ヒラツカさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Pearl パール(2022年製作の映画)

3.8

家の近くの映画館では軒並み終了してたので、わざわざ六本木のTOHOシネマズまで出向いて鑑賞。そこで気になったのが、明らかに小学校低学年の女の子とそのお母さんという組み合わせのペアが、平然と客席に座って>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

このシリーズの中だと、ブライアン・デ・パルマが監督した1作目が、僕はなんだかんだいって好きだ。フーダニット・ミステリとしてちゃんと成立しているし、無骨で物騒なジャン・レノ、びっくりするほど妖艶なエマニ>>続きを読む

貞子DX(2022年製作の映画)

2.7

このオフビートな空気感は、『TRICK』みたいなのをやりたいのかな、ちょっといまさらだなあ、と思っていたら、監督は実際にテレビ版『TRICK』の演出をしていた方だった。失礼しました、これがこの人のスタ>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

3.2

ほんとだったら大怪我してるはずの肉弾戦やカーアクションが長回しで次々に披露されるが、『アベンジャーズ』のルッソ兄弟制作なので、まあつまりはブルースクリーンのスタジオで撮ったんでしょ、さいきんのCGって>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.9

日本では珍しい「アクション映画」の第二弾。邦画においてアクションといえばこれまでは、チャンバラか特撮ヒーローもの、もしくは任侠またはヤンキーの喧嘩のどれかに当てはまるものしか存在しなかった、というのは>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.4

PCや携帯・スマートウォッチなど、デジタルデバイスの画面だけで構成された映画の第二弾。
通常の映像作品の場合、視点=カメラは、空間をさまよう実体のない「神の目」なので、もちろん登場人物たちはそこに意識
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.1

ソフト帽と鞭と革ジャンと、レイダース・マーチのご機嫌なトランペットの音色。列車の屋根を走り回り、トゥクトゥクに飛び移り、プロペラ軽飛行機を離陸させると航路が地図上でぴーっと赤線が引かれていく。湧き出る>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.6

偶然なのか意図したものなのか、DCの『ザ・フラッシュ』と同じ日に公開されちゃったもんだから、もちろんどっちも観に行くような我々のような映画ファンたちにとって、いろいろと考えさせられる状況となってしまっ>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

バリー・アレンが街なかで超高速ダッシュの構えを取り、まんをじしてタイトルバックが入りそうになったタイミングで、とつぜん「オーマイガー!フラッシュだっ!」と女子大生に呼び止められて「えっ、あ、はあ」とな>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.0

『マルコヴィッチの穴』や『その男ヴァン・ダム』に類するような、映画スターが本人役を自虐的に演じるメタフィクション。それをニコラス・ケイジ(笑)で実現するなんて、贅沢で素敵な企画である。この、ニコラス・>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

2.7

てっきり、FPSアクションがキレキレであった『悪女/AKUJO』の続編だと思いこんでいたので、あれ、前回からコンセプト変わったなあ、と言いながら観ていたのでした。そうか、前作は『TheWicth/魔女>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.3

主人公の指揮者リディア・ターが手に入れてしまった強い権力の濫用と、その対価としての因果応報な転落、という解釈が世論のようだが、僕にはあんまりそうは見えなくって、どちらかというと彼女は巻き込まれ側じゃな>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.0

カーチェイス大喜利は、これまでのシリーズでやり尽くしちゃった感があるので大丈夫かなと思っていたら、今回は大玉コロコロレイダースだった。いろいろあるもんですね。
いつもの通り、わざわざ本編を観に行ったと
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.1

フィル・ティペットが個人的世界の広がりを自主制作の映像作品にしたという作品。彼はもともと『キング・コング』のウィリス・オブライエンや『シンドバッド』のレイ・ハリーハウゼンなど、古き良き時代のストップモ>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

Vol.1はレッドボーンの『カム・アンド・ゲット・ユア・ラブ』、Vol.2ではELOの『ミスター・ブルー・スカイ』と、冒頭から幸せでごきげんな70年代ポップ・ソングに乗せて踊るというのが定石だったとこ>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.0

平野啓一郎は大好きな現役日本人作家のひとりなんだけど、この方の魅力って、好奇心をドライブするストーリー進行や、先鋭的な着眼の思想というよりも、簡単には言い表せないモヤモヤとした複雑な感情を丁寧かつ的確>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.6

ベン・アフレックとマット・デイモン。『グッド・ウィル・ハンディング』以降、どうしたって世知辛いハリウッド映画界において、なんだかんだずっと成功し続けている盟友コンビだ。僕の勝手な想像だけれど、この人た>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.3

