マグロさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

のらくら兵(1928年製作の映画)

2.8

兵役コメディ。

ルノワール長編4作目。
詩人とその召使いが入隊するところからはじまるドタバタ劇。

チャップリンやらのアメリカのコメディの影響が大きく、模範的なサイレントコメディという感じの出来。
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女優ナナ(1926年製作の映画)

2.7

史上最も魅力のないファム・ファタール

ルノワール単独長編監督2作目。
主演はもちろん奥さんのカトリーヌ・エスラン。
娼婦上がりの舞台女優ナナが権力者を籠絡しまくってスターダムにのし上がる話。

絢爛
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処女ゲバゲバ(1969年製作の映画)

3.3

スタンフォード監獄実験in荒野

ヤクザのボスの女に手を出して駆け落ちした星と女は手下たちにあえなく捕まってしまう。
が、ボスの謎の命令で星を殺す前に1日ボス体験させてもらうことに。
しかし星は女を置
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桃太郎 海の神兵(1945年製作の映画)

3.1

ガキンチョ洗脳ムービー

第二次世界大戦中に作られた日帝のプロパガンダアニメして、日本初の長編アニメーション作品。

桃太郎日帝軍が鬼ヶ島にすむ鬼畜米英をぶちのめす話。
クオリティはめちゃくちゃ高いの
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吸血怪獣 チュパカブラ(2011年製作の映画)

3.4

「お前が姉を捨てて街に出たせいで姉は自殺した!お前のせいだ!!」
「ちがう!街に出たのは医者になるためだ!!」
「お前なんかが医者になってどれほどの命を救えると言うんだ!!」
「ちがう!ヤク中の患者を
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プティ・カンカン2:/クワンクワンと人間でないモノたち(2018年製作の映画)

3.3

さらにめちゃくちゃ。

フランスのシュールドラマ。
前作はサスペンスで今回はSF。
空から謎の黒いベトベトが降ってきて、みんなクローン出産する話。

すべてが理解の外すぎてさっぱりわからない。わからな
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ハードスプラッシャー(2008年製作の映画)

3.5

出産中に死んだ妻と赤ん坊を黒魔術で蘇らせようとする話。

色々イカれててすごい。
グロはバリエーションに富んでて素晴らしい。顔面グッチョグチョになったおじさんのビジュアル最高。

黒魔術の儀式の装置に
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.1

交際する孤独

主人公の映画監督のアンナが旅をしていく中でさまざまな人と対話する話。

バツイチ男の家に招待されてひたすら前妻の話を聞かされたり、彼氏の母親に会って結婚しないか打診されたり、電車で会っ
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.5

負のスパライラル

アホ菅田君をひたすら楽しむ映画。
菅田君がほんとアホで可愛い。ここまでアホな役の菅田君もなかなか珍しい。

池脇千鶴がめちゃくちゃ悲しそうな顔でオトンの手コキしてるシーンアホみたい
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蝶採り(1992年製作の映画)

4.1

田舎のお城に住んでるおじいちゃんおばあちゃんたちがいっぱい出てきてわちゃわちゃする話。

お城買いたい日本人の日本語がなかなかシュールで楽しい。(財)
おばあちゃんたちは多すぎてどれが誰だかこんがらが
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サタンの書の数ページ(1919年製作の映画)

2.6

【1つの主題、4つの語り】

そなたの悪行をつづけよ!

神により人々を誘惑し続けることを宿命されたサタンの哀しみ。

キリストの処刑、中世の異端審問、フランス革命での処刑、ソ連により侵略されるフィン
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カトリーヌ(1924年製作の映画)

3.2

ルノワールの共同脚本・監督デビュー作。

小間使いのヒロインが行く先々で酷い目にあって追い出されたりしてたらなんやかんやあって元の主人といい感じになる話。

センスは既にルノワール。
パレードとご主人
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裁判長(1918年製作の映画)

3.8

【フラッシュバックによる入れ子構造】

カール・ドライヤーの監督デビュー作。
一族の罪と償いをテーマとしたメロドラマ。

父親のフランツ・ヴィクトルは由緒ある家柄にもかかわらず、平民主人公の娘を妻にす
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二人のブルディ(1929年製作の映画)

3.5

怒りの道化。

エイゼンシュタインの先輩で、ソビエト流モンタージュを初めに探求した監督による革命映画。

時はロシア革命真っ只中。サーカスのピエロ役の父ブルディは息子のブルディに跡を継がせるべく「2ブ
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スケアリー・アトラクション(2019年製作の映画)

3.5

難解前衛デスゲーム。

謎のアトラクションに取材行ったらソウが始まる話。
もうめっちゃくちゃ。ソウを模したデスゲームと、ファイトクラブみたいなボクシングのシーンと、アーー!!ってなくおばちゃん幽霊(♂
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城の中の城(1954年製作の映画)

2.7

カール・ドライヤーの文化映画八作目。

シェイクスピアの劇の舞台にもなった城とその大元になったクローオン城のドキュメンタリー。
元あった城の形に沿って城を建設したため城in城になってしまったクロンボー
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ストーストレーム橋(1950年製作の映画)

3.6

カール・ドライヤー短編文化映画七作目。

ドライヤーの文化映画の中で最も物語性が希薄。橋をこれでもかと堪能する作品。
ストーストレーム橋は当時世界最長のまさにデンマークの誇りであった。
直線と曲線で構
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トーヴァルセン(1949年製作の映画)

2.8

カール・ドライヤーの文化映画六作目。

デンマークの彫刻家、トーヴァルセンを題材に扱った作品。
トーヴァルセン当人というよりはあくまで彼の作品のディテールに焦点を当てている。
古典的で神秘的なトーヴァ
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彼らはフェリーに間に合った(1948年製作の映画)

