JPさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.8

「私が嵐だ」の合言葉が示唆する通り、嵐を呼ぶ男・トムクルーズが無茶なミッションをゴリ押しでどうにかする、激ヤバスパイ映画。
初めて「ミッション:インポッシブル」シリーズを観たが、「TENET」も「ワイ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.9

誰がなんと言おうと傑作!脚本、アニメ表現、メタファー、あらゆる点でかなり優れている。ジブリの中でも「ハウルの動く城」「千と千尋の神隠し」が好きなら、間違いなく楽しめる快作。“みんなが観たかったジブリ”>>続きを読む

SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD(2018年製作の映画)

3.5

Hi-STANDARDの3人が、こんなにも心に傷を抱えた人たちだったとは全く知らなかった。
あの、やかましくて、速くて、激しい音楽とは裏腹に、3人はずっと「なぜ失敗したのか」を振り返り、懺悔し続けてい
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

1.6

ラップバトルとオペラという組み合わせが斬新な、ただそれだけの映画。
「のだめカンタービレ」のように、主人公の意志と関係なく過剰に才能があるせいで、周囲が主人公の運命や人生を決めようとする、主人公がそれ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.0

ラストのパールの引き攣ったような恐ろしい笑顔が目に焼き付いて離れない。なんだったんだ…。マジで怖かったし、演技力バケモン。
「ミア・ゴス映画」がこのシリーズを端的に言い表したジャンルだと思う。ヒステリ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.7

面白い!ロバのEOがずっと可愛いし、馬や牛など、あらゆる動物たちの躍動はデカいスクリーンに映えまくっていた!

道徳的な正しさを声高に叫んで、サーカス団を糾弾する団体も、たかがサッカーの勝敗にイチャモ
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X エックス(2022年製作の映画)

2.4

老夫婦は超人的なモンスターではないし、「老い」は呪いではない。呪いなのはむしろ、若さを絶頂期だと思い込むことや、絶頂期を戦争によって逃してしまったと後悔すること。
決して逃れられない「老い」から目を背
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

2.3

小劇場の雰囲気を見事にパッケージした、珍作!
「ミッドナイトスワン」の内田英治×「さがす」「岬の兄妹」の片山慎三!こいつはハードで歯応えのある映画になりそうだ!と息巻いて見に行ったら確実に肩透かしを喰
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エゴイスト(2023年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

会話劇のナチュラルさが、最高次元。是枝作品における子供の会話とか、中川龍太郎監督の「やがて海へと届く」や河瀬直美監督の「朝が来る」と並ぶ水準。「マジで脚本あるの?これ」と疑うほど、めちゃくちゃピュアな>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.8

面白い!
公共の電波のはずのラジオが、プライベートな会話になっていたり、意図せぬ相手に自分の感情を届けてしまっているくだりは、「ごめんね青春!」そのもので◎
京都が舞台ならではの丁々発止が痛快!悪口の
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スウィングガールズ(2004年製作の映画)

4.6

舞台に立つまでのとんでもない遠回りが面白すぎる名作!前半の遠回りが酷ければ酷いだけ、妙なディテールに感動してしまうし、笑ってしまうし、後半からの「そんなわけない」展開すらも爽快になる!

男子シンクロ
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.4

マイキーとは、まさにこの映画のマクガフィン。彼が劇中一度失神してから特に、彼は完全に抗争の火種として物言わぬ偶像になっているように見えた。
一虎は、マイキーさえ殺してしまえば、マイキーの兄を殺した罪す
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君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

前半の部活青春モノのテンションから一変、後半のシフトチェンジを停滞と見るか、強引なシリアス展開と見るか…。

▼気になった点
不眠症で朝が辛い、日中は元気に活動できない、という設定が割と序盤の方でどこ
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.6

ワイスピ、初めて劇場で見たけど、めちゃくちゃアドベンチャーでアトラクション!なんて楽しい映画なんだ…!
そもそも、ドムたちはルパン3世的な立ち位置で、銭形警部から逃げながらも、時にはタッグを組んで、よ
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とおいらいめい(2022年製作の映画)

2.9

ラスト12分の長回しの美しさが目に焼き付いて離れない。
「波の音」「風の音」「鳥の声」に始まり、いつだってそばにあった音を一人ずつ口にしながら陽が沈むのを見守る3人。非常に演劇的な台詞回しの間、固定カ
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.3

泣いていないし、怒ってもいない、今のままそっとしておいてほしいし、何もなかったことにしたい。そんな榊さんの言動が、怪我をしても「転んだだけ」と誤魔化す直達の両親と何も変わらないと気付かされる。傷ついた>>続きを読む

ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年製作の映画)

3.8

パルクール、肉弾戦、ガンアクション、カーチェイス、ありとあらゆるアクション映画の魅力が全て詰まった名作!
「マリグナント」でも見たカメラの回転アクションなど、ジェームズ・ワン印のカメラワークもスタイリ
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レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.7

スピルバーグは観客をハラハラヒヤヒヤドキドキさせるのが本当にうまいし、人々を怖がらせることに長けた監督だと改めて気付かされる。

もはや露悪的なまでの蛇やら蜘蛛やらガイコツやら。
スピルバーグ特有のゴ
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.0

エレキロック全快の快速タイムトラベルムービー!

