紫亭京太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

紫亭京太郎

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ストリート・オーケストラ(2015年製作の映画)

3.3

美しい音楽は、それが例え残忍凶悪なギャングであっても、その心を動かす力がある。世界一のスラム街で少年少女達のオーケストラが巻き起こした奇跡が、世界中にもっと広がればいいのにとは思うが、その音楽の力をも>>続きを読む

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)(2016年製作の映画)

3.0

移転問題に揺れた当時の築地市場。日本が世界に誇る和食文化の礎を支える人々の生きざまに思いをはせていれば、あんな無惨な移転プロジェクトにはならなかったことだろう。“魚食文化”の担い手達の誇りと使命感が胸>>続きを読む

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

3.0

イーサン・ハントに次ぐトム・クルーズ渾身アクション・キャラクターは、元陸軍少佐の退役兵で安住の地を持たないアウトローながら、軍の不正に敢然と立ち向かう硬骨漢で、ジェイソン・ボーン程の絶対的な無敵さがな>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.5

時の政権に阿る司法の姿に憤りを覚えるのは、日本だけではないという事実のみならず、日本より遥かに民主主義が根づいていると思えるアメリカでも、やはり政権寄りの司法の横暴があるとは、三権分立とは果たして正し>>続きを読む

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

3.0

小学生の時に観た「ミッドウェイ」の記憶にある部分について再確認できたと同時に、米軍英雄譚として興味深く観ながら、ミッドウェイ海戦について新たな情報がインプットされた、エメリッヒ流太平洋戦争記録映画。>>続きを読む

ひとくず(2019年製作の映画)

4.3

粗削りな風合いの物語はクズな人間続出でドン底を這いずり回るような空気感のなか女の子の表情が“生き返っていく”ことに救われていく上でのラストがキツい。そこからの“更なるラスト”で涙腺決壊の観客がそこかし>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.0

金に困ってインド製慢性骨髄性白血病治療薬の密輸に“手を染めた”強壮剤売りの男が、高額な治療薬代に苦しんできた患者達を相手に大儲けして、警察に捕まる前に“売り逃げ”るも、密輸治療薬が切れて重症化した白血>>続きを読む

アボカドの固さ(2019年製作の映画)

3.7

5年付き合った彼女に突然フラれた前原は、復縁を諦めきれず、いつもつるんでる連中に愚痴ったり相談したり、1ヶ月待つことにしたり、風俗嬢の体験談に感化されて1ヶ月を待ちきれずに自宅に押しかけてみたり、とに>>続きを読む

星の子(2020年製作の映画)

3.4

両親が怪しい宗教に帰依していたとしても、注がれてきた愛情の強さ故に、心優しい少女へと成長を遂げた娘が、オトナの階段を上り始めると同時に、両親を見守る強さと慈しみ深い愛情を身につけていく、温かくも決して>>続きを読む

人数の町(2020年製作の映画)

3.5

借金取りから追われているところを見知らぬ男に助けられた蒼山が連れられて来たのは簡単で単純な作業を行うだけで衣食住が保障されSEXも自由な「居場所」だったが果たしてそれはユートピアかディストピアか?大量>>続きを読む

シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人(2013年製作の映画)

3.5

経済に目覚めた“アラナイ”政治運動家ばあちゃんコンビの、人生の積み重ねがもたらす怖いもの無しの突進力に拍手!
そんなばあちゃんを恫喝する謎の紳士に、経済成長絶対主義者の正体が見えて悪寒と嫌悪が交錯する
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カウントダウン(2019年製作の映画)

3.0

自分の余命が表示されるアプリ「カウントダウン」をゲーム感覚で何の疑いも持たずダウンロードすることで生まれる惨劇を描くイマドキの風景に織り込まれたオーソドックスなスリラー。
短い余命が出た若者が次々怪死
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ソワレ(2020年製作の映画)

3.8

役者として芽が出ず、かといって努力するでもなく「オレオレ詐欺」の片棒を担いで暮らす翔太が、故郷の高齢者施設で働くタカラと出逢うことで、人生が動きだす。
現実から逃げ続けてきた男に、辛すぎる現実を生きて
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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLD(2015年製作の映画)

2.5

終盤における巨人の“反復・応酬”によるたたみかけるような大激戦は、樋口監督の真骨頂!これはガメラの復習かゴジラの予習か!?
観賞目的が達せられてスッキリはしたのだが、この“巨人の秘密”は原作と同じなの
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私たちのハァハァ(2015年製作の映画)

3.3

Twitterで自分達が応援するミュージシャンのグループと繋がれると思う発想がイマドキ。青春特有の無鉄砲と無計画と瞬発力と突進力を、ハラハラしつつも応援しながら見守る自分は、完全に親か学校の先生目線。>>続きを読む

水面のあかり(2017年製作の映画)

3.0

行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらずと言うけれど、手繰り寄せられるように繋がっていく「縁」は、人が皆「時間」という大きな川を行く存在であるから得られるものかもしれない。
かつて結ばれていた絆
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

市議会議員の政務活動費の不正を徹底的に追及し、14名もの議員が辞職することになった富山のローカルテレビ局・チューリップテレビの記者とテレビキャスターの活躍にはワクワクするが、思いもよらぬ結末に思わず「>>続きを読む

Daughters(2020年製作の映画)

