おてつさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

おてつ

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劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

4.1

やはりSHIROBAKO最高。アニメから4年後の話。アニメ業界が徐々に廃れ、作品が淘汰される世界線で、好きだったアニメが、段々と本当に好きなのか分からなくなっていく序盤が辛い。たぶんエンタメ業界で働く>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.4

途轍もない怪作。幼少期に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンを埋め込まれた女。歪な快楽と衝動的殺人… 本作は、痛みに抑圧され続ける女性とマチズモに囚われる男性の奇妙な交感を通して、変態的だが究極的な愛を描い>>続きを読む

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

3.8

クシシュトフ・キェシロフスキ作品。同じ日の同じ時刻に生まれ、同じ名前と顔を持つ2人の女性。異なる場所に居ようとも、感情を分かち合う、魂の共鳴。非常に神秘的で耽美なストーリー。OPとラストが印象的。『ト>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

3.8

ファスビンダー監督作品。あまりにも難しい。惜しみなく繰り広げられる観念的会話に頭を抱える。しかし、冒頭のブレッソン『たぶん悪魔が』のラストシーン引用が非常に面白く、通底するテーマも似通っているように感>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

5.0

世界が見えすぎる少年の近視な社会への反発。人は利益に囚われ、環境を壊し、あらゆる種を死滅させる。幸福とは文明か、それとも自然にあるのか… 死ぬも生きるも絶望的な厭世観に取り憑かれ、堕落の果てに得た啓示>>続きを読む

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

3.8

遠距離恋愛に悩むモデルの女と、盗聴が趣味で恋にトラウマ持つ初老の男、そして浮気の現場を目撃する大学生の男。トリコロール三部作の3作目にしてキェシロフスキ遺作。テーマは“博愛”。やはり今作も、前2作同様>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.7

“僕はハードディスクで君はアンテナ”

ティルダ演じるジェシカは突然、地球の核から鳴り響く轟音を受信し、その真相を求め旅立つ。

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の作品は、以前オールナイト上映で鑑
>>続きを読む

ロスバンド(2018年製作の映画)

4.6

超絶後味の良い青春映画の傑作。決して交わりそうになかったキャラたちが絶妙に絡み合い、進んでいくストーリーが至極気持ちいい。自立や夢、恋、家庭環境など青春映画に欠かせないエッセンスもこれまでかと思うほど>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.3

主人公の少年の姿に監督であるケネス・ブラナーの記憶を投影させた作品。街ぐるみで顔見知りかつ平和な日常と、宗教の対立が齎す紛争。少年の無邪気な視線から大人の苛烈な世界を覗き見るような… それでいて、家族>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.3

性的不全により、愛する妻に見捨てられた男。猛烈な愛への渇望と元妻への突飛な作戦での復讐… 驚くほどに荒唐無稽で奇抜な内容だが、それでいて根幹にあるのは愛の物語。トリコロールの白は、平等を意味しており、>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.6

他者の脳に入り込み遠隔殺人を行う女と、人格を乗っ取られた男… 2つの自我の境界が曖昧となり混濁していく描写が鮮烈で凄まじい。R18+の残酷描写も中々に激しく見応えがある。監督の父親であるデヴィッド・ク>>続きを読む

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

5.0

 映画館4Kスキャン版で鑑賞。ブルジョワ家族全員を誘惑し、性的な関係を持つ謎の訪問者。神のごとき存在に魅了される前半と、神の不在によって家族が崩壊していく後半。説明や台詞を徹底的に排し、完璧な画の数々>>続きを読む

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

4.3

クシシュトフ・キェシロフスキ監督、トリコロール3部作の1作目。フランス国旗、トリコロールの青は“自由”を表す。交通事故により高名な作曲家の夫と、娘を亡くした女。脳裏で再生される夫が遺した未完の協奏曲…>>続きを読む

愛なのに(2021年製作の映画)

3.7

城定秀夫×今泉力哉の見事な化学反応。どのような形であれ、愛について、絶妙の言い回しと官能的エロを交えて描く。想像以上に腹黒な恋愛模様とは相反して、一点の曇りなき純真な“好き”という思いが超絶微笑ましい>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.3

冷戦下で時代の荒波に揉まれながらも愛し合う男女を描いたパヴェウ・パヴリコフスキ監督作品。くっついたり離れたりを繰り返す永遠の愛を築くには程遠い情勢と、徐々に憂いを帯びていく叙情的で象徴的な歌。モノクロ>>続きを読む

あこがれ(1958年製作の映画)

3.5

フランソワ・トリュフォー監督の短編。やんちゃな五人の子供たちは耽美な女性に恋をし、ストーキングするが彼女には婚約者がいた。憧憬の念、嫉妬心…流動的に移り変わる思春期の恋。短編とは思えない重厚で濃密なス>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.6

