あとりさんの映画レビュー・感想・評価

あとり

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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.9

 誤った肉体に生まれてきてしまった魂、という言い方が正しいのかわからないけれど、性自認と肉体の性別が食い違うことの苦しさを一端だけでも想像できた気がする。もしもこの世界に「性別によって求められる態度や>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

劇中で使われる2曲の印象がとても焼きつく。全編淡々としているだけあって、唐突に嵐のように流れる歌の旋律にこっちまでハッとさせられるような気持ちになる。叙情的。ふたりの再会と別れのシーンが本当に美しい。>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.9

クソ怖いヤクザがわらわらしてて震えながら見た。松田優作の気迫やばすぎ。そして常にブレードランナーを想起させる色合いと圧倒的画面の暗さにリドリースコットを感じてニヤついた。しかしまあ画面が暗すぎますね。>>続きを読む

郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.3

タイトル…???というかんじ。時々いい感じのショットが入ってきてておお!!とは思った。あとは時代柄仕方のない表現が多発………………

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

胸を抉られクリティカルヒットでぶっ倒れた。キャッチコピーにある「空回り」が想像の1億倍はリアルなそれで悶え苦しんだ。
細かいところを挙げるとキリがないけど、パーティのところであからさまに浮いてたりとか
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.9

狂気とも思えるセットの作り込みに終始見入った。ヤバい怪物が血を噴いて死ぬところとかどうやって撮ったんだ…などとどうでもいいことを考えてしまうくらいに。そしてこれが人形劇だと我に帰るたびに設定を忘れて見>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.1

バビロンの復習で来た。

ところどころに差し挟まれる圧巻の長回し(タップ)ダンスシーンが本当すごい。すごすぎ。どれだけの時間をかけて撮ったんだろうなと余計な心配をしてしまう。

トーキーの波を逆手に取
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.6

オープニングといい曲とピッタリ息のあった雰囲気が良かった。サントラ、プレイリスト入りですね!!!しかも恋愛を軸としない。ありがとう………………ありがとう………………ただそれくらいしか感想が出ない……す>>続きを読む

フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.0

再鑑賞。

障害者のふりをした健常者を使わず、当事者たちを起用しているという点においてはグレイテストショーマンなんかよりずっと素晴らしいと思う。各々の人たちの特徴が光ってたのと、余計な演出一切無しのス
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バビロン(2021年製作の映画)

4.8

 このサントラなしにはやっていけない体にされてしまったので爆音でVoodoo Mama、Welcomeをかけその間を反復横跳びしながら今文章をしたためています。だめだ2回目見に行きたい。あんな思いをし>>続きを読む

私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

4.4

私はアメリカ人でもアフリカ系の血を継ぐ人間でもないので、あくまで外野として眺めるしかできない部分は大きいものの、それでもアメリカという国のグロテスクさ、生まれ持った特徴だけで甚大な被害を被り続けてきた>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.0

ネタバレしている。






















ソーシャル・ネットワークというタイトルで、facebookという人と人とを繋ぐサービスの創業者を描いているはずなのに、自分のやらかしで失
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インフェルノ(2016年製作の映画)

3.9

イントロから掴みはバッチリ、大変ドラマチックな幕開けで胸を躍らせることができた。ダヴィンチコードシリーズは全部見たけど、オープニングはこれが1番好きかも。集大成というか今までの経験値が活かされている感>>続きを読む

天使と悪魔(2009年製作の映画)

3.9

ダヴィンチコードを見たことがあったので鑑賞。ところどころのショットが決まりすぎてて(ひとつ目の謎解きの時くらいに悪魔の顔を持った天使の像が陰影の中から浮かび上がる、カメルレンゴがあれこれあったあとに煙>>続きを読む

ベイウォッチ エクステンデッド・エディション(2017年製作の映画)

3.5

ギャグのノリとか勢いに乗り切れなかったけど、思ってたほどのクソ映画ではなかったのが意外だった。メチャクチャ失礼ですが……役者が終始楽しそうだったのでオッケーです。

人種や性別にちょっと気を配ってる感
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

5.0

再鑑賞。しかし何も見てないに等しいほど内容を忘れていたので実質初見。

ネタバレ注意。






























自分が何者なのか/正常なのか異端なのか判断を下してほ
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白鯨との闘い(2015年製作の映画)

4.0

この暗い緑色……………色遣いがまるでノーランみてえだぞ……🤔🤔となっていたらロンハワードでした。途端に正座した。

化け物みたいな鯨がジョーズみたいな執念深さで人を殺しにかかってくるのもそうなんだけど
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

4.0

たまにテンションについていけなくなる時があったけどグズグズに泣いた。思い通りにいかない環境に苦しんで、でも歌に出会って感情を爆発させる主人公を見ていると胸が苦しくなる。ブルーススプリングスティーンのこ>>続きを読む

ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)

3.6

ヤクザはどこの国でも仁義を重んじるのがなんか感慨深かった。紙のように人の命が吹き飛んでいくのが圧巻。ちょっと油断したらすぐ撃ち殺される。こんな街で生活するのはさ…………それでいて自分の子供に不幸があっ>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

