自分たちの悪戯が恋や嫉妬と呼ばれるものとは知らなかった子どもたちの純真さ。
子どもたちにとっては、悪戯とテニスボールだけが彼女と関われる唯一の瞬間だった。けれどきっと、彼女には彼しか見えていなかっ>>続きを読む
新文芸坐オールナイト上映にて。
観るのは二回目。
これはもう眠ろうと思って、最初から眠って、時々うつらうつらと目を覚まして、緑の光線だけはなぜかちゃんと見て、ちょっと楽しい寝覚めだった。
それにし>>続きを読む
新文芸坐オールナイト上映にて。観るのは二回目。
一度目はポーリーヌが大人ぶっているような気がしていたけれど、今回はポーリーヌが一番大人のように思えた。というより、ポーリーヌを取り巻く大人たちがみんな>>続きを読む
オールナイト上映にて。
「青の時間」と「カフェのボーイ」を観てあとは眠ってしまった。
近いうちに見直そう。
満たされない自分のせいで本当に大切なはずのものを大切にできなくなる。人間の愚かしさの美しさよ。
恋人が自分の親友と浮気をしているのではないかという、自分の目で見てもいない判然としないものに振り回され>>続きを読む
大切なはずなのにわざと壊してしまいたくなるミンミの気持ちをよく知っている。そんな彼女を抱きしめてくれるロンコがいてくれてよかった。自分はいつになったら壊さずに済むようになるのだろうと思いながら彼女たち>>続きを読む
無駄にカットが多く、場面転換の最後のカットに印象的な表情や涙を映したり、意味を持たせ過ぎている気がした。そのせいで余韻が足りないような、印象に残そうという意図のせいで印象に残らないような、そんなカッ>>続きを読む
見終えた後に歩く、夜の帰り道のことを考えていた。同じスクリーンを見ていた周りの人たちのことも。
昼間や街の中はいつも目に映る景色が目紛しくて、自分がどこにもいないようなそんな気分になるのに、夜にはい>>続きを読む
君の皮膚はとても美しい。君に触れたい。どうやったら君に触れられるのだろう。君とひとりぽっちになるくらい溶け合いたいのに、私たちの皮膚が邪魔をする。お互いに触れようと縺れ合う二人の姿に、大切な人とハグを>>続きを読む
ラストシーン、薄れゆく街を眺めながら、街にカメラを向け、母の手紙を読んでいたアケルマンの横顔が浮かんで、良い映画だと思った。映画に映らないものが映っていた。
劇場を出た頃になってすごいものを観たと>>続きを読む
室内に水を撒き、食器類を床にばら撒く。革靴を磨くためのクリームが足を黒く塗りたくる。してはいけない、もしくはするべきでないことを鼻歌をBGMに気が狂ったように行っていく彼女が、それでも部屋の外にその狂>>続きを読む
母からもらい、信仰の対象としてきた木彫りの聖母像は、バルトロメアとの邂逅によって半身が男根を模した性処理の道具になる。それはまるで、信仰と許されざる性の欲求が表裏一体であることを示しているようだ。彼>>続きを読む
「ムリだ」という言葉が口から出てしまうジョンの孤独。自分で作り上げた偽りのジョン・F・ドノヴァンと人間関係、それらを壊したいと夢想しつつも、本当の自分に触れられそうになったときに逃げ出してしまう彼の>>続きを読む
日の丸、というものについて考えたことはこれまでなかったと思う。
映画を観ながら、異なる言語を持っているにもかかわらずどの国にも国旗というシンボルが存在している事実は興味深いと考えていた(実は国>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
「ルリ子を頼む」という緑川先生の最後の言葉、それは本郷猛への信頼だった。その言葉を約束と捉え、本郷猛はショッカーと戦うことを選ぶ。ルリ子が死んだ後は彼女の願いを引き継ぎ、やはり戦い続けることを選ぶ。>>続きを読む
キスは不要だったんじゃないかなと思ってしまう。あの瞬間、恋愛に要約された感じがして残念だった。
住所を聞いたときの拒否から、彼の人生はもう長くないのではないかと想像してしまった。目的地に着くまでの>>続きを読む
気持ちはずっと変わらないのに、言いたいことがずっと遠回りしてしまう。二人で始めたことなのに、家族や弁護士、子どもを巻き込んで、本当に言いたいことから離れていってしまう。それはとても悲しいことだ。あなた>>続きを読む