トリュフォーの代表作。勉強嫌いで悪戯好きの少年は日々、教師からの叱責に加え険悪な家庭環境があった。誰一人として純粋な少年に寄り添う大人はおらずその圧倒的権力に殴打される。いくら殴られても逆境にめげず反>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

4.9

 映画製作の内幕を描いたトリュフォーの傑作。よどみなく進む映画撮影とは対照的に縺れる私生活、現実は映画と同等…いや映画よりも奇なり。難儀だが映画にかける思いは一様な登場人物たちと共に1つの作品を作り上>>続きを読む

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

4.5

移民制度の破綻を痛烈に描いたジャスティン・チョン作品。アメリカの闇を通して、自分の居場所・アイデンティティを探す家族の物語に深みをもたらす。あまりに重苦しい内容だが、役者陣の気迫に満ちた演技に圧倒され>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.8

刑務所帰りで強情な男は親に居もしない妻を連れていくという嘘をつき、孤独な女性ライラを誘拐して妻に見立てる。男の何もかも上手くいかないという苦悩と、女の誰かに愛されたいという思いが繊細に交わる。『バッフ>>続きを読む

サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

4.3

人の過去と未来が分かるテレパシストのヘルガは、ある人物の殺意を感じ取った所で何者かに惨殺される。その現場を目撃したマークは犯人探しへ。王道のサスペンス劇かと思いきや、視聴者をあっと驚かせるようなミスリ>>続きを読む

インフェルノ(1980年製作の映画)

3.0

ダリオ・アルジェント『サスペリア』に続く魔女3部作の2作目。世界に災いを齎すと言われる“三母神”の書物を読んだ者が次々と失踪する。華麗な色彩と過度に不安を煽る音楽。そして、アルジェント監督の変態的かつ>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

過去鑑賞。決して1人では観ないでください、というキャッチコピーが有名な作品。全編を纏う不気味な雰囲気がとても好き。あと、靴音の数で謎を暴くところもいい。

死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット(1993年製作の映画)

3.0

発想の妙。こんなのよく思いつくな… 死霊と戦い、中世にタイムスリップしたアッシュは現代に戻る為に死者の書を探す。RPG的要素にコメディを詰め込み、厨二心を擽ぐる。死霊のはらわたのスパイスも消すことなく>>続きを読む

死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

4.2

死者の書に書かれた復活の呪文により死霊が次々に蘇る。さまざまな物に憑依し多種多様な姿で魅せる死霊に驚きつつ、人間との血みどろの戦いが超面白い。霊という人智を超えた存在に対して拳で対抗する姿はシュルレア>>続きを読む

死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.5

死者の書の呪文によって死霊が蘇る。視覚や聴覚を強烈に刺激し、観る者を陶酔させる。死霊のビジュアルやその他の美術品、不快感を煽る音楽など低予算ながらそれを感じさせない。特にカメラワークが現代の作品にも劣>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

4.0

行方知らずの兄と交わした契り…古代の財宝を求め、地図にない未知の領域へ。思った以上にひねりの効いた、ゲームさながらのスピードで進むストーリーに身を任せて鑑賞。非常に楽しい。敵味方関係なく泥沼化していく>>続きを読む

オーロラの彼方へ(2000年製作の映画)

4.8

過去鑑賞。これは真の名作。ラストに流れる音楽もめちゃすきなんです。

ファウスト(1994年製作の映画)

3.5

ヤン・シュヴァンクマイエル監督が悪魔と血の契約をするファウスト伝説を実写映像に人形劇と粘土を用いたクレイアニメを含むストップモーションを融合させた映画。
理解の範疇を超えた異次元の映像体験に度肝を抜か
>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.4

心臓病を患い仕事が儘ならないダニエルとシングルマザーのケイティに二人の子供。貧すれば鈍する社会への徹底的な反骨と自分を顧みない他者への温かみ。それを以ってしても打つ手がない状況の無情さに胸が締め付けら>>続きを読む

ケス(1969年製作の映画)

4.7

過去鑑賞。イギリスの小さな炭鉱町。孤独な少年ビリーは鷹の雛を発見し、ケスと名付けて訓練も兼ねて育て始める。何をするにも制約が付いて回る地上と、雑念の欠片もない青空の対比。自由を体現した鷹の躍動的な羽搏>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.7

過去鑑賞。バカンスの道中で寄った酒場でテルマが淫らな男にレイプされかけ、それを見たルイーズが男を射殺。そのまま刹那の逃避行へ。男性優位社会に縛られ、女性らしさという曖昧ながらに複雑で、執拗に迫る鬱屈を>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.8

現代版に磨き上げつつ、シリーズ前作に畏敬を払うシークエルとしての最高点。後世に継がれる意志と家族の絆の再生。映画だからこそ表現できる、きわめて情緒的な展開に心揺さぶられ爆泣き。シリーズの熱狂的ファンと>>続きを読む