ヒッポリタさんの映画レビュー・感想・評価

ヒッポリタ

ヒッポリタ

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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

「ジョーカー」を観ました。
とても哀しいお話でした。

以下ネタバレアリです。

貧困・暴力・虐待・病・差別..
あらゆる苦しみにみまわれ、それでもコメディアンを目指し人を笑顔にしたいと願っていたアー
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天気の子(2019年製作の映画)

3.0

「天気の子」を観ました。

世の人の心の乱れが天気の乱れを呼ぶ。
気象を操った個人の負う代償と、天気の乱れを呼んだ国全体の代償。
前作と違い「代償」について明白に描かれていた点が良かったと思います。
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斬る(1962年製作の映画)

4.4

市川雷蔵の鋭いまでの美しさと、見終わった後のなんとも言えない無情感。
ひたすらに襖を開け主を探すラストは日本映画の中でも特に好きです。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.7

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」追記しました

みんなが守りたかったハリウッドの純真さ。シャロン・テートを美しいままにスクリーンに蘇らせたかったタランティーノの、映画愛に溢れる映画。
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.2


3のラストのままでいたい人も沢山いると思う。
でもあえて、女の子に保安官のおもちゃを与えた後どうなるか想像したときに、やはりそこは当然こうなるよな、というリアルすぎる展開に耐えられる方は是非見てほし
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新聞記者(2019年製作の映画)

5.0

この映画だけは日本で暮らす人全てに観てもらいたい!そう絶対的にお勧めしたい。
内閣によるマスコミを使った印象操作。 
よくこの内容で日本で映画化出来たなと、主演の松坂桃李さん始め制作された方々全てを讃
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.2

シリアスとユーモアのバランスが良く、さらにはメッセージ性も深い。
今更ながら、ほんの50年ほど前のアメリカ南部の差別の凄まじさに胸が締め付けられる。有名人だから、知識人ぶりたいからと持ち上げておいて、
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.1

考古学、言語学、音楽と大人以上の知識を持つ少年エリオも、オリバーという魅力的な年上の青年を前にすると多感すぎる年頃の青さを顕にされてしまう。
気持ちを伝えて嬉しくて、触れられて嬉しくて。夜中まで待てな
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ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

3.9

人が産まれる前、天界にて魂は
普通の赤ちゃんとして産まれる者と、天界の経営に回るものに振り分けられる。
経営に携わることになった大人な感性を持つ魂の中には、
赤ちゃんが愛されなくなりつつある現世に愛を
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.4

お別れだけど、忘れないで。
たとえ離れていても心一つ。
遠く聞こえるギターの音色は優しく見守り続けてる。
また抱きしめる日まで。

同じ旋律、同じ歌詞。
同じ一つの楽曲でもエルネストが歌うと下世話な男
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.4

「怒りは怒りをきたす」
これが一体どこまで続くのかと呆気にとられるほどの、怒りが怒りを呼ぶ、暴力の連鎖。

しかし中盤、怒りの描写のピークである火災から、ディクソンがある一つのファイルを命懸けで守り警
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.6

この作品で描かれているのは、どの様な形であれこの世に生を受けた者の悲しみと、魂の所在だ。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の描く黄色味がかった独特の世界観の中生きる者は皆、物哀しい。

現実の、現代の人々がこ
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エルネスト(2017年製作の映画)

3.6

フレディ前村をオダギリジョーが全編スペイン語にて熱演する。非常に見応えのある演技だった。

ボリビア出身の日系人フレディは、医学を学び貧しい祖国の農村に尽くしたいという夢のためキューバに留学するが、入
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スワッガー(2016年製作の映画)

4.1

「オルネー この街は前からあったのか
ここは昔森だったのかも」

フランスの、アフリカ系アラブ系の人が多く住む街オルネー。
ギャングの抗争、ドラッグの売人を追う警察、暴動。それらが日常の中にあり、皆
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サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

5.0

映画が表現すべきもの、果たすべきこと全てが描かれている作品だと思う。
人も音楽もストーリーも、全てが美しい。

修道院を出て大家族の母になることを選んだマリア。
ナチスドイツに加担するくらいなら、と愛
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アヴァ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

myFFFにて鑑賞。

視力を失いつつある少女アヴァと、自分の気持ちに素直に従い過ぎる性に奔放な母親。

視力の低下は母親の姿を「見たくない」もしくは、闇の方ばかり見るという暗喩。
色彩豊かな画面から
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.2

