eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

eulogist2001

eulogist2001

映画(1611)
ドラマ(64)
アニメ(0)

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.8

いつもの爽快感とともに、深い喪失感も味わった。アクションの素晴らしさと同じくらいダニエル・クレイグのボンドが本当にカッコよかった。内面の哀しみと繊細さを深く繊細な演技で表現できる俳優はそうはいない。>>続きを読む

アルゴ(2012年製作の映画)

3.2

映画としては面白い。しかも実話に基づいている。しかしそこに至るまでのアメリカの画策や過程を考えると手放しで喜べない。

イラン国民からみたら、ヒドイ茶番にしか見えないだろう。単に盗人の残党にうまく逃げ
>>続きを読む

キンキーブーツ(2005年製作の映画)

3.6

王道のエンタメ。代々続く靴工場を父の死によりやむなく引き継ぐことになった息子が知ったのは瀕死の状態にある経営だった。

そこから昔ながらのブローグシューズやブーツはやめて、キンキーブーツ製作への乗り出
>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

3.6

正しさや正義。それぞれがそれぞれの価値観の中、そこにコミュニケーション(対話や理解)はない。自らの絶対性を信じて止まないことの滑稽さ(裏返しの悲劇)。

スーパーの店長青柳は万引きの女子学生を追い掛け
>>続きを読む

MIRRORLIAR FILMS Season1(2021年製作の映画)

2.6

オムニバスで9本。ショートムービー。全4回のうち第一弾。テーマは「変化」らしいが、さすがに詰め込み過ぎか。玉石混淆でなんとも乱雑な感じが否めない。

眠気を堪えながら観た中で、「B級文化遺産」は良かっ
>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.9

「娯楽作品」においては原則的に結論を求められる。白黒付けたり、結末が必要だ。映画作品においては特にそうだろう。

本作には結論はない。それぞれがそれぞれの状況や勢いや流れの中で結果的に過ちを犯し、自分
>>続きを読む

都市とモードのビデオノート(1989年製作の映画)

3.2

山本耀司をヴィム・ヴェンダースが捉えたドキュメンタリー。ちょうど日経新聞の「私の履歴書」で本人が連載中なので鑑賞。

黒の衝撃から既に30余年。今から振り返れば小さな事に見えるが、当時のファッションの
>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

シンプルに号泣するしかない。映画作品を学生時代から通算すれば数千は下らないほど観てきたある面すれっからしのオジサンだが、恥ずかしげもなくおいおいしてしまった。(もちろん声を殺してではあるし、オジサンに>>続きを読む

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

3.8

Blu-ray
犯行の手口や行為がなかなかのエグさ。サスペンスもあり、謎ときもある。犯人のサイコパスな部分とその生い立ちまで踏み込んだところが興味深い。
ラストにクラリスへの繋がりを示している。

>>続きを読む

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

3.2

あらゆる紛争の悲惨さは殺し殺される事による命の消失や財産資産の喪失にある。わけても民族紛争においては隣人や知り合い同士の憎しみや殺し合いとなることで生き残った者同士にさえも出口のない未来が残る。融和に>>続きを読む

アフター・ウェディング(2006年製作の映画)

3.4

インドで孤児たちの救援活動をする男が支援者のいるコペンハーゲンに呼び出しを受ける。

そこでその富豪の娘の結婚式に呼ばれてみると、そこには昔、付き合いのあった女が妻として並んでいた・・。そしてその娘は
>>続きを読む

(2017年製作の映画)

3.0

鄙びた田舎町で理容店を継いだ男。そこに高校生の時に付き合いのあった美しい同級生がうなじのムダ毛を剃りに来る。そのうなじには「点」を打ったような黒子があった。短編ながらも細やかな心理描写が丁寧に描かれる>>続きを読む

ミニマリズム: 本当に大切なもの(2016年製作の映画)

3.8

ひとは愛してモノは使う。ミニマリズムの本質。市場原理に囲まれているとモノを所有してこそ、ハッピーになり成功なのだと思い込まされる。

モノをたくさん所有しても賢くもなれないし、精神的に豊かにもなれない
>>続きを読む

KANO 1931海の向こうの甲子園(2014年製作の映画)

3.2

3時間の長丁場。少しダルさを感じたけれど最後はきちんと絞められている。
随所で泣きどころはあった。若い演者がみなしっかりと頑張ってた。

ミナリ(2020年製作の映画)

3.4

静かだか力強い短編を読んだ気になった。まさにミナリ(セリ)のように何処にでも定着し、逞しく育つ。小さいが強靭なばあばの生命力。

スティーブン・ヨアンが「バーニング」とはまったく異なるキャラクターを演
>>続きを読む

MOOSIC PRODUCTS!/nico(2012年製作の映画)

3.0

日本映画専門チャンネル
フィクションの中のフィクション。その中でみえることがあるのか。
枠組みの中で決まってしまうこと、表現出来ること。入れ子構造の外側がより強調される。

