トムヤムクンさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

トムヤムクン

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親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

4.5

パク・チャヌク監督の復讐3部作のトリを飾るということで、前2作の主要キャストからチョイ役に至るまで総出演で楽しませてくれました。ぺ・ドゥナさんが出てないのは少し残念…
で、監督のフィルモグラフィの一応
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

『パラサイト』パルムドールおめでとう!ということでポン・ジュノ監督の予習を始めます。これ平均点3.3ってみなさんどうかしてるんでしょうか(えらそうですいません)。普段どれぐらい面白い映画みてるんでしょ>>続きを読む

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.0

金での示談を提案されたときに「計算してみよう…最低賃金にもならんじゃないか!」と陽気に言ってみせるあのシーンで「この男は危険だ!」と強烈に印象付けられますね。70ー80年代のスコセッシ作品ほど映像とし>>続きを読む

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

5.0

デニーロをいっぱい見たいのでスコセッシとのタッグ作品を3本レンタル、内訳は本作と『グッドフェローズ』、『ケープフィアー』ということで80年代以後でしょうか。
実在のチャンプ、暴力性が肉化したかのような
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ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

5.0

最後です。過去というものはミミズのように這い出てくる… 離婚して距離ができたことで奥さんとは前よりも打ち解けて話すことが出来ているマイケル。しかしいくら善行を積もうが祈ろうが拭い去れないファミリーとし>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.0

ゴッドファーザー3も観ましたがアンディ・ガルシアめちゃいい役者ですね。

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

どうあがいても絶望みたいな時代に生まれたが故に、彼女は空想に救いを求めたのかもしれません。童話の世界が含む生々しい残酷さを洗い落とすことなく忠実に映像化する最高のオタク、デルトロの感性が光ります。ペイ>>続きを読む

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

5.0

コルレオーネファミリーの哀しい歴史の続編にして前日譚。ゴッドファーザーの幼年期からの来歴を描きながら、現在パートではファミリーを守るため冷酷にならざるをえない後継者マイケルの苦悩と孤独は募り行くばかり>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

昔観た時はいっぱい人出てきてワケワカメ…となった本作ですが、なるほどこれは傑作。激しく火花を散らすわけではない、心の奥底で静かに燃えながら時に周囲を焼き焦がす凄味のある男達。時代はもはやドンを必要とし>>続きを読む

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.5

少しハードル上げすぎたという感じはしましたが、良い作品です。はじめのショットからおおっ!となりますね、このザラザラした感触の残る16ミリ… 。無知で無力な聖人ラザロの眼差し。「イタリア」という記号から>>続きを読む

狼の時刻(1966年製作の映画)

4.5

なんとも言えず恐ろしい作品だと思いましたが、ベルイマン自身の頭の中を映し出したような極めて私的な作品ということで確かに納得です。奥さんと一緒に本土から離れた孤島で芸術に没頭する孤独な画家、しかし創作の>>続きを読む

1900年(1976年製作の映画)

5.0

冒頭の映像からしてもう泣きそう、ヤバいです。絵だけで泣かせてくれるとは…
戦争と革命の時代、20世紀イタリアの超大河ロマン。ちょくちょく牛や馬がウンコしているのにも泣きそうになりました。5時間16分と
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悪い男(2001年製作の映画)

3.5

初のキム・ギドクで身構えましたが割とエモい、でも所々エモさ演出が過ぎて湿っぽく感じられるところもあります。この作品だけではなにか決定打に欠けた印象です。
男の監督が売春を描くとメロいというか、エモさに
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狂った一頁(1926年製作の映画)

-

さっぱり分かりません笑
でも踊り子の狂気じみた美しさは気に入りました。川端も相当キレた人なんですかね。

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.0

催眠術どうこうのくだりは正直アレだと思いますが…笑 むちゃくちゃメンタル打ちのめされるエログロ復讐劇でした。『復讐者に〜』が社会の矛盾の帰結としての復讐というイメージに対して、本作は個人の業(カルマ)>>続きを読む

処刑の丘(1976年製作の映画)

5.0

この映画の10年ちょっとぐらい後に夫のクリモフが『炎628』を作ったとは、映画史的に出来すぎじゃあありませんか?
冒頭から絶望しかない映画でして、ハイライトはタイトルにもなっている丘での「処刑」なんで
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怒りのキューバ(1964年製作の映画)

5.0

髄まで痺れるような官能と高揚を凝縮、カラトーゾフありがとうと言いたい。
圧巻のモノクロ長回しに加えて極めて緻密に計算されたカメラワーク。お話の内容はそれぞれわかりやすくアンチ資本主義(アメリカ)のプロ
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青い山/本当らしくない本当の話(1984年製作の映画)

4.0

冒頭からほのぼのした感じのジョージアの街並みがいいな〜とまず満足。書類とサインがなければ何もコトが進まないお役所の硬直ぶりに作家がとことん翻弄されます。バイクボールってなんやねん笑 カフカ的な世界を笑>>続きを読む