母の期待のままに学位を取り哲学の教師となった女性。
歳を重ねるうちに夫はいつの間にか心が離れていた事実を突然に突きつけられ、介護をして来た母もこの世を去り… まるで人生の整理整頓が一度期にきてしまっ
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.4

純粋な夢は平和だからこそ持つ事ができる。
手厚い医療は豊かだからこそ受ける事ができる。

全て、当たり前の事ではないのだ。

戦争へ向かいつつある時代では、夢であったはずの飛行機の技術開発は戦争の道具
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.3

永遠に続く
「学園祭の前夜という高揚した一日」に、閉じ込められたあたるたち。

気の合う仲間たちしか居ない世界でずっと続くばか騒ぎ、何故か食料の枯渇しないスーパーマーケット、電気ガス水道が供給され続
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劇場版ポケットモンスター キミにきめた!(2017年製作の映画)

3.9

ポケモンには、現実を生きていく大変さを優しく受け止めて、いつも寄り添っているよ、という大人の愛が込められている、と思う。

通常のアニメとは違う、ちょっとだけ迷いを持っているようなサトシ。

もしポケ
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あかね空(2006年製作の映画)

4.1

正と負。
何かを得れば何かを失う。
それが人生。その中で人と人は支え合うもの。

江戸の人情から、現代の人間としてもそうありたいと思える姿を学びました。
ストーリーも役者さんも一級品の、素晴らしい映画
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バケモノの子(2015年製作の映画)

4.2

血が繋がっていようがいまいが、誰かに愛情を貰った経験は、その子の一生の守り刀となる。

十代を過ぎ、強いものが勝つ単純明快な世界から、より複雑な世界への成長過程が描かれている。

主人公は、優しい人に
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.3

俯瞰したテーブルと主題の反復。
地球は一つの共鳴伝導体。

何気無い人の日常と、それぞれの人の歴史を賛美した作品。

人と人の間になぜか宇宙を感じる。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます


トラとは自分自身の怒り・獰猛さ・獣性そのもの。

みんな自分自身の化身、トラと一緒に旅している。
パイの物語は神の物語。
πは無限に続く…

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

4.3

男と女、国と国。
全ての狭間に立ち概念を打ち破る存在、ヘドウィグ。
魂に性別なんてない。
誰もが、存在しない片割れを探し求めてしまう程に人生は孤独なものだ。

自分と相手の弱さを認め受け入れ、本来の自
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複製された男(2013年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

この作品はラストのワンカットに囚われすぎたり、もしくは、邦題によってミスリードされると内容理解が難しくなってしまうかもしれない。
これが決定的な真実だ!とは断定しにくい作品である。
でも断片的に情報を
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.0


主人公の女の子はヨロコビを主体に生きようとつい頑張ってしまうタイプの子だ。
アメリカの十代の女の子には特に多いタイプなのかな?

女の子の中に居るヨロコビは喜びであるが、はじめは喜びこそが至上の感情
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.2

イーストウッドの作品て、
繰り返す罪と、贖罪をテーマに描いたものが多い様に思う。

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.9

以前TV番組で、操縦不能になった飛行機を海に着水させようとしたがバラバラになってしまうという瞬間をみた事がある。
通常飛行機の機体は、水上に着水させようとすると、ほとんどの場合がそうなってしまうものら
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.1

蒔いた種は刈り取らなくてはならない。

第二次世界対戦末期、デンマークに地雷撤去のために送られたドイツの少年兵達が描かれる。
地雷撤去を強要された2000人以上のドイツ兵のうち約半数が命を落としたり手
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FOUJITA(2015年製作の映画)

4.7

藤田嗣治を、断罪せずに淡々と描いた作品。
第一次世界大戦前のパリでの乱痴気騒ぎ、そこから一変して第二次世界対戦中の日本では音も色も一気にトーンを落とす。

ラストの、教会の壁に描かれたキリストを直視す
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