こたつむりさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

4.0

♪ この世であなたの愛を手に入れるもの
  踊るライト見つめて忘れない
  謎がとけてゆく

前評判の低さが信じられないほど面白いミステリでした。

やはり一般的には“アレ”がダメなのでしょうかね。僕
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忍びの国(2017年製作の映画)

4.2

♪ 忍者ロックでそれでも俺は
  ヌキアシ・サシアシ・シノビアシ

評判が芳しくないので期待せずに鑑賞したら…。いやいやいやいや。面白いじゃないですか。コメディとシリアスが相殺せずに両立している稀有な
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キングダム(2019年製作の映画)

2.5

♪ 大切なものを守り抜く覚悟
  諦めないことだけ取柄さ
  進んでいく困難を 力で向こうへ
  
えー。
原作未読者の戯れ言だと思ってください。

美術は頑張っていたと思います。
雄大な大平原や壮大
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ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.3

♪ いつかこの世界が終わること忘れていた
  頭の中のモノを具現化して笑っていたいんだ

あー。やっちまったなあ。
…と溜息が止まらない作品でした。
とは言え、屍が転がるほどに無残な出来ではありません
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ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

4.1

♪ もし僕が正しくて 君らが間違いなら
  僕らは戦う運命にあるの?

ひたすらに丁寧な作品でした。
冒頭から尺をたっぷりと使って尾野真千子さんを撮っていたので、それを強く感じたのかもしれません。前後
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亜人(2017年製作の映画)

3.4

♪ 独りでは 遠い明日を
  夜明けのままで 越えそうで

何度考えても本作の見どころは3点です。

1.戸崎と下村の歪みと純真さを感じる関係
原作未読ゆえに詳しくは判りませんが、背反二律の“何か”を
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ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019年製作の映画)

4.2

♪ 相変わらず あの頃に話した
  夢を僕は追い続けてるよ

三部作として最高の着地点でした。
一作目、二作目の不満を解消しながら、未来へと繋ぐ渾身の一撃。見事ですね。

しかも、ビジュアルもググンと
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現金に手を出すな(1954年製作の映画)

4.0

♪ 眠らせてくれ 世界を燃やせ
  花は枯れても泣いたりしない

やっべえ。マジ渋いッス。
フリースタイル具合にマジ渋いッス。
タイトルから「どんでん♪どんでん♪」と唄いたくなるサスペンスを想像してい
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ベン(1972年製作の映画)

3.6

♪ ぼくらのクラブのリーダーは
  (以下、自主規制)

傑作『ウィラード』の直接的な続編。
と言っても僕はリメイク版しか観ていないんですけどね。オリジナルだと思ったらリメイクだったんですけどね。まあ
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ウィラード(2003年製作の映画)

4.0

♪ みんなが僕をバカにすんだ ナメんな

ネズミが襲ってくるパニック映画。
…と耳にしていましたが、違いました。
気弱な青年の悲哀を鮮明に描いた物語でした。

主人公は自分に自信が持てない青年。
死ん
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ハネムーン・キラーズ(1970年製作の映画)

3.3

♪ あなたをこの手で殺したい
  あなたをこの手で犯したい
  気弱な僕は いつでもそばにいる

実話をベースに綴られたサスペンス。
淡々と進行するドキュメンタリー風味の筆致なのに、それでも足元に揺蕩
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キッスは殺しのサイン(1966年製作の映画)

3.3

♪ 口唇に奪われた あの愛の蜃気楼の中で
  乱れていた この胸 心どうでもイイと…

娯楽映画ど真ん中ストレート!
…と言いたくなる作品でした。

アメリカで劇場公開されたのは1966年。
日本では
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仮面病棟(2020年製作の映画)

2.7

♪ あたしを呼んで 呼んで ここにいるよ
  どこへ行けば 行けば 満たされるの?

日本の“おもてなし”を感じる作品でした。
つまり、それは「誰一人としてこの物語から振り落とさない」という製作者の心
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仮面の男(1944年製作の映画)

3.5

♪ NOBLE PLAY I USED TO DO 
  この世界の上から
  NOBLE PLAY I USED TO DO 
  飛び降りるさ

レオ様の鮮やかな一人二役の物語…ではなく。
ガブリ
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オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

2.5

♪ 乾いた心で駆け抜ける
  ごめんね 何もできなくて

『ドライヴ』のレフン監督作品。
ということで鑑賞しましたが…うーん。
尖った自意識に心を添えることが出来ず…。
気付けばコクリコクリと舟をこい
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スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい(2007年製作の映画)

3.9

♪ ハートのエースが出てこない
  ハートのエースが出てこない
  やめられない このままじゃ

いわゆるひとつのワチャワチャ系。
脳汁が溢れるほどの情報密度がクセになるタイプですね。

こういう系統
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完全なる報復(2009年製作の映画)

3.5

♪ WHY? あっっちゅう間に 眼に もう
  鉛のゴミが入って 世界が遮断して 
  もう終わりだ

うわぁぁ。惜しいなあぁぁ。
と、思わず声を出るほどに、磨き込んでいない原石のような作品でした。
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

♪ すべての創作者の仕事は
  いかに人の心を動かすかであって
  人気とか名声とかお金ではないんだ

ミステリは謎解きが最も重要。
…という“原理主義者”の僕でも映画は別だと認識しています。

ミス
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スマホを落としただけなのに(2018年製作の映画)

