ミミックさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

シドニアの騎士 あいつむぐほし(2021年製作の映画)

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テレビシリーズでの表現に面食らったので完結編も見届けてきた。デザインもCGも年々進化してるのがパッと見るだけでも分かる。つむぎのラブコメヒロイン度が上がってる。ラブと戦闘の配分も良い。映画館での音響が>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

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シリーズを続けてジャパニーズアクションの底上げを図った谷垣健治の功績は大きい。
早くてカット割りも複雑なのに、誰がどういう導線で動いて格闘してるのかほぼノンストレスで見れてるのは凄いこと。低い姿勢で走
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

近い内に『ストップ・メイキング・センス』を見ていたのも何かの縁だと感じ劇場へ。やはり鼓膜や肌を震わすリズムの鼓動なんかは家の環境だと再現するのは難しかったりお金が掛かったりするので、まるでライブ会場に>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

・20代の男女が楽しそうにしてるのを見てなんだか微笑ましい
・なんて事ない市井の人の恋愛をさりげなく描ける映画監督は稀有
・今回印象的にホン・サンス養分が多めに感じた
・リビングとテーブルとソファが一
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

2021/03/08
エヴァを最初に見た人間が世に放たれる時間ギリギリの朝10時に見た。

当初よりもだいぶ長いことかかったが、ようやくこのシリーズも終わりを迎えることが出来てなぜかこちらもひと安心。
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揺れる大地(1948年製作の映画)

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ヴィスコンティの豪華絢爛なイメージは後期の作品で、初期は庶民の生活に根差した徹底したネオレアリズモ路線だったんだ。潮に臭いが画面から漂ってきそうなシチリア島の漁師の町。仲買人に搾取される労働人。翻弄さ>>続きを読む

マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

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湯浅政明が映画でたまにやるマジカルな表現を全編に渡ってやってるようなアーティスティックなアニメーション。飼い主が次々と替わるマロナ目線で振り返る人生の走馬灯。自分より身体が小さく力も劣って物を言わない>>続きを読む

パラード(1974年製作の映画)

4.5

サーカスとミュージックホールとシットコムを混ぜ合わせたようなジャック・タチの原点であり集大成でもある観覧スタイルの演芸ショウ。

観覧席にも仕込み客がいてどこまでが演出でどこまでが素か分からないので、
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

望まれた妊娠ではないことで産まれた瞬間から運命を'のみ込ま'なければならなかった女性の開放に至るストーリー。

妻を気遣いながらも結局は自身の体裁やメンツが大事な夫(とその両親)のモラハラぶりは『哀愁
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

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格子ひしめく武家屋敷を思わせる広い家と広大なネット空間の対比。その他にも電話帳と個人アカウント、花札とアプリゲーム、家族のつてとオンラインネットワークなどアナログとデジタルの対比がこれでもかと強調され>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

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性産業の裏側を語る作品はそれ自体が性的に消費されてしまう懸念があるので扱ったりまして映画として面白く作るのはなかなか難しいんじゃないか。日本ではすっかり産業として根付いてきてるのにどうしてもタブー視さ>>続きを読む

ブレスレス(2019年製作の映画)

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あーそうか息が止まってるときだけ妻の幻影に会えるから止められ無かったのか。でも痛め付けられるのは単に性癖では?己の自尊心や自由、自我を剥奪され従順に屈することで到達する境地があるのか。プレイ時間外に求>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

冒頭で示されるように鳥の習性をヒトがやってみたらのワンアイデアのみで走り出したものの、育ててはいないし勝手に大きくなってるし、最終的に就くポジションが決まっているのならなぜやってるのかと疑問が尽きない>>続きを読む

シネマ歌舞伎 野田版 研辰の討たれ(2007年製作の映画)

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エンタメと風刺のバランスが良くてどの時代でも感じるものがある普遍的な作品。

野田秀樹らしい洒落と言葉遊びも散りばめ、序盤の道場シーンでの勘三郎の身のこなしなんて野田秀樹が乗り移ったかのよう。

シン
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光る眼(1995年製作の映画)

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ある日突然村人が失神し、同時に身ごもり超能力をもつ子供が生まれる。

乗っ取って侵略を目論む宇宙人なのか、子供の感情が分からない事のメタファーなのか、天災(あるいは人災)によって何らかの障害を持ってし
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炎628(1985年製作の映画)

4.7

・戦争が人を変える、大人も子供も
・4:3の画角を効果的に使って人物を配置してる
・『サウルの息子』や『異形の鳥』を連想
・ドイツ兵が本当に楽しそうに家を燃やしてるのがより狂気を帯びてる
・エビしゃぶ
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音楽(1972年製作の映画)

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不感症だと精神科医を訪ねた女から過去の兄との関係が語られる。ハサミの音とイメージの挿入が印象的。音楽ってなんの事かと思えばエクスタシーのことかえ。三島と増村のかけ算の期待値からはやや劣る。やけに明瞭な>>続きを読む

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

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性愛のみを求める女を向かいのアパートから覗くこじらせ青年。割りと陳腐なテーマだが文学的な香りをさせるのは監督の腕か。一方通行を愛と言い切るのには違和感。洗面器に拡がる朱が鮮烈。

終わりなし(1984年製作の映画)

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島国の日本と近隣諸国との支配と独立の歴史があるポーランドでは国民感情を100%理解できるのは難しい。子供の存在が見えなくなるほど愛する人の喪失は大きいものなのか。画面の明るさやルックって国によって変わ>>続きを読む

