ゆきさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

ゆき

ゆき

映画(1967)
ドラマ(141)
アニメ(0)

アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

3.7

つま先立ち

SLEEPOVER=お泊り会
小学校の時、校庭でキャンプする恒例行事があったけど、お互いに背伸びしていろんな話をした記憶がある。
ちょっと先の自分を早く覗きたくてうずうずするお年頃。
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.8

欲望の先

何に惹かれて、誰に惹かれるかなんてわからない。
ただ真っ直ぐに好きなだけなのに、遠回りも寄り道もする様子がとても良い。自分事みたく苦しいけれど。
顔のアップが多いけれど嫌な感じに疲れないの
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.8

don't give up

運命が引き寄せた1人と1匹の話。
人目に触れるって幸せなチャンスだ。
気にも留められない人生もある。
信じてくれる人、手を差し伸べてくれる人、そばにいてくれる猫。
まさに
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マーウェン(2018年製作の映画)

3.7

置き換え術

実話に基づいた116分。濃縮されすぎて見えない部分も多いのだろう。
垣間見えるPDSDに苦しむ姿も重いが、最悪の大怪我は記憶の喪失だ。
記憶を取り戻す治療が難しかったために始めたという「
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教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

3.4

恐ろしいかつ鮮烈な体験

軽快な音楽と滑稽すぎる会話のバランス。
あれ?人亡くなったよね?と言いたくなるくらいにラフ。笑
真っ暗闇の中を生きていた男が見つけた光がもう卑屈で、そんな男でもウディ・アレン
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サムサッカー(2005年製作の映画)

3.9

僕なんか

人間関係に「なんか」も「くらい」も使いたくない。
言葉ってすごく曖昧で複雑。だけど正直でもある。
ジャスティンの言葉は変に知恵がついてからは擬態ばかりだった。
弟の目線が何より冷静で、正解
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チャンス(1979年製作の映画)

3.9

無の境地

初めて外に出るシーンの冒険感がたまらない。
まさに「そこにいる」だけの人。
テレビドラマで何もしない「レンタルさん」が共有する時間にじんわり心温められている日々ですが、こちらもかみ合わない
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マイ・ガール(1991年製作の映画)

4.1

女の始まりは口紅から

ひとつ、ふたつ、ふたつはん…愛らしすぎて泣きそうになり、後半の展開にどっと涙が溢れる。
「心で感じることの意味」なんて子供の時に考えたことあっただろうか。
いつも心にに生きてい
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その住人たちは(2020年製作の映画)

3.4

男の勲章

コントロールしたかったのは、地位か見栄か愛情か。
職を失ったそもそもの背景を探るのは野暮かもしれないが、息子の言葉が引っかかる。
絶妙な隙を突いて、あの日の栄光にしがみつく無様な男を見まし
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流転の地球/さまよえる地球(2019年製作の映画)

3.6

一生中最重要的任务

最期の…が続く125分。久しぶりにアルマゲドンも見たくなった。笑
設定の規模感が壮大な割に、案外コンパクトで分かりやすい。
家族の絆や、帰る場所、繰り返される「回家」というセリフ
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.9

天の配剤

人生の片割れは一人とは限らない。
自分の弱味は外からすれば見え方は違う。なにより知識は武器になる。
認め合うことで、バカにして除外していたことも日常になる。
意識と表情が大きく変わる、鮮度
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.8

have a nice day

空を仰いでいる内も、世界は動いている。
救いは何か。親か、恋人か、お金なのか。
衝動のまま走り抜けられる日は限られてる。
正反対の2人が一度は並んで同じ景色を見たのに
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.8

人間関係とはサメと同じ

幼少期のエピソードが好きすぎる。
共感を求めしゃべり続ける人たちの独りよがりとなすりつけ。
傷心しては前進して。攻撃しては後退して。
週に3回しかと週に3回も、の違いは序章。
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マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

3.7

あんたが太陽をもってきたのよ

ゆるやかに成長する少年が愛らしい。
初めてで溢れてる日常って幸せだ。
大切な存在がいて、自分の流儀がある生活。
表情と言葉遊びが憎い一作。
気の強い女の子像がまた素敵。
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子どもが教えてくれたこと(2016年製作の映画)

3.9

幸せ療法

「悩み事は脇に置いておくか、つきあっていくしかない。愛してくれる人たちがいれば幸せ」アンブルの言葉はじめ、子供たちの選ぶフレーズにいちいちハッとさせられてしまった。
笑顔もたくさん見せてく
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精神(2008年製作の映画)

3.6

鑑賞記録

誰の目線でもなく、生きようとする人たちをただ見つめた。
笑顔を見れるのは人と人が話しているとき。
一人が話しているときの表情に、希望は抱けない。
申し訳ないのだけれど、野宿していた女性の話
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精神0(2020年製作の映画)

3.7

寄り添う

多くの患者を支えてきた先生もまた、妻に支えられていた。
本来なら知ることのない誰かの人生をじっと見つめてしまうのは、煽ることなく自然に出る言葉に惹かれたからなんだろう。
誰の選択も正解はな
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ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-(2017年製作の映画)

3.6

白紙の地図

柔らかい時間でした。
気付けば繋がっている、優しさの輪。
日本版鑑賞済。個人的には中国版の方が見やすかったです。
人の関係性が濃すぎず、淡すぎず。
あまり余談のないすっきりした一作でした
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話があるんだ。(2016年製作の映画)