え…羊…怖……という浅い感想しか抱けなくて嫌になってしまう。特に展開が〜とかいうこともなかったし、明らかにエンタメ向きの作品ではなかったし、面白いと感じるものでもなかったが、それでも終始一貫した雰囲気>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.1

エミリーブラントとベニチオデルトロ目当てで見たんですがまあそんな軽いノリで来た輩を機関銃で掃討していくような雰囲気の作品でしたね。タイトルにもあるように国境や善悪、倫理観のボーダーラインを躊躇なく踏み>>続きを読む

おやすみ オポチュニティ(2022年製作の映画)

4.0

火星探査に行ったロボットの話を観ていたはずなのに気づいたら双子の人生を見送っていてたまげた。はやぶさといい劣化や故障と戦いながら任務を果たす機械に弱い。不器用なりに、古びたものなりに懸命に最後まで愚直>>続きを読む

SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

3.9

演者の歌のうまさでゴリ押してく感は否めなかったけど結局上手いからもうなんでもいいんだよなあ〜〜〜〜〜〜ポーシャメチャカワだし歌がうまくて最高。前作と同様演じている俳優の顔がキャラクターの顔とオーバーラ>>続きを読む

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

4.0

邦題が全部ぶち壊してる。たった一言作戦名をぽつりと置いてるだけの原題の方が、重みが伝わると思う。

占領下の国で生きる恐怖、悲しみ、憤りが間接的にではあるけど伝わったし、ここまでしないと同盟国と認めな
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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年製作の映画)

4.2

何回目かの再鑑賞。

2作目でも衰えない面白さ。がいりちの性癖をモリモリに詰め込んだモリアーティのヤバさが爆発してて最高だった。無論例の「鱒」のアレです。モラン大佐も右腕としてあまりに有能だしホームズ
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シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)

4.9

何回目かわからないけど再鑑賞。毎回面白くて困っている。ハンスジマーの音楽もメチャクチャいい。ワトソンくん好きすぎなホームズとまんざらでもないワトソンくん、がいりちの性癖があまりに丸出しで毎回ニヤニヤし>>続きを読む

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.0

あまりの伝わらなさにもどかしさを感じた。ナチスに協力したユダヤ人がいたっていう例の話は、ユダヤ人全体を批判したいというよりは「そういう人たちもいました、でもその人たちは何かそれ以外の行動は取れなかった>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.9

 ダンケルクに救助に向かう小さな民間船と、帰国したと思しき巨大な海軍の船がすれ違うあのワンシーンで息を呑んでしまった。
 重く立ち込めたブルーで全体が統一されていたり、常に静かに流れている緊張感のある
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罪の声(2020年製作の映画)

4.0

 おすすめの映画あります?と聞いたら部長に教えていただいた一作。本当にありがとうございます。メチャクチャ面白かったです。よい邦画を引きました。

 グリコ・森永事件のことは知ってはいたけど、あくまで「
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.0

警察が冤罪量産機で震えた。肌の色が黒いというだけで裁判もせずにどこぞの誰かの罪をおっ被せられ、電気椅子に座らせられる。恐ろしいにも程がある。私がアジア人(黄色人種)というだけでリンチされる…と考えると>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.9

(謎目線でガイリッチーについて偉そうに語ってる謎の感想文です)

アラジンを撮った後がこれ…と思うと無限に笑える。どんだけ鬱屈としてたんだ………好きな男に好きな格好をさせて好きなキャラクターを演じさせ
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私はゴースト(2012年製作の映画)

3.8

低予算のホラー映画。中々作りが斬新。幽霊が主人公で、死因を幽霊と共に解き明かしていく。アイデア勝ち。同じシーンが何回も繰り返されるが、物語が進むにさまざまな角度(物理的にも)からエミリーの行動が映され>>続きを読む

コリーニ事件(2019年製作の映画)

4.5

びっくらこいた。素晴らしい。だんだん仲間が増えてピザ屋でバイトネキがちゃっかり助手に昇格してたのめっちゃくちゃ良かった。一貫して父親という存在にスポットが当たってるのも。以下ネタバレ。>>続きを読む

ROOM237(2012年製作の映画)

3.9

こんなに細かく映画を観た経験がないので興味深く思いながら鑑賞。みんなすげえよ…………………よくここまでやるな………………絶対にアポロ計画はデマだったことにしたいおじさんとシャイニングはホロコーストの物>>続きを読む

13デイズ(2000年製作の映画)

3.9

米国機が撃ち落とされたあたりからめちゃくちゃ緊迫感が増してきて(そんなことはない)手に汗握って見てしまった。あそこからよく和解したな……米国機撃ち落としたのに……………途中まではどうあがいてもソ連に戦>>続きを読む

エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.5

ヒトデが中心に据え置かれてて、それを想起させる演出(手術台のライトの形、瞳に映る星形)とか母なる海の絶妙な気持ち悪さだとかが耽美なのにどこか奇妙で居心地が悪くて最高だった。ストーリーというよりは美術を>>続きを読む

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