遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

すくってごらん(2021年製作の映画)

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最初は日本語でシェルブールの雨傘をやるのか?と思ったが奈良を舞台にやや難語彙で台詞多めの緩やかな森見登美彦感が出てきて、最終的に「ミュージカルの違和感の部分」を逆にフィーチャーしてくる、妙な作品でした>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

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早稲田松竹は設備もラインナップも非常に質の高い劇場ですが、近隣に美味しい油そばのお店があるために鑑賞前は必ず過剰に満腹になってしまい、映画史に残る傑作を観ていても強烈な眠気を引き起こすことが非常に多い>>続きを読む

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

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子供たちが徒党を組んで教師の圧政に対抗するってだけでもう 映画
セクハラを受けた女子が瞬間的に怒ってデモ行進を発起して中心に鎮座するの最高

大人に抑圧された弱者たちの決死の反抗というより、大人の暴力
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フェアウェル(2019年製作の映画)

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「中国では重い病気が発覚したら本人には言わない」って習わしでやってきてたら当事者になったとき雰囲気で分かっちゃうだろ

オークワフィナという女優を認識した、居たらなんか気になっちゃう存在感だな〜

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

随分前に観たから違うかもしれないけど、ラストの「問答無用でアツい感情がこみ上げてくる」感じ、グッドウィルハンティングみたいだと思った これも壮大なハートウォーミング 名作だ

「権力を監視し、暴力を告
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

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やっぱり新劇にないイカ臭さが魅力

ものもらいとかになって眼帯してるときに「ロンギヌスで貫かれたんすか?w」ってつまらんイジりをしてくる男に「あんたバカァ?」って返して一瞬で恋に落とさせようかな

あのこは貴族(2021年製作の映画)

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東京は階層分けがされていて、違う階層とは会うことがないように出来ている、というのは本当に思う

身分の違う人間が交差する物語なんて数千年こすられてきてるんだろうけど、現代の東京を舞台にして全く同じよう
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

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逆張り野郎と思われても、おれはヱヴァQの「なにしでかしてくれとんの?」という感覚に他の作品では得られない興奮を覚えるし、「どう落とし前つける気なん?」という正か負か分からない高揚に突き動かされて155>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

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いくらシンジが自分のことで、女の子のことで、社会のことで、複合的な悩みを解決できずに心が死んで虚ろに生きてても、二周目以降、破は最後まで多幸感に包まれながら鑑賞してしまう

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

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友達にエヴァ序を観せたら好感触だったやつの謎のドヤり第1位「これでまだアスカ出てないからね笑」

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

130分こちらのメンタルを休憩させる隙がない、擬似の擬似でしかないだろうけど没入感のある戦争体験 編集の技術なのかな
戦争映画では常套なのかもしれないが、俯瞰のショットがほとんどなくて常に画角が狭い
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リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

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観なきゃいけないと思ってずっっっと観逃してきてたけど、子猫をお願いでペ・ドゥナをがっちり認識したあとに観れて本当に良かったな

いろんな物事のタイミングが運命的に重なって名作って誕生するんだろうけど、
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

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眠くない...うとうとしてない...と自分に言い聞かせながらエンドロールを迎えて、ストーリーは最後まで追えてたけど感想を持てるほどの記憶が無いという一番良くない鑑賞をしちゃった ちょっとでも眠い時は観>>続きを読む

美しき結婚(1981年製作の映画)

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男女問わず、いわゆる「地雷」と周りから認識されている人は、自分のことを地雷だなあ〜と思っているのかという長年の疑問が、この映画を観たことで別に解けなかった

マリアの恋人(1984年製作の映画)

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バイト先のふた回り上のシネフィルおじさまと「ナスターシャ・キンスキーが好き」の一点で急速に仲良くなった流れで教えてもらった作品

実際、ナスターシャキンスキーとつまらないパーティ抜け出して二人でバイク
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

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描かれる内容の酷薄さ、容赦無さ、役所広司の映画的なのに現実味も確かに感じる全身の表現力、紛れもなく強い作品だと思う
けど、三上がささやかな祝宴の中心で微笑みを見せたとき、映画がいかに社会から弾かれた人
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

5.0

吉住のシーン
君は天然色のシーン

ふと 徐々に 安定を見失っていく精神

拾ったゴミを貰おうとして貰えなかった手
流れで返事をもらえなかった質問

6万字くらいでレポート書きたいな

一つだけ言いた
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

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質と品格の高い作品だ
「盗聴」を通じて自分とはかけ離れた他人の生き様を知り、自己が大きく変わっていくという物語、当時の東ドイツの状況の正確な描写、どちらも表現として非常にフラジャイルで難易度が高いと思
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あの頃。(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

癌が発覚するまではハロプロ愛を軸に進むストーリーをめちゃめちゃ興味深く追ってたが、癌が発覚したら一気に癌のストーリーになった 

あれは大声で叫んで土下座したら許せて抱きあえるパターンもありうる話なの
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晴れて今宵は(1942年製作の映画)