3.4

カール・ドライヤー唯一の半ドキュメンタリー、半劇映画。

デンマークの作家、ヨハンネス・V・イェンセンの短編集「神話」収録の「彼らはフェリーに間に合ったか?」原作。
フェリーに乗るためにアホみたいにバ
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癌との戦い(1947年製作の映画)

3.1

カール・ドライヤー短編文化映画四作目にして、黒歴史的作品。

癌協会の依頼によって作られた広報映画。
ある女性がなぜ若くして死んでしまったのか、というところから始まる癌予防の広報。

内容としては特筆
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村の教会(1947年製作の映画)

3.5

カール・ドライヤーによる短編ドキュメンタリー三作目。

デンマーク各地の歴史ある教会を紹介するもので、こちらも政府の提案で作られた。

他の文化映画と違い、ドライヤーが好んで扱ってきた宗教的テーマの作
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田舎の水(1946年製作の映画)

3.4

「二人の人間」(1945)と「奇跡」(1955)の間に作られた短編文化映画二作目。

政府の援助によって作られた作品で、「母親支援」同様、あくまで生活のためのもの。
デンマークの井戸水の汚さをこれでも
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母親支援(1942年製作の映画)

3.0

当時から福祉に力を入れていたデンマークの母親支援機関にフォーカスを当てた文化映画。
母親の相談に乗り、教育し、子供を産み育てる準備の手伝いをする。そして父親を責任から逃さないように手続きもすすめる。
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アジアの嵐(1928年製作の映画)

2.8

モンゴル洗脳ムービー。

Filmarksにはドキュメンタリーとして掲載されていますが、思い切りフィクション。
モンゴルを舞台とした革命思想映画。
イギリス人がモンゴル人をいじめてて、モンゴル人が革命
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豚小屋(1969年製作の映画)

4.1

変態の破滅。

中世の荒野で人々を襲って人肉を貪る青年の話と、豚小屋でハッスルする青年を中心とした現代の会話劇の二つのエピソードを同時進行で描いた作品。

二つのエピソードを対比として描いたのか、共通
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アエリータ(1924年製作の映画)

3.2

古の超大作SFラブストーリー。

不倫した妻をぶっ殺して火星に飛んで火星の女王とイチャつく話。
メロドラマ的展開とソ連の革命思想とSF的ディテールがごっちゃごちゃ。

マーク・カザンズのドキュメンタリ
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マッチ売りの少女(1928年製作の映画)

3.0

あらすじはタイトルの如く、マッチ売りの少女。
マッチを売ろうとするも中々売れず、子供たちからは雪を投げつけられる。
帰るあてもなく冬の寒さに凍えながらマッチの火をつけると、そこには夢の世界が……な話。
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チャールストン(1927年製作の映画)

3.7

何がどうしたルノワール。

先住民ぽい格好の白人の少女がタキシードの黒人宇宙飛行士にチャールストンダンスを教えるという謎すぎる設定の幻想SF。
これをルノワールが撮ってるのがもう既におもろい。

絵面
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水の娘(1924年製作の映画)

3.4

ルノワールの単独監督デビュー作にして既にセンスの塊。

古の特撮技法を用いた幻想的なショットの数々、そして「ピクニック」で頂点に達する光のゆらめきはこの頃から。
映像美はシェストレムを彷彿とさせる。
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード7. 西ヨーロッパ映画の革命(2011年製作の映画)

3.6

【新たな衝撃/西ヨーロッパ映画の革命】(1957〜1964)

緊張と性の50年代〜60年代初頭を経て、ヨーロッパで新たな芸術性の模索へ。
ベルイマン、ブレッソン、ジャック・タチ、フェリーニの私的な映
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唯一、ゲオルギア(1994年製作の映画)

4.0

文化と人と歴史と政治と。

1994年、ジョージア。ソ連の崩壊後、民族紛争が勃発し混沌を極めていた時代。
現状に危機感を持ったイオセリアーニ監督が過去の膨大な映像や映画を再編集。ジョージアという国その
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード6. 映画の膨張(2011年製作の映画)

3.4

【映画の膨張/世界の映画に見る感情の爆発】(1952〜1957)

ダグラス・サークと各地の感情の爆発的メロドラマ。
エジプト、インド、中国、日本、ブラジル、メキシコそしてアメリカ。

メソッド演技の
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イヴ・モンタンの深夜列車(1967年製作の映画)

4.3

言語と言語の境界で。

ベルギーが産んだ鬼才ファブリス・ドゥ・ヴェルツの出身映画学校の設立者アンドレ・デルヴォーの代表作にして、私の人生ベストである究極のミュージカルラブコメの変態村に多大なる影響を与
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード5. 戦争の爪痕、新たな映画の潮流(2011年製作の映画)

3.4

【戦争の爪痕、新たな映画の潮流】(1939〜1952)

ジョン・フォードからオーソン・ウェルズへ。
戦争の悲惨から誕生したネオレアリズモ。
日常の卑近、本筋との無相関をあえて描く。
光あるハリウッド
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ストーリー・オブ・フィルム エピソード4. 音の出現(2011年製作の映画)

3.0

【米国映画のジャンルと欧州の傑作】(1930s)

ついにアメリカでトーキーの発明。
ジャンル映画の確立。
ミュージカル、ホラー、ギャング、ノワール、コメディ。
そしてアニメーション。ディズニー。
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そして光ありき(1989年製作の映画)

4.0

アフリカおっぱい祭り。

セネガルの小さな集落を舞台にしたドタバタ劇。
役者はみなアフリカ人で、言語も多分アフリカのなんか。みんな饒舌に喋るくせに字幕がほとんどつかない。たまにサイレント映画調に字幕や
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