遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

エヴァ破の「行きなさい、シンジ君」を時たま思い出してオイオイ泣く人間なのでペギー・スーの「歌え、ベル」でパンチを食らった
どう考えてもやるべきでないことを、周りの人に反対されまくってもやる、と決める瞬
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

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シンプルで分かり易い かつ 救いが無くて悲し過ぎる って逆に今までそんな観たことなかった気がする

人が死ぬわけじゃないし、引き裂かれるような別離があるわけではない
ただ貧しく、ただ醜い、でもこの醜さ
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ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

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映画というものに触れ始めた頃はとにかく脚本の緻密さにだけ着眼していて、名作といえばとりあえずバタフライエフェクトみたいな今思うと赤面案件な感性だったけど、これは本当に久しぶりに純粋な「すごい脚本」とし>>続きを読む

フルートベール駅で(2013年製作の映画)

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ライアン・クーグラーという監督が、たったひとつこの作品を作ったすぐ次にロッキーの続編を任され、その次にはもうマーベルを任されて、と百段飛ばしで映画監督街道を駆け上っていく理由が本当に分かる

実際に起
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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積年の恨みをぶつける復讐のクライマックスのところで右後方から明らかにスースーと寝息が聞こえてきて、映画終わって照明点いたときにもしその人がおっさんで 近くの席の女性にボコボコに殴られてたらちょっと面白>>続きを読む

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1度目 2020/1/24

2度目 2021/7/12 @新宿武蔵野館  

今生の別れの際を「握手する直前で出した手を引っ込める」という「からかい」で終えること、これはもうジャームッシュの哲学、人
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At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ド真夜中に眠たいまま友達と観始めたけど、最後まで手叩きながら大笑いし続けられる最高の作品でした、純粋な会話劇でずっと惹きつけられるっていちばん強度高いよな...

でも笑いながらふと、「実は同性愛でし
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

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物語を効率よく進めるために、それぞれの登場人物たちが分かりやすい性格のもとに無駄のない展開を生み続けて、ただただ起承転結した
ウィノナライダーはそこら辺に居てはいけない美しさを放っていた
警察の人は
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トラフィック(2000年製作の映画)

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お話として練り込まれてて面白いうえに見せ方も考え抜かれてて飽きることなく長尺を観れた、なのに この監督を追おう!とは別に思わない不思議 ソダーバーグ オーシャンズも面白くなくはないけど なんでだろうな>>続きを読む

座頭市(2003年製作の映画)

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公開当時小学生だったけど、テレビで毎回変な仮装して親父ギャグばっか言うベテラン芸人の立ち位置のおじさんが、映画を撮って自分が主役でしかもそれが目が見えない武士ってのが普通にどういうこと??だったな>>続きを読む

ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

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今日はタルコフスキー漬けの日にするつもりだったのですが、
アンドレイ・ルブリョフで3時間
僕の村は戦場だったで1.5時間
フルで寝てしまいました
最初から最後まで観れたのは短編のこれだけでした
脳の
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

初タルコフスキー
wikiでさらっとあらすじ読んでおいただけでも全然違った、難解で話についていけないということはなかった
いかんせん長すぎて眠くなるという前評判はまあその通りではあった、でも165
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

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すべての映画は映画館で観た方が良いけど、もしグランドシネマサンシャインscreen12で好きな映画を1本観ていいと言われたらこれ、かもしれない

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

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漆黒ユーモア ギャグの向こう側が見える
 
この映画の存在じたいが「たちの悪い冗談」になっていて、それが大評価されてパルム・ドールまで獲ってるの 芸術の無限の力みたいなものを感じる
パルムドールってど
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蒲田前奏曲(2020年製作の映画)

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渡辺紘文フリークとして鑑賞

1.2.3と積み上げてきた連作オムニバス企画の趣旨を全部破壊するような4 それを最悪と捉える向きがあるのは分かるし、これこそが複数作家のつくるオムニバスの醍醐味であると
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バスターのバラード(2018年製作の映画)

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6話のオムニバスで全部違う趣で面白いって、かっちょいいなあ

1話目のタランティーノ感満載のしゃべくりとバイオレンスでまず嬉しくなってきちゃったし、2話目は展開もショットもオチもオフビートのお笑いとし
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クレールの膝(1970年製作の映画)

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この後どうなるんだってずっと前のめりで観てたし、何回も声出して笑えたしロメール作品の中でも完成度高いほうの名作だと思うけど、最後におっさんは陰嚢に銃弾二発ぶち込まれるくらいのデスプルーフ展開じゃないと>>続きを読む

紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

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内容は習作レベルの他愛も無いものだけど、ロメール監督・ゴダール主演だから映画史的に名が残ってるんだろう、そういうポジションにある事象 多分他にもあるよな〜コレ!って例を見つけて満足したい
ゴダールは演
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グロリア(1980年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