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世界中でたくさんの人間が命落としてる間に軍需でとにかく儲けて儲けて最高豊かになった国でこんな多幸感100%に満ち満ちた恋愛ミュージカルつくられて80年後のおれにまで幸せが届けられるのだから、この世の善>>続きを読む

ショート・カッツ(1993年製作の映画)

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小細工の無い、ひたすらにプレーンな群像劇
「群像劇」であることの面白さだけで3時間観せ続けるのだから、物凄い脚本なんだと思う

9組 そもそも9組ってすごい、9つの物語は少しずつ交差するもどんどん結
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

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途中で あ、これ晩春なんだと遅れて気付き、後から監督は例によって小津フォロワーだと知り、TIFFグランプリの理由がそこらへんに集中してなきゃいいなと思った
や、でもじゃあ誰が「小津的な良さ」を評価する
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ミーン・マシーン(2001年製作の映画)

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ゴロツキなバイオレンスとカッコいい早回し編集、最高クールな音楽と無駄に数の多い犯罪者たちの集団作戦、ジェイソン・ステイサムと彼の近くでよく見る面々、脚本構成とキャラ立ちはやや精彩を欠くが、本家に限りな>>続きを読む

おもいで写眞(2021年製作の映画)

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イオンシネマのフリーパスだから巡り会えた作品、最後に観て本当に良かった この映画の余韻で帰れることが

まず、地元に、幼馴染で役所づとめの背が高くて真面目で全然髪いじってなくて基本笑顔で半袖のYシャツ
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天外者(2020年製作の映画)

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映画としてはまずまずだけど三浦春馬追悼で上乗せ評価されてるというレビューをいくつか見てから観て、確かにそうだし、そうであって良いなと思った ジェームズディーンやヒースレジャーの作品たちもみんなの弔いの>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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どんな人種をバカにするかが同じで、頭の中にとにかく文化的固有名詞が詰まり倒してるスノッブたちに向けたほぼ寓話と言えるラブストーリーだと前半のうちは思って、こういう人たちは自分と同種の人間が大好きである>>続きを読む

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

完全に舐めてた...劇場を出てロビーに向かうまでの道のりがフワフワして高揚して誇らしい気持ちになるような映画だった!!

旦那とどんどんすれ違ってく話だと勝手に思ってたから想定とズレていって嬉しくなっ
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

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ひとつづきの口論のなかで 相手を拒絶する態度から私なんてダメな人間なのって自己嫌悪に陥るという変化を急激かつ自然に演じてるのが凄すぎるし、でも心ってマジでそんな感じだよなと思う

「行動を説明しろっ
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ワイルド バンチ アルバム・イン・モンタージュ(1997年製作の映画)

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全部の映画にこのくらいの尺の手の込んだメイキングがついてたらいいな

予算数百万ドルのハリウッド映画でも、撮影現場で気乗りしてない役者に監督が「お前は仕事でここにきてんだよ」って怒ったりするんだ

子猫をお願い(2001年製作の映画)

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いつものメンバーで遊んでるけど今日はなんか自分だけノリについてけなくて、疎外感で無理になって先に帰るって輪を乱すこと言って余計疎外感を極めて、日も暮れないうちにとぼとぼ一人で帰ってるときの「この疎外感>>続きを読む

ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

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スタンド・バイ・ミーの車に乗って郵便受け連続破壊みたいな、ある種の映画的幸福を感じる演出が随所に織り込まれている 映画はしょうもない妄想の実現手段
ヴァージンスーサイズもそうだった、この監督 何?と興
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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目の前の具体的な恋人と、抽象的な愛の議論
視線も合わずにうわ言めいたり、ふいに相手のパーソナルな欠点を突いたり、こっちとあっちを行ったり来たり
花束みたいな恋をしたも多分こういう話じゃない???まだ観
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

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これからたくさん彼女の映画を観て、それ以外の映画もたくさん観て、とにかくいろいろな芸術に触れたあと、またこの映画に戻ってこよう
閉館間際にパンフレット買ったら店員さんが最後の一冊でした、と教えてくれた
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

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絶対忘れられない主人公の眼球 トレスポのユアン・マクレガーの比ではない、舟越桂の彫刻みたい でも絶対に意識されてるのはブレッソンの田舎司祭の日記 完全に同じ眼球
大きなものが持つ矛盾にこれだけ容
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ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カット(1969年製作の映画)

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これは名作だ 屈指及び不朽の
まず「実力を認め合う二人が訳あって追う側と追われる側になっている」の設定
「最後の西部劇」っていう映画史的な位置付けと、「こんな生き方はもうできない」という登場人物たちの
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.7

正義と法がぶつかるとき、暴力と暴力がぶつかることになってしまうのかと思う

主人公がしたことは圧倒的に正しいように思える、思いたい、だってこれはシンドラーのリストと同じことだし、「違法で安価の薬」がた
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