遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

満月の夜(1984年製作の映画)

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今日でロメールが3つ配信終了してしまうので大急ぎで観始めた

ひとりを真剣に愛していることと、不特定多数と遊びたい感情が偽りなく同居して自分も周りも振り回していくさまをパスカル・オジェがナチュラルに演
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

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「天はすべて許し給う」へのオマージュとしてつくられた作品ということで続けて鑑賞
たくさんの人が言ってるけど撮り方も演出も映像の質感もめちゃくちゃカウリスマキだった カウリスマキがこれにめちゃくちゃイン
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天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

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「メロドラマ」ってなりふり構わずこっちの感情をかき立ててくるもの、ってちょっと低俗な印象を勝手に持ってたけど ダグラスサークのメロドラマを観ると「いやおうなしにこちらの感情をゆさぶってくる」ことはむし>>続きを読む

チ・ン・ピ・ラ(1984年製作の映画)

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あたし、ヤクザ映画は好かんけど、チンピラ映画は性に合うかも!!!そういえばポルノの横浜リリー大好きだしな
権力に従うか逆らうかじゃなくて、適当にマイペースにヘラヘラ生きてたいやつらなので良い その感じ
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県警対組織暴力(1975年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ヤクザものの傑作ということで観てみた

マジで台詞聞き取れんからなんとなく楽しむしかないか...としょんぼりしてたら中盤の梅宮辰夫登場でグッとのめり込んだ 公明正大な警察官役だからまともな日本語で台詞
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雨月物語(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら溝口作品初鑑賞

結局「欲を出して大事なものを失いかけ、すんでのところで我に返ってもとの暮らしに戻って幸せを噛みしめる」っつー百番煎じの話をしっかり丁寧にやっただけじゃん、なんか独自性と
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白い馬(1952年製作の映画)

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赤い風船と合わせて観て、やっぱり思い出すのはジャンヴィゴだな 人の、動物の、自然の躍動をカメラで捉えることそのものの幸福みたいなやつ

赤い風船(1956年製作の映画)

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お父さんから色々指示されてカメラの前で走ったりもみくちゃにされたりして出来た35分の映像が、アカデミー賞脚本賞という賞を獲ってそれがめちゃくちゃ凄いことってパスカルくんはいつ認識したのか気になる

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ピクニック(1936年製作の映画)

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絵画的な美しい構図の良さはあまり感受できなかったけど、40分でこのエモーションを描けているのは素敵 福山雅治のはつ恋

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)

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素晴らしき哉人生とかWonder君は太陽とか、★4.3で感動系の作品は基本疑ってかかるのだが、これはまごうことなき強度・濃さ・完成度のドラマだった

2時間尺で4人ともにちゃんとした葛藤と物語が与えら
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

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今までいくつか「虚実入り乱れる」作品を観たけど、この作品の域に達するものはそうそうない、製作途中だったドキュメンタリーを放り出して、好機を逃さずこれに取り掛かったキアロスタミに拍手

裁判の記録映像で
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

初ファスビンダー
演劇畑のひとがつくった「室内」「会話劇」なのに、めちゃくちゃに映画的 カメラワークが計算され尽くしている

ストーリーもひたすら「嫉妬に狂っていく」だけ、本当にそれだけなのに、感情の
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彼女(2021年製作の映画)

3.9

filmarks試写会で鑑賞

物語を動かす「立ちはだかる障壁」が「同性愛」じゃなくて良かったな この逃避行は同性愛ゆえに成立してるんじゃない、同性愛を利用したお涙頂戴ではなかった

140分超を最後
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ジプシーのとき(1989年製作の映画)

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この監督にしか出来ないことがあるんだろうなと思わされる
ジプシー版グッドフェローズ、スカーフェイスとひとことで言っちゃえばそうだけど、悲しいシーンでも喜ばしいシーンでも関係なく流れ続けるこのジプシー音
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

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どんな過激な暴力や胸糞描写でも観客は安全圏に居て遠巻きでそれを楽しんでいるだけ、という当然の事実をメタで剥き出しに突きつけてくることで、逆説的にマジの一瞬ほんの少しだけこちらの安全圏が揺らいだのかもし>>続きを読む

BROTHER(2000年製作の映画)

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北野映画を観てなかったらそうとは知らずに北野映画の劣化コピーみたいなものつくってたかも 

毎回ほとんど同じキャラたちの似たような話な気がするのに 毎回食い入るように観ちゃうこのパワーはなんなんだ..
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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とびきり楽しいイベントにいつでも無条件で入場できる「若さ」というチケットを失ったあとの人生をどう続けるのか、「自殺」という選択が最も好ましいと心から思えてしまったときにどうするつもりなのか、本当の孤独>>続きを読む

の・ようなもの(1981年製作の映画)

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「君たちはどう生きるか」というしちめんどくさい問いに対して、僕たちはもとからシンプルで明快な答えを持っていて、それは言語化が難しいから他人との共有ができなくてややこしいけど、映画という形態なら103分>>続きを読む

挑戦(1969年製作の映画)