3.3

仕事も順調にバリバリこなし、自由気ままな暮らしを謳歌していたルームメートの二人だったが、一人が妊娠したことで大きな波紋が起きる。
戸惑い、時にはぶつかり合いながらも、決して壊れることのない友情で、共に
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.3

タイムトラベルや「タイムリープ」といったSF作品によくあるタイムトラベルではなく、時間を“逆行”するという物理学的な理論に基づいた、ある種の時間をコントロールする装置が発明されたことから巻き起こる人類>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.5

脱出と玉砕。撤退と転進。そら日本が勝つわけがない。自分達が始めた戦争に若者を行かせたと兵士救出に向かう民間船船長。最後まで任務を全うする英軍将校とパイロット。仲間を思いつつひたすら帰国を目指す兵士。声>>続きを読む

あさがくるまえに(2016年製作の映画)

3.5

リアル過ぎる心臓の映像に圧倒されるとともに、命が繋がる様子をまざまざと見せつけられて、正に胸を打つ。脳死について、我が事のような現実感を持って考えさせられるが、重すぎることなく軽すぎず、冷徹さの無いヒ>>続きを読む

起終点駅 ターミナル(2015年製作の映画)

3.0

列車の辿り着く先は終点だが、そこはまた出発駅でもある。終点に逃げ込んで留まってしまうのは男。終点に辿り着いても、そこを起点に出発するのは女。
「男っていうのは、どうしようもないな。それに比べて女はみん
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ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(2016年製作の映画)

3.0

ブリジットももうアラフォーか…と会社の同期・後輩を見守るような感覚になるシリーズ最終章は、大団円に一応の結末を迎えるも、もしやまた一波乱起こるかも!?とか思わせるラストも愉快♪
個人的には、この結末は
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

1.0

作った監督が頭おかしいのか、ワケわからなくなる観ているこちらが頭おかしいのか、ともかく観ていると気が狂いそうになってくる、恐らく何のテーマもイデオロギーも持たず、純粋に映画を作るということをひたすら“>>続きを読む

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)

3.3

「事故物件」について勉強になる幽霊・悪霊系ホラー。
全く解決しない、苦味が残るザラついたラストに、「リング」以来、クセになる感じのジャパニーズホラー・アトラクションムービー♪
それにしても松原タニシが
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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019年製作の映画)

4.3

「無認可」を巡る攻防の末に施設が守られたのは、“男たち”の情熱であると同時に、“熱意”の無い国自身である皮肉。
無認可の団体を許していたら、違法や不正を働く悪質な団体ができると主張する役人には、そもそ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.3

なんとなく家族の中で居場所が見つけられずにいた少年がスケボーを通して“仲間”を得ることができたことで自らを解放して自分らしさを身につけていく。
90年代の音楽シーンを織り混ぜながら展開するストーリーな
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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(2017年製作の映画)

3.0

呪われた身を転じて“生ける神”という最強のキャラを獲得したトム・クルーズは、ハリウッドでの地位を盤石のものとしたのではなかろうか!
(そんなこたぁない〈タモリ風〉)
悪魔に身を売ったとはいえ王女が切な
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ムカデ人間3(2014年製作の映画)

2.0

小学生が大好きな下ネタをベースに、中学生が興味津々なエロネタを巻き散らかして、映画好きな高校生や大学生の一部がカルト的に熱狂しそうな展開の、常識的な大人からは確実に蔑まれて非難される、極限インモラルム>>続きを読む

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

4.8

余命半年を告げられた大学教授のリチャードが良き夫良き父親良き先生として真面目に生きてきた人生を大転換し自由奔放に過ごす最後の時間を追う。
同世代のジョニデの姿に感情移入が半端なく自分に訪れる「人生最後
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.0

21世紀の「アメリカン・グラフィティ」は酒タバコにドラッグまで登場しディープキスもさりげない光景になるところが今ドキながら同じ年頃の子供を持つ親には気が気でないかもしれないなどと変な目線でも観てしまう>>続きを読む

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)

4.5

バングラデシュ難民の少年がいかにしてフランスでチェスの王者になることができたのか。「たまたま」を繰り返しタイミングの良さが重なり「そんな上手いこといくかいな」とツッコミを入れたくなることが次々起きて奇>>続きを読む

ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.7

田舎町のバンド仲間三人組は練習もそこそこに今日もばか騒ぎに浮かれる最中に一人が死んでしまったことから巻き起こる騒動が、サスペンスを生み出すと思いきや苦笑失笑の渦を発生させるのは、ひとえにその死因に起因>>続きを読む

ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

3.8

同僚の不正を目の当たりにしたがために警察から追われるハメになり、しかも裏社会とも繋がっていた仲間の警察官から麻薬の売人を殺した犯人にされてギャングからも命を狙われるというとんでもない状態に陥った新米女>>続きを読む

ぐらんぶる(2019年製作の映画)

3.0

学生の時にしかアホなことはできないのだからアホなことをすべきと考える派の自分は学生時代に大概アホなことをしてきたからだろうが、アホなことをした時間というのは後々ある種の“豊かさ”に繋がることを認識して>>続きを読む

劇場(2020年製作の映画)

3.0

永田の“どうしようもなさ”には男として共感はできるが、“どうしようもなさ”を乗り越えられるかどうかは、自分のことをどれだけ直視し客観視できるかどうかにかかっていることを再認識した。男の“どうしようもな>>続きを読む