猫田さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

猫田

猫田

映画(279)
ドラマ(0)
アニメ(0)

31 サーティーワン(2016年製作の映画)

3.7

刺客の1人(外人)が日本語でとおりゃんせ口ずさんでたり、「ヤダヨォォォ」とか叫んでてちょっと笑った。このての殺人ゲームもんはやり尽くされてる感があるものの、ロブゾンビらしい悪趣味な殺人ゲーム会場や刺客>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.5

時が止まったような豪邸に暮らすかつての大女優の姿が、栄枯盛衰を思わせて切なくなる。噂通りにグロリアスワンソンの怪演がお見事。死体が語り出すサスペンス風の脚本も素晴らしい。ハリウッドらしくスキャンダラス>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

4.3

又聞きした自分の男の浮気をとっちめに行く話なんだけど、笑いだけでまとめていない所がすごくいい。随所にリアルな娼婦たちの姿も挟みながら、Fワード連発の会話も面白い。彼女たちが歩くLAのストリートや音楽の>>続きを読む

罪の手ざわり(2013年製作の映画)

3.8

そこに暮らす人たちの姿は、その国を写す鏡だなと改めて思う。変化する時代の波に揉まれながら必死に生きてる人たちのありのままの姿を捉えた映像は、凛とした美しさもあるけど悲しい。変わる事で良い部分もある反面>>続きを読む

映画は映画だ(2008年製作の映画)

4.0

フィクションが次第にノンフィクションに色づいてゆくような面白さ。泥にまみれた2人の男のガチバトルは胸熱だった。映画が現実と違うってのを見せつけるかのようなラストは有無を言わせぬ説得力。と同時に、違う人>>続きを読む

恋人たち(2015年製作の映画)

4.5

心が抉られて、心がすり減る。みんな不確かな希望を心のどこかで夢見ながら生きている。絶望して、少し立ち直って、また絶望して。生きるって、正直しんどい。ポジティブになんかなれないことも山ほどあるし、他人に>>続きを読む

扉をたたく人(2007年製作の映画)

4.3

目の前の事をこなしながらもどこか上の空で、他人に心を閉ざしている主人公が、あの忌まわしい9.11後のアメリカに暮らす人らの姿に重なって見えた。出会いを通して、脱け殻のようだった主人公に血が通い徐々に生>>続きを読む

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.9

家庭というより社会から隔離された変な団体の養成所さながら。人間がいかに他の何かに影響されながら生きてるか。その影響次第で、良くも悪くも変化するってのがすごく良く分かる。基本的には狂気じみてるが、思わず>>続きを読む

獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)

3.5

おとぎ話と呼ぶには残酷で、ファンタジーと呼べるほど幻想的でもない。でも、北欧の寂れた田舎町の風景が、あり得そうな不思議なリアリティーを持たせる。芽生える恋心、変化する体への戸惑い、 親への反抗。思春期>>続きを読む

ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界(2014年製作の映画)

4.3

現実で埋まらない心をSNSやネットで必死に埋めようとする姿が見ていて痛い。面と向かって会話して、人に直に触れて、そんな当たり前の人間としての喜びが分からなくなっている様々な年代の現代人たちの心の闇が赤>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

よく考えたら、恋愛も結婚もしない奴は価値がないから死ねと遠回しに言われてるような設定で、その辺がすでにスプラッター映画なんかよりエグい。でも、何かしらの感情を伴うはずの恋愛をああも感情抜きの義務感でや>>続きを読む

野火(2014年製作の映画)

-

戦争の真の姿を知らない私たち世代は、戦争に関する資料や体験した人たちの言葉でしかその内容を知り得ない。ましてや体感する術もない。この映画はそんな世にも恐ろしい戦争を体感しているような感覚にさせる。神経>>続きを読む

二重生活(2012年製作の映画)

4.0

水面上ですったもんだしている人らの姿だけを見せられ、真の黒幕は水面下からずっと姿を現さないみたいなこのモヤモヤ。この映画の原題の意味を後から知って、なるほどと思った。まさにそういう話。どんな国でも夫婦>>続きを読む

奪還者(2014年製作の映画)

3.8

開始早々、静かなバーの窓の外を車が横転してゆく静と動を切り取ったような画に痺れた。なんじゃ、あのカッコ良さは。荒廃した風景をバックに余計なもんはほとんど足さないのが、武骨でノワールな世界観も彷彿とさせ>>続きを読む

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

4.0

結局、人間は権力に屈せざるを得ないというのを真綿で首を絞められるようにじわじわと見せつけられる。力を持たない人間の脆さや徐々に疲弊してゆく姿をこれでもかと描いていて、始終胸を掻きむしられるようだった。>>続きを読む

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

利用する者、溺れる者、憎しみを抱く者。ゴシック感満載の美しいヴィジュアルの中で、愛により惑わされる人間たちの物語に酔う。屋敷や雪に覆われた地面が真っ赤に染まる景観やらは本当に美しかった。後半の追いかけ>>続きを読む

ベテラン(2015年製作の映画)

4.0

金持ちの3世が絵に描いたようなとんでもないクソ野郎で、地獄に堕ちろ!と何回思ったことか…最悪。現役大統領を取り巻く人間関係やナッツ問題やらが世を賑わせていた韓国での問題も、こういうのが原因なんだろうと>>続きを読む

ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

3.8

移民が題材だけど、それを軸にしながら(移民だからという事を抜きにしても)生きてくことの大変さが描かれているようで、何とも言えない気持ちになる。貧困、いじめ、家庭内の不和。山積するそれらの問題を彼らの姿>>続きを読む