3.1

♪ あの日 あの時 あの場所で
  君に会えなかったら

うーん。軽い筆致ですねえ。
スマホを落としたことからトラブルに巻き込まれる…という物語ですが、地に足がつかない描写が多くて、なかなか逼迫した雰
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.7

♪ 俺は今日も笑う
  快楽少なきこの世の地獄の中で
  寝ても醒めても 生存者は今日も笑う

アカデミー賞作品賞受賞おめでとうございます。という文章に「賞」が3つも入ってスマートに見えないように。違
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.5

♪ 汽車は闇をぬけて 光の海へ
  夢がちらばる 無限の宇宙さ

見渡す限り、全てが凍てついた近未来。
唯一生き残ったのは“列車”に逃げ込んだ人類だけだった…。

なかなかハードな設定ですね。
しかも
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時間離脱者(2015年製作の映画)

3.8

♪ 夢の途中で目を覚まし 
  瞳閉じても戻れない
  さっきまであなたがいた未来
  たずねて明日へ

うは。油断していました。
最初のうちは、チョ・ジョンソクの髪形に薄笑いするくらいに余裕綽々。正
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殺人漫画(2013年製作の映画)

3.7

♪ 追いつめられた心溶かす 鈍色の肖像
  切り刻まれた記憶を映しだす

漫画と同じように現実でも人が死ぬ。
…なんてB級ホラー王道の物語。

ただ、韓国の映画ですからね。
一筋縄ではいかないのは当然
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悪のクロニクル(2015年製作の映画)

3.8

♪ 戯れ言は お終いだ 絶望だけだ
  オレはもう夢見ない 明日が来ることを

眼前の出世のために問題を起こせない刑事。
そんな彼の人生は“あるトラブル”によって大きく変わっていく…という物語。

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長ぐつをはいたネコ(2011年製作の映画)

4.0

♪ 懐かしい歌も 笑い声も
  すべてを捨てて僕は生きてる

“あの”『シュレック』の番外編。
…ということで斜に構えて臨みましたが、想像に反して直球ど真ん中。完全に振り遅れましたね。見事なまでに傑作
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解放区(2014年製作の映画)

3.9

♪ 日本の生命 世間の生命
  コールアンドレスポンス 生命 死刑宣告

なるほど。確かに問題作でした。

引きこもりというか、統合失調症というか、若者のリアリティを追い続けるというか、一人の映像作家
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ビジターQ(2000年製作の映画)

3.8

♪ いつかお父さんみたいに大きな背中で
  いつかお母さんみたいに静かな優しさで

愚作の貴公子、三池崇史監督。
と誰が呼んだか知りませんが“原作ありき”では真価が発揮されないのでしょうね。

要は暴
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WELCOME TO JAPAN 日の丸ランチボックス(2019年製作の映画)

1.5

♪ 色の足りない世界で
  身代わりの歌ばかり歌ってる

「うーん。マズい。もう一杯!」
と言えるのは栄養分が豊富だから…ですよね。「はたして本作に栄養分があったのか」と問われても…何も言えませぬ。も
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ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)

3.5

♪ どこまで知ってる?絶対に知られたくない
  舞い降りてきた 薬をなぜか飲んだ

白石晃士監督ワールド炸裂!
…と言いたくなるほどに、特徴的な筆致が冴え渡る作品でした。

モキュメンタリー仕立ての演
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シグナル100(2020年製作の映画)

3.5

♪ さよなら 揺れていた せつなくて ずっと
  さよなら 君だけは微笑んで ずっと

クラスの中で生き残れるのは一人だけ、という物語。この視点は某作品と同じですね。違うのは“積極的に”殺し合ってはい
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催眠(1999年製作の映画)

3.5

♪ 届かないね 届かないね MY FLAME
  摩天楼が血を吐いてる RAINY DAY

色々と瑕疵が多い作品だと思います。
でも、嫌いになれないんですよね。
それは、虚構と現実の壁に絡み取られた
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アントラム 史上最も呪われた映画(2018年製作の映画)

2.5

♪ あゝ 大いなる魔神よ
  我等が主人に 祝福を与えよ

「この映画を観たら死ぬ…」
という謳い文句は好奇心を刺激するに十分。
だから、助平根性の塊である僕が手を伸ばすのも当然。思いきり擁護する姿勢
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.7

♪ Peach Time I Love You
  今晩ビビッとナンパをしようぜ

端的に言うならば、異説『スタンド・バイ・ミー』。本家は死体を探しに行きましたが、本作は「隣人が殺人鬼かも?」という着
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デビルズリジェクト〜マーダーライドショー2〜(2005年製作の映画)

3.6

♪ 鼻歌口ずさみ 肉体噛みちぎる
  無邪気な女を笑いながら なぶり殺して

悪趣味は進化する!
…なんて言いたくなるほどに、映画としての完成度は前作を凌駕。悪事がばれた“ある一家”の逃避行を描いた物
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マーダー・ライド・ショー(2003年製作の映画)

3.8

♪ 37564。
  父さん、母さん、兄さん、姉さん、
  弟、妹、爺さん、婆さん、ごめんなさい。

「お前が言うんか」
と言われそうな気がしますが、それでも断言します。本作は“悪趣味の塊”です。ホラ
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ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

3.8

♪ いっそ二人で何処かに消えてしまいたい
  そして何も変わらない 
  確かなものは闇の中

とある事情から闇の眷属に誘われた男の物語。
80年代の作品ですが、映像も音楽も間違いなく当時のど真ん中。
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