3.7

一言

目を見るだけ、笑いかけるだけでよかった。
少しの歪みと、余分な欲が時間をかけて二人の関係を壊してしまう。
「会話」という行為に翻弄される人の感情。取り返しはつかない。
冷めきった水餃子を前に俯
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.1

心は届く。

愛は月よりも古いだろ?
ヤスミン監督の描く、恋に落ちる瞬間が好き。
仮設の映画館にて3度目の鑑賞でした。
劇場で見た2回とはまた違う感覚。素敵な機会をありがとうございます。

言葉でもな
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スプリング、ハズ、カム(2015年製作の映画)

3.9

父の本音

璃子が外した時、不意に出る父親の本音が印象的。
初めて親元を離れるときに感じてた気持ちが一気に蘇る物語でした。
出会う人がなんとも個性的ですが、お父さんの「ありがとう」って言葉を引き金にエ
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2/デュオ(1997年製作の映画)

3.8

理由

不満と不安を共鳴していく二人の脆さにヒリヒリする時間だった。
即興芝居ってどこまで互いに把握しているんだろうか。
全体像はあるだろうけど、崩れ方が本当に苦しかった。
投げる振りが投げつける行為
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お引越し(1993年製作の映画)

4.1

だから、頑張れ

なんで?どうして?全て真っすぐで真っ当なレンコの言葉。
滝行みたいな言葉で散々揺さぶられたのに、終盤は言葉なくとも見入るシーンが続く。
大人を見透かす黒目がちな思考回路にはもう戻れな
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10デイズ 愛おしき日々(2016年製作の映画)

3.8

共に生きる道

人間味満点、愛嬌満点。
内に抱えるダンを支える人達が本当に素敵。
たったひとつの言葉がトラウマを生んで、不安を背負い続ける。
変な笑い声も味の好みも受け入れてこそ愛。白い猿との関係も愛
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

3.8

心の精算

信仰と洗脳は紙一重なんだろうか。
親だからこそ賛成できない生き方は、息子を罪人にする。
命を育むという使命、分かっていても頭の中はそう簡単に入れ替えられない。
演じて、良くなった振りをして
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タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

3.7

君は完璧だと思ってた

人に甘えるのが苦手なの、というマーロの弱さが生々しかった。
自負による謝罪が癖になる中で、謝らなくていい、って最高の救済。
人が人を支えるんですよね。
当たり前はすぐに壊れる、
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100回目の別れ(2014年製作の映画)

3.0

油断禁物

よくケンカするカップルの再起までを見守る。
絶対権力の彼女とYesマンの彼氏。男女の価値観は大いに違う。
「子守り」って表現は適切かもしれないがなんだか空しい。独りよがりだ。
将来への意識
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GF*BF(2012年製作の映画)

4.1

永遠の友情

どうしてそんな目で見守れるんだろう。
環境が作った制圧よりも、自分で追い込んだ環境の方がよっぽど苦しい。
あっという間に過ぎる学生時代に捻じれ上げた3人の関係が、大きくゆがむ瞬間に涙が止
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ラブ O2O(2016年製作の映画)

3.6

赤の他人か?

ジン・ボーランとアンジェラ・ベイビーの並びだけで眼福。
オンライン設定ならではの時間の重なり方が面白かった。
ゲーム内の景色が綺麗~
物語としては読めるんだけど、白も青も黄色も着こなす
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地球は女で回ってる(1997年製作の映画)

3.7

地獄の底

脳が性欲で埋まってる中年小説家の人生再構築。
セリフの棘がじわじわくる。クスクス笑えるビターなくだらなさ。
境界線が見えなくなったハリーの世界が滑稽すぎる。
ピンボケした自分にピントを合わ
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

4.0

go anywhere

町と家族に囚われる閉塞感よりも、疾走感で溢れる余韻。
シンプルでナチュラルな時間に身を委ねる贅沢な時間でした。
無意識のうちに抱えてる家族の存在と、抱えられている方の自責。
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静かなる男(1952年製作の映画)

3.8

愛情表現

忙しないく過保護な村人たち。
新たな住人の色恋に一喜一憂する村人たち。
当人たちより騒がしい。確かにショーンは静かだった。笑
ぎゅーっと加速する後半。人間模様の滑稽さとリズムが心地よかった
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明日へ(2014年製作の映画)

3.7

一寸先

「人として扱ってほしい」そんな言葉を使う日は来ないことを願う。
ただただ先の長い暗闇に迷い込んだ労働者の叫び。
子供の無垢さが酷い現実を中和も誇張もしてた。
明るい物語ではないけれど、ずしっ
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

3.8

境界線

時間は巻き戻せない。気持ちが係ることは再建できない場合もある。
絶対に思えていた家族も目をつむっているうちに形を変えているかも。
ファンタジーにも近い設定で、トーンの変わらない主人公が駆け抜
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よこがお(2019年製作の映画)

3.8

固執

溢れる日常音が怖かった。
ぞっとした時間の果てに訪れる無音。余韻がぐっとこみ上げる。
憧れが形を変える様子に息が詰まるが、最後まで見納めないといけない気がしてならない。
誰もが持っているよこが
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ザ・キング(2017年製作の映画)

3.8

極悪非道

人を追い詰める奴に、善悪の見分けなんてつかない。
黒い人間が舞う周りで踊らされる人々の滑稽さ。
目くらましネタを寝かせる日本も同じなのかな、
一瞬の油断が骨の髄まで吸い尽くされる結果を生む
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