atsukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

atsuki

atsuki

映画(771)
ドラマ(4)
アニメ(0)

エイリアン3 完全版(1992年製作の映画)

3.6

【我が道を行く先にある「らしさ」】

フィンチャー衝撃のデビュー作と言うべきか、前作の奮闘など露知らずにアバンタイトルで全員ぶっ殺う。それは「ぼくのかんがえたさいきょうのエイリアン」を作り上げるべく必
>>続きを読む

エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)

4.4

【母なる闘い】

前作『エイリアン』の因縁から壮大な宇宙のご近所トラブルへと発展し、両種族のお母さんvsお母さんとの殴り合いでケジメをつけるSFアクション。

前作はエイリアンが人間側に「入ってくる」
>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.7

【今あるべき精神とその軌跡】

現実を解体し、空想を想像してきたクリストファー・ノーランが「実話に挑む」という事は、何よりも彼の得意分野であり、集大成的な側面も見えるのが今作。

陸/海/空、1時間/
>>続きを読む

キッド(1921年製作の映画)

4.0

【微笑ましい人生の先にひと粒の涙】

チャップリンの長編デビュー作であり、今や定型句の様に使われる「世界中で大ヒット!」も、今作が初の"世界的"大ヒットとして名高い。

ひょんなことで捨て子を拾った主
>>続きを読む

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)

3.9

【戦争の闇に異常あり】

「異状なし」なんてよく言えたもので、「異常あり」どころか「異常ありあり」な西部戦線とそれらを取り巻く戦争の闇に染まっていく一人の高校生志願兵を描く。

愛国心を煽り、洗脳する
>>続きを読む

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

4.3

【あの夏、あの王国で大人への冒険】

あの「全編クライマックス」とまで言わしめた『キングコング:髑髏島の巨神』のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督の長編デビュー作。

親への不満、未来への不安、友情を
>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

4.7

【悪魔が憐れむ歌と解放への儀式】

童話の絶望的な側面を引き延ばし、永遠に終わらない悪夢とする物語。まるで絵画の様に仕上げた観客を魅惑する映像。身震いするほど恐ろしく、また美しい希望にも溢れた悪魔が憐
>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.4

【地獄からの使者による死者達の夜】

当時の情勢や状況をふんだんに取り込み、世界のダークサイドを映し出し、また予言する。また何を隠そう今日のゾンビブームの原点であり、「頭を撃て!」から取れる様にゾンビ
>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

4.6

【鬼の目にも涙】

クズ野郎とゲス野郎とカス野郎が大集合して開催されるのは、ケツを舐め合いながら悪人達が紡ぐ韓国地獄巡り。

私利私欲の為なら殺しも上等で街を牛耳る市長と、上からの圧力に苦しみながら正
>>続きを読む

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

3.7

【ワイルドなハートを燃やし続ける】

『オズの魔法使い』を下敷きに、バイオレンスとセックスとロックでブラッシュアップさせたラブストーリー。

『トゥルー・ロマンス』や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』と
>>続きを読む

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

4.3

【理屈ではない「愛」の方程式】

自閉症を持つ主人公ネイサンが、国際数学オリンピックで金メダルを目指す姿を通して、人種や性別や言語や能力など全てを超えて「他者は他者である」事への答えを導き出すための「
>>続きを読む

心のカルテ(2017年製作の映画)

4.1

【心のカルテとは…】

拒食症という難病を題材に、自己犠牲や相互理解と言ったテン年代的な「愛」や「救い」を描く。

拒食症や過食症という病気は良く耳にするからこそ、難病だと知らない人も多い気がする。難
>>続きを読む

パワーレンジャー(2017年製作の映画)

3.8

【ヒーローである事】

第1話「最終決戦!」的な『パシフィックリム』案件映画。

そもそも戦隊モノは、1話30分の1シーズン50話前後でカタルシスを与えてくる筈だ。そこをこの映画は、50話分を2時間に
>>続きを読む

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(2011年製作の映画)

2.5

【不死身と即死】

『呪われた海賊たち』の希望感と『デッドマンズチェスト』『ワールドエンド』の壮大さ。孤立したシリーズ4作目は「不死身」という題材を一作で扱ってしまう清々しさと共に、ヴィランの黒ひげの
>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.6

【ありがとう…】

寒い親父ギャグが生むのは、心温まる「愛」と「人生」の物語というのだから凄さしかない。

今作は拗らせた関係性に悩む「父と娘の物語」である。久しぶりに娘に会う父親は、怪人「トニ・エル
>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.0

【歌うたい達の愛に乾杯】

「父と子の物語」を軸に、アニメーション的な快楽とファンタジックな内容が最高にキマリまくりな青春音楽映画。

この前の『夜は短し歩けよ乙女』も含め、今年の湯浅政明ワールドは圧
>>続きを読む

フェンス(2016年製作の映画)

4.6

【見えざる「愛」】

以前から監督デンゼル・ワシントンは俳優デンゼル・ワシントンを撮りたかったそうで、今回両者のスケジュールが合ったことで名作戯曲の映画化に挑んだ。

原題『Fences』とは「柵」の
>>続きを読む

キング・アーサー(2016年製作の映画)