ディアーディアー(2015年製作の映画)

4.0

人生であの時のあれさえなけりゃって事の1つや2つはあれど、そこから前向きに気持ちを切り替え進めるか進めないかなんだろうなーと、3人を見ながら改めて思った。全部鹿のせいにしてそれが出来ないまんま生きてき>>続きを読む

10 クローバーフィールド・レーン(2016年製作の映画)

4.0

公開当時にポスターの件やらをちょこちょこ耳にしていたものの、すっかり忘れて見たら普通に面白かった。変に深く考えずに見た方が純粋に楽しめる。
逃げ惑う人も破壊描写もほぼ出てこないのに、緊張感や不気味さが
>>続きを読む

影なきリベンジャー 極限探偵C+(2007年製作の映画)

3.5

タイトルにくっついた+C。+A+Bもあるシリーズらしいが、なぜかこのCが1作目という点からしてすでに謎なシリーズ。タイの中華街が舞台なんで劇中の怪しいアジアを感じさせる雰囲気がすごく良い。そして、びっ>>続きを読む

探検隊の栄光(2015年製作の映画)

3.5

よくこのての冒険番組を見てたんで、オープニングの文字やナレーションだけで妙にテンションが上がった。現地の怒れるおっさんのアテレコとワニとの死闘はばかばかしくて笑った。コメディにおける藤原竜也の使い方が>>続きを読む

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)

4.0

水を得た魚のような喋りを披露する大泉洋が最高。まるで落語を聴いてるような淀みのない軽快さで天晴れ。題材自体は江戸の世に場所を移した男と女の離婚の修羅場みたいなもんで、本来なら笑えない題材ながら「悲しみ>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

4.0

重苦しい雰囲気の中での見事な中和剤で、中盤からは物語の核もしっかり担う起爆剤にもなる役柄をああも魅力たっぷりに演じるファンジョンミンに惚れた。とは言え、この重苦しい雰囲気も渋くてイイ。ちょっと青みがか>>続きを読む

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ(2015年製作の映画)

3.9

まさかこんなに感動するとは。ホラー映画が成長の感動ドラマの仕掛けに様変わりしていてナイスギャップ。それよりなにより、ティナ役の女優さんがブリトニースピアーズに激似。口元だけは笑ってるけど、目だけ笑って>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.2

彼女の夢と現実を覗いているようで、境界がとてもあやふや。誰かを亡くした人間の簡単にいかない心の整理期間がそのあやふやさと重なる。言いたかった言葉、一緒に行きたかった場所、知らなかった出来事、色んな未練>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.9

見てる側を置いてきぼりにするように進む話。金も名声も通用しない状況にいきなり追い込まれる金持ちたち。室内で右往左往しながら、勝手にぐったりしていく金持ちたち。クシをへし折ったり、叫んだり、呪術的なこと>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.0

曲を聴いてワンシーンを鮮明に思い出せる映画は、なんだかんだ言ってやっぱり強いな。ヘビーな話だけど、透明感に溢れた映像で、相変わらず好きな構図や色使いだらけ。将来を空想するシーンの愛が溢れ出して止まらな>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.0

まるでこの物語の皮肉さを象徴しているようなヒトラーにまつわる小話がとても印象的。ちょっとした場面にこういうのを挟んでくるのが、小技が効いてるなと思った。何をもってして罰なのか、罪なのか、赦しなのか。映>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.3

寡黙な殺し屋の必殺仕事人ぶりと、その日常。ヒップホップの緩さと芯が一本通った武士道、アナログな伝書鳩。ミスマッチなアイテムが見事に融合してクールという言葉がぴったり。ジャームッシュっぽくないと避けてた>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.9

使えるもんはなんでも使うプロフェッショナルTHE仕事の流儀メキシコ篇。その仕事ぶりに震えた。見て覚えろとばかりに、何の説明もなしに先輩2人に連れてかれた新米。そこで彼女が体験する恐怖体験記でもある。煙>>続きを読む

ジヌよさらば かむろば村へ(2015年製作の映画)

3.6

恋の門からなんだかんだで全て観ている松尾スズキ監督作品。大人計画大好きなもんで。そんな大人計画の面々も活躍。猿時さんみたいな政治家いそう。監督自身もなんとも気持ち悪い感じで好演。すべてが手に入る人間な>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.1

こういう風に頭の中を見せるってのが、遊び心に溢れた発想で楽しい。全体的には子供時代を経験した大人がグッとくるような物語で、観ながら色んな気持ちが去来した。悲しみを乗り越えるって、ほんと大事なことだなと>>続きを読む

最愛の子(2014年製作の映画)

4.0

覚悟はしてたが、かなり辛かった。それぞれの親の視点を前半と後半に分けて描くような構成で、どちらにも感情移入してしまう。当然責められるべき側の人間の社会的な立場や事情がわかってくると、責められなくなって>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.0

まるで雪山に舞台を移したレザボアドッグス。久しぶりにタランティーノ映画を観たけど、相変わらずキャストによう喋らせるわ。前半の寒さから徐々にエンジンが暖まって、後半は一気に暑くなる。アイツの頭から湯気た>>続きを読む

サマー・インフェルノ(2015年製作の映画)

3.4

なんか新しいパターンだと思っていたんで、おのずと期待値があがってしまったのが悪かった。あんまり期待しないようにしてんだけどなぁ。メジャー作品とは明らかに違うB級感漂う森に囲まれた建物やらの舞台と、わり>>続きを読む