ナ・ホンジン監督の新作は「チェイサー」「哀しき獣」に比べれば分かりやすいエンターテイメント性は減じているものの、ミステリー仕立ての物語から観客も含めた人間の心の「不確かさ」を鋭く抉った傑作である。>>続きを読む
民主化運動で軍事政権を転覆された熱を帯びた時代。その熱が圧倒的強度となって観るものの心に 迫ってくる。運動家や学生だけでなく、検事、刑務官、神父、僧侶などなど、それぞれの勇気や正義の積み重ねがラストの>>続きを読む
世界的名優ソンガンホの演技に心を鷲掴みにされる傑作。光州事件というデモを起こす学生への弾圧から一般市民へ無差別に暴力を振るった軍部の許されまじ暴走を描くものの、あくまでもソンガンホ演じるタクシー運転手>>続きを読む
デヴィッドフィンチャー作品をはじめ、犯人が警察を試すように謎を散りばめた猟奇的殺人を繰り返すミステリーというジャンルがある。常軌を逸した主催者が、現実をゲームに変え、血祭りにあげていく。
一方でこち>>続きを読む
親になる覚悟どころか、大人にもなれていないセス・ローゲン。
そんな彼が、不意に赤ん坊ができたことで、父親にも大人にも成長せざるを得ない状況になる。
くっついたり離れたりのすったもんだはあるが、彼がだん>>続きを読む
ローラーゲームというマイナーなスポーツの魅力も伝えつつ、ひとりひとりのキャラクターとその中心に力強く立つエレンペイジの魅力、そして物語的な起承転結と締めくくりの爽快感。ドリューバリモアが初監督とは思え>>続きを読む
『マダガスカル』というシリーズは動物たちが、野生よりも文明で生きることを望む物語である。
だからこそ、1作目のマダガスカルよりも、2作目のアフリカよりも、本作の舞台となる世界中の大都市の方が、彼らは生>>続きを読む
ネガを取り扱う部署も人員整理
LIFE廃刊は第三者の命令
日の当たらない職人への敬意と尊敬
写真家をめぐるミステリーが軸
最後の表紙の謎
主人公の姿が映し出されていた
ピアノ・ケーキ・財布小道具ヒント>>続きを読む
音楽使いといい、監督のセンスに脱帽。
「ゾンビ映画」という枠をアップデートさせ、見事な傑作に仕上げている。
母親離れ、元カノとよりを戻しても、親友は見捨てない。
ゾンビになっても、納屋でゲームする2人>>続きを読む
ゲーム性をギミックだけでなく、ストーリーを語る上でも巧く機能させている。
アクションシーンは「ビューティフル・ジョー」というゲームがモチーフか。
自己を変革することで、人生においての局面をクリアしてい>>続きを読む
昔は地元で有名なワルだった
今は誰も構ってくれない
つるんだ仲間は大人の生活
自分が忘れられた
周りが全部入れ替わった
発想の勝利
閉鎖的コミュニティ
秩序ががらりと変化する
大人にならないことへの肯>>続きを読む
本作はエドガー・ライト組の弟分であるジョー・コーニッシュの初監督作品だ。彼らの作品の特徴は、各ジャンルの決まりごとを踏襲、あるいはオマージュを捧げつつ、その枠内で新たなことにチャレンジしようという志に>>続きを読む
「エイリアン(alien)」には、「宇宙人」「外国人」という2つの意味がある。本作の主演であるサイモン・ペッグとニック・フロストはイギリス人である。彼らは「エイリアン」の視点からアメリカという外国を見>>続きを読む
本作の1番の魅力は、主人公のガン宣告をきっかけに、彼と周囲の身近な人物とが有機的に関係していくことだろう。突然病状を告げられた若き主人公は、驚くほど落ち着いているように見え、「人はいつか必ず死ぬ」とい>>続きを読む
かつて一世を風靡したマペットたちが再集結し、スポットライトを浴びる。だが、自分がマペットに思い入れがない年代だからなのであろうか。アメリカ映画の王道とも言える「負け犬と見なされている者たちの再起もの」>>続きを読む
各キャラクターは魅力的なのに散漫な印象。
寝取られ男と、優柔不断な女。
ヨリを戻そうと自分勝手になる女を、男は体ごと拒絶する。
ハワイもステレオタイプ描写で魅力薄
エンドクレジットの男性器がトランスフォームした落書きが最高。
マクマレンと2人の警察のやりとりが最高。
マイケル・セナとジョナ・ヒルの必死さが最高。
最高のつるべ打ちが笑いを生み出す。
最後も「何か爪>>続きを読む
自分が今まで童貞だったのは、君に出会うためだったのかもしれない。
このセリフに思わずグッときてしまう。
愛には肉体関係を伴わないといけないのか。
自閉的なスティーヴ・カレルが、精神的に開放的・健康的に>>続きを読む
企業による汚染された廃棄用水を取り上げたドキュメンタリーだが、人体への悪影響を隠蔽しようとする企業、公約に掲げてコミュニティ票を獲得するも本腰を入れて動かない政治家、マイノリティに押し付けて抗議の声を>>続きを読む
本作はアラもたくさんある。はじめからバンドの演奏が上手すぎて成長する過程が描けていないし、個性的なバンドメンバーもほぼ書き割りに近い。最後のいじめっ子を加入させるとこなど取って付けたような展開だ。>>続きを読む
ティモシーシャラメのラストの顔にとにかくやられる。避暑地での友情を越えた愛と別れ。それから幾ばくか経って久しぶりに聞いた彼の声に心踊り、そして婚約するという報告に動揺を隠せず、リビングの暖炉の火を見て>>続きを読む
ティム・バートンがこの映画で生み出したチョコレート工場には“甘味”も“苦味”もある。鮮やかな色彩で飾られている施設、そこで製造される様々なお菓子、さらにそこで働くウンパルンパがまた最高である。
しか>>続きを読む
エピソードの積み重ねで物語るのではなく、ある結末ありきでエピソードを片付けていく展開に違和感。
シングルマザー、浮気からの離婚、肉親の死、夢を追い求めての転職…。人生におけるターニングポイントに次々>>続きを読む
オープニングから素晴らしい。「音楽」を通して、人間同士が運命に導かれるかのごとく出会う瞬間。その「ときめき」に至るまでの男と女それぞれの人生を手際よく描いていく。それぞれの人生に心を掴まれたからこそ、>>続きを読む
実話ベースでありながらも、物語の根幹は故郷から離れ、成長してまた戻ってくるというオーソドックスなもの。そこに行きは過酷な環境をまるでサバイバルのように潜り抜けていく少年の道行きをアナログで描き、後半は>>続きを読む