cyphさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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驟雨(1956年製作の映画)

3.7

成瀬の原節子は毎回陰キャなんですか?顔立ちは綺麗なのに落ち込みやすくて嫌味っぽくて内弁慶なメランコリック妻と、のれんに腕押しってこのひとのための言葉?てくらいちょうど配偶者にいてほしくないレベル感でモ>>続きを読む

ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)

3.7

ヤクザが真剣に野球をしてる絵の面白さに良くも悪くも執着せず殴りこみや殴り合いなどヤクザものっぽい絵をじっくり見せにくるので集中力の持たない時間は多くありつつヤクザが真剣に野球をしてる絵の面白さはピカイ>>続きを読む

Love Letter(1995年製作の映画)

3.5

紐解かれるための謎がバーンと用意されててそれを順番に明らかにされていく形式の作品が基本的にノレない すっかり暗くなった学校の自転車置き場でペダルを手で回しながらライトで答案を照らすシーン、送られてきた>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.8

もはや古典芸能と化した岩井俊二 身勝手でナイーブな男のべそかき顔と、男の罪(下半身)をすべて透明化してくれる無垢なる少女性、美しいちいさな親愛を引き裂こうとする体制=大人たち…こんなん2023年にもな>>続きを読む

四月物語(1998年製作の映画)

4.7

特別な映画だ すきなひとの目に触れた最初の東京がこの映画なのうれしすぎる 大島弓子チルドレンなので傘を順番に開いてくれるシーンで無事号泣 「薔薇のしげみのところからずっとね」じゃん…そもそも起承転結の>>続きを読む

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

3.5

NO/HOME MOVIEとNO HOME/MOVIE、どっちなんだろうと思って見たらそもそもNO(HOME)MOVIEだった 映画の文法を踏み躙るように、断末魔のように荒野のカメラと実家の部屋に置い>>続きを読む

海を待ちながら(2012年製作の映画)

3.3

フドイナザーロフの遺作、笑いはなく悲壮感が強い、ほぼフィッツカラルド、またはマッドマックス とだけ聞いて興味本位で観てみた これまでの作品群とは比べようもなく予算が積まれた作品に見えるのに、びっくりす>>続きを読む

ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

3.8

こっちもやっぱり現代日本の労働安全衛生意識的にあり得ないショットの連続ですごかった 小型飛行機、ふつうにひと殺せそうなくらいすれすれに飛んでた 牛の話は実話、牛泥棒が飛行機に乗せて運んでた牛があんまり>>続きを読む

コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

4.6

乗り物映画は多々あれどロープウェイ映画なんて初めて観た タジキスタンが旧ソ連統治下なためほとんどのひとがロシア語を話せること、この映画を撮られた93年内戦が首都ドゥシャンベまで及び、その絶え間なく響く>>続きを読む

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

4.1

冴えないサラリーマンのぼやき語りだけなのに否応なく面白い!アニメ四畳半神話体系すきなひとはみんなすきだと思う つらつら続くモノローグに合わせて矢継ぎ早なショットが止まったり動いたりアニメになったりスト>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.6

いつか見るのリストに入れて早幾年、すんごいものを観た……と放心しちゃった 戦争の恐ろしさを伝えてくれる、という効果効能を仮に差し引いたとしてもなおドラマとして凄すぎる 戦争を経験した監督と名優たちが覚>>続きを読む

結婚のすべて(1958年製作の映画)

4.0

岡本喜八観たことないし、白坂依志夫脚本繋がりだしとこれから観たけど結果とってもよかった!旧時代的な?お見舞い結婚的世界観とイマドキな自由恋愛的世界観との二項対立を軸としたドタバタラブコメディ 脚本のテ>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.1

映画として新しいところは一つもない 世界とうまく接続できないメンヘラ気質のケイト・ブランシェットも、彼女を取り囲むママ友関係のストレスも、夫婦や親子の関係性の崩壊そして再生の物語も、物語の最後におおき>>続きを読む

青空娘(1957年製作の映画)

4.3

意地悪な継母や義理の姉にいびられながらも持ち前の天真爛漫さとタフネスで逆境を乗り越え本当の母を探す娘・若尾文子…ってイージーすぎるだろって大筋なのに映画としてめちゃくちゃ面白い 増村保造もしかしてめち>>続きを読む

妻は告白する(1961年製作の映画)

3.8

最高殊勲夫人からはまただいぶテイストの異なる増村保造×若尾文子×川口浩だけど、こっちもしっかりファムファタールクライムノワールで面白かった 岸壁で 愛人疑惑の男、妻、夫の順に並んだザイルが宙吊りになっ>>続きを読む

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

4.7

いつか見る…のリストに長らく入れっぱなしだったけどいま見てよかった!なぜオフィスでラブなのか映画 若尾文子×川口浩は浮草から入ったけどこっちの両片思いツンデレケンカップルの可愛さったら 銀座の大きなオ>>続きを読む

しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.0

おもしろい ほぼ団地の一室で完結する密室モノだけどさらに悪辣で味のあるパラサイトってかんじで軽(?)犯罪で巻き上げたお金を注ぎ込んではつぎはぎだらけの贅沢な暮らしをしてる性悪一家の暮らしやさらにその上>>続きを読む

乱れる(1964年製作の映画)

3.5

東北行きの電車に乗ってからはめちゃよかったけどそれまでの酒屋に舞台が固定されてるところは正直たるかった、スーパーvs小売店のお話にそこまで訴求力なくない…?てなったし加山雄三と高峰秀子が気まずくなった>>続きを読む

めし(1951年製作の映画)

