Sariさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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ロビンソン漂流記(1954年製作の映画)

3.5

奇想天外映画祭2023のラインナップ作品。

ダニエル・デフォー原作『ロビンソン・クルーソー』をブニュエルが映画化した。

1659年、ブラジルからアフリカに向かった船が難破して絶海の孤島に流れ着いた
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気のいい女たち(1960年製作の映画)

3.8

ヌーヴェル・ヴァーグァーグの右岸派を支えたクロード・シャブロル監督の長編第4作。

パリの電器店で働く 4人の若い女性の退屈な昼と刺激的な夜を描く群像劇。

ジャーヌはフィアンセがいながらも束縛を嫌う
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

タルコフスキーが祖国ソビエト連邦を出国し、初めてイタリアで制作した作品。
主人公であるロシアの詩人に、タルコフスキー自身の亡命の苦悩と祖国への思いを投影して描いた物語。
タルコフスキー監督作で初めて、
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エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

3.0

【A24の知られざる映画たち presented by U-NEXT】
M・スコセッシが製作総指揮を務め、
ティルダ・スウィントンが娘と母親を一人二役で演じるミステリー。

T・スウィントン演じる映画
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞し、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞など計11部門にノミネートされた話題作。

自殺した妊婦
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マルグリット・デュラスのアガタ(1981年製作の映画)

-

愛を追求した作家、また実験的な映画監督としても知られるマルグリット・デュラスによる、眼に見えないもの(映画)を追求した愛の朗読劇。
自身の著書『死の病い・アガタ』を基に、海辺の古びたホテルに兄と妹とい
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モーツァルト・レクイエム(2004年製作の映画)

3.8

ソクーロフの愛するロシアの古都サンクトペテルブルクで行われたモーツァルトの遺作《レクイエム》の演奏会の模様を記録したドキュメンタリー。

《レクイエム》様々な巨匠の映画で度々耳にすることもあり個人的に
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これは映画ではない(2011年製作の映画)

-

反体制的なプロパガンダ活動を行ったとして2009年に逮捕され、懲役6年と映画製作20年間禁止を言い渡されたイランの名匠ジャファル・パナヒ監督が、自宅軟禁中の生活を撮影したドキュメンタリー作品。

映像
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ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.0

SF映画の金字塔『ブレードランナー』は、それまでのSF映画に革命を起こしたと言われ、後世のディストピアSFに多大な影響を与えている。

酸性雨が降り続く2019年のロサンゼルスを舞台に、レプリカントと
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

SF映画の金字塔『ブレードランナー』は、それまでのSF映画に革命を起こしたと言われ、後世のディストピアSFに多大な影響を与えている。

酸性雨が降り続く2019年のロサンゼルスを舞台に、レプリカントと
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タブロイド紙が映したドリアン・グレイ(1984年製作の映画)

3.8

オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」を参考の一つとして翻案した作品。
国際的な巨大メディア企業のボスが、自社新聞の売上を伸ばすためにドリアン・グレイなる虚像のスキャンダルをでっちあげる。
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フリーク・オルランド(1981年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ウルリケ・オッティンガー監督『フリーク・オルランド』鑑賞。ヴァージニア・ウルフの小説「オーランドー」を大胆に翻案。神話の世界から現在にいたるまで、それぞれの時代に性も姿形も変えて現れる主人公を通して、>>続きを読む

地球は女で回ってる(1997年製作の映画)

3.5

ウディ・アレン監督・脚本27作目。

自らの私生活を売りにしてキャリアを築いてきた、近頃スランプ気味の小説家の混乱と苦悩を、意表を突いたシチュエーションで見せていく。アレン監督・主演による独白的コメデ
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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

4.0

ウディ・アレン監督による映画愛に溢れた名作。

グウタラで傍若無人な亭主に悩まされる主婦が、映画への愛が高じてスクリーンから飛び出してきた男性との恋を始める。
しかし、彼女は現実の俳優とも恋に落ち、二
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

賞味期限切れの食材を持ち帰ってスーパーをクビになった女が、何か過去のトラウマを引きずった工場労働者のアル中男と出会う。これまでのアキ監督の作品と同様の設定であるが、今作ではウクライナ侵攻のニュースがラ>>続きを読む

都市とモードのビデオノート(1989年製作の映画)

3.8

ヴィム・ヴェンダース監督による、日本を代表するファッションデザイナー山本耀司の魅力的な一面が描かれたドキュメンタリー。

ヴェンダース監督が山本のドキュメンタリーを撮るために来日し、山本耀司の1989
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左利きの女(1977年製作の映画)