冬の光(1962年製作の映画)

4.5

この映画の人物たちの絶望をリアルなものとして感じることができないのは、運のいい時代だというべきでしょうか。聖職者でさえ神を信じられなくなるニヒリズムの極北。80分そこそこの時間としては短い映画ですが、>>続きを読む

召使(1963年製作の映画)

4.5

ヘンテコな映画です…。ブラジルでの植林で成り上がってきた典型的なポスコロプチブルの新居に召使として雇われたバレット。主人の婚約者に疎んじられながらもまあまあ召使としてうまいことやってたが、妹をメイドと>>続きを読む

楽日(2003年製作の映画)

5.0

2019. 4. 2.
6度目くらいの鑑賞ですが相変わらずエモすぎます。今回はあの日本人の旅行者は観客のなかに役者がいることに気づいてたんじゃないのか?と新しい発見のような… そういうわけで原初の感動
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死者からの手紙(1986年製作の映画)

4.5

ソビエト映画特集@シネマヴェーラ

これは好みでした。クリモフといい、ソビエトの映画人は言葉通りに「地獄」のイメージをみせることができますね。オープニングクレジットの廃墟と化した地上世界のセピアがかっ
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.0

思うに人間は後悔する動物です(いきなり偉そうにすみません)。後悔するのは、実際に選んだのとは違う、別の可能性を考えることができるから。しかし、そちらの道を選んだら、それはそれで苦難が待ち受けていて、ま>>続きを読む

復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

4.5

『お嬢さん』が良かったので、パク・チャヌク監督にしばらく浸ってみようと思います。「復讐三部作」の第1作にあたる本作、名前に負けないズッシリとして底冷えするような情念を感じさせます。そして復讐という基本>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

5.0

何かを解釈するとかそんな余地はないほど、どうしようもなく悲しい。
かの戦争によってアメリカが何を失ったのか?人生の途上にあった人間としてのマイケル、ニック、スティーヴンたちを描くためには、あのいつまで
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

意識して韓国映画をみたのはしばらく久しぶりでした。そのチョイスが本作とは…笑
このタイプの作品にストーリーの意味とか情緒みたいなものを求めても意味はないので、素直に監督のフェチや映像のエロティクスを楽
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できごと(1967年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃ良い!!
デルフィーヌ・セイリグ扮するフランチェスカとの密会のシーン、映像とナレーションが絶妙にずらされていることでサイレント映画ぽくなっていてたまりません。最初は事故にあってトラウマに苦
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月は上りぬ(1955年製作の映画)

4.0

話の筋はわかりやすい小津調。やっぱ所々に入る夜間や湯のみ、襖など誰もいない静物のみのショットは印象的。

第三世代(1979年製作の映画)

4.5

凶行を犯した人物に対して、なぜ?と問うことは時に極めてバカらしいものでありまして…理念をなくしてスリルに乗っかりひたすら進んでいく調子外れのテロリストたち。赤ちゃんギャン泣きの中で新しい名前や職業を復>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.0

頚動脈を切り裂かれてフックで宙づりにされておびただしい血を流す牛!BGMは主人公の狂ったような叫び語り…ファスビンダー、地獄のようなイメージと音の塊

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

5.0

実ははじめてのファスビンダー。
第1部の初っ端からカフカ的な異常な世界の感じがほとばしり出ていて最高でした。鏡やワイングラスを巧妙に配して人物のシルエットを幾重にも反射、屈折させることで自分のアイデン
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

最初の40分の話題のワンカット、ヒロインのラストの血まみれでガンギまってる表情と、階段を上っていくときのホットパンツのバックショットを見てると…下品なんですけど…フフ…勃起しちゃいましてね… というの>>続きを読む

無防備都市(1945年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

第二次大戦末期、ドイツ軍に占領されたローマを舞台に繰り広げられる聖書的な受難劇です。強烈な印象を残すショットがいくつもありました。爆風が土を吹き飛ばす中歩いていく子供達や、まさしく磔刑に処されたキリス>>続きを読む

フローズン・タイム(2006年製作の映画)

4.0

さえない坊やが時間を止める特殊能力を手に入れて… パッケージだけだと時間停止もののAVみたい(それも少しあるけれど)ですが性愛の挫折と克服をけっこう真面目に描いている映画でした。やや予定調和ですけどね>>続きを読む

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.5

このカサヴェテス的(アンチ)ヒーローの姿にはどうしようもなく泣かせるものがあります。あんな明らかに胡散臭い男の口約束を真に受けてギャンブルに大負けするという愚直さ… 途中はアホすぎるやろと思いつつも、>>続きを読む

エヴァの匂い(1962年製作の映画)

4.5

この後味は…。終盤は回想劇であることをすっかり忘れて主人公のクズ男(彼がエヴァとの関係や過去の罪と決着をつけることができていたならばこんな呼び方もしなかったでしょうに)かエヴァのどっちかあるいは両方と>>続きを読む