Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 44ページ目

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

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死の恐怖を抱えながらパリの街を歩き回るクレオ。冒頭のカラーのカード盤のように、具体化する場面と、彼女のカメラに向かっての歌唱のように抽象化する場面、両方を行き渡る演出が印象的。全体的にはいかにもヌーヴ>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

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ゴダールだとなんだかんだでこれが一番だよなと思う。楽しさとおかしさと暴力が詰め込まれている。

マネキン(1987年製作の映画)

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オープニングのエジプトの設定はいらないと思うんだけど。映画だから理由なしに荒唐無稽なことが起こってほしい。

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

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キング牧師が暗殺される4年前。徹底して白人FBIの側から描かれるこの作品は、ミシシッピーという閉じた人種分離地域の悪質に根付いた差別意識を、外部からの視点によって描いている。ハックマン演じる捜査官は南>>続きを読む

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

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足袋を泥で汚しながら、その女は歩きづらい道を歩く。力強い映画。そうそう、無宗教でありがちな日本を意識しながら今村昌平は映してきたよなとも思った。

赤い殺意(1964年製作の映画)

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撮影、ロケーション、列車内での一連をはじめとする、殺意と愛を渡り歩くショットの数々など、美点は幾つにもある。だが、やはり尺の長さは気になる。モノローグベースも、効果的な場面は何度かあるものの、全体的に>>続きを読む

シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

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異様なライティングとストーリーで最後まで引き込まれる。ベルトルッチはいつだって人間を突き放す。

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.9

こんな後味いい映画久々に見た。面白い。全然知らなかったので、エンドロールで高校演劇が原作なのを見た時が、今年映画見た中で一番納得した瞬間かも。いかにカメラを野球の試合に一切向けず、応援席のみに向けて成>>続きを読む

海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

4.1

正直泣いた。正に近年のフィルモグラフィーの総決算的な内容。これを見た今でも2010年以降の大林ベストが『この空の花 長岡花火物語』なのは変わらないが、今作ではあいも変わらず、話のロジックを完全に無視し>>続きを読む

クリスティーン(1983年製作の映画)

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Netflix入ってきたので再見。序盤の、サイドミラーを使って「車が人を見ている」を演出するのがすごいし、殺人マシーンと化した合図のライトの演出や、それが反射する濡れた路面を映す撮影の良さにも痺れる。>>続きを読む

スウィート・スウィートバック(1971年製作の映画)

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自分が持っているDVDだと、タイトルが出るオープニングの問題のシーンで、人物自体にモザイクがかかっていて、シーンが完全には見れないんだけど、今はこのバージョンしかないのかな。

ベニスに死す(1971年製作の映画)

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紛うこと無き視線の映画。視線のみで全てを物語る。哀愁くさすぎる気はする。

バード(1988年製作の映画)

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音の演出が凄まじい。正に走馬灯映画で、チャーリー・パーカーの人生がモザイク的に配置される。腰を据えて闇を真っ向から睨みつけるように撮る夜の質感にイーストウッドを感じる。常に、彼の背後、または向かってい>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

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フェリーニの映画でダントツ一番好き。ローマの街と車、男と女。3時間が夢のように過ぎていく。

25時(2002年製作の映画)

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9.11の直後のニューヨーク。こうして見ると『サマー・オブ・サム』もそうだけど、スパイク・リーもニューヨークを映してきた作家なんだな。映画はとにかく長さがネック。エドワード・ノートンとかフィリップ・シ>>続きを読む

ブラック・サンデー(1977年製作の映画)

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ヘリコプター爆破!からの観客席ズームアウトのカットをはじめとするクライマックスが狂気じみている。フランケンハイマー御大のクレイジーな超傑作。

LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.8

ヌーヴェルバーグと80年代ロックと統治国家。オープニングのカメラワークから最高にワクワクさせられる。モノクロの質感も素晴らしく、所々挟み込まれるカラー映像の味気なさの方が気になるほど。お話はそこまで突>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

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傑作。怖がってる人の顔が一番怖い。『サイコ』と並べて語られるが、覗見欲求というのは明らかに『裏窓』。目の見えない人物こそが核心に近づく。

