けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.5

とにかく感じたのは、国籍や組織として人間を識別してしまった時、もはやそれは一個人を「人間」として、見ることができなくなるという恐ろしさ。

一度憎むべき「ドイツ兵」として認識してしまうと、もうそこに「
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ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)

4.0

アジャ印の鉄板スプラッタ・ホラー。

最初から最後までジャンル映画としての役割を全うしていて、こちらの期待を外さない安心設計。

00年代のこの手のジャンルは、クオリティ高い作品が多い印象。

序盤の
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霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

4.0

「実験的」とは言いつつも、絶頂期のJホラーのような雰囲気を醸し出す秀作。

当然かもしれないけど、名作「リング」に感覚が近くて、ザラついたレトロな映像の中で、ヒタヒタと恐怖が忍び寄ってくるような描写が
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

4.0

青春ロードムービーの佳作。

ドイツの美しい風景をバックに、少年たちがオンボロ車で破天荒な旅を繰り広げる。一夏の青春、これぞ王道。

マイクとチックが最初に仲良くなるくだりが絶妙で、一生の親友って、あ
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

4.0

能天気で楽しいスペースオペラ。

カラフルでポップな宇宙描写や、個性的な宇宙人の造形にはワクワクするし、チャラめな主人公と毒舌ヒロインとのオフビートな会話はクスクス笑えて楽しい。

展開は正直雑で、シ
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悪魔の毒々モンスター(1984年製作の映画)

4.0

トンデモ映画かと思いきや、痛快で素晴らしいヒーロー映画。

見た目はアレだけど、、殺し方もえげつないけど、、弱き善人を助け、悪を成敗する精神性がかっこいい。
昨今のヒーロー映画みたく、主人公がネチネチ
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オペラ座 血の喝采 完全版(1988年製作の映画)

4.0

アルジェントの美学と変態性が炸裂したホラー。

まぶたの針の発明とか、殺人シーンでガンガン鳴り響くロックミュージックとか、オペラ座にカラスを飛ばしちゃったりとか、スラッシャーとしての景気が良すぎw
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続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

5.0

初コルブッチ。これはカルト的な人気があるのもうなずける。面白すぎるわ。。

テーマ曲をバックに棺桶を引きずるビジュアルから引き込まれ、最後まで圧倒されっぱなし。

何よりも見せ方が上手い。。

キャラ
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まわり道(1974年製作の映画)

3.5

何か目的のために旅をするのではなく、ただ「さすらう」ということ。
この行為が手段ではなく、完全な目的として描かれる映画。

そのため、「旅を通して成長する」「様々な出会いの中で自分を見つめ直す」といっ
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トロメオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

4.0

バカでエログロで下品な皮を纏った、真っ当な純愛映画。

パロディとして「ロミオとジュリエット」をしっかりとなぞりながらも、原作を華麗に乗り越えていく展開に痺れた。
正直こんな感情を期待していなかったか
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.5

抜群のテンポとユーモアで、民主主義の勝利を謳った傑作。

政府への抗議の声を、力のもとに押さえつけようとする体制側。それに対抗する被告側も、それぞれに主義信条があり、一枚岩ではないところが非常にリアル
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ファイナル・デスティネーション(2000年製作の映画)

4.0

「死の運命」が襲いかかるシリーズ1作目。

特定の誰かや何かが殺しにくるのではなく、運命という名の「筋書き」が恐怖の対象となっている点。そしてピタゴラスイッチ的に工夫が張り巡らされた、死亡描写のバリエ
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

3.5

「力作」って言葉が似合う映画。
物凄い世界観の作り込みに美麗なアニメーション、140分という強気の上映時間。

正直アニメ未見勢としては、その力の圧に耐えられず、ギャップを感じてしまった。
(評価の高
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コンジアム(2018年製作の映画)

4.0

POV×ホラーの決定版。
外れも多いジャンルだけど、これは面白い。

恐怖の盛り上げ方がめちゃくちゃ上手くて、和やかに始まるオープニングから、怪奇現象にゾワゾワする中盤、そして終盤怒濤の畳み掛け。
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聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

3.5

何を伝えたいのかはさっぱりわからないけど、雰囲気に惹かれ最後まで鑑賞。

テレンス・マリック×ルベツキって映像が凄まじいのと、内容が意味わからないので、世界遺産の映像を2時間かけて観ているのと心境は同
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.5

綺麗すぎる話だなぁと思っていたら、実話だったのか。

ロンドンの美しい街並みとカントリーミュージックは相性抜群で、こういう穏やかなイギリス映画の雰囲気好き。
(ジョン・カーニーの映画観たくなった)
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レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

3.5

一本のサスペンス作品として見れば十分に面白い。

猟奇殺人者の心理描写は不気味すぎるし、プロファイリングを駆使して犯人に近づいていく過程はスリリングでワクワクする。

ただ「羊たちの沈黙」の前日譚とし
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フェアウェル(2019年製作の映画)

4.0

東洋西洋、個人集団、世代によって異なる価値観に決着をつけるでもなく、どっちつかずにぼやかす感じが現代的な映画。

思っていた雰囲気とは全然違くて、必要以上にエモーショナルでなく、割と淡々とした日常描写
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CUBE(1997年製作の映画)