今年も一時的にWOWOWに加入しアカデミー賞授賞式をライブ観戦していた。ミシェル・ヨーとジェイミー・リー・カーティスという、ジャンル映画のミューズたちが見事に最優秀を取る中、主演男優賞はそろそろコリン>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.2

朝イチに観たシャマランの『ノック』は、観客は僕一人という貸し切り状態で、公開翌週なのに大丈夫か?と思ったが、その後に観た本作はずいぶんと大入りであった。流行ってるみたい。客席にオタクっぽい風貌の若年層>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.1

M・ナイト・シャマランの新作である。田舎の別荘で休暇を過ごす家族のもとに謎の集団が現れて、「お前達の誰かが人柱にならないと世界が終わっちゃう、選びなさい」と言い始める。『レディ・イン・ザ・ウォーター』>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

2.5

真正面から邪悪に微笑むワンショットにはたしかに画力があって、冒頭が楽しかったからずいぶん期待しちゃったんだけれども、ストーリーが進行するにつれて次第に間延びし始め、要所要所の仕掛けも散漫になっていった>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.7

原作は安田弘之の漫画。1巻が期間限定で無料配信していたので、この機に読んでみた。『ちびまる子ちゃん』みたいに極力余計な線を削ぎ落とした画風だが、そのわりには人生の観念的な側面を痛々しく深堀りするという>>続きを読む

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

2.8

続編もあんまりハマらなかった。CG含めたプロダクション・デザインにはなんの文句もないし、コメディとバトルのバランスもちょうどよい塩梅なのに、なんでだろう。ひとつ言えるのは、ただでさえ登場人物が多い上に>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.8

あまり面白いとは思わなかったが、それは、映画の品質やキャスティング、庵野秀明の再構築の仕方がどうこう、ということではなくて、そもそも仮面ライダーというコンテンツ自体が、僕には合わないというだけのことか>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.5

明日のアカデミー賞受賞式を控え、まだ観てなかった本作を慌てて鑑賞。これはちょうど1回目のオスカーを獲得した『つばさ』から脈々と続く「戦争映画」のジャンルだ。『プラトーン』『地獄の黙示録』『フルメタル・>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

さいきん、『NOPE』や『バビロン』など、若手監督による「映画についての映画」が続いたが、ついに、御年76歳になる大巨匠、スティーブン・スピルバーグがそれを手掛けた。もはや映画監督のデファクト・スタン>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.3

サム・ライミ版ドクストで、ストレンジとアメリカ・チャベスが多元宇宙を次々に突き抜けていくシーン、あれって映画ファンなら誰もが「これいつまでも観ていたいなあ」となるわけだが、それをほんとうに2時間まるま>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.0

ポール・バーホーベンの新作は中世イタリアが舞台の宗教モノ。ベネデッタが聖女なのか狂信者なのか詐欺師なのか結論を出さないというのが面白いところのはずだけれど、イエスの幻視を映画内で「地の文」として映像化>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.2

『プロミシング・ヤング・ウーマン』にも通じるような、「男ってばけっきょくみんな一緒なのよね」というのを、ぜんぶ同じ役者が演じるということで巧妙に表現した映画だけど、これ実は、志村けんがすでに『バカ殿』>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

「鬼才」パク・チャヌクという大それたキャッチコピーがついているけれど、この監督って、同じように世界に出ていっているポン・ジュノやナ・ホンジンみたいな人たちと比べてしまえば、よっぽど常識的に映画をつくる>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.6

映画館ではいつも朝イチの回を観るため、客席はガラガラなことが多いのだが、今日は、けっこう混み合ってた。さすが、マーベル・シネマティック・ユニバースの新作。しかしまあ、2008年の『アイアンマン』からず>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

てらいのない至極順当なループものだった。このジャンルは、企画した時点で、高尚な芸術作品としての評価や、映画界の金字塔になっていくことは、どこか諦めないといけなさそうだけど、でもけっきょくのところ、作っ>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャケットのイメージから、なんとなくスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの『マリッジ・ストーリー』みたいな感じかなあと思って観始めたけれど、ぜんぜん違うじゃんか、まさか「専業主婦版マトリックス>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の、『華麗なるギャツビー』を想起させるような狂騒的なパーティのシーンから、絵力がとにかく強く、その猥雑なエネルギーに一気にやられてしまう。人、人、人の集合体による、歓喜と興奮と野心とヌードが混然と>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.4

アイスランド制作の映画を観るのは初めてな気がする。ビョークとシガー・ロスくらいしか思いつかないこの高緯度の島国、調べてみると海流の関係によりそこまで極寒じゃなくって、だいたい北海道くらいの気候らしい。>>続きを読む