クリス・ブラウンのマイライフ(2017年製作の映画)

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主にリアーナへの暴行事件がフィーチャーされる。クリス・ブラウンの独白は結構辛かったな。途中、彼がマイケルの『Man in the mirror』歌うところちょっとグッとくる。割と感動話で片付けられない>>続きを読む

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

3.7

以前ドラマ版は鑑賞。映画でそこまで内容が変わっているわけではないが、初見時の印象通りの素晴らしい脚本。こういった本が日本映画の中で増えればいいなと常々思う。演出はそこまで引っかかるものはなく。役者陣の>>続きを読む

ザ・エージェント(1996年製作の映画)

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本筋はキューバ・グッディング・Jrがメインになってくるあたりから面白くなる。イマイチ噛み合ってない気もする恋愛とエージェント業界の話も、信頼というキーワードで回収されていく。キャメロン・クロウという以>>続きを読む

RONIN(1998年製作の映画)

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最高の活劇。追う・追われるアクションの極北。銃声は追走劇が始まる合図。巻き添え人死出すぎ。

山羊座のもとに(1949年製作の映画)

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ヒッチコックの中では話が単純に面白くなく、画面に躍動感もなく、究極的に淡々としている映画。カラーのイングリット・バーグマンは美しい。

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)

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俺がキャメロン・クロウで一番ダメなのは『エリザベスタウン』でも『アロハ』でもなくこの映画です。思えばアメリカ映画で役者のオーバーアクトを目の当たりにした最初の作品かも。音楽は相変わらず悪くないけど、今>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

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ノーランの『テネット』の唯一の心配要素は、予告見る限り「実はこれ『12モンキーズ』なんじゃないか」と、最近思ってきてることなのだが、どうせその方面なら『ラ・ジュテ』にまで振り切ってほしいな。

幸せへのキセキ(2011年製作の映画)

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2回目の鑑賞。これは傑作。マット・デイモンが後半で奥さんとの思い出に浸るシーンで、「キャメロン・クロウってこんなショット撮る人だっけ」となる。ラストの切り返しで抗えず泣く。

エリザベスタウン(2005年製作の映画)

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キャメロン・クロウの映画基本的に好きだけど、ちょっと今作は間延びしてるよな。あと、キルステン・ダンストのキャラクターが基本的に何を考えてるのかわからない。

ラブバード(2020年製作の映画)

3.5

『ビッグシック』監督×クメイル・ナンジアニ×イッサ・レイということでかなり期待していたが出来は正直普通。ただ、主演の2人のユーモアセンスにはかなり笑わせてもらった。これスティーブ・カレルとティナ・フェ>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

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久々に見てた。色彩が異常なロマンスコメディ。アンダーソン的にやはり一番近いのは『ANIMA』だな。

シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

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ずっと見てなかったが、面白かった。カウフマンぽさは確かにある。ただこの設定から、こういう話とテーマになるとは思わないよな。ストーリーテリングの奇天烈さと意表のつき方が素晴らしい。全体的に切り返しが上手>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.7

面白かった。モロに『殺人の追憶』や『チェイサー』の影響下にある作品だが、ここ20年ほどで韓国映画が積み重ねてきたものを、ある種手堅く仕上げてくるようなクオリティを感じた。ファーストショットの街を俯瞰す>>続きを読む

ナイフ・プラス・ハート(2018年製作の映画)

3.6

ヴァネッサ・パラディがいい感じにやさぐれている。内容としてはアルジェントやデ・パルマ直系のジャッロホラー、ネオンホラーのリブートに見えるが、ぶっちゃけサスペンスの破綻のしっぷりが抜きん出てる。序盤に出>>続きを読む

ホリデイ(2006年製作の映画)

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何気初めて見たが、めちゃくちゃ素晴らしいラブコメディ。ジャック・ブラックの役柄が映画音楽作家で、この映画の音楽やってるのがハンス・ジマー。劇中ブラックがジマーの仕事を褒めるシーンも一瞬。クライマックス>>続きを読む