けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

ハスラーズ(2019年製作の映画)

4.0

「金を儲けること」が至上主義の世界で、ストリッパーたちの闘いと絆を描いた映画。

男に搾取されてきた女性たちが連帯して、ウォール街のクズ共から金を巻き上げていく展開が超爽快。小気味良いテンポで進むので
>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

4.5

熟年夫婦の関係に、ある出来事が亀裂を生じさせる。その溝の広がりを止められなくなってしまう、という映画。

長年連れ添ってきた、という夫の慢心と、疑念に囚われたまま、夫を信頼できなくなっていく妻との噛み
>>続きを読む

ザ・ファイター(2010年製作の映画)

4.0

かけがえのない絆だったかと思えば、それが一転、誰かにとっての呪縛となってしまったり、どこにも答えのない家族関係の難しさをテーマにしたボクシング映画。

特に男同士の兄弟って複雑だろうな。
弟に絶対に負
>>続きを読む

アクエリアス(2016年製作の映画)

4.0

「バクラウ」のクレベール・メンドンサ・フィリオ監督作(全然覚えられない)。

フォーマットは全然違うけど、本作でも描きたいこと、主張したいことは、「バクラウ」とそんなに変わらない。

全てが金で動く無
>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.5

征服しようとした村人は、実は殺戮民族でしたって話…ではなく、資本主義的な侵略に対する、土着性や伝統の勝利を謳った社会派映画。

長い歴史の中で、ブラジルをはじめ中南米の国々が味わってきた苦難、その涙と
>>続きを読む

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.5

スケールが大きくなったかわりに、B級感満載になってしまった2作目。

なんかどの描写も、他のポストアポカリプス映画の切り貼りというか、既視感が凄かった。(あと4年の歳月でこの世界観はさすがに無理がある
>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

最初から最後まで自分には合わなかった。

登場人物が誰一人として共感できない、、
ボンボンでインテリジェンス気取ってる感じのティモシー・シャラメが最高にハマってるけど、それがゆえに受け付けなかった。。
>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

4.0

大型スーパーで働く人々の日常描写を通して、孤独な心に寄り添う優しい映画。

大きな転機なんてそうそうあるもんじゃなくて、ほとんどが現状維持のリアル。ただ上映時間の2時間を通して、少しだけ人生が前に進ん
>>続きを読む

ブロブ/宇宙からの不明物体(1988年製作の映画)

4.0

空から落ちてきたのは、ETじゃなくて、殺人マシーンでした。
もう、お手本みたいな超王道B級映画。

田舎町、溶ける人間、孤独な主人公、役に立たない司法、信用ならない政府……

特殊メイクや特撮はもはや
>>続きを読む

無ケーカクの命中男/ノックトアップ(2007年製作の映画)

4.5

結婚・出産にまつわる男女のあれこれを凝縮し、普遍的な感動を届けてくれる傑作。

これはもう相当ジャド・アパトーが実体験盛り込んでんのかなってくらい、ただただ耳が痛いww

実際にお腹に子どもがいる女性
>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

4.0

未来は確実に明るくなっている。
朗らかなメッセージを伝える歌の力が凄い。

最初はかなりデリケートなテーマを、あまりにも軽く扱っている気がして、ちょっと大丈夫かなと思ってしまった。
人によっては「都会
>>続きを読む

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

4.5

音楽×青春映画の大傑作であり金字塔。

年上の女性への憧れや初恋の甘酸っぱさ、自分の好きなものを追いかける気持ち、上手くいったり壁にぶつかったり、別れを経験したり、、そうして大人になっていく。

設定
>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

4.0

ハードボイルドな物語と、激渋な音楽が最高にマッチしたお洒落映画。

もはやニューヨークが第二の主役と言っていいくらい。まず劇伴をバックに街並みを写したオープニングが贅沢だし、ジーナ・ローランズが颯爽と
>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.0

アクションもエモーションも前作より格段にグレードアップした2作目。

まずは前作の第一次世界大戦下という、地味にイメージが湧きづらい舞台設定から、いまや老若男女誰もが馴染みある80年代に。冷戦や経済バ
>>続きを読む

40歳の童貞男(2005年製作の映画)

4.0

人を愛することっていいなぁと、そんな真っ直ぐなメッセージを伝えてくれるR指定コメディ映画。

ちょっとイけてない男たちの雰囲気が最高で、会うといつも下品な話ばっかりして、でも実は内面はピュアで、一番大
>>続きを読む

サイドウェイ(2004年製作の映画)

4.5

酒好きが集まって、好きな酒についてああだこうだ言って(たまにうんちくが飛び出したりw)、お洒落な音楽が流れて、時間が流れるのが凄くゆっくりで、、

安酒飲んで騒ぐのも勿論楽しいけど、時には背伸びしてバ
>>続きを読む

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

4.0

戦場を舞台にした痛快な茶番劇。

戦争に向かう愛国心も義務感も、そんなものきっとほとんどの人が持っていなくて、ただ上からの命令だったり、金銭面だったり、、大抵そんなもんじゃないの?って映画。

普段は
>>続きを読む

ブロッカーズ(2018年製作の映画)

4.0

プロムの夜に処女喪失を誓う、、!
そんな娘たちの計画を知り、親たちがあの手この手で防ごうとするドタバタコメディ。

まず設定を読んだ時点で期待値が超絶高まるのと、それにしっかりと応えてくれるバカ展開の
>>続きを読む

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

4.0

愛に振り回された、母子の物語。

愛があるから人を慈しむ心が生まれるし、愛する人を失うと地獄のように苦しいし、その愛を誰かに奪われた時、どこまでも残酷になることができてしまう。

一見すると胸糞だけど
>>続きを読む

ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)

