ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

ペイン

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八月の濡れた砂(1971年製作の映画)

3.5

藤田敏八監督作初鑑賞。

彼が梶芽衣子主演で撮った「修羅雪姫」はタランティーノの「キル・ビル」に多大な影響を与えている話は有名。


本作は日活がロマンポルノに路線変更する前の最後の青春映画ということ
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ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた(2006年製作の映画)

4.0

監督はなんと90年代サブカルのカリスマ的存在であったあのハル・ハートリーの初期三部作《ロング・アイランド・ トリロジー》でヒロインを努めたエイドリアン・シェリー。本作でも主人公の友人役として出ています>>続きを読む

猿の惑星(1968年製作の映画)

4.5

『猿の惑星』童貞卒業しましたペインです(※あと今年はなんとしても寅さんを…)。

いやー、面白い。ナーメテーターでした。今観ても全く古びない鮮烈なビジュアル、猿の特殊メイク、深遠なメッセージ性とエンタ
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ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

4.5

“めまい+裏窓+オッパイ”

『ドライヴ』のN・W・レフンや、『アンダー・ザ・シルバーレイク』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル等も偏愛するブライアン・デ・パルマ監督作の隠れた傑作(個人的にはそこまで
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エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

4.5

若かりしジョニー・デップが主人公の超無能な友人役として出てきます。

このユルさ、おふざけ感は今観るとホラーとして以上にコメディとして秀逸。

夢から覚めたらまた夢!みたいなのは「インセプション」的だ
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ニュー・ワールド(2005年製作の映画)

4.5

「ミッドサマー」アリ・アスター監督が選ぶテレンス・マリック作品のベストとのことで鑑賞。

アニメ版とはあらゆる意味で一線を画した仕上がりのマリック版“ポカホンタス”。

ポカホンタスとジョン・スミスの
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トロピック・サンダー/史上最低の作戦(2008年製作の映画)

4.5

ものすごくバカ丁寧に作られた「バカ映画」。

不謹慎ギャグのオンパレードもここまで突き抜けていたら文句のつけようがないでしょう。本当に凄まじい。

トム・クルーズの表向きのベストアクトが「コラテラル」
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エヴァの告白(2013年製作の映画)

4.5

『ミッドサマー』アリ・アスター監督のお気に入り映画リストより鑑賞。

溝口健二の『西鶴一代女』現代アップデート版というような趣すら感じさせる傑作。

より良い人生を求めてアメリカに移住してきた移民女性
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.0

平成ガメラデビュー。
というかガメラデビューです。ガメラってよく見ると可愛いですね。ガメラ萌えしました。

重厚なテーマ曲と同時に画面いっぱいに炎が広がり「ガメラ」の文字がドーン!!このアバンタイトル
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スロウ・ウエスト(2015年製作の映画)

4.3

A24配給作らしい異質な西部劇。

『トマホーク ガンマンvs食人族』と並んで2010年代2大過小評価西部劇(奇しくも2作とも日本では劇場未公開DVDスルー)。

マイケル・ファスベンダーの盟友でもあ
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記憶の棘(2004年製作の映画)

4.5

『ミッドサマー』アリ・アスター監督が選ぶフェイバリット作品の1つ。

傑作。脚光を浴びせてあげたい映画。

監督はスカーレット・ヨハンソンがヌードになるでお馴染み2013年のこれまた傑作『アンダー・ザ
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(1963年製作の映画)

4.5

最早、スラッシャーホラーの域。

一見、端正でクラシカルな作りであるからこその劇中のショック描写が、より“ショック”として際立つ。

後半、ガソリンから火が燃え盛ってしまった町を大量の鳥が襲撃するシー
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死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

3.5

前作は純粋にスプラッター描写に圧倒されるホラーだったが、本作はあまりにふざけ過ぎていてコメディに寄りすぎているぶん、ちょっと映画としてのバランスを崩してる。

なんだかんだで楽しいし、2の評価が高いの
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八つ墓村(1977年製作の映画)

3.0

近年の『ミッドサマー』や『哭声~』なんかにも通ずる村ホラー。

大林宣彦監督『HOUSE ハウス』と同年公開作で、まさにJホラーの元祖。

『HOUSE~』は超アッパーだが、『八つ墓村』は超ダウナー。
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最終絶叫計画(2000年製作の映画)

1.5

映画エンターテイメントの最底辺に位置する。

スベリまくってるチャラい大学生の飲み会に参加したような苦痛さ。

詩人の血(1930年製作の映画)

4.3

“不死の者は退屈によって死にゆく”

「芸術のデパート」ことジャン・コクトー先生のデビュー作。『アンダルシアの犬』と並び称されるアヴァンギャルド映画とあって、今まで観てきたコクトー作品でも一番脈略がな
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羅生門(1950年製作の映画)

4.0

人を信じることはかくも難しい… 

蓮實重彦氏が“世界最高の木漏れ日映画ベスト3”というもので、1位に成瀬巳喜男監督『歌行燈』、2位にアンソニー・マン監督『最前線』、3位に黒澤明監督の本作『羅生門』を
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読まれなかった小説(2018年製作の映画)

