遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

-

これからたくさん彼女の映画を観て、それ以外の映画もたくさん観て、とにかくいろいろな芸術に触れたあと、またこの映画に戻ってこよう
閉館間際にパンフレット買ったら店員さんが最後の一冊でした、と教えてくれた
>>続きを読む

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

-

絶対忘れられない主人公の眼球 トレスポのユアン・マクレガーの比ではない、舟越桂の彫刻みたい でも絶対に意識されてるのはブレッソンの田舎司祭の日記 完全に同じ眼球
大きなものが持つ矛盾にこれだけ容
>>続きを読む

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カット(1969年製作の映画)

-

これは名作だ 屈指及び不朽の
まず「実力を認め合う二人が訳あって追う側と追われる側になっている」の設定
「最後の西部劇」っていう映画史的な位置付けと、「こんな生き方はもうできない」という登場人物たちの
>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.7

正義と法がぶつかるとき、暴力と暴力がぶつかることになってしまうのかと思う

主人公がしたことは圧倒的に正しいように思える、思いたい、だってこれはシンドラーのリストと同じことだし、「違法で安価の薬」がた
>>続きを読む

はなしかわって(2011年製作の映画)

-

物事の途中から始まって途中で終わる、線分ABでなく直線ABの一部を見届けた、いくつかの人生を垣間見た感じが新鮮に素敵だった、でも映画って全部そうじゃんと思い当たるまで含めて良かった

ポケットに20ド
>>続きを読む

落穂拾い(2000年製作の映画)

-

機械で農産物を収穫するようになった現代における落穂拾いっていう切り口の時点でもう興味深いし、後半はもう「映像を撮ることが私にとっての落穂拾い」だってフリーテーマじみていくのなんかちょっとズルいんだけど>>続きを読む

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

-

「生活」そのものへの愛おしさが思い出されるドキュメンタリー
夫婦の馴れ初めやどんな夢を見るかのインタビュー、ずっと聴いてたかった

観る人や観るタイミングによって、それぞれ別の印象に残る言葉や瞬間があ
>>続きを読む

わらの犬(1971年製作の映画)

-

仮にもタランティーノを好きとのたまうならこの監督を観とかなきゃいけない気がした
デスプルーフやワンハリの構造に近い ここぞというバイオレンスシーンでおしゃれな音楽がかかるのも
ただダスティンホフマンだ
>>続きを読む

誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)

-

ウディアレンを観て何か新しい知見や感情を得るとかではもうないけど、いろんな映画を観てたまにウディアレンの保証された作風に戻ってくることで、自分の映画との距離や向き合い方の定点観測になっています

とい
>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

-

こんな掴みどころのない作品を全員必見みたいなテンションで猛プッシュするフィルマークス良いな〜〜

見てて心地よい風景・何気なくシュールな人々・イカす音楽というやり口はジャームッシュ的に大好きなのだが、
>>続きを読む

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

-

生きてる世界の厳しさは違い過ぎるけれども、それでも二人の淡い繋がりには確かな光があった、ソ連版の小さな恋のメロディだった ラストも全然違うけど
ロシアは民主主義を経験したことがないって聞いてるけど、ど
>>続きを読む

ラブホテル(1985年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

相米慎二監督作品ということでロマンポルノだけど緊張しながら観てみた

童貞的妄想エモセックスストーリーもここまで突き抜けるとSFみたいな感じで面白い
赤く光る夜の灯台 切れた電話に心情を吐露し続ける
>>続きを読む

修道女(1966年製作の映画)

-

ジャック・リヴェットとんでもないな

まず今年の映画かと思うくらいの映像の綺麗さ
いくらでも見惚れ続けられる風景と構図の美しさ
そしてありえんくらい輝きを放つアンナカリーナ

蹴られ殴られ修道着がどん
>>続きを読む

ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

-

人と相対して会話や議論や喧嘩をするときは論理で相手を追い詰めすぎても悪いことしか起こらないけど、作品を観るときはコテンパンに逃げ場を断たれたときに「凄いもの観てる...」という気になるな 世界、どう>>続きを読む

レニー・ブルース(1974年製作の映画)

-

今のとこ、ダスティン・ホフマンが出演してる映画でダスティン・ホフマンの演技が圧倒的じゃなかったことがない

これほぼU-NEXTでしか観れない状態だけど、卒業とかレインマンくらいみんなが観てていいはず
>>続きを読む

71フラグメンツ(1994年製作の映画)

-

ハネケは毎度、本編が多くを語らないのに監督インタビューの情報量が多くて面白い

つねに「コミュニケーションの不可能性」をテーマにしてるっていうのはなんとなくわかるし、じゃあ全部観よ
断片しか誠実に描け
>>続きを読む

主婦マリーがしたこと(1988年製作の映画)

-

「空の色さえ気に障る」ってセリフ強いなあ
いつもの男性社会に甘んじるクソ夫の話かと思いきや妻が澄ました顔でそれを超えてくる狂いを見せて、最終的にはこの世界が狂っているよねというのはいつもの感じだった
>>続きを読む

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

-

どうしてこの世にいっぱいいるおじいさんたちの中でビル・ナイだけこんなに魅力的なんだろう 彼がいつかいなくなる時はほんとうに喪に服したくなるだろうな

ネッド・ライフル(2014年製作の映画)

