近藤真弥さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

近藤真弥

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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

これはすごいですよ。差別、貧困、ミソジニーなどを背景に、言葉にしづらい感覚を突きつけてくる。基本的にはへヴィーなんだけど、登場人物の行動が影響しあい進んでいく物語は爽快ですらある。脚本が素晴らしい。

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.7

多くのオマージュと、映画だからこそ可能な演出はキラキラとしたファンタジーで満ちている。それは強いていえば、理想的な『ラ・ラ・ランド』だろうか。社会から疎外されたふたりが愛しあうという展開はベタだけど、>>続きを読む

わたしたちの家(2017年製作の映画)

3.6

面白い。観客の想像力を信じる懐の深さが印象的な、語りすぎない作品。随所で表れる“見えない怖さ”は、時間や雰囲気を操れる手腕があってこそ。

ポルカ・キング(2017年製作の映画)

3.1

アメリカンドリームを皮肉ったうえで、“これまでの夢はもう崩れたけど、そこからもう一度歩んでいこう”という前向きなメッセージを込めた良作。こうした形で、実話を今風に仕上げるセンスは見事ですね。登場人物の>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

3.7

面白い作品というよりは、観たほうがいい作品。手法としては『ダンケルク』に近いけれど、『デトロイト』には“差別は昔も今も変わらない”という明確なメッセージがあり、この点は大きな違い。

ドキュメンタリー
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ジャスティン・ファシャヌ: 禁じられたゴール(2017年製作の映画)

3.4

プロのサッカー選手としては初めてゲイであると告白した人のドキュメンタリー。悲劇的な人生の裏にあった偏見や差別を浮き彫りにした内容は評価できる。ただ、性的指向についての話で「性的嗜好」と訳していたりと、>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.1

少女が女性になるまでの過程をモチーフにしたホラーかと思いきや、ラストでまさかのどんでん返し!あの父親の告白を聞いた瞬間、点が一気に線となり、“抑圧を受けて生きること”というもうひとつのテーマが浮かびあ>>続きを読む

ザ・リング/リバース(2016年製作の映画)

1.9

家父長制など、同時代性に目配せした作りは一定の評価ができる。とはいえ、それが物語を彩るネタに留まっているのは残念。あえて原作の色を後退させたりと、興味深い試みもありますが、そのすべてが裏目に...。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.7

先日、久々に観たので感想を。違和感を突き詰めることで、クスクスできる笑いを生みだす手法は松本人志的だと思う。特に好きなのは、悪ふざけ要素があるアクション。ありえないことを真面目にやってる姿に笑いが。こ>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

2.9

松岡茉優さんの映画です。精密な演技を得意とする実力派という側面が最大限に活かされている。自尊心が目立つ主人公と内向的な雰囲気漂う現実場面のコントラストは、現在の日本を反映しているようで興味深い。

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タルーラ 彼女たちの事情(2016年製作の映画)

3.4

タルーラ、マーゴ、キャロラインという3人の女性を中心とした物語。3人とも“母”であり、何かしらの問題を抱えている。その問題に、女性であることの辛さが滲み出ているのは見逃せないボイントでしょう。劇中のさ>>続きを読む

クリスマスがくれたもの(2017年製作の映画)

2.7

金持ちで都会育ちの女性と、都会で辛い目にあった田舎者の男が結ばれるまでのラヴ・ロマンス。劇中における「伝統」が、保守的な価値観ではなく、立場や育ちを越えて愛し合うことを指してるのが重要なポイント。目新>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.7

いま、こういう映画が作られるとしたら、白人だらけにならないだろうなと思いながら再度鑑賞。このような時代性は否めませんが、ロビン・ウィリアムズとマット・デイモンの掛け合いは何度観ても素晴らしいですね。終>>続きを読む

エル・カミーノ・クリスマス(2017年製作の映画)

1.2

コメディーにしたいのか、シリアスにしたいのか、それとも両方なのか、最後までハッキリしない展開に萎えてしまった。

ブライト(2017年製作の映画)

2.3

なかなか骨太な作品。さまざまな種族が住む架空のアメリカを舞台に、差別といった多くの社会問題を描いている。その象徴といえるのは、オークとしてはロス市警初の警官であるジャコビーですね。

そのジャコビーに
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スーパーマリオ/魔界帝国の女神(1993年製作の映画)

2.8

『スーパーマリオブラザーズ』の実写版。出演者からも酷評された映画ですが、いま観るとツッコミどころが味になっていてなかなか面白い。スーマリの世界を知ってると、“なぜそうなる...”と思いつつ、笑いながら>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.6

僕は前作のほうが好み。とはいえ、皮肉たっぷりな風刺など、見所は多い。『アメリカン・グラフィティ』の世界みたいなアジトを持つポピーが悪役というのも、懐古主義に走るアメリカを暗喩しているようで興味深い。>>続きを読む

ガーディアンズ(2017年製作の映画)

1.5

仲間集めをはしょりすぎだし、人間ドラマの描き方も浅いなど、粗が目立つ作品。主役の4人が飛行機にぶら下がるシーンは面白いですけどね。

アザーライフ ~永遠の一瞬~(2017年製作の映画)

1.0

SF的な設定は好みだけど、シリアスな雰囲気と役者陣の大げさな演技が噛み合っていないため、最後までノリを掴めなかった。もっと抑制的な演出だったらスリルが生まれて、設定も活きたんじゃないかと思います。

50/50 フィフティ・フィフティ(2011年製作の映画)

1.3

レイチェルの扱い方は、家事/介護労働の大変さを軽視してる証左でしょう。この映画が公開されて数年の間で、さまざまな価値観が変わったんだなとあらためて。

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

2.5

90年代という時代の空気や、そこに忍び寄る閉塞感と焦燥は見事に描かれていた。“映画の出来”だけを見れば、目立つ粗はないと思う。

一方で、その閉塞感と焦燥を今の若者に重ねようとする意図は、微妙とも感じ
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デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

4.0

デヴィッド・リンチは、道を踏み外さなかったヤバい人ですね。あのアトリエや多くの作品群は、リンチを“人”という存在に留めるための鎖なのかもしれません。アトリエにヒエロニムス・ボスの『快楽の園』が飾られて>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.1

面白かった。カイロ・レンの思想など、より同時代性が色濃くなってましたね。登場人物ではローズが最高。自ら積極的に行動して、最終的にはある人の唇を奪ってしまう。しかも3枚目ではなく、むしろ正統派のヒロイン>>続きを読む

プレミアム・ラッシュ(2012年製作の映画)

2.6

社会からドロップアウトした人たちが、マイノリティーを助けるという物語には深いメッセージがありますね。爽快感が薄いカーチェイス(自転車と車ですが)など、微妙なカメラワークがなければ、3点台でした。

カウボーイ&エイリアン(2011年製作の映画)

2.3

実力と知名度がある役者を集めたB級映画。正直、出来はあまり良くないけれど、カウボーイとエイリアンの組み合わせを真面目にやってるところはチャレンジングだと思います。

仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー(2017年製作の映画)

2.8

TV版エグゼイドのエンディングをそう活かすか!という驚き。テンポが悪い編集に引っかかってしまうけど、平成ライダーシリーズを観てきた人たちに向けたサービス精神は秀逸。

否定と肯定(2016年製作の映画)

3.7

安易な両論併記やフェイクニュースに関する議論が盛んなタイミングで公開される意味を感じさせる映画。実話を基にしてるので結末はわかるのですが、テンポの良い会話など、随所でエンタメ性を忘れない姿勢が見られる>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

1.7

設定は好みですが、母性信仰的な要素が引っ掛かりこの点数。エル・ファニングさんはハイスコアです。

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

2.1

アメリカの正義の象徴であるスーパーマンをさまざまな超人が甦らせる展開は、多様性こそがアメリカであるというメッセージを観客に伝えている。こうした見せ方は目新しいものではないけれど、僕は好きです。

ただ
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マッドバウンド 哀しき友情(2017年製作の映画)

4.0

先週ネットフリックスで配信が始まった映画。第二次世界大戦から帰還したロンゼルとジェイミーを中心に、辛辣な批評精神と一握りの希望が込められた物語を紡いでいく。戦争ではなく愛で国境を越えようというストレー>>続きを読む

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命(2017年製作の映画)

3.1

第二次世界大戦時のポーランドが舞台の映画。実話に基づく映画ですが、ワルシャワ動物園にユダヤ人たちを匿う様子が“多様性”の表象になっているあたりは、同時代性を感じる。これは監督を務めたニキ・カーロが意図>>続きを読む

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

2.8

陽気な雰囲気が漂う『最後の追跡』といった感じ。随所でアメリカの闇を匂わせてますからね。とはいえ、アメリカ国旗がはためくレース場から大金を奪い、迷惑をかけた人たちに配るという義賊的なストーリーは重苦しく>>続きを読む

ダークタワー(2017年製作の映画)

1.0

これはアカン。役者陣の努力を踏み潰す雑な脚本がキツい。マコノヒーさんの上手い落ち方しか印象に残らない。

幸せはパリで(1969年製作の映画)

3.1

この間クラブで助けた人に、「『幸せはパリで』のジャック・レモンみたいな笑みですね。哀しみを滲ませている」と言われたので、久々に観た。ジャック・レモンみたいに表情豊かじゃないけどなあと思いつつ、ときめき>>続きを読む

ドリームスケープ(1984年製作の映画)

3.4

夢の中に入って問題を解決するというSFスリラー。夢に入るための理論はかなり省かれてるけど、冷戦を背景とした物語は80年代だなあと思いながら楽しめました。『アルタード・ステーツ』を連想させるヴィジュアル>>続きを読む

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

2.3

演出やカット割りといった技術的な部分は秀逸と感じながらも、コミュ障と言える時点でコミュ障じゃないよ的な違和感が最後まで拭えずこの点数。