けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.0

ひたすら受難を強いられる胸糞映画。
「信じたものから不幸になる」という、この世の不条理をすべて押し付けられたかのようなトム・ホランドが心底可愛そう。

我慢し続けたって、見返りがあるわけじゃないし、最
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

4.5

これは最高に贅沢な映像体験。

説明なんて一切排除して、映像の画力と役者の演技で、依存症兄妹の繊細な心情を描き切った傑作。

とにかくマイケル・ファスベンダー中心に、エゲツない長回しに耐えうる役者陣の
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天下無敵のジェシカ・ジェームズ(2017年製作の映画)

3.5

女性脚本家の別れと恋を、SNSやら現代要素を交えながら描いた映画。

「ブックスマート」で超絶魅力的だったジェシカ・ウィリアムズ×ノエル・ウェルズ×Netflixということで、正直もっと毒っけのある展
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セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅(2013年製作の映画)

4.0

何ともまあ、不思議な手触りの映画。

主人公2人の築いていくユニークな友情と、ゆったりとした雰囲気が凄く好みだった。「イントゥ・ザ・ワイルド」とはうってかわって、ヤることしか考えていないエミール・ハー
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.5

これだけ「名作」と言われながらも、何度見ても期待値を上回ってくる映画は他にないと思う。

2人の愛に感動するのはもちろんのこと、なによりもエンターテインメントとしてめちゃくちゃ面白い。

いつも観る前
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スリープオーバー 夜の大冒険(2020年製作の映画)

3.5

安心して観られること間違いなしの、超王道ファミリームービー。

消えた両親の謎を追い、子どもたちが冒険を繰り広げるジャンルとして、「スパイキッズ」、「ミスター・インクレディブル」あたりが好きな人なら、
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ロスト・バケーション(2016年製作の映画)

4.0

使い古されたサメという題材を、うまくシチュエーション、ドラマと絡みづけることによって、見事なエンターテインメントへと昇華した良作ジャンルムービー。

ファンが望むものを網羅的に抑え、手堅くまとめあげる
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クライモリ/間違ったターン(2003年製作の映画)

4.0

緩急の塩梅が絶妙なスラッシャーホラー。

決して期待以上ではないものの、こちら求めるほとんどの点をしっかりと満たしてくれる良作。(エンディングの安っぽいロックまで最高w)

音楽の盛り上げやアクション
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クロエ(2009年製作の映画)

3.5

役者のパワーと演出により、重厚さを感じられるエロティック・サスペンス。
これをヴァーホーヴェンが撮ったらどうなるんだろう?と妄想した。(多分もっとカオスになる)

正直言って開始40分くらいで展開はわ
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東京流れ者(1966年製作の映画)

4.0

現代の日本男児(日本のエンタメコンテンツともいえる)が失ってしまった、「男らしさ」、義理人情の熱さが凝縮された映画。

まず画面が急速に色付き、主題歌「東京流れ者」とともに流れるタイトルバックのカッコ
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

3.5

脚本家や監督が自分の意思を代弁させるかのように、演者が延々と様々なテーマについて独白し、議論しているような映画は苦手。定義次第かもしれないけど、それは哲学的とは言わないと思う。

かろうじて全体の構図
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.5

まさに10代前半の少年ならではの、不安定で影響されやすい感情を活写した青春映画。

少し悪い先輩に憧れたり、仲間として認められた時に嬉しかったり、真似して悪ぶってみたり、自分が強くなった気がしたり、、
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.5

アメリカ映画の大好きなジャンル、「卒業前夜」モノ。

この手の映画に求められている、高校生だからこその無敵感と、永遠とも思える一夜の華やかさ、そしてそれが終わってしまう儚さと切なさが、しっかりと凝縮さ
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トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

3.0

中規模ジャンル映画を撮ったらピカイチの職人監督、ジャウム・コレット=セラ。

ただこの映画は予算に見合わず、企画の規模が大きすぎたのかな?
映像の質感や、CG、劇伴に至るまで、全てが安っぽい、、(もう
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パコと魔法の絵本(2008年製作の映画)

4.0

映像的な見どころ満載の和製ファンタジー。

ただでさえ奇想天外な世界観から、物語が展開していくたびに、さらに濃密になっていく空想世界の描写に痺れた、、

とにかく実写とCGアニメーションを融合させた、
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ロープ(1948年製作の映画)

4.0

ピリピリ緊張感の漂う、良質なサスペンス映画。

チェストに死体を隠してあるマンションの一室で、パーティーをしながらバレないかヒヤヒヤする、という設定。舞台ぽいなぁと思ってたら、まさに元ネタが舞台と知っ
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アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!(2010年製作の映画)

4.0

警察バディ映画の傑作パロディ。

これはアクション・コメディのジャンルに分類されると思うけど、どちらに対しても過剰に力が入っているのが素晴らしい。

マイケル・ベイ顔負けのカースタントに大爆発、そして
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シルバラード(1985年製作の映画)

3.5

「可もなく不可もなく」な王道西部劇。

良くも悪くも原典に忠実というか、全盛期の西部劇を80年代という「現代」に蘇らせようとする気概を感じられる一本。

ただ男たちの戦う理由を丹念に描こうとしている脚
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

4.5

夢と希望、そして愛に溢れた大冒険譚。

小ネタをうまく挟みつつ、上手く後半に伏線を回収していく手腕が流石。そして伝えたいテーマが、世界観・ストーリー・キャラクター・キャスティングと綺麗に結びついていて
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

