とうじさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

とうじ

とうじ

映画(1743)
ドラマ(0)
アニメ(0)

天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)

5.0

この映画は友情とか愛とか肉体関係を超えた、「人と人とのつながり」についての映画だと思った。結局人間はみんな孤独なのだが、その孤独が我慢できなくなって時折そういう「つながり」を求めずにはいられない。その>>続きを読む

パームビーチ・ストーリー(1942年製作の映画)

5.0

ほんとにこの映画は狂ってる。オチが酷い。「サリヴァンの道」でずいぶんプレストンスタージェスという人は真面目な監督なんだなと思ったのだが、こういうのありきのあれだったんだと納得。笑える展開やギャグのため>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

5.0

今までで見たループものの中で1番良かった。始まって10分くらいは、ニーチェの永劫回帰に影響された(ループものは結局全部そう)、低予算で面白いコメディだなーと思ってたのだが、ぶちのめされた。
もちろん概
>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.5

数々の映画で描かれる「殺人」というのがいかに漂白され欺瞞に満ちているかが、本作を見ればわかる。本作の殺人には、感情移入ができる背景や、ヒッチコックやスピルバーグなどのような遊び心、ブニュエルやゴダール>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

4.5

これこそ映画。ちょうどいいを極めた、みたあと何も残らない娯楽作品。めっちゃ楽しい。

キッスで殺せ!(1955年製作の映画)

5.0

昔見た。最高すぎる。
訳のわからない事件に突如巻き込まれる主人公。この主人公は、サディスティックな暴力男で(職業は、依頼に応じて結婚している男に女を送り込み、浮気をさせて、離婚調停を不利にさせる探偵)
>>続きを読む

ギター弾きの恋(1999年製作の映画)

5.0

やはりウディアレンの映画は見る人を異常に元気にしてくれる。本作もいつも通り大傑作。クズ男版パンチドランクラブみたいな感じ。あと、絶対PTAはこの映画を参考にショーン・ペンをリコリス・ピザにキャスティン>>続きを読む

間諜X27(1931年製作の映画)

4.5

昔見た。
傑作。普通に見ていて楽しい美人スパイ映画。しかし、チャリエンのような明るいエロさではなく、どろどろとした、不気味で扇状的な雰囲気で、戦時下での主人公の活躍を描いている。みんな結局愛国心とか忠
>>続きを読む

ネットワーク(1976年製作の映画)

4.5

昔見た。
資本主義社会におけるメディアの危うさを描くコメディ。こういうことが起きないように、公営放送があるのだと思うが、結局みんな公営放送より観客のニーズに直接応えるメディアしか観たくないという現実に
>>続きを読む

恋のページェント(1934年製作の映画)

5.0

スタンバーグの名作。エカチェリーナ2世の半生を描いた伝記映画。モロッコも良作だったが、それから段違いに映画が上手くなっている。本作の前半は、純粋な女の子がロシアのお姫様になることになり、喜んでいると、>>続きを読む

モロッコ(1930年製作の映画)

4.5

興味深いキャラクターと、その舞台設定が奇跡のように噛み合えば、映像表現が拙かったり、話の展開が多少のっぺりしてても、絶大な力強さを持つ映画を作り上げることができることがわある。なぜなら、結局物語の根底>>続きを読む

刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年製作の映画)

4.5

正義のためなら暴力も辞さない凄腕刑事が、負傷してアーミッシュの村に匿われる話。白い肌の異常な夜や、砂の女みたいなねっとりした話になるのかと思いきや、それぞれの立ち位置を尊重した異文化交流を描いていて、>>続きを読む

COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック(2015年製作の映画)

5.0

このドキュメンタリーが興味深いのは、「真実をそのまま伝える」「数々のインタビューで客観性をもたらし、真実を引き出す」などというような、古臭いドキュメンタリー感を一切廃しているところだ。この「ドキュメン>>続きを読む

ビガー・ザン・ライフ 黒の報酬(1956年製作の映画)

4.0

原色が映えるシネラマの贅沢な構図の中、どろどろの家庭の崩壊が描かれるギャップが面白い秀作。変な病気にかかった主人公が、その服薬治療をしていくうちに、薬の作用によってどんどん尊大になっていき、家庭に不穏>>続きを読む

地獄の英雄(1951年製作の映画)

5.0

昔見た。
凄い映画。めちゃくちゃ強欲な新聞記者(主人公)が出てきて、起こった悲劇を搾取して面白い記事つくることを優先していく無慈悲さにドン引きしながら映画を見ていると、急に主人公が衰弱してぼろぼろにな
>>続きを読む

女刑務所・白昼の暴動(1974年製作の映画)

4.5

前に見た。
羊たちの沈黙の監督の処女作。キャラがそれぞれ立っていて、魅力的だからこそ面白い。最後の瞬間のフリーズフレームがかっこいい。最後の作戦が少しごちゃっとしてしまっていたが、映画的興奮で乗り切る
>>続きを読む

アルファヴィル(1965年製作の映画)

5.0

最高。ゴダールの中でも悲壮感が無く、かといって遊びに徹しているわけでもない、ちょうどその真ん中くらいで作り上げられている大傑作。AIが人々を統制する世界で、人の意志や自由は無駄なものとされ、「過去」「>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