グルーヴを帯びたカットがひとつあればその映画は傑作だと思える、それが最後のシーンに配置されてたらもうそれ以上最高なことはない 墓の入り口に停まった車から出てきたグロリアがこっち見てニヤッとする瞬間 ジ>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

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今まで観たロメールの中で男の精神的ダサ具合がいちばん強かった
感情の微妙なありようを表情や些細な行動やちょっとした台詞の言い方で表現するのが恋愛ものの醍醐味だとしたら、主人公の脳内ひとりごとをナレーシ
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ある現代の女子学生(1966年製作の映画)

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ディスカバリーチャンネル・自然生態ドキュメンタリー【フランスの女子学生編】って感じだった

パリのナジャ(1964年製作の映画)

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海外に比べて日本の大学生はろくに勉強もせず怠惰と恋愛に明け暮れまくっているとよく批判されるが、フランスもめちゃくちゃそうじゃんと確認できた ロメール観てて薄々は感じてた

アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

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こういう、人生観そのものみたいな映画にいくつも出会っていきたい

途方も無くかなしい出来事や、自分で自分の命を絶つことも、誰かと誰かが心の底から憎み合うことすらも なにもかも同じ俎上に載せて、人生は素
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おいしい生活(2000年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

友達がシナリオスクールでコメディのお手本として観るように言われたらしい、確かにこれは滑稽を生み出す仕組みが非常に明白で分かり易い
主人公の良からぬ企みが思わぬ方向に展開してなんだかんだで収束する、
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

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傑作 かじりついて観た2時間半
全事象に当てはまるので意味のない感想だけど、これも「そして人生はつづく」

比べるものじゃないけど、ジーナ・ローランズの狂っていくグラデーションの圧倒的表現力はエドワー
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インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

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相変わらず訳は分からないが、リンチの映画には「自分が理解力に乏しいからついていけてないんじゃなくて、もともと訳が分からなくつくられているので大丈夫」の謎の安心感がある なので3時間飽きることなく混沌に>>続きを読む

mellow(2020年製作の映画)

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今泉力哉が「好きってなんだろう」「告白した方がいいかな」「でも恥ずかしいし...」みたいなセリフを延々と書いてるのを見ていると元気が出てくる 中学生も20代も70代もまったく同じように恋愛をしている世>>続きを読む

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

面白いし台詞もいちいち効いてるから飽きなかったけど、性欲しかないカス不倫上司もそんなやつを愛し続けちゃう私...なヒロインも、そういう奴らに部屋を貸し続けて昇進をねらう主人公も全員なんかイヤだったな >>続きを読む

サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

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観ながらずっと なにがホドロフスキーが商業を意識した分かりやすい映画だよ 通常運転の畸形と血まみれのカオスじゃないかと思ってたら、開始100分後に明確に「これはなんの映画なのか」分かる場面があって、そ>>続きを読む

菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.7

そんじょそこらの「エモ」じゃない、大量生産のノスタルジーじゃない
ああなんかまんまと安く泣かされたな、っていう映画もあるが、この映画は心から気持ちよく泣かせてくれた ヤクザ映画だけじゃないのかよ北野
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14歳の栞(2021年製作の映画)

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35人の生徒たちの中に自分の人生と向き合ってない人が一人もいなくて、持って生まれた自分のパーソナリティでどう生き抜いていくかの「人生観」がそれぞれ全く違うかたちで存在していた、そりゃそうだよなと思った>>続きを読む

星の子(2020年製作の映画)

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何かを信じることは、別の何かと断絶することと必ず抱き合わせなのだろうか

岡田将生の女子中学生に激モテ教師役がすごくハマってた 性格の悪いイケメンに心無いことを言われて傷ついても 傷つきをドキドキと勘
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希望のかなた(2017年製作の映画)

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カウリスマキ引退するなんて言わないで、と思ってたけど、このラストシーン見たら これは「カウリスマキ映画のラストシーン」だと思えるような説得力があった いち作家の20作近いフィルモグラフィの結び方として>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

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英国貴族社会版スカーフェイス

飛び抜けて異色作かつ大傑作みたいなのをふたつ連打したあとにこういう、丁寧に淡々とひとりの人生を描くクラシックな正統派/正攻法で3時間中弛みさせない作品出してくるの、キュ
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復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

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初パク・チャヌク
二つの復讐が同時に進行して、違う違うそうじゃないよ、という方向に絡まってもつれて悪化していく感じ、ファーゴっぽかった タイトルも良いな
バイオレンスだけど全体的にスローな感じもあんま
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秋のソナタ(1978年製作の映画)

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名字が同じだからって意気投合した大監督と大女優が企画立ち上げて、いざ監督が書いてきた脚本が大女優の実人生の不倫話をもろ題材にしてて撮影で喧嘩になるの面白すぎ

というエピソードを知ってて観ても白熱の演
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