4.0

非常に見応えのある脱出ゲーム映画。

立方体に集められた人々それぞれの個性とスキルが生かされ、次のステージへ進んでいく快感と、それ故に生じるスリルとを同時に描き出しているのが上手い。

ゴア描写もしっ
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ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)

4.5

アマプラ会員なら必見。超面白いです。

50年代のアメリカ田舎町を舞台に、電話交換手の少女と、若手DJが協力しながら、町で起こる怪異の真相に近づいていく。
キーワードは「空に何かいる」。

長回しの多
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

2.5

テンポがあまりにも遅すぎる、、
3時間かける内容でもないと思う。

人生とか愛とか死とか、そういった普遍的なテーマを描きたいのは伝わるけど、それらにまつわる全てのエピソードが薄い。
主要人物が超大富豪
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#生きている(2020年製作の映画)

3.5

アジアの郊外を舞台にしたゾンビ映画。
うーん、、期待したほどではなかった。

SNSやドローンなど、現代テクノロジーを駆使した設定は目新しかったものの、展開自体は、過去のゾンビ映画の切り貼りといった感
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ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

4.0

成功を収めた人、道端で死んでいった人、様々な人々の想いが生まれて消え、いまある文明が存在する。

19世紀半ばの東海岸が舞台ということで、宗教や決闘によって白黒決まる世界観と、選挙や投票による文明化の
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歓びのトスカーナ(2016年製作の映画)

4.0

ロードムービー好き必見。
凸凹コンビが旅に出る王道ドラマ。

旅を通して、様々な人物に出会い、様々な窮地を乗り越えていく中で、それぞれ抱えている問題に向き合う。

前半はベアトリーチェの破天荒な性格が
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今日、キミに会えたら(2011年製作の映画)

4.5

あまりのリアリティが胸に迫る、地に足のついたラブストーリー。

ラブラブの時とギスギスの時の温度差とか、なんかぎこちなくなっちゃう感じとか、恋人同士2人の間に流れる空気感が「あるある」すぎて非常に共感
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僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

4.0

x+y=???
なにもかも引き算じゃなくて、足し算でいきたいね。

数学ばかりだった少年が愛の表現を知っていく過程が丁寧に描かれていて、理屈でとらえられない感情に右往左往していく様子が愛らしい。

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ザ・ベビーシッター ~キラークイーン~(2020年製作の映画)

4.5

「クソ映画」の至宝。
期待以上の弾けっぷりに圧倒される。

もう容赦ない下ネタとゴアシーンの嵐に感服。。女の子はめちゃくちゃエロいし、全員オーバーキルすぎて笑うしかないw
コールは結城リトの殺人バージ
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エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.5

児童文学らしい、手軽に楽しめるミステリー。

美形の役者陣に、イングランドの街並み、ドレスなど当時の衣装に、超可愛らしい演出が重なり、画の魅力がとにかく強い。

ストーリーについては、正直ミステリー要
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.0

描き尽くされたような王道の題材ながら、レフンが撮ったらこんな感じになるのかぁ。

とにかく映像表現と音楽が素晴らしく、極彩色で描かれる地獄絵図は、今夜の夢に出てきそうなほど。(ただでさえMVみたいなの
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.5

若者3人の視点を通して、ある世界の現実とその問題の根本にまで迫っている傑作。

まさに人生の「行き止まり」みたいに閉塞感に溢れた街で、それぞれ問題を抱え、燻らざるを得ない若者たち。

「だったら抜け出
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

これは、、、全然意味わからなかったw

複雑なストーリーに加え、テンポがめちゃくちゃ良いので、逆行の理屈だったりとか、ストーリー展開を考えている間に、すぐさま次のシーンへ。

きっと時間の双方向性を描
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.0

ひたすら受難を強いられる胸糞映画。
「信じたものから不幸になる」という、この世の不条理をすべて押し付けられたかのようなトム・ホランドが心底可愛そう。

我慢し続けたって、見返りがあるわけじゃないし、最
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

4.5

これは最高に贅沢な映像体験。

説明なんて一切排除して、映像の画力と役者の演技で、依存症兄妹の繊細な心情を描き切った傑作。

とにかくマイケル・ファスベンダー中心に、エゲツない長回しに耐えうる役者陣の
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天下無敵のジェシカ・ジェームズ(2017年製作の映画)

3.5

女性脚本家の別れと恋を、SNSやら現代要素を交えながら描いた映画。

「ブックスマート」で超絶魅力的だったジェシカ・ウィリアムズ×ノエル・ウェルズ×Netflixということで、正直もっと毒っけのある展
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セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅(2013年製作の映画)

4.0

何ともまあ、不思議な手触りの映画。

主人公2人の築いていくユニークな友情と、ゆったりとした雰囲気が凄く好みだった。「イントゥ・ザ・ワイルド」とはうってかわって、ヤることしか考えていないエミール・ハー
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.5

これだけ「名作」と言われながらも、何度見ても期待値を上回ってくる映画は他にないと思う。

2人の愛に感動するのはもちろんのこと、なによりもエンターテインメントとしてめちゃくちゃ面白い。

いつも観る前
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