドキュメンタリー。LGBTの中でもトランスジェンダーが一際不当に扱われている点を見せるなど、誠実な作品です。マーシャはアントニー・アンド・ザ・ジョンソ>>続きを読む
大好き。ホラー映画でありながら、少年少女たちの青春物語でもある。さまざまな社会問題への批判精神が色濃いのも印象的でした。なかでも秀逸なのは、べバリーの境遇の描き方。おそらくべバリーは父親から性暴力を受>>続きを読む
大好きな要素ばかりでしたね。冒頭からニュー・オーダー「Blue Monday」のキックが爆音で鳴り響くし、シャープなアクションや退廃的な映像もグッド。圧巻だったのは、スパイグラスを逃がすときのロレーン>>続きを読む
特に目新しさはないけれど、悪くない映画です。あらすじが匂わせるエロティックな要素は一切なく、トラウマと向き合って生きるまでの過程を描いた物語。手錠がトラウマの表象になっていて、だからこそ手首を傷つけて>>続きを読む
僕はダメでした。グレイス・ヴァン・パタンは将来が楽しみな役者だとあらためて実感できたのは嬉しかったけど、ダメな父親でも家族だからという理由で気にかけなきゃいけないのはどうなんでしょう?と感じてしまった>>続きを読む
すごいですよこれ。因習に立ち向かうソニータがメインなのは言うまでもないけど、同じくらい重要なのは監督を務めたロクサレ・ガエム・マガミの選択。その選択も含め、連帯は変化をもたらすことができるというメッセ>>続きを読む
面白い。スキャンダラスな見せ方を選んでもおかしくない設定ですが、王道のラブ・ストーリー的な表現を選んでいるのがよかった。エリカ・リンダー演じるダラスは、“映画史における身体という表象”の観点で見れば興>>続きを読む
有名な役者を出せばいいってもんじゃないとあらためて実感させられる作品。SNSが一般化した世界の危うさを描きたかったのだろうけど、ひとつひとつの展開が雑なので、エマさん演じるメイの洗脳→目覚めという流れ>>続きを読む
へヴィーな描写が多いので、観終わると同時に疲労感が。とはいえ、出来は素晴らしいです。これまでのシリーズと同様に時代を反映しつつ、テンポのよい展開で観客を惹きつけるドラマが繰り広げられる。劇中で登場する>>続きを読む
B級ものかな?と観ていたら、スクールカーストの底辺にいる人たちを励ます少年成長物語で胸アツでした。基本的には少年とベビーシッターの戦いなんですが、ベビーシッターが道を逸れてしまった存在として描かれる一>>続きを読む
サンダンス映画祭で注目を集めたカルト的作品。『この世に私の居場所なんてない』などもそうですが、サンダンスは日常の人たちに焦点を当てた映画をサポートしてますよね。こうした小さな声を拾うことで、社会が抱え>>続きを読む
久しぶりに観たけど、B級映画以上の魅力はないかな 笑。相変わらずチャッキーは次々と人を殺めていきますが、その殺し方を楽しむあたりは『アウトレイジ』シリーズみたいだなとなんとなく。
仕事で再見。面白いという類いの映画じゃない。戦争はもちろんのこと、人権や倫理についても考えさせられる内容。ロールズなどによる社会契約思想やリベラリズムの盛り上がりが顕著だった時代の映画という背景をふま>>続きを読む
『沈黙』の後に観ると、信仰を友情に置きかえたのが『ミーン・ストリート』なんかな?と思ったり。傑作じゃないけど、スコセッシの作家性を読みとくうえでは欠かせない作品でしょう。
心がほっこりするラヴ・ストーリー。老人ふたりによる大人のロマンスですが、そのふたりをセックスレスの夫婦に置きかえると、“性は人のすべてではない”というメッセージを見いだせるから面白い。“誰かと愛し合う>>続きを読む
笑えないくだらなさは地獄への道やで...。最後までスベりつづける奇跡的映画。
音楽がOPNだよなあとあらためて。OPNのほうが洗練されてますけどね。秘境的な雰囲気を醸す映像と、チープなSF描写はなかなか面白い。ちょっとクセになる。
“個性との接し方”というテーマから逸脱してしまう流れがあるのは惜しいけど、異なる考えの人を受け入れ共生するためのヒントがたくさん。不機嫌な態度で人を抑圧し、険悪な雰囲気を作ってしまうといった日常的問題>>続きを読む
人間の不完全さを皮肉るコメディー。面白いシーンも多いけど、いきなり「あなたゲイ?」とアウティングを促すのはどうなんだ?と思ったのでこの点数。
ゾンビ映画みたいなグロい描写はなかなか。続編を匂わせる終わり方ですが、3年も噂すらないことを考えると...察しましょう。
仕事で量産型恋愛映画をたくさん観てるんですが、そのなかでも本作は目を引いた。特殊能力はその人を形成する一要素に過ぎないと訴えることで、多様性を寿く内容になっている。それが意図したことかは不明ですが。そ>>続きを読む
いま観ても面白い。ダイナミックな編集によって生まれる躍動感はさすがの一言。正直、古典は勉強のために観るのがほとんどで楽しめないのだけど、本作は別。
ローパーさんはお気に入りじゃないそうだけど、いま観るとチープさが味になってるとも感じる。パワー・ドレッシングが全盛で、エイズが猛威を振るっていた時代に、疎外感を抱くふたりの超能力者のラヴコメという本作>>続きを読む
仕事で再見。黒人が出てこないなあ...と強く感じるのは、いま観るからこそでしょうか。子供が赤ちゃんの人形をボコボコにするなど、猟奇的とも言えるシーンが意外に多い。
エドガー・ライトはフォルマリスト寄りの人なんだなと再確認。好きか嫌いかでいえば好きだけど、正直物足りなさが否めない。音楽とシンクロする形で銃撃戦がおこなわれ、爆発も起きるという形式の面白さは及第点。で>>続きを読む
ポル・ポト時代の恐ろしさを描くことの意義は認めるけど、そのポル・ポトにアメリカも加担していた事実を無視しちゃダメでしょう。アンジーが監督なんだからなおさら。アメリカのリベラルのダメなところが見えてしま>>続きを読む
遅ればせながら。兄弟がノウハウを説明するシーンなど、退屈になりがちな話をテンポの良いカット割りで見事に盛りあげている。手に入らないものもあると示したラストは、あえて気持ち悪さを残すという誠実さを感じま>>続きを読む
ネットフリックスで配信スタートということで観た。前作『A Girl Walks Home Alone at Night 』は夢中になったんだけど、最新作も同様でした。現代的な問題意識が潜むカニバリズム>>続きを読む
面白かった。マドンナとの関係についても語ってます。とにかく音楽が好きで、自分の表現を守るためにいろんなところで戦ってるのがわかる。
アイスランドの美しく広大な風景をバックに、とあるカップルの顛末を描いた力作。カップル以外の人間が消えてしまうという設定も面白いけど、“神”が重要な要素になっている哲学的な物語も秀逸。あのラストは、絶対>>続きを読む