配給ロゴが出てからのスタートダッシュが鬼のように速くて笑ってしまう。
「速さ」をテーマにした作品ならではの展開の速さがありつつも、DC作品の知識が無く
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

1作目と3作目の”つなぎ”としては申し分ない面白さ!1作目とは脚本の面白さのベクトルが変わっており、マルチバースや「スパイダーマン」という英雄譚そのものを超越しようという意志が感じられる。なおかつ、日>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

5.0

今年ベストの傑作!
観客を信じて、一瞬しか映らないような仕草や描写で物語ったり、グレーゾーンや余白をふんだんに残してくれているので、歯ごたえ十分。そこに名優たちが揃った極上の邦画。リッチな映画だ。
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.3

めちゃくちゃ面白い!何度でも観かえしたい名作!
刑事ドラマとしても面白いし、「BEASTARS」でも繊細に描いていることを、ディズニーのお家芸でもって、ハイクオリティかつ世界基準で鮮やかに描ききった傑
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.7

あっという間の104分。読み書きが出来ず、語る術を持っていなかった女性達が、議論を交わし、”線引き”をしていく濃密な2日間。
何歳の、どの男性までを赦し、連れて行くのかの議論が熱い。そんなの明確に線引
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.3

片言の英語と片言の日本語、正直どちらも聞き取りづらく棒読みで、ノイズに感じてしまった。が、むしろそれこそが狙いなのかもしれない。
映画の冒頭、「言葉が通じるから、信用できるのはローレンスだけだ」と吐き
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.7

「Bye Bye Bye」のハイテンションな開幕、そしてその劇中での再来が◎
開幕ではそれがぶった斬られるところまで含めて◎

ずーっと一人で喋り続けるマイキーのウザさが、後半の沈黙を際立たせる。
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

3.9

後半からの展開に度肝を抜かれた。後半のある種クライマックスとも言える、ビルの屋上の朝焼けのシーン、そして終盤のエンドロールへの入り方の2つは、近年の映画でもなかなか無いカッコ良さ。この2つのシーンを見>>続きを読む

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.0

くらった…。マジで予告の時点ではホントに舐めてました。すんません。

仲里依紗「ワタシハイイカラ!!アカチャンダケデモタスケテ!!」
僕「はいはい、『海猿』の焼き増しみたいなやつね」

違いました
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.9

序盤のオークションの場面が秀逸。岸辺露伴と謎の男たちの目線が全く合うことなく、露伴はずっと背後を取られたままで振り返らない。追いかけているのか、追いかけられているのか、立場がずっと逆転し続けていくのも>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.6

面白かった!けど予想していた以上のことは起きなかったかな…
とは言いつつ、あのエンディングは本当に事件の根深さを物語ってるし、あんなに希望が無く、ぞっとする終わり方は見たことがなかった。

狙われる娼
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.5

思ってたより面白い!
というか潜入捜査の話だったのね…走り屋が車壊して人殴るだけの映画だとばかり思ってた…。
ヤンキーとかムキムキとかタトゥーとかももちろん満載なんだけど、それよりもむしろ「マシンヲタ
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.7

それまでの皇帝に眼鏡をかけることすら許されなかった、というくだりが面白かった。実権はなくても大切な象徴としての皇帝なら、むしろ盲目で構わない、という体制に抗い、弁髪を切り落とし、眼鏡をかけ、外の世界を>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.1

なんか前作より面白くなってる!!
「貧しい若者」「非正規雇用の辛さ」「若者の生きづらさ」が前作に引き続き会話の端々から伝わってくる。前作以上にちゃんとみんなキャラ立ちしてるし魅力的だからそれを見てるだ
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妖怪の孫(2023年製作の映画)

4.3

ヤバイ。面白い。
膨大な取材とアーカイブの数々が圧倒的。
安倍晋三に関する見たかったもののほぼ全てが、この映画にあった。
というかマジの「エルピス」みたいなことが起きててヤバすぎる。「報道されない」と
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.4

普通に面白かったし、なんか泣いちゃった!
治安の悪いパリの道路は、悪意と怒りと不寛容に満ちた社会そのもの。
男性中心社会と戦い続けてきたマドレーヌと、しょっちゅう車道で誰かに怒っているシャルルが、不思
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.5

今年邦画ベスト級!文句なしに面白かった!
この手の作品でコミカルなシーンがあると話が停滞することも多いが、今作に関しては、コミカルになればなるほど岡田准一が窮地に立たされ、物語が転がっていくのが素晴ら
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

1回観ただけでは太刀打ちできない作品だった。
いろんな有識者のレビューを見たり読んだりしてやっとわかることが多すぎて、どんだけクラシック業界の知識と映像作品の読解力があればここまでわかるんだよ…と圧倒
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