4.0

いまのところ成瀬作品でいちばん好きだけどそれはひとえに原節子という怪優のパワーでもある……「絵に描いたように幸せな奥さんね」と周囲の人々に幾度となく表され、その度に曖昧な笑みで返す三千代はけして幸福と>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.8

「銀座では夜6時ごろになるとビジネスガールたちは帰路につきプロの女たちが出勤する」夜の街で商売を続けていくって大変だな〜というお仕事映画でもあり、バーに通う男にろくなやついね〜〜ていうクソ客博覧会映画>>続きを読む

赤線地帯(1956年製作の映画)

3.9

売春防止法施行直前の吉原は「夢の宿」の物語 溝口って雨月物語しか見たことなかったけどこんなにしっかり「女たち」を撮るんだ…しかも遺作なんだ…ていう衝撃 明日カノじゃんって100回思ったし、明日カノで描>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

3.7

大映×小津、いつもよりビビッドで絵が力んでてなんか乗れない…の違和感を最後まで越えられなかった(宮川一夫の撮影というよりはフィルムがいつもとちがうことによる違和感) お話もわたしが小津映画に求めてる謎>>続きを読む

喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

3.9

鎌倉市川喜多映画記念館特集『シネマ紀行』より あるいは木下惠介マラソンとして鑑賞 佐田啓二・高峰秀子の灯台守夫婦の昭和7年から32年までの四半世紀の物語 移動の道のりを舞台とするロードムービーは数多く>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.4

木下惠介の代表作のひとつにして日本初のカラー映画ってことで鑑賞 色味がドギツすぎてたぶん白黒の方が美しく安心して観れるすらあるけど、ストリップ嬢ふたりのド派手な衣装は確かにカラーにした甲斐がある 軽井>>続きを読む

君の名は 第三部(1954年製作の映画)

3.6

北海道、東京、そして雲仙・阿蘇へ 訪れたことのある景勝地が雄大に写し取られてるのはテンション上がる、けど療養のために阿蘇山登るのはどうなんだ 胸を病んでる人間に火山ガス吸わせんな 「後宮以外の男と結婚>>続きを読む

君の名は 第二部(1953年製作の映画)

3.4

北海道美幌・摩周湖は美しいけどアイヌ描写がさすがにアカンすぎ 地団駄踏むユミを幽霊のまなざしで窓越しにじっと見つめるマチコの恐ろしさ マチコは病弱設定のわりにふらっと佐渡から東京へ、そして美幌へとぐん>>続きを読む

君の名は 第一部(1953年製作の映画)

3.6

鎌倉市川喜多映画記念館特集『シネマ紀行』より 『早春』ではしっかり憎まれ不倫女を演じてた岸恵子が一転ひたすらオヨヨと泣き濡れるだけの弱い女マチコを演じきっててなんだかウケた 早春でしっかりサレ妻だった>>続きを読む

北陸代理戦争(1977年製作の映画)

3.8

U-NEXTきてるじゃん♡と鑑賞 ハイネックニットにマフラーにファー付きコートと防寒してるヤクザ(とくに松方弘樹)がかわいすぎる 仁義なき戦いの旨みを凝縮して舞台を北陸にしたかんじ 荒れ狂う日本海、ど>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

4.1

言葉少なに怒りに震えるサレ妻・淡島千景の美しいことといったら!小津が描く熟年夫婦の不倫とその後の動乱、興味あるなと思って観たけど予想以上に会話以外の方法で夫婦仲の緊張関係を描いててさすがだった 赴任を>>続きを読む

よみがえるブルース/トゥー・レイト・ブルース(1961年製作の映画)

3.6

メジャー1作目(自身の監督作としては2作目)でいきなりこんな迷宮みたいな映画撮るのなんなん となる ブルース映画なのにひとがひとを殴る音が響きすぎてボクシング映画だっけ?となった みんな大好き突然の野>>続きを読む

ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)

4.7

カサヴェテスの中でいちばんすきを更新!(更新前はチャイニーズブッキー〜) カサヴェテスのノイジーさと演出の粋さとがまさか「結婚」を祝福する側に回るなんて、ていう衝撃に目を回しながら終わった 不倫・仮面>>続きを読む

家族(1970年製作の映画)

3.6

長崎は伊王島から北海道は根室まで入植のため家族が大移動するオールロケロードムービー 1970年の日本(大阪万博、北九州市、福山市、東京上野、青函連絡船…)がたくさん見れて、男はつらいよフルキャストだと>>続きを読む

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.6

カラーの小津作品は麻薬みたいでひとつ観るともっともっとと観たくなってしまう…大阪・京都を舞台に原節子以外のすべての人物が関西弁で話していて、それだけで妙にうれしい(原節子だけ標準語を貫かせるのも解釈一>>続きを読む

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

3.7

鎌倉市立川喜多記念館特集「シネマ紀行」にて鑑賞 銀座線銀座駅の発着メロディにもなってる表題曲が楽しくて以来ずっと口ずさんでる 曲がいいので曲が歌われるたびにウキウキしてしまう 一方で映画としてはかなり>>続きを読む

私はモスクワを歩く(1964年製作の映画)

4.2

ソヴィエト印のヌーヴェルヴァーグ的作品って絶対観たいやつじゃん、と思ってたのを滑りこみ鑑賞 モスクワは10年近く前に訪れたことがあるので赤の広場、グム百貨店、地下鉄エスカレーターなど記憶に鮮やかな場所>>続きを読む

キングス&クイーン(2004年製作の映画)

4.6

東京日仏学院 デプレシャンレトロスペクティヴにて35mmフィルム上映で鑑賞
家族の嫌なかんじを描く作品が好きだ、と述べる友人が毎回タイトルを挙げていた作品だったのでついに観れた!と感慨深い 150分間
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