ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

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マーターズ(2007年製作の映画)

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19歳のグザヴィエ・ドランが冒頭、銃でぶっぱなされる青年役で登場。

これに比べれば『ソドムの市』や『ピンク・フラミンゴ』は相当ポップで楽しい娯楽映画に思える。

ただ鑑賞中、我ながらビックリするくら
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三十九夜(1935年製作の映画)

4.7

ヒッチコック作品…やはりいつ如何なる時に観ても間違いがない。

巻き込まれ型サスペンスの定型ここにあり。我々観客までを次から次へと引きずり巻き込んでいく洗練に継ぐ洗練の演出…この時代でこのスリルは本当
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台風クラブ(1985年製作の映画)

4.7

再見。やはり素晴らしい。

所々に細田守『おおかみ子供の雨と雪』を感じる。

恋人たちの予感(1989年製作の映画)

4.0

“私たち友だち。だからSEXしません!?”

サッカー選手のイニエスタみたいなルックスのビリー・クリスタルと、超絶キュートなメグ・ライアンのまさしく“あと1センチの恋”。

男がわかりやすいイケメンタ
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女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

4.3

“女版『暴力脱獄』”ともとれる梶芽衣子演じるナミの不屈の精神!

タランティーノが愛し、園子温が『愛のむきだし』でオマージュを捧げたバイオレンスアクション。

映画としては正直かなり歪だが、そのケレン
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ブラウン・バニー(2003年製作の映画)

4.5

“アメリカの淀川長治”こと
映画評論家・ロジャー・イーバートが“史上最悪の映画“と評した問題作。(※最悪と言っていながらも星4つ満点中3点も与えているイーバート)

私は『バッファロー66』がとにかく
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泥の河(1981年製作の映画)

4.5

スピルバーグも絶賛し、世界的評価も高い日本映画史上の名作の1つ。

『ヤンヤン 夏の想い出』や『6才のボクが大人になるまで。』を凌駕するほどの圧倒的な子役演出。相米慎二や是枝裕和なんかへの絶大な影響も
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初恋・地獄篇(1968年製作の映画)

4.5

寺山修司脚本、松竹ヌーヴェルヴァーグの前進ともとれる映画運動集団“シネマ57”の立役者・羽仁進が監督したATG配給作品。

ちなみに本作がATG最大のヒット作だとか。

「キャベツをむいたら芯が出るけ
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若者のすべて(1960年製作の映画)

4.0

ヴィスコンティ監督版『ゴッドファーザー』ともある種とれる1作←こっちの方が先だけど。ちなみに音楽もニーノ・ロータ。

アラン・ドロン演じるロッコというキャラクターの聖人ぶりはドロンの初々しさ、美しい佇
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告白的女優論(1971年製作の映画)

4.5

“THE 女優映画”。

ジョン・カサヴェテス監督にとってのジーナ・ローランズの如く、吉田作品のミューズとして光輝く岡田茉莉子だが、本作は浅丘ルリ子もかなりすごい!

ベルイマン『仮面ペルソナ』よろし
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はなればなれに(1964年製作の映画)

4.5

“古典的=現代的”

「新しいことはすべて無意識のうちに伝統的な事柄に基づく。」

映画にも130年ほどの歴史があり、1920年代で映画はその1つの完成形を見たとも言われている。なのでそれ以降の映画は
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アンストッパブル(2010年製作の映画)

4.5

1903年『大列車強盗』に始まり、1927年『キートンの大列車追跡』、1967年『大列車強盗団』、1975年『新幹線大爆破』、1985年『暴走機関車』、1994年『スピード』などなど…

挙げればキリ
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

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※租借しきれていないので久々に採点放棄を行使します。

監督はヌーヴェルヴァーグを代表する巨匠であり、雑誌『カイエ・デュ・シネマ』元編集長ジャック・リヴェット。

いやはや凄まじくとち狂った作品であり
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

4.5

グザヴィエ・ドランが選ぶ生涯ベスト10本の1つであり、フランス映画史上の名作。

あのメロディーにあの子供の演技…反則技である。泣くなというほうが土台無理な話。というか演技だということが本当にもうにわ
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エレファント(2003年製作の映画)

3.0

別に嫌いってほどではないけれどらイマイチぴんとこないことが多いガス・ヴァン・サント作品。

じっくりねっとり舐め回すような長回し移動撮影や、ドキュメンタリックともとれる渇いたタッチの映像。ルック的な部
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夏の遊び(1951年製作の映画)

4.5

ゴダールが“最も美しい映画”と絶賛したのも至極納得がいくほど、どのショットも光景も美しさに満ち溢れています。

ベルイマン作品でも一番瑞々しく風通しの良さを感じる1作。

『仮面/ペルソナ』『第七の封
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ドミノ(2005年製作の映画)

3.5

タランティーノとエドガー・ライトは“『ドミノ』ファン同盟”なるものを組んでいるらしいです(笑)

でもこれは本当に変な映画です。

一見、俗っぽいありふれたジャンル映画に見えるかもしれませんが、そうい
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クラム(1994年製作の映画)

4.7

デヴィッド・リンチ製作総指揮、大好きな『ゴーストワールド』のテリー・ツワイゴフ監督の初長編ドキュメンタリー。

何故これほどまでに世界的評価が高く、内容的にも素晴らしい作品が日本ではろくにソフト化すら
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.7

劇中のセリフで
「“人生は悲喜こもごも。映画は人生を写す鏡。映画が発明されて人生が3倍になった。映画は普段の生活を2倍面白くしてくれる。”」とあるように…

この映画には本当に何気ない人々の人生、魂が
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人妻集団暴行致死事件(1978年製作の映画)

4.3

女優・橋本愛のフェイバリット作品。

彼女は18歳から名画座に通いつめ、日活ロマンポルノを見漁っていたなかなかの強者だ!