3.0

観る前からわかってたけど、やっぱ苦手。
リンクレイター監督だし、U-NEXTの視聴期限が切れてしまうので、、

サイケデリックなアニメーションの中で、主に「人間とは何か」、「人間とはどうあるべきか」と
>>続きを読む

ハリーとトント(1974年製作の映画)

4.0

老人と老猫のロードムービー。

70代のおじいちゃんが主人公なので、ロードムービーといえば王道の、「旅を通して成長〜」みたいな展開はまったくないw

必然的に大きな事件も特に起きないが、その代わり歳を
>>続きを読む

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

4.5

微笑ましくて優しくて、愛くるしい。

少年2人・少女1人の3人組という、良くある組み合わせを下敷きに、観客の予想を良い意味で裏切る展開をしつつ、それでいて普遍的な初恋を描いてみせた映画。

登場人物が
>>続きを読む

チェイシング・エイミー(1997年製作の映画)

4.0

不器用な男女の純愛(?)ストーリー。

普通の奴らがそこにいて、普通のバカみたいな会話をして、普通の結末を迎え、そして普通に人生が続いていく。
そんなありふれた人々・物語を、ここまでユーモラスに、温か
>>続きを読む

チェンジリング(2008年製作の映画)

4.0

何があっても諦めない女性の姿を通して、「母親の強さ」を描き切った良質ミステリー。

子どもの行方不明から、警察の腐敗、精神科の恐怖、そしてあまりにも衝撃的な事件の発覚と…静かな幕開けから、後半にかけて
>>続きを読む

サモン・ザ・ダークネス(2019年製作の映画)

4.0

コテコテのB級ジャンルの型に、新要素を上手く肉付けしている良作。

まず主役3人がそれぞれ違うタイプの美人でクソ可愛いのと、前半被害者側のバカさ加減の描き方、その反面主人公ポジの聡明さ、うーんわかって
>>続きを読む

ガールズ・トリップ(2017年製作の映画)

3.0

大学時代の無敵チームが再結集して〜、という「ハングオーバー」以降流行りの王道のコメディ。

ディーナという弾けキャラが繰り出す、容赦ない下ネタの嵐は見もの。
本当にオブラートにすら包まない、直接的な表
>>続きを読む

ばるぼら(2019年製作の映画)

4.0

妖艶で醜悪で狂っていて、それでいて純愛映画。

これは新宿で観たかった。
あの町を徘徊している時に感じる、雑多さ、いかがわしさ、奥深さ…そして町を構成する一員となれている(?)ことの心地よさが上手く表
>>続きを読む

いつか晴れた日に(1995年製作の映画)

3.0

ものすごく「綺麗な」映画。
綺麗すぎるよ、、

正直この時代、この雰囲気、「紳士と淑女」みたいな映画は苦手なんだけど、各所で絶賛されているのと、Netflixの視聴期限が迫っていたので見てみた。

>>続きを読む

ザ・ブック・オブ・ヘンリー(2017年製作の映画)

4.0

こちらの予想を何度も何度も裏切ってくる映画。まさか、、このタイトルとジャンルからは想像してなかったw

なんか可愛らしい、ちょっとファンタジーが入ったコメディ映画かなぁと思いきや、中盤でトーンが一転。
>>続きを読む

PLAY 25年分のラストシーン(2018年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリーの手法をうまく活用したラブストーリー。

事前情報なかったので、最初はガチのドキュメンタリーだと思ってみてた。ただあまりにエピソードが面白すぎるのと、上手く撮られすぎているので、途中か
>>続きを読む

マスターズ・オブ・ホラー(2018年製作の映画)

3.5

面白さに波はあれど、総じて満足度は高めなホラーアンソロジー。

まあもちろんすべて短編なので、恐怖の深掘りなどできるはずもなく、それぞれ表面的なジャンルムービーにとどまってしまっている印象。(特に最初
>>続きを読む

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

4.0

ブンダンヤバへようこそ。
真面目に働いてきた平凡な男が、享楽に溺れ、破滅への道を辿っていく映画。

ただ立ち寄っただけの荒野の街で、ギャンブルで全財産を失い、酒を飲まされまくり暴れ、エロい女に誘惑され
>>続きを読む

足跡はかき消して(2018年製作の映画)

4.0

「社会」や「共同体」に属せなくなってしまった人間の哀しい物語。

いつも疑問に思ってた、「ホームレスの人はどうしてそんな生活を続けているのだろう」と。

ここ日本においては、社会保障はある程度整備され
>>続きを読む

ポセイドン・アドベンチャー(1972年製作の映画)

4.5

エンタテインメントのお手本みたいな映画。

転覆した船、下から迫り来る水、目的地は正しいのか、誰が生き残るのか。
テンポが異常に良くて、一つ何かを乗り越えるたび、また次の障壁がやってきて、それをみんな
>>続きを読む

ザ・ヒーロー(2017年製作の映画)

3.5

がんを宣告されたかつての西部劇スターが、人生を省みるというヒューマンドラマ。

まああらすじを見ればわかる通り、あまりにも王道な展開が連続するので少々退屈。

ただ主演をはったサム・エリオットがまさに
>>続きを読む

デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜(2005年製作の映画)

4.0

前作が「悪魔のいけにえ」オマージュのスプラッターだとしたら、今作はまさかのアメリカンニューシネマ。
(ロブゾンビ相当70年代好きなんや、、)

血の海を築きながらロードトリップを続ける親子3人だが、徐
>>続きを読む