5.0

ツインピークスやマルホランドドライブなどでは、リンチの不条理な世界観を保ちながら、緊張感はそこまでなく、ゆるーく変なこごち良さを持つコメディ場面が何ヶ所かあるが、その感触を100分に引き延ばして、安倍>>続きを読む

おもいでの夏(1970年製作の映画)

5.0

人生ベスト1。
切なすぎる。
薬局のシーンや、映画館のシーンなど、死ぬほどベタなシーンの積み重ねだが、そもそもベタであるのはそれ自体力強いものであるからだし、それを上手く演出するのは凄いことだと思う。
>>続きを読む

輪舞(1950年製作の映画)

4.5

昔見た。
オフュルスの作品のみでなく、映画史の中でも最も色っぽい映画の中の一つ。カメラワークは常に凄いし、第3の壁を越えるギミックが色々あって楽しい。「愛なんて存在しない。あるのは酩酊と快楽だけ。」と
>>続きを読む

快楽(1952年製作の映画)

4.5

オフュルスは、どのような物語を語っても、自分のスタイルの展覧会のようになるのが面白い。そのスタイルの素晴らしさに勝るくらいの力強い物語があったのは「忘れじの面影」だが、そもそもそのスタイルのみでも十分>>続きを読む

ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(1953年製作の映画)

5.0

有名なコーヒーの場面がなぜ怖いかというと、なんの脅威も感じない日常的な物体が急に凶器に変貌するのが怖いのだと思う。このパロディを狂気500倍くらいでやったのが「殺し屋1」の天ぷら油だ。
本作の主人公が
>>続きを読む

ハネムーン・キラーズ(1970年製作の映画)

5.0

すごいものを見た。
最高。全てが完璧。
ここまでコメディとホラーの両極端を同時に一つ作品で成し遂げている映画は無い。強いていうなら「バタリアン」がそんな映画であったが、あの映画は観客は怖がりながらも、
>>続きを読む

スウィッチブレイド・シスターズ(1975年製作の映画)

5.0

昔に見た。
やはりそれぞれのキャラが立っていて、元気な女の子が色々活躍するのは見ていてこっちも元気が出る。しかも、b級感満載の良質なドラマだと思っていたら、予想していた6倍くらいのパワーでアクセル全開
>>続きを読む

悪の力(1948年製作の映画)

5.0

くっそおもろい。
法律が絡む複雑なドラマをすっきりと切り裂くような賢いセリフ。
主人公の立ち位置がなくなっていくにつれて画面や照明が歪んでいく表現や、最後のどんどん降りていくところの詩的な表現。
誰か
>>続きを読む

ワイルド・パーティー(1970年製作の映画)

3.5

本当にめちゃくちゃな映画。
しかし、めちゃくちゃであればあるほど面白くなるというわけではないことは強く実感できた。でも、楽しくはある。
ロジャーエバートがプロデューサーズが大好きなのがよくわかる。

破局(1950年製作の映画)

5.0

マイケル・カーティスはやっぱり映画がうまい。いらない演出はせず、かといって必要最低限でもない。ちょうどよく油の乗った、最高の娯楽映画を作る天才だ。本作では、いつもより控えめで硬派にストーリーを語る。ど>>続きを読む

孤独な場所で(1950年製作の映画)

5.0

大傑作。途中から主人公が入れ替わるというくっそテクいことをやる。しかも全くごちゃごちゃせず、殺人事件が起こってるのに、そこまでそれは重要でないのがおしゃれ。後、ハンフリーボガートが超怖い。友人と晩ご飯>>続きを読む

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

5.0

最初から最後まで超上手い。
あの主人公が脱出をしようとするところの霧の感じがかっこいい。あと、ここまで純愛で、お互いのこと以外の人物に全然興味がないのは、極端すぎて逆に新鮮だった。最後は鳥肌が立つ。色
>>続きを読む

過去を逃れて(1947年製作の映画)

5.0

かなり昔に見た。
やはりジャック・ターナーは、黒沢清的な緊張感がありつつのっぺりとした作風(それは極端なまでの丁寧さからくると思うのだが)が特徴であると思う。しかし、本作は物語自体が複雑で、その語り方
>>続きを読む

サンダーボルト(1974年製作の映画)

4.5

キャラクターの行動も展開も、とりあえず笑えるかどうかが重きに置かれている、はちゃめちゃなロードムービー。しかし、そのばかばかしさを突き放して単なる笑いの的にする事を、流石は重厚な人間ドラマの名作「ディ>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

4.0

結構昔に見た。透明人間がいるかもしれない!という演出がかなり上手く、アクションシーンもカメラが変な動きをして楽しかった覚えがある。主人公のことを誰も信じてくれない系のホラー映画は大好きだが、「流石にこ>>続きを読む

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

5.0

一回映画館で見てところどころ寝てしまったので、再見。
アメリカでは、食べたら落ち着く料理のことを「コンフォートフード」というのだが、その映画版がこれだと思う。
全体的にほっと一息つけるような映画で、つ
>>続きを読む