3.7

【絆によって生まれる伝説】

ケレン味溢れるアクションも、中二心くすぐる様な魔法描写も、心躍るモンスター達も、我らがガイリッチー100%搾りのソードアクションエンターテインメント。

今作は「〇〇の物
>>続きを読む

アイム・ノット・シリアルキラー(2016年製作の映画)

4.1

【始まりへの冒険】

アメリカ中西部にある架空の田舎町クレイトンを舞台に、人を殺したい少年と人を殺してる老人が町で発生する連続殺人事件により、出会い、交わり合い、そして運命が動き出す。

「殺し」とい
>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

4.3

【闖入者】

「セールスマンお断り!」だとか、喪黒福造だとかではなく、小さな劇団に所属し、作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者の夫婦が、ある日引っ越したばかりの自宅で
>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.4

【残酷ながらも優しい贈り物】

「少年が真実と向き合い成長する」との一言で片付く映画ではあるが、その過程が何とも残酷である。

13歳のコナーは友達からはいじめられ、母親は病床、別居している父親はそっ
>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.8

【車と車、男と男の決闘】

スピルバーグが鮫よりも、宇宙船よりも、恐竜よりも前に描いたモンスターは「トラック」である。

彼の名を一躍世界に知らしめた作品としても有名で、ここから描いて行くどのモンスタ
>>続きを読む

ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.6

【英雄は勃ち上がり平和を築く】

「下品」で済ませられるならまだ良いけど、トラウマ級に危険な映画だと感じた。

ジャドアパトー界隈、セスローゲンの仲間達の悪い血が騒ぎまくって、人種や宗教や性、そして「
>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.7

【生きる事とは…】

『アポカリプト』から10年。

メルギブソンが監督として完全復活を遂げ、再び興奮と感動をぶつけて来た。

第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実
>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.3

【魂の物語】

5000ドル分の税金が払えないが為に、育ててもらった孤児院が閉鎖されてしまうという話を聞くブルースブラザーズ。

金を集める為にバンドを再結成しようとするうちにてんやわんやの大騒動。警
>>続きを読む

ローリング・サンダー(1977年製作の映画)

3.9

【復讐の為の再びの孤独な戦争】

『タクシードライバー』のポール・シュレイダー脚本で贈るもうひとつのベトナム帰還兵の物語。

今となってはオスカー俳優、そして我らが日本で珈琲を飲む宇宙人トミー・リー・
>>続きを読む

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

4.2

【夢に襲われ、また救われる】

徹底した管理と世界観で夢の表側を見せるディズニーランド。

杜撰な管理と世界観で夢の裏側を見せるジュラシックパーク。

この映画の登場人物は「恐竜」という存在したかも分
>>続きを読む

ターミネーター(1984年製作の映画)

4.4

【ターミネーターは恋のキューピッド】

未来から来たストーカー妄想男は運命の人だった?!?!

未来から来た殺人機械は恋のキューピッドだった?!?!

殺し殺され、追っては追われ、死と愛の逃避行は血湧
>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

3.9

【良心と後悔】

悪趣味ですよ!悪趣味!

エロティシズムを体現する様な宇宙生物が人間を襲うエロティカな映画。

「『エイリアン』はエロい映画」とはよく聞くもので、見方によればレイプをしている様だ。で
>>続きを読む

未知との遭遇 特別編(1980年製作の映画)

4.4

【わがままなまま生きていく】

大人になれない大人が、大人の世界で子供になるお話。

大人と子供の違いって、割り切れるか?割り切れないか?なのかもしれない。

もっと簡単に言えば「わがまま」かどうかだ
>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

3.9

【6つ目の感覚とは?】

「お客様へのお願い」としてブルース・ウィリスからこの映画のある秘密を話すなと言ってくるが、こちらはブルース・ウィリスの秘密を知っている。

そう「ブルース・ウィリスよ…お前も
>>続きを読む

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.9

【銃パーティ】

この映画は「人間はそう簡単には死なない」と監督からのお言葉から始まる。

その言葉に加えて制作総指揮にマーティン・スコセッシが参加している事からこそ、血は受け継がれているのだろうか、
>>続きを読む

がんばれ!ベアーズ(1976年製作の映画)

4.7

【負け犬達よ!がんばれ!】

ダメ監督がダメ少年達で結成された「ベアーズ」というダメ野球チームが、少年野球リーグを奮戦しながら勝ち抜いていく。

今作はいわゆる「多様性」が詰まっているのだ。ベアーズの
>>続きを読む

ノー・エスケープ 自由への国境(2015年製作の映画)

4.1

【両雄による自由への咆哮】

『ゼログラビティ』を手がけたキュアロンファミリーが、舞台を砂漠に移し、アメリカへの不法入国を試みるメキシコ移民たちが謎の襲撃者に狙われ極限状態に追い込まれる姿を描いたサバ
>>続きを読む

アニンガ(2013年製作の映画)

3.4

【ハイジ=アンニガ】

キュアロンファミリー産『ゼログラビティ』の短編スピンオフ。

本編中にライアンが地球と交信したシーンの相手がのお話。いわゆる『ゼログラビティ』はライアンが『アルプスの少女ハイジ
>>続きを読む

キャリー(1976年製作の映画)

4.2

【赤き青春の咆哮】

たとえ鑑賞してなくても、誰しもが名前を知っているレベルのスティーヴン・キング原作の『キャリー』をあのブライアン・デ・パルマの魔法によって映像化した映画史に輝くホラーの名作。

>>続きを読む