先日度肝を抜かれた大傑作『㊙色情めす市場』の田中登監督作。

前半はなんなら
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ミスター・ベースボール(1992年製作の映画)

3.5

日本でプレーする事が決まったメジャーリーガーの多くはこの映画を日本プロ野球の教科書代わりに鑑賞している。

『ロスト・イン・トランスレーション』よろしくなステレオタイプな日本描写を楽しめる珍作。

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カリガリ博士(1920年製作の映画)

5.0

あのヒッチコックが映画作りの見本としていたサイレント映画の名作。

モノクロームの深い陰影、奇抜で歪んだセットの悪夢的なデザイン、卓越した視覚的効果など現在のノワールやホラーに多大な影響を与えたのは一
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妻は告白する(1961年製作の映画)

4.7

巨匠フェリーニ、ヴィスコンティから直々に映画を学んだ増村保造監督の傑作の1つ。

あまりに無駄のないストーリーテリング、一瞬たりとも気の抜けない張り詰めた演出力といいますか…ある種日本で最もブッ飛んだ
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カルネ(1994年製作の映画)

4.0

やっぱりギャスパー・ノエって実はとてもロマンチストでセンチメンタリストだなと思う。

最新作『CLIMAX クライマックス』を観た後にこのデビュー作を観て、改めてノエの変わらぬ一貫した作家性に感服。
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バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.5

ベルイマン監督は本作を観て爆睡したとか。たしかに『抵抗』なんかに比べると緊迫感、緊張感はまるでなく、むしろ牧歌的ですらある。

バルタザールの無垢な瞳から伝わる卑劣で残忍な人間の業…当時まだ素人だった
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.7

学生時代、訳もなく本作を観て逃避していたので個人的に大切な作品。

なんだかこの映画には不思議な癒し効果というかヒーリング効果のようなものがあると思います。

実際、本作はソフィア監督自身が夫(スパイ
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狂った一頁(1926年製作の映画)

1.5

先日ピーター主演の『薔薇の葬列』というATG映画を観た時とまったく同じ感覚。

日本で最初の“アヴァンギャルド”映画みたいだが、“アヴァンギャルド”という言葉を使えばなんでも通ると思うな!と言いたい。

2000人の狂人/マニアック2000(1964年製作の映画)

4.5

『ミッドサマー』の元ネタとして度々挙げられていたスプラッターホラーの祖。

“南北戦争”というテーマを見事にエンタメホラーとして落とし込んでいるし、陽気なカントリーミュージックに乗せ、次々と“バーベキ
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ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

3.5

ベルトルッチにしてはまずまずな出来とも言えるが、ブランドの演技、ストローラの撮影、ガトーの音楽は問答無用で心地良い。

マリア・シュナイダーの陰毛の濃さgood!(私は割りと濃いめが好きです)というい
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ドッグマン(2018年製作の映画)

4.3

先日『ゴモラ』(シティオブゴッド+ゴッドファーザーと呼ばれているギャング映画)を観てなんちゅう映画撮る監督だぁと一目置いていたイタリアの奇才マッテオ・ガローネ監督新作。

まさに最も悪い形で成長したジ
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カメラを止めるな!リモート大作戦!(2020年製作の映画)

3.0

状況的に追い詰められれば追い詰められるほど本領を発揮する上田慎一郎監督のまた1つの到達点。

監督の奥さん役のしゅはまはるみさんが2年前とは比べものにならないくらい色っぽくなっていて驚く。

ある意味
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

2.5

なぜこんなに高評価?

同監督の前作『愚行録』はだいぶ良かっただけに残念。

『勝手にふるえてろ』でのあの輝きはどこへやら松岡茉優ちゃん始め、女優陣が窮屈そうで全然イキイキしていない。


あとこれは
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ある結婚の風景(1974年製作の映画)

4.7

人生の5時間を捧げるに値する大傑作。

『ビフォア・ミッドナイト』『ブルーバレンタイン』『マリッジ・ストーリー』『アイズ・ワイド・シャット』…他これら倦怠期夫婦映画の源流にしてキング。

クローズアッ
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.5

“ダーティ・カトリー”を堪能致しました。

「そこのみにて光輝く」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」なんかを彷彿とさせる地を這うような和製ノワール。一人の男の崩壊と再生。

彼に一番必要だったことは“
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.8

「岬の兄妹」と並び昨年最も話題になったインディー邦画。

限られた少ない予算や撮影日数からくる部分もあるとは思うが、正直アクションの見せ方や映像面においてはまだまだ改善の余地があると思う。

「岬の兄
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イグジステンズ(1999年製作の映画)

4.5

“背中から始めて脳でイク”

クリストファー・ノーランがそういえば「インセプション」を作る際に参考にした作品の1つに挙げていたけれど、類似する点は多い。

クローネンバーグのガジェットの造り込み具合は
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