4.5

『ゾンビランド:ダブルタップ』からのこれですからね…流石に高低差ありすぎて耳キーンってなります。

ニーチェ、ドストエフスキー、チェーホフらの名作に捧げられた実に私小説的な作品。

最近はますますこう
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

4.3

中途半端に高尚ぶっていて意識が高い作品より遥かに好感の持てる最高の続編。

ゾンビ映画ブームが一段落した今現在、まったりと楽しむにもってこいなキュートな作品。

ただバカをやればいいということではなく
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

4.0

『マリッジ・ストーリー』みたいな映画かと思いきや、映画評論家・森直人さんが指摘していた通り『惑星ソラリス』や『ベティ・ブルー』、手塚治虫『火の鳥・未来編』なんかを彷彿とさせるような神聖且つ、変な可笑し>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.5

これまた最高のサム・ロックウェルが堪能できる作品。

『ジョジョ・ラビット』とは語り口や演出アプローチ等、真逆の作品と言えるが観賞後の余韻や伝わってくるものは似ている。世の中、醜いことがたくさんあるけ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

『天才マックスの世界』のビル・マーレイ演じる校長を意識したという、サム・ロックウェル演じる長官が本当に素晴らしい。

この作品自体がそもそもウェス・アンダーソン作品的(※特に『ムーンライズ・キングダム
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

過去に『西部戦線異常なし』や『突撃』のような似た前例作品もあり、そこまで超フレッシュ!とは思わなかったし、この映画が『地獄の黙示録』や『プライベート・ライアン』といった戦争映画史上の名作を凌駕している>>続きを読む

ナイチンゲール(2019年製作の映画)

2.5

今年3月に日本公開されたジェニファー・ケント監督作。

かなり私の周りでも観ている人が多く、絶賛評を多く見たので期待したが、やや肩透かし。

撮影レベルの高さや、役者陣の的確な演技はたしかにあり、基礎
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.5

中国の経済が急速に成長した21世紀の17年間を背景に、渡世に生きる男女2人の複雑にもつれ合う愛と憎しみの軌跡を、3つパートに分けて描いていく。

というまぁこれまたジャ・ジャンクー監督十八番の語り口と
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刺青一代(1965年製作の映画)

3.8

基本的にはオーソドックスな、今観ると古さを感じる任侠映画だが、清順節炸裂なラスト10分の怒濤の展開は最高。

殺人狂時代(1967年製作の映画)

5.0

どうかしてる程面白い。

こんな怪作が日活、東宝で2度もお蔵入りになりそうになったとはにわかに信じ難い。

今現在、多くの若者が古い日本映画に対して抱いている湿っぽいイメージ、誤解等を払拭させるにもっ
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(1951年製作の映画)

4.0

ルノワール版『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』てな感じでしょうか。

当時、蓮實重彦氏に“どの映画とも似つかない”と言わしめた本作。インドが舞台ということもあり、ルノワール映画というよ
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ハロウィン(1978年製作の映画)

4.0

世の中には「70点満点」の映画というのがあります。本作はまさにそれで、しかも70点満点中75点くらいは確実に出しているので大満足。こちとら常に100点満点の映画なんて求めてません。

『イット・フォロ
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

4.5

かの三島由紀夫も当時、“久々に傑作と言える映画を観た”と大絶賛したルキノ・ヴィスコンティ監督のドイツ3部作の1作目。

ナチス政権、第三帝国の黎明期にその陰謀と野心の犠牲となって崩壊して行く、鉄鋼財閥
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乱れ雲(1967年製作の映画)

4.5

『流れる』『乱れる』『乱れ雲』…と、若干ややこしいタイトルが多い巨匠・成瀬成瀬巳喜男監督の遺作。

カラーの成瀬映画を観るのはお初ですが、 これまた良かった。

凡百の監督であれば、陳腐極まりないメロ
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リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

4.0

男らしくしろ!という、「男らしさ」の押しつけが小さい頃から私は本当に大嫌いで、そんな抑圧を感じてきた身としては本作の主人公の心情やら境遇やらには共感しまくりです。

劇中、主人公が何かしら壁にぶつかっ
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男のゲーム(1988年製作の映画)

4.5

エドガー・ライトが選ぶベスト映画1000本より鑑賞。

まさしく鬼畜の所業。

ヤン・シュヴァンクマイエル監督流サッカー批評。あるいはシュヴァンクマイエル版『デス・レース 2000年』とも言える怪作。
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ドリーの冒険(1908年製作の映画)

4.0

映画の父、D.W.グリフィスのデビュー作。

1908年にして、12分で、この面白さ。

映画の妖精 フィルとムー(2017年製作の映画)

3.5

俳優の斎藤工氏が、企画/ストーリー原案/脚本を手掛けた8分の短編クレイアニメ。

リュミエール『ラ・シオタ駅への列車の到着』、メリエス『月世界旅行』から始まり、『キング・コング(1933)』、『モダン
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イントレランス(1916年製作の映画)

5.0

ずっと避けてきた名作シリーズ。

まさしく“映画の父”と呼ばれるに相応しいゴッドファーザー、D・W・グリフィス監督の映画史上の金字塔的超大作。

1916年、映画はある種の1つの完成形を見ていたことが
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