3.7

ヴィム・ヴェンダース製作、ヴェンダース監督作で脚本を担当してきた作家ピーター・ハントケが自身の小説を映画化した作品。

ブルーノ・ガンツ演じる夫が、西ドイツから北欧に仕事で長期出張をして家に帰ってきた
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.5

ウルリケ・オッティンガー監督『アル中女の肖像』鑑賞。「ベルリン三部作」の第一作。名もなき女性が飲酒観光を目的に、ベルリンへとやってくる。真っ赤なドレスで空港に降り立った冒頭ショット、荒廃したベルリンの>>続きを読む

マダムと女房(1931年製作の映画)

3.5

日本における最初の本格的トーキー(発声映画)と位置付けられる作品である。

北村小松の原作・脚本を五所平之助が監督したコメディで、日本初の本格的トーキー作品として知られる。トーキーを意識した、全編「音
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生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

4.0

巨匠・小津安二郎監督が子供の視点から大人を描く笑いと風刺にあふれたサイレント映画。

この『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』が制作された前年の1931年は、五所平之助監督『マダムと女房』が日本初の
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ファイブ・イージー・ピーセス(1970年製作の映画)

4.0

『イージー・ライダー』を成功させたスタッフによるアメリカン・ニューシネマのひとつの成熟として高く評価された。

主人公ボビー(ロバートの愛称)はカリフォルニア石油採掘現場の労働者。
その日の食いぶちし
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.6

『プロミシング・ヤングウーマン』のエメラルド・フェネル監督最新作。
監督曰く、ジョセフ・ロージー監督『召使』を参考にしたという。
また原点に『太陽がいっぱい』『テオレマ』がある。

バリー・コーガン演
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.8

人類が痛みの感覚を失った未来、主人公は体内に新種の臓器を生み出すことができるアーティストで、その臓器にパートナーが刺青を施したうえで摘出する手術をアートパフォーマンスとして披露している。
この奇抜な物
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.5

塚本晋也監督が1986年制作の短編「普通サイズの怪人」をベースに、肉体が鉄に侵蝕されていく男の壮絶な戦いを悪夢的映像で描いたSF・カルトスリラー。

ある日突然全身を金属に侵食されていく謎の症状に悩ま
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大学は出たけれど(1929年製作の映画)

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小津安二郎の初期サイレント映画。公開当時は70分の長編作品だったが、現存するのは11分ほどの断片フィルムのみであるが、きちんと起承転結している。

大学を卒業したものの定職につけない徹夫は、故郷の母親
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一人息子(1936年製作の映画)

4.0

小津安二郎のトーキー第一作。
原作ジェームス・槇は小津のペンネーム。
オリジナルアイデアや原案の構想を立て、シナリオは池田忠雄、荒田正男と3人でまとめ上げた。

夫を亡くした母は田畑を売って息子を東京
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.8

実在の事件を基にしたミリアム・トウズによる小説を映画化。
とある宗教コミュニティーを舞台に、性暴力に遭った女性たちが自分たちの今後について議論を交わす。

2010年の架空の村。独自の生活を営むキリス
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氣=BREATHING(1980年製作の映画)

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建築家の磯崎新と音楽家の武満徹が企画・構成した、日本の現代芸術を欧米に紹介する巡回展のために制作されたビデオアート作品。

前衛芸術と日本の伝統文化の融合を意図した展覧会で、「時空間(間)」の要素とし
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モナ・リザ(1973年製作の映画)

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東洋現像所(現イマジカグループ)に導入されたばかりの、当時最新の映像合成装置であったスキャニメイト(Scanimate)を使用して、モナリザのイメージを電子的に加工した作品。
作中では素材としてモナ・
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エクスタシス(1969年製作の映画)

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『エクスタシス 恍惚』

『薔薇の葬列』のために制作された実験映画であり、後に独立した作品として再構成された。首を左右に振って恍惚を身振りで表現するエディ(ピーター)、手を広げて観客へ迫ってくるゲバラ
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エクスパンション 拡張(1972年製作の映画)

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ドラッグによる幻覚体験を視覚化したサイケデリック・シネマ。またはビデオアート。
素材となっている映像は少ないが、モノクロの静止画をカラーに変換させる機能を持った光学測定機を使用し、めまぐるしく色彩を変
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つぶれかかった右眼のために(1968年製作の映画)

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1968年という世界史的な変動の年を表現すべく従来の方法を捨て、3面マルチ上映を採用。既存の映画の枠組みをはみ出すこうした作品はエクスパンデッド・シネマ(拡張映画)と呼ばれた。

3面マルチ画面、或い
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