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スペインの若手監督のオムニバス
「男女4人」「アメリカ流の生活」「暴力」という共通のお題


①クラウディオ・ゲリン

庭で転がして遊ぶ巨大なボールが完全に草間彌生だった


②ホセ・ルイス・エヘア
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テロルンとルンルン(2018年製作の映画)

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最初から最後まで想定の範囲内に収まる、教科書の言う通りにつくってみましたみたいな49分だけど、しっっかり教科書の言うことを聞いて丹念につくれば傑作とはいかずとも良作にはなるんだな

台詞の少なさが良い
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ゾッキ(2021年製作の映画)

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めちゃくちゃ面白かった
映画館でバイトしててよかった

中学生くらいのときに観てたら「クラスの奴らは知らない面白さをおれは知っている...」という悪性の自尊心が芽生えていただろうことが容易に想像できる
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パパは、出張中!(1985年製作の映画)

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とうとうクストリッツァを観始めた

「哀しみ」にささやかに対抗するためのおふざけじゃなくて、 いかなる状況でもふざけたら愉しいぞ、というラディカルな人生賛美を感じたような
チャップリンの哀しいコメデ
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イヴの総て(1950年製作の映画)

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身の毛もよだつ大傑作だ

同じバックステージもので同じく大傑作のサンセット大通りとバトったこの年のアカデミー賞凄いな
30.40年代の映画をこれからめっちゃ観るぞ

よく考えたらオチの付け方はド定番だ
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

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ふたりの関係について「他人がとやかく言うべきでない」のは本当にそうだけど、「とやかく言われた」ことでふたりの関係を見つめ直すきっかけになったりするのだからとやかく言うのも悪くないのか、これは現代の我々>>続きを読む

僕の好きな女の子(2019年製作の映画)

4.7

観終わったとき、上野とか六本木の美術館から出た時みたいな感覚になった、いつも暮らしている街の景色のぜんぶに風情があって愛おしいように思えて、その中を余韻に包まれながら物思いに耽りながらゆっくり歩きたい

脱出(1944年製作の映画)

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結ばれちまえばカップルなんてみんなお似合いだろう、と思ってるけど、このふたりはさすがにベターハーフという概念で説明したくなるな

マッチ擦るだけでどうしてそんなにカッコいいのか プライベートでもそうな
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羅生門(1950年製作の映画)

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語り手が替わると語られる内容も変わる、という原作の独自性を全く損なわず、映像として昇華し切ってると思った

志村喬って大杉漣に似てる?時系列逆だけど

シーク(1921年製作の映画)

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砂漠の戦闘と寝室の取っ組み合いがクロスカットしてラストミニッツレスキューでシメるのは分かりきってるが、そこに三つ目のシーンとして大規模なダンスもちょいちょい映るのが面白かった
あの時代・あの字体のアメ
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

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好きな人とうまく接せなくてかけてるレコード叩き割る人間になりたい うつくしいので

世にも奇妙な物語でたまにある感動話の2時間版という感じ ジョージ・ベイリーみたいなストレートで自己犠牲な性格の人生は
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In Gefahr und größter Not bringt der Mittelweg den Tod(原題)(1974年製作の映画)

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邦題『危急の際に中道は死』
カッコいい

ヴェンダースとヘルツォークの代表作をいくつか観ただけでニュー・ジャーマン・シネマの履修を終わらせないために鑑賞 早くファスビンダーも観る!

こういう前衛な映
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超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(1984年製作の映画)

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シリーズ全部観よう!とまではならなかったけど、非常に個性的な作品に思えてとても面白かった

修羅場のシーンが状況もセリフもあまりにも教科書の例文みたいなTHE 修羅場すぎて笑えたのだが、他にも何人も声
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地球はお祭り騒ぎ(2017年製作の映画)

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プールサイドマンと同じ方法論で真逆のハートウォーミングに突き進む

自分の実人生で待っているイベントにうまく創作を混ぜて映画的物語にして撮っていくの面白すぎる、やってみたい

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

世界をまるきり破壊してでも逢いたい人がいる、って世界一幸せなことだと思うし、そんな物語がこんなふうに受け容れられているこの世界にはとても好感が持てる


2021.6.26 2回目!@TOHOシネマズ
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三つ数えろ(1946年製作の映画)

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まず非常に印象的だったこととして

・開演前に男子トイレで長蛇の列が出来ていた
・ボギーの別に大したことないちょっとしたジョークにみんな声をあげて笑っていた
・劇場内になんとなく加齢臭がみちていた
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

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感動した共感した以上に、脚本が良すぎて普通にちょっと泣いた

会話過多でひねくれてて常に自己言及でそれで恋愛がうまくいかなくてって「完全に」ウディ・アレン のはずだけど ウディ・アレンの役回りをやって
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叫び声(2019年製作の映画)

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映画にしたら眠くなっちゃうような1週間を、繰り返し繰り返し送り続けている人
だから観ててちょっと眠くなる瞬間に映画としての体験がある と勝手に思う

タル・ベーラっぽい、ジャームッシュっぽい、あと誰っ
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