71フラグメンツ(1994年製作の映画)

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銃乱射を起こした大学生とたまたま現場に居合わせた何人かの被害者の事件までの数ヶ月を断片的に映す。

世界で起きる戦争もマイケル・ジャクソンの裁判も自分の事以外は全てを知ることは出来ず、断片的な情報から
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美しい星(2017年製作の映画)

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血迷った行動を宇宙人のせいにしたくなるのは分かる。

若葉竜也が歌ってた曲、どっかで聴いたような節回しだなと思ったら平沢進か。やはり不思議なSF作品との相性がよい。

邦画だとSF描写はどうしてもちゃ
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ロスト・イン・ラ・マンチャ(2001年製作の映画)

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当時で構想10年、中止になってから20年近く経って改めて完成に至るのだから監督のドン・キホーテへの思い入れは相当なもの。

予算、ロケ地、スケジュール、怪我、様々な不運が重なって中止せざるを得なかった
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シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど(2010年製作の映画)

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作られた頃から派遣の意味合いも変わってきてるのでゾンビに見立てるジョークが通じなくなってきてるのは確か。
歌やダンスなどはクドカンらしさがあるけど歌舞伎との相性はそんなにかな。
亡き勘三郎の脇役がピリ
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ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

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FIXの画面が決まりすぎてて時々ドキュメンタリーということを忘れる。

壊れゆく街でひとつの部屋でヤクを決める女、こんなディストピアみたいな場所が現実にあるならフィクションを作るよりもありのままを映し
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降霊 KOUREI(1999年製作の映画)

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音響の仕事の話なので見る側も自然と音響に敏感になる。風吹ジュンがファミレスで遭遇する赤ワンピースの女の霊が秀逸、すりガラスの組み合わせで顔をぼかすのが効果的。役所風吹夫婦は女の子を見つけた瞬間から全て>>続きを読む

怪談かさねが渕(1957年製作の映画)

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幽霊より怖い人の業。二代にわたる避けられない因果。おどろおどろしいのが海外のホラーにはない日本らしさ。お岩さんもそうだと思うけど、髪が抜け顔半分がただれるビジュアルのインパクトは抜群。

YUMMY ヤミー(2019年製作の映画)

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ベルギー産ゾンビは舞台こそ美容整形病院が珍しかったがわりかし普通のゾンビパニックもの。
もっとコメディに振りきっても良かったかも。
人体破壊描写は頑張ってたし、パーティのキャラも悪くない。
堤幸彦のド
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デカメロン(1970年製作の映画)

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禁欲主義へのアンチテーゼを笑い話に変えるオムニバス短編集。どれもオチちょい手前で終わってる印象で気付くと次の話に移ってる。倫理観が壊れたヤることで頭が一杯な人の滑稽さ。間に挿入される協会の壁に絵を描く>>続きを読む

恐怖(1961年製作の映画)

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どストレートのサスペンスで短いながら要点を抑えた手堅い作品。ホラー表現もベタだがちゃんとしてるし怖さが伝わる。やはり枷がある方が恐さが掻き立てられる(今回なら車椅子なのでその場から簡単には逃げられない>>続きを読む

ホーボー・ウィズ・ショットガン(2011年製作の映画)

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『グラインドハウス』内のフェイク予告から製作に至ったマチェーテと同じ成り立ち。

ヒャッハーな世界観で内蔵グチャーよりも血しぶきブシャー系なので、頭空っぽで人がどんどん吹っ飛ぶ爽快感に酔いしれる。
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鬼軍曹ザック(1950年製作の映画)

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矛盾と不条理を体現するザックを通じて見る戦争。神の視座で争いをする人類、映るのは大仏だがキリスト教的。終盤の戦闘シーンの迫力、やはり経験者が撮る戦争映画は言葉にはできないものが画面から滲んでいる。

太陽の蓋(2016年製作の映画)

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やばいものに蓋をして見ないふりをするのは、もはや国民性と言えるほどべったりと根付いてしまった。

安全神話が崩れたあと、何十年何百年と負の遺産を我々が背負わなければならない。そんな手に負えない産物を作
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サーカス(1928年製作の映画)

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逃げ込んだサーカス団に入団して芸や恋に励むチャーリー。

ほぼ動きっぱなしで話を展開するこれぞチャップリン、舞台もサーカスでクラウンのような演目から綱渡りなどの曲芸までほんと多才。

序盤の警察から逃
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キートンの線路工夫(1965年製作の映画)

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車目線のレール旅は線路の独占感と解放感が凄そう。乗せられるがままの状態での真顔での立ち姿や佇まいがあぁキートンだなあ。車内で生活しようとするせわしなさ、赤いボックスはさながら四次元ポケットか。行き帰り>>続きを読む

ツバル(1999年製作の映画)

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外を知らないアントンとひとりぼっちのエヴァが夢の島ツバルを目指す。無国籍感、特定の言葉はなし、斜めの画角などさすが表現主義の国ドイツらしいチャレンジングな作品。廃れたプール施設のロケーションが良い。キ>>続きを読む

I AM アルフレッド・ヒッチコック(2021年製作の映画)

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ヒッチコックの映画人生を有識者が語る。
妻アルマとのなれそめにほっこり。
プロデューサーとの相性が作品の出来にダイレクトに響くんだ。
多くの監督が喋る中でイーライ・ロスのマニアっぷりが際立つ。
オスカ
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