-

17年かけて役者もそれぞれに歳を重ねてこんなキテレツなトリロジーを産み落とすの凄すぎ
膨大な量のレゴブロック使ってまだこの世には無いけど自分の頭の中にはある世界と物語をやりたいように組み立てたみたいな
>>続きを読む

The Stunt Double(原題)(2020年製作の映画)

-

縦長の映画っていかにも新時代って感じ デイミアン・チャゼルが監督なのも含めて
かっこいいアクションキメたあとキスする直前で本人に代わって立ち去るスタントマンの表情がよかった

フェイ・グリム(2006年製作の映画)

4.7

「ごみ処理員の男が才能を見出されて世界的詩人になる話」の続編が「その姉がフランスにスパイとして潜入する話」になるのあらすじの時点でも観終わった今も信じられない
自由すぎて滅茶苦茶面白かったから、余計信
>>続きを読む

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

-

そうそう、こんなテーマの作品を観たかったんだよねずっと、と思わせるのは単なる相性なのか作品の持つ力なのか
オリジナリティとポップさが美しく両立してる
しかもこれ三部作でスターウォーズみたいに親子に物語
>>続きを読む

ルル・オン・ザ・ブリッジ(1998年製作の映画)

-

死ぬほど好きな「スモーク」のポール・オースター×ハーヴェイ・カイテル再タッグ作品ということで観ました

内装もコーヒーも大好きなお気に入りのカフェの2号店があるらしいので行ってみたら、内装の雰囲気は全
>>続きを読む

カビリアの夜(1957年製作の映画)

-

ジュリエッタ・マシーナの憑依っぷりに釘付け 道を観た直後だから余計に、その演技の幅のウルトラワイドさに驚嘆

こんな結末、忘らりょか...
カビリアの「日々」じゃなく「夜」であることが、ううう
音楽も
>>続きを読む

(1954年製作の映画)

-

この映画で描かれる「不器用さ」がレビュー欄では「DV」と一蹴されていることに2021年を感じるし、おれもザンパノに情状酌量の余地は無いと思うほうの人間

それを差し引いてなおこの映画を素晴らしいと思え
>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

-

ゆっくりと時間をかけて観客を虚実混濁の沼に沈めていって、ちょうどつむじまで浸かったところでグイッと下から両足引っ張って沼底の竜宮城に連れて行く感じ

混沌を「混沌のまま形にする」のが才能だなと思うし、
>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

-

この映画が「傑作」「最高到達点」とか言われてることに、めちゃめちゃ心強い感覚、安心感がある だって全く合理的じゃないから 合理的じゃなくて良いんだよって背中押されてる気持ち 映画に救われるってこういう>>続きを読む

クライング・ゲーム(1992年製作の映画)

-

クリシェでないことには全く異論がないが、脚本賞獲るほどか?という印象

スモークとゴーストドッグで大好きなフォレストウィテカーが後半お預けで物足りないというのもある

3-4x10月(1990年製作の映画)

-

プロデューサーから指示される修正を全部無視したみたいな自由奔放な脚本 それが良かった、そこが良かったって思わせるところが北野武の鬼才さなのか

北野映画の、凄い痛ましかったり絶望的なのになんかおかしく
>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

-

「友達にノートを返しに行く」だけの話だけど、自分が8歳くらいの頃に確かに持っていた感覚、遂行すべきことに対してなす術が無いのにどんどん辺りが暗くなっていく焦燥感、ただでさえ今持ってるタスクだけで泣きそ>>続きを読む

イゴールの約束(1996年製作の映画)

-

ロゼッタに比べて幾分説教臭いけど、その分判りやすく余韻が残る、でも判りやすい分 観たあとのゴチャゴチャした気持ちが少ないから、ロゼッタの方がこれからも思い出すだろうな

FLIRT/フラート(1995年製作の映画)

-

もしかしてハルハートリー、二階堂美穂と付き合って日本語学び始めて、「曖昧」って言葉のなかに「愛」入っとる...面白...ってなったのかな

「決断する」のが本当に正しいことなのか、っていうテーマまえに
>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

-

こういう「心底殺したくなるクソな奴を、法や世間体を無視してボコボコに殴り倒す」映画、ずっと待ってたな〜〜30年以上前にあったとは、
一方通行を守る部下にキレるとこ、性格を端的に表しすぎていて美しい
>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

-

レベルが違いすぎる
今更ながら思い知った
幼少期ほとんど映画観ずに育って芸人で名を成した人間が、40代で映画撮り始めてすぐに黒澤・小津と並び称されるって、全く意味がわからない、今更だけど
個人的にはテ
>>続きを読む

愛・アマチュア(1994年製作の映画)

4.8

ひとつの映画に、死ぬほどカッコよく且つとんでもなく可愛い女性が完全に別のタイプでふたり出てくることなんてあるのかよ
グルーヴで満たされ続けている映画

アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

-

低予算でも脚本の強さで「評価されやすい」作品をつくってデビューして、予算が降りた二作目でポジションを確立して、三作目ではもう好き放題やったらそこにファンがついてくる感じ、
三作目のシンプルメンがやっぱ
>>続きを読む