kakakaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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非常宣言(2020年製作の映画)

4.0

バイオテロ+ハイジャック。
決してフレッシュなプロットではないが、コロナ禍を経験しているからこそ、余計に映画に没頭し、考えさせられる。
もし自分が機内に居合わせた被害者なら、あるいは被害者家族なら、ま
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

1.8

オープニングのモデルカップルの食事の代金は男が払うべきか?というフェミ論から幕を開け、豪華客船が島に座礁し、本来、物理的に力のある男が支配者になり、女を囲うという構図をあえて外し、女が支配者になり、男>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

4.6

マンション1棟分のディザスタームービーという、1点突破アイデアを見事に映像化し、フレッシュなエンタテイメント作品に仕立てる韓国映画界の円熟味に、改めて感嘆する作品。
正に四方八方塞がり、下からは水責め
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.4

とにかくオープニングの広大なフィンランドのロケ地が素晴らしい。寒々と荒涼として、その地平線の向こうに見える爆発音と立ち上る硝煙は、まるでここが地獄のように見えてくる。
そんな荒れ地で一人金塊を掘るコル
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

依頼を失敗した殺し屋が、留守中に自宅を襲われ居合わせた恋人が半殺しに合い、その復讐を誓う、という味付けは塩、コショウのみみたいな、今時珍しい程、シンプルなプロット。
ハードボイルド小説としてはあるある
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.3

ダッダダダラ、ダッダダダラ、ダーダーダー♪
「ベネデッタ・聖女になりたくてエピソード盛っちゃう説」の検証VTR。
パネラー(観客)からすると、ベネデッタが聖痕として自傷行為(直接は描かれない)や死んだ
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.0

スーパーサラリーマン・ファンジョンミンの文字通り「命」を賭けた大博打が見物。
タリバンに完全にイニシアチブを握られながら、自らの命と人質全員の命を全賭け、オール・インして啖呵を切るファンジョンミンのま
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

オープニングのミット打ちを見て、なるほど、彼女にとってのボクシングとは、手話を介さない、聴こえる者と聴こえない者の共通言語なのだと思った。
聴こえない彼女に反して、この映画の世界は環境音が通常よりも大
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.5

パリオリンピックに先んじて開幕した殺し屋達の祭典「殺しんピック」の開幕。
殺しのプレイリスト最高。「Paint it Black」ならぬ「Paint it Blood」
パリを血に染める。
もうストー
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.7

現代の北斗神拳伝承者こと、ロバート・マッコールさんのイタリア死闘編。
9秒先の未来をシミュレートし、相手の生死を握る彼の様は、正に「お前は、もう死んでいる」と心の中でアテレコしちゃいます。
実際本作で
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.0

スパイダーバースが飛び出すアメコミなら、本作は飛び出すスケッチブックだ。好き勝手描いた愛しい落書き達が最先端映像表現で暴れまわる爽快感。
タートルズのティーンエイジャーらしい溢れる好奇心から見る世界は
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

大人が蚊帳の外なのがいい。
子ども達だけが展開する、人知れず殺るか殺られるかの世界最小サイキックバトルを繰り広げる。
ポイントは善か悪かではなく、心地好いか、それとも煩わしいかで命の選別をしているとこ
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悪魔の追跡 4Kデジタル・リマスター版(1975年製作の映画)

2.8

あわわ、高級キャンピングカーが 見るも無残なスクラップに。
電子レンジ付きで「獲物もこんがりさ!!」というセリフが見事、ラストでキャンピングカー自体がオーブンになるという親切な伏線回収を見せてくれる。
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.0

同時上映の、発掘された100年前の作者不明、最古のストップモーションアニメ作品という呈の短編「骨」からしてまず良かった。呪術的な魅力があり、グロテスクであり、しかし孤独な少女の寂しい一人遊びでもあるよ>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

2.5

なるほど、デッドレコニング(推測航法)の名の通り、物語が推測で動いてるんじゃないかと思う程、場当たり的な展開が連続し、かなりストレスを感じる時間が多かった。
自立型AIの世界を見越した壮大な物語に見え
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

オープニングの、火炎の中を駆ける眞人のシーンからしてやられた。
ある意味実写よりも熱を感じさせる、摩擦熱がそこにありありと感じられるような赤さは、監督の情念のようでもあり、すでにこのシーンをスクリーン
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.6

シリーズ9作目。
正直、魅力に翳りは見えた、が…。
ミスター・ノーバディからのテレビ電話1本でミッションを承諾する軽薄さ。唐突なドム弟の登場に、いつもの簡単に世界征服出来ちゃうマシーンの登場。どういう
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

前作で2次元(コミック媒体)的なテクスチャーを見事に3次元にレンダリングしてその映像の革新性に度肝を抜かれた訳だが、今作では、さらにそのテクスチャー表現に水彩画のような有機的な表現が加わっている。キャ>>続きを読む

ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年製作の映画)

5.0

ワイスピ短期集中学習の中でも、本作はちゃんと書き記したい。
そもそもワイスピ門外漢だった自分が、アトロクのワイスピ総選挙で本コンテンツに興味を持ち、その中でブライアン・オコナー役のポール・ウォーカーが
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.5

アトロクのワイスピ総選挙を聞いて、識者達をあそこまで沼らせる、このコンテンツは本物だ!と確信し、短期集中ワイスピ学習を決行。なんとかシリーズ第10作目の本作を劇場で見ることが出来ました。
物語はシリー
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

「2000年、旅して来ました。」
目新しいセリフではないが、インディ・ジョーンズ=ハリソン・フォードにそのセリフを言わしめた時点で本作は勝ちだと思う。
シリーズを通しての時間、そして彼の俳優としての長
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

4.0

思った以上にしっかりと続編だった。
映像の質感は全体に青みがかった色調の前作の雰囲気が好きだったが、劇伴に電子音を使ったり、何より今回のヒロインがサスペリアの主演ジェシカ・ハーパーに似ていて、「サスペ
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.8

オープニングの赤ちゃん救出シークエンスからして良い。ブラックユーモアも感じさせ、確かにジェームズ・ガンの感性と近いものを感じさせる。またミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画のように見せる演出もに>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

5.0

前半の過剰なミスリードと、いくら不本意でくさっているとはいえ、謝罪の場で飴を食うというのはイカれてる。
他にも中村獅童が毒親のステレオタイプ過ぎるとか、登場人物達の生活背景の描き方が浅く、展開も省略し
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.1

それぞれが秀でた強味と欠点を持ち合わせたおじさんデコボコチームがとある理由でギャングに復讐する事に。さしずめガーディアンズ・オブ・デンマークの結成だ。
途中、シナリオに大転換があり、それに対して本来、
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.1

ポスターのメインビジュアルを一目見た時から、なるほど!キリストの磔刑を想起させ、これは音楽を神とする殉教者の物語なんだと公開を心待ちにしていたが、殉教?
とんでもないミスリード。
殉教どころか、どこま
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.5

拾ったお金をネコババしようと思ったけど、やっぱり持ち主に返そう、ってだけのプロットなのに、誰しもが共感できる教訓が本作にはある。
中東イランが舞台ではあれ、宗教が左程、物語には絡まないので、普遍的な物
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.7

スムースな物語というよりは伝記に近い。
章が移る際、断片的で説明不足に感じる部分があるが、それを補ってあまりある撮影地、北アイルランドの雄大な大自然のロケーションが見事。ストーリーを楽しむというよりも
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.7

「毒草も使いようによっては薬になる」
手段を選ばず、勝ちにこだわる名選挙参謀となるソ・チャンデのキャラクターを見事に印象付けるオープニングからして良かった。
彼をブレーンに、正義を成す、を胸に総裁選に
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.0

そもそも人の命を奪わないと守れない教義ってなんだかなぁ。
ポスターのメインビジュアルって、劇中の犠牲者のあの人ですよね。。。
いや、明らかに老体にはもてあますであろう大物にも果敢に挑む犯人に、彼の性戦
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.2

この連休、行楽地は人でごった返しているそうなので、そうだ¥3,000近く払って、でかい黒のメガネかけて、宇宙旅行なんて乙なもの。
宇宙は空いていると思いきや、もう画面を埋め尽くすレーザービームに爆発、
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.3

常に主人公が変化、変形していく物語。髪型、容姿、ジェンダー、妊娠による形の変化。そしてその変化変形の原動は、「怒り」だ。
とにかく主人公が、物語自体が怒っている。
単純に性差、ルッキズム、マチズモ、も
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デモニック(2021年製作の映画)

2.5

メタバースにフルダイブ+宗教というプロットはどこか攻殻機動隊を感じさせる。
人間と電子世界が完全に融合する前の黎明期のビジュアル表現として、フルダイブした仮想世界のドットが荒いのがかえって説得力がある
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

4.5

2022年は韓国の血しぶき映画が少ないなぁ、なんて感じていましたが、なるほど、それは本作のための血糊貯金だったんですね。
いやぁ、この映画、もうデフォルトで血塗れなんすよ。これでもかと言わんばかりに、
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

本作のティザーを見た時に、なるほど、特殊メイクを施したブレンダン・フレイザーをして、陸に打ち上げられた「鯨」を想起したし、「The whale」というタイトルは悲哀も含めて絶妙なタイトルだと思った。>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.1

「お前を守るためなら、世界が滅んでもいい」、なんていわゆる世界系ファンタジーでよくあるセリフをメロドラマではなく、日常サイズのサスペンスでやると地獄、というシャマランお得意の思考実験映画。
実際、その
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