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

3.8

Blu-ray
牧瀬里穂。めちゃめちゃかわゆい。恥ずかしい表現だけれどはち切れんばかりの「青春」を体現してた。

青春を映像で表現するとこうなる。まさにそんな見本。

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.8

ドラマ版をAmazonで観た。

嘘つきどもの嘘が自分のためではなく誰かのための嘘であり、そうした嘘の積み上げがほんとうのことに繋がるってところがまさに映画でもあり、不要不急の芸術作品だろう。

劇場
>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.8

どんよりとした中年期の危機。アルコールの血中濃度を一定に保つ事で気分も上がり仕事の効率化が図れるのではないか。そんな怪しげな疑似科学を信じて実験に挑む高校教師の仲間たち。

閉塞感に満ちた状況だが、時
>>続きを読む

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

3.8

志の低さに怒りを通り越して暗澹たる思い。ただただ自らの政治家としての階段を登りつめるためだけに狡知を働かせ、都合が悪い事には平気で嘘やのらりくらり。特別会計や機密費を上手く利用して権力維持に好きに使う>>続きを読む

酔うと化け物になる父がつらい(2019年製作の映画)

2.8

アルコール依存の父親に育てられた娘視点。死後に父親の優しさに気がつく。

テーマは分かりやすいし、想いは理解出来るが映画作品としては弱い気がする。シナリオに深みを感じない。

役者はそれぞれ良い感じな
>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

3.8

重厚な佳作。複雑な人間関係や政治的な力学も凝縮された科白や精緻な表情、陰影に満ちたカットで描き出す。大人の作品としての味わいと深みに溢れてる。強く心を揺さぶられた。

愛があれば・・・その先は?
→愛
>>続きを読む

ロングショット(2017年製作の映画)

3.2

本作は幸運にも冤罪とならずに救われた話だが、一歩間違えたら確実に死刑となった事件。

背景には警察や検事の強い思い込みに基づく立件や捜査がある。これは日本においても変わらない。

捜査側の恣意性を抑止
>>続きを読む

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.2

ゆったりとしたテンポと少し焦れてしまうほどの展開。絵作りや風景もどこか「昭和」を強く感じる。アニメ好きというのももはや若者以上に60歳前後以降の世代すべてだろう。けして「若者カルチャー」固有の独自アイ>>続きを読む

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.8

佳作。淡々とした描写で心の動きを丁寧に描く。役者の表情のアップが多用されているが、その演技も素晴らしい。

モノを捨てることがけして過去の想い出や人間関係を忘れ去る事には繋がらない。モノはモノとしてだ
>>続きを読む

ファンシイダンス(1989年製作の映画)

3.0

シュールで少しシリアスなコメディ。気楽に楽しめるようでいて、どこか落ち着きの悪さを感じた。

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.6

映画作品としての出来はさておき、この作品がシナリオも監督も女性だというのには驚く。

デリヘルの客待ちの部屋を舞台にゴミのように生きてきた風俗嬢たちとそこを仕切る男たち。それぞれの人生模様があり、それ
>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。この作品を観ていた時間に感謝しかない。3時間近い作品ながら、ずっと終わらないでほしかった。シナリオがまず秀逸。丁寧で無駄がなく展開もプロットの置き方も淀みない。作中の世界観も破綻をきたすことな>>続きを読む

ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

3.6

これからが本番。

まさにそんな気になる作品。年老いても過去の栄光や郷愁・思い出に浸るだけではいけなのだ。時間を経て理解することや気がつくこともある。いや、むしろそちらの方が大きい。川の流れの中に身を
>>続きを読む

なぜ殺したの?(2021年製作の映画)

3.0

アメリカのギャング社会のリアルを少し垣間見た。そこには同時に移民や貧困の問題も存在している。

本作は殺された娘の被害者家族も母親がヤクの売人であったり、弟(息子)もギャングであったりと複雑。実際の捜
>>続きを読む

同級生マイナス(2020年製作の映画)

3.2

作中、AV男優のレジェンド(笑)である加藤鷹がいきなり出てきて驚き、かつその役割に笑えた。

夢と現実。夢を打ち砕く現実と時間(年齢)。自分自身のこだわりと社会的な立場や求められる行動のギャップ。そう
>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.4

なんなんだこれ⁉︎素晴らし過ぎる。もっともっと広く上映されるべきとんでもない傑作。

良い意味での意表を突かれまくり。女子高生がゴリゴリの時代劇を監督するってシチュエーションもさることながら、そこに散
>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.4

エンタメとして気楽に楽しめた。ゲームの中のキャラとリアルなプレイヤーとの関係性が新鮮。CGの出来もなかなかのモノ。

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

2.8

Blu-ray4Kリストア版
訳の分からない感じをどう取るのか。そのイメージを瞬間瞬間感じとるのか。そこに強引になんらかのストーリーや意味を想像するのか。メタファを解釈して真の意味を探し出すのか。はた
>>続きを読む