3.0

クリスマスのロンドンの街並みやキャスト、全体を流れる雰囲気は良かった。
所々でポール・フェイグらしいブラックで下品なユーモアがあったのも良い。
(だいぶ薄味ではあるけど)

特にキャストに関しては、エ
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幻の光(1995年製作の映画)

3.5

是枝監督のデビュー作ということで。

物語の起伏がなく、少し苦手なタイプの映画だった、、。日曜の夜に見るには辛かったか。

ある女性の喪失と再生を淡々としたタッチで描き出す。あまりにも生活に根差してい
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しあわせのパン(2011年製作の映画)

4.0

ある夫婦の営むパンカフェを舞台にした、ファンタジードラマ。

想像以上にファンタジー色が強くて、可愛らしい小物とか、インテリアとか、箱庭的な世界観はウェス・アンダーソン監督の作品のテイストに近い。
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

3.5

初めて観たのは小学生の時。たまたまロードショーでやっていて、前提知識もなく前半をのめり込むように観ていたから、後半の急展開はあまりにも衝撃だった。

今回は10年ぶりくらいの鑑賞だったんだけど、やっぱ
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.5

これは、ちょっと意外だったw
このキャストやスタッフ陣からは想像できないくらいの「変な映画」。

「宇宙人×パンク」という飛び案から、思いつく限りのアイデアを詰め込んだような印象。
シュールな画や所々
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オンリー・ザ・ブレイブ(2017年製作の映画)

4.0

未曾有の森林火災に立ち向かった勇気ある消防士たちの実話。

市井のヒーローへの多大なるリスペクトがそこかしこに感じられ、好感が持てる。
これだけのスターたちを起用しておいて、それを前面に押し出すことは
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.5

まだまだ社会人になって1年しか経ってないけど、「あいつ今なにしてるのかなー」なんて思う奴が既にいて、、

そう思えば思うほど、その人と過ごした時間がどれだけ愛おしく、かけがえのない時間だったかというこ
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蠱毒 ミートボールマシン(2017年製作の映画)

3.5

悪趣味全開のスプラッタ・エンタテインメント。それにしても赤、赤、赤、赤。

低予算ながらも、数多のツッコミを吹っ飛ばす、異常なテンションが特徴。
意外にもストーリーはダメ男のヒーロー譚と、王道のど真ん
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トレーニング デイ(2001年製作の映画)

4.0

麻薬捜査課に配属された新米警官の、あまりにも濃すぎる1日を描いた映画。

正義感溢れる真っ直ぐなイーサン・ホークに対して、裏の世界で心の底までどす黒く染まった悪徳デンゼル・ワシントンが薫陶を与えていく
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インスタント・ファミリー ~本当の家族見つけました~(2018年製作の映画)

4.0

中年に差し掛かった夫婦が、3人兄妹を里子に迎えるドタバタコメディ。

まあまあお下品なユーモアでクスクス笑わせつつ、ハートウォーミングな展開でしっかりと感動させてくれる良作。
凄く好きな作風だなぁと思
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プロジェクト・パワー(2020年製作の映画)

3.5

超能力とドラッグを上手く絡めたエンターテインメント。
(たしかに中毒者にとって、ドラッグはスーパーパワーみたいなものなのかも)

ストーリーの土台や設定は凄くユニークなんだけど、キャラクターに感情移入
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ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)

3.5

適度に笑えて、教訓も得られる青春映画。

良くも悪くも周りに影響されやすいティーンの特徴を上手く描写できていたと思う。
この時期は、色々紆余曲折あって、自分の本当の居場所に気がつくもの。

レイチェル
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オアシス(2002年製作の映画)

4.5

紛うことなき究極の純愛映画。

脳性麻痺の女と前科持ちの男が恋に落ちる。家族からは煙たがられ、世間からは「社会不適合者」のレッテルを貼られ、孤独をかかえる2人は、どこかシンパシーのようなものを感じたの
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

4.0

やはり理由の説明されない不条理の中、
観客の価値観を揺さぶってくる問題作。

子どもを外の世界へ出さず、ずっと家の中に閉じ込めて、独自の教育を施す。子どもたちも生まれながらにしてその環境下なので、その
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バットマン(1989年製作の映画)

4.0

世代的にどうしても、自分にとってのバットマンはノーラン版になってしまうんだけど、こちらも十分面白かった。

どこかチープなセットや特撮に、まんま「コミック」な演出は、さすがティム・バートン。同じ題材で
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コリアタウン殺人事件(2020年製作の映画)

3.0

誰でも作れそうなアイデアをベースに、撮り方や筋運びによって、良い感じに引き込んでくるフェイク・ドキュメンタリー。

映画を作れるネタって日常に転がってるんだなぁと再認識。だってこれ全部監督の近所だし、
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ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)

4.5

これはあらすじを見ればわかる通り、
設定だけで120点満点の映画。

密室劇に作り込まれたクリーチャー、それぞれ属性が付与された登場人物、カルト教団。80年代ホラーへのオマージュ(特に「遊星からの物体
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