トムヤムクンさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

トムヤムクン

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ピアニスト(2001年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

イザベル・ユペール扮する変態…天才ピアニストもさることながら、お母様がなかなか毒なキャラをされています。母娘のこれまでの経緯は断片的に明かされますが、娘にすべてを捧げた母には、娘しかなくなってしまった>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

4.0

なんとも落ち着かない気分になる映画です。カサヴェテスには体力を持ってかれますね。見終わった後になんだか体を動かしたい気分になり、Fワードを連呼しながら部屋の中を小躍りしていたのですが、そんな風にしたく>>続きを読む

カフカの「城」(1997年製作の映画)

4.0

いいですね、この原作未読者を完全に置いていく感じの作り方。読んだことがないと前後の話のつながりがよく分からなくなってしまう作品だと思います。異郷の村で主人公(カフカ自身の投影でしょうか)がひたすら翻弄>>続きを読む

何も変えてはならない(2009年製作の映画)

5.0

良すぎてなにも言わんでおきたい
でも途中のおばちゃん二人が新地のやり手ババアにしか見えなくて混乱した

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「バイオレンス」のジャンルを掲げる作品を観るとき、どんなヤベー殺し方するんだろう??という怖いもの見たさのワクワクがありますよね。ショットガンで体が吹っ飛ぶのを観て爽快!みたいなの。この映画で恐ろしい>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

物語としてはわかります、しかし一つの意味に回収するのには惜しさを感じます。
カロルとドミニクを結び付けているものを愛や憎しみといった耳慣れた言葉で表してしまうのは、なにか躊躇われます。
キシェロフスキ
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ヒロシマモナムール/二十四時間の情事(1959年製作の映画)

4.5

なんとも言えない不安を感じる映像でした。70年余りが経過した今となっては、戦争や原爆の死を歴史的な問題として考えるだけの距離を自分としては持っていると思うのですが、この映画で描かれる喪失は個人的なもの>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.5

予告編で心を掴まれましたが、案の定好きな作品でしたぜ。忘却や死者というテーマには弱いもので…

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

2.5

色街みたいなネオンとカメラの動きでなんか酔いそうな感じになったところで凄い感じのダンスやなにやでうっとりさせてくれる。アトラクション!

こわれゆく女(1974年製作の映画)

5.0

強烈な… 撮り方も素晴らしい。体力を消耗する映画体験でした。カサヴェテス凄すぎ

アメリカの影(1959年製作の映画)

4.5

ジャズがメロくて最高だわ。こういう映画でのジャズは素晴らしくて、まいばすとかの店内で流れてるジャズにものすごくがっかりして嫌な気分になるのは?
なんでも手に入るニューヨーク、黒人たちは昼の光の世界から
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

2.5

vol.2はまだ見ていないが、やっぱりトリアー、こいつは好きになれない…
オープニングの水の滴り落ちる感じやセリグマンから離れてぐるっと回るカメラの感じとか好きだった。フィボナッチやらバッハやら持って
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SHOAH ショア(1985年製作の映画)

-

クロード・ランズマン追悼上映@アンスティチュ・フランセ

ほぼ10時間!お疲れ様です。
Filmarksでレビューするのも少し躊躇われる映画というか、何から話しましょうね。
いかんせん長いので一本の映
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ヒューマン・フロー 大地漂流(2017年製作の映画)

3.5

空撮の遠さとスマホカメラの近さ。それぞれが現代世界における暴力の遍在と場所ごとでの暴力の性格の違いを伝えている。中東詩人からの引用。

夏の遊び(1951年製作の映画)

3.5

ほ、ほーん…?
マリーが島を再訪しときの死者の国感は圧倒的でそのほか映像としての素晴らしさは認めますけども… 日記が戻ってきたことで回帰してきた彼との思い出、どうでも良いわぁと思いながらも小一時間の幸
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タリナイ(2018年製作の映画)

5.0

素晴らしい
冒頭とラストシーンで日本語の歌が反復されつつ、その意味はすっかりと変わっている

悲情城市(1989年製作の映画)

5.0

台湾の名監督は家族を描くのが本当にうまい、これはエドワード・ヤンのクーリンチェ少年殺人事件にも言えること。
4兄弟それぞれの末路から戦後台湾社会が辿った苦難を初めて知ることになった。
岩波文庫でマルク
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.5

過去作からのセルフオマージュには思わずニヤリときました。ジャ・ジャンクーももはや巨匠か…。
カメラが基本的にチャオ・タオを追って動いていくし、行動もきちんと心理的に動機づけられていて伏線もあるから、か
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(1974年製作の映画)

5.0

映像詩とはまさにこのことか。
冒頭のシーン、林を吹き抜けていく風が叢をそよがせて緑の波を立たせる… もうここで凄すぎた。そして赤ちゃん!!!可愛すぎて…
浄化作用半端ないうえに押し付けがましさゼロの映
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.5

サムライ、ラップ、マフィアにガンアクションとヒューマンドラマ… 色々なものがごった煮になって凡人なら収集つかなくなって腑抜けた作品になってしまいそうなものを、ここまで芯の通った、いい意味で肩の力の抜け>>続きを読む

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

5.0

面白すぎて…怖いです
キリスト教と気取ったブルジョワを心ゆくまで弄んでおちょくってくれるブニュエル最高。

あなたの顔(2018年製作の映画)

5.0

ミンリャン… 好き…

カメラの前で、最初はどこか居心地悪げに見えつつもついには笑顔を見せるおばさん、眠るおじさん、顔の長い爺さんはあまりにも静止している。死んだかと思ったよ。
撮影カメラという異形な
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.5

理想郷にはたどり着けないかもしれない、人生は苦痛である、それでも象の声のもとへ、足は歩みを続ける…
短縮せよという配給会社とやり合い、精神的に追い込まれてしまったフー・ボーなる中国の若手監督のデビュー
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リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

5.0

英語の授業手伝いのために久々に鑑賞しました。とんでもなく面白かった… そりゃみんなディズニー好きだわ

グロリア(1980年製作の映画)

4.0

初カサヴェテス。
最初のキャリーケースひいたマブい美人がグロリアなんか?と思ってたらギャングに殺されるだなんだと初めからクライマックス状態。そこに現れるのがコートがオシャレなグロリアさん。死を覚悟した
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シテール島への船出(1983年製作の映画)

4.5

30年に及ぶ亡命生活の末に、ギリシアへと帰ってきた共産主義革命闘士。しかし故郷の山村はスキー場として開発されようとしていた。もはや存在しない故郷を守ろうとする男の時代錯誤な戦いは誰からも理解されない、>>続きを読む

アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

4.0

写真=亡霊の原始的な怖さ、でも彼はある意味では亡霊の方に近い存在だったのかもしれない、湖の上に浮遊する二人の魂、怖い映画とは同語反復であって映画それ自体が怖いということを思い知らされる。
オリヴェイラ
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白いリボン(2009年製作の映画)

5.0

なんかもう、耐えられない。
ロンパリの小汚い農夫のジジイとか、知的障害の子供のうあーうあーって感じの呻き声が特にキツい。

最後の人(1924年製作の映画)

4.9

実生活を冷徹にあるがままに描く。それも映画の一つのあり方かもしれない。
しかし、反実仮想…ありえたかもしれない未来を夢見てもいいではないか。映画のもたらす救いの夢をこれでもかと炸裂させるラスト。

赤い砂漠(1964年製作の映画)

5.0

この作品は私に取り憑いたかのようだ。
霧に煙る港を走る大人たちのシーン、帆船と女の子のくだりは圧倒的な映像美であるがゆえに、いっそう不可解で不気味だ。
本作にせよ以前観た『欲望』にせよ、アントニオーニ
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コード・アンノウン(2000年製作の映画)

4.0

様々なアイデンティティを持った人物たちがあるかないか微妙な作用・反作用を引き起こしていく様を見せつけられるんだけど、全く話が繋がっていく様子がない。おそらく、ビノシュ演じる主人公格の女優には実際そうい>>続きを読む

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

4.5

冒頭からクロースアップで捉えられたモノの断片的な映像の連なり…生活というものがこうも限りなくおぞましいものとして映し出されるとは。定点カメラの長回しを中心にした撮影が素敵。ブレッソンを思わせる連続性を>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

4.0

ゴダールの趣味満開の映画だと思いました。

ソドムの市(1975年製作の映画)

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話としてはアレだけど、猥談が繰り広げられる広間をはじめ圧巻の美。
ロンパリ気味の大統領が不気味でいいキャラだった、ついでヒゲの公爵、すきっ歯の大司教の順に好き。ハゲの最高判事は蒸しパンに針混ぜてた記憶
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

4.0

格調高い、という言葉がいかにもしっくりくる重厚な一族ドラマ。全体主義の中で崩壊していく肉欲と愛憎のデカダンス。スタイル的にはリアリズム調で話としては分かりやすく面白い。2時間半も許せます。マルティンく>>続きを読む

女の都(1980年製作の映画)

4.5

列車と夢から始まるフェリーニのアリスインワンダーランド、あるいは神曲のデカダンスで猥雑なパロディか??フェリーニがモダニストであることは疑いようもありません。フェミニズム運動を戯画化